ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.6後編(2016/04/20・23) C

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(Update:2016/04/28)

 

【位ヶ原、ツアーコースへの進入ルート・誘導ロープ】

昨年の位ヶ原
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) C

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) D

今回の位ヶ原
先週より30センチ減少
昨年より25センチ多い

位ヶ原の積雪量は、先週より30センチ減少して、昨年より25センチ少ない状況。周辺のハイマツもやや目立つ状況になってきました。21日(木)の雨で雪解けが進んだ模様です。

【位ヶ原急斜面と伊奈川の谷について】

【本物】左の谷−位ヶ原急斜面(正規下山ルート) 【偽物】右の谷−伊奈川の谷(間違えて何度も遭難あり)

さて、こちらは位ヶ原急斜面を上から眺めたもの。左が「本物」で右が「偽物」です...

この2枚の画像は左右連続写真(※)で、左が本物の位ヶ原急斜面で。右は伊奈川の谷で位ヶ原急斜面ではありません。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進んで、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありません。
(※ 実際には左右の画像の間に尾根部分があります。)

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面から下山する際に間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面や伊奈川の谷の周辺の位置関係は、ノリクラ雪渓カレンダー冬〜春スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

伊奈川の谷−大きな岩場があるのが特徴(中央)

伊奈川の谷には雪着きの悪い大きな岩場があり、これが位ヶ原急斜面との大きな違いです。濃霧の中でも、斜面の中に大きな岩場があるかどうか確認できるはずです。

 

22日((金)に地元の方々により誘導ロープ設置 − 誤ってツアーコースの隣に入らない措置

なお、22日((金)に、伊奈川上部から前川あたりにかけてご覧のような誘導ロープが地元の方々により設置され、誤ってツアーコースの隣の沢に立ち入ることがない措置が取られました。

 

【ツアーコースは下山滑走できるか?】

位ヶ原急斜面 ブッシュが目立つようになってきた

ここからはツアーコースの積雪状況についてお伝えします。前回までは下から上に向かってお伝えしましたが、今回から上から下へとお伝えします。こちらは位ヶ原急斜面。ブッシュが目立つようになってきました。若干滑走し辛い状況です。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) C

先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) D
今回の位ヶ原急斜面
先週より50センチ減少、昨年より2メートル少ない

位ヶ原急斜面の積雪は、先週より50センチ減少して、昨年より2メートル少ない状態です。また、過去5年間の中でも1メートル以上少ない状況です。

 

少しコブ状になって来た

位ヶ原急斜面を過ぎると再びブッシュの少ないバーンに。「年末にも撮ってもらいましたよ!」と、声をかけてくださったこちらの方。位ヶ原急斜面を過ぎて6番標識に向かうところですが、少しコブができています。今回も素敵な笑顔を見せてくださり、撮影させていただきました。

 

昨年の6番標識手前の谷
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
先週の6番標識手前の谷
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) C

今週の6番標識手前の谷
先週より谷が深くなってきた − 下山滑走転倒注意

今年は全く埋まらなかった6番標識の谷。先週よりも谷がやや深くなっていて、下山滑走では転倒に十分注意してください。

今年もこの付近の下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が発生しております。特に曇ったときなど影のできにくい状況では、地形の状況が不明瞭になり、ウェーブの存在に気づかず、減速しないまま突っ込んでしまう場合があります。

 

昨年の5番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) C

今回の5番標識
先週より30センチ減少
昨年より90センチ少ない

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より30センチ減少して、昨年より90センチ少ない状況です。

 

5番付近からブッシュが目立つ

5番付近からブッシュが少しずつ目立つようになってきました。滑走には問題ありません。

 

昨年の5番標識
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2015/04/25) B
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) C

今回の3番標識
先週より15センチ減少
昨年より10センチ少ない

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より15センチ減少して、昨年より10センチ多く、ほぼ昨年並みです。

 

3番標識からブッシュ・切り株で滑走ラインが制限される

3番標識からブッシュ・切り株で滑走ラインが制限される状況になってきました。ただ、バーンが分断される場所はまだありません。

 

先週の1番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.5(2016/04/16) C
今回の1番標識付近
昨年より75センチ少なく、 2週間早い雪解け

1番標識は積雪が根元よりも低くなり、先週よりも30センチ減少し、昨年より75センチ少なく、2週間早い雪解けです。

 

1番標識下 − ブッシュの合間に雪がある

1番標識より下になると、ブッシュの合間に雪があるといった状況になってきます。

 

入口急斜面の最上部 − 積雪はあと1週間程度でなくなる
=次週末は乗鞍岳春山バスで下山を!=

そして、一番問題なのは、入口急斜面の最上部。この部分の積雪がなくなるとブッシュが人の背丈以上になり、歩いて降りることもできず、下山困難になります。おそらく、あと1週間ほどで積雪がなくなりますので、次週末は位ヶ原山荘から乗鞍岳春山バス下り便にて下山することをお勧めします。

 

入口急斜面 − 下山滑走はあと1週間、長くて2週間 ゲレンデトップ − ここから歩いて下山
=次週は乗鞍岳春山バスで下山をお勧めします!=

入口急斜面全体もブッシュ・切り株が目立ち、滑走はあと1週間、長くて2週間といった所。そして、右の画像はゲレンデトップですが、ここからはかもしかゲレンデを歩いて三本滝駐車場まで下山です。おそらく歩いて30分くらいと思います。

先ほども申し上げましたが、入口急斜面の最上部はあと1週間程度で、ここを抜けられないと下に降りることが困難ですので、次週末は位ヶ原山荘から乗鞍岳春山バス下り便にて下山することをお勧めします。

 

<編集後記>

「春山バスと観光客...」

今回は春山バス試運転の前編と、春山バス運行初日の後編に分けてお届けしました。かつての1日1便の頃のスキーヤーオンリーの時代と比べると、かなり観光化したように感じられます。もっとも、事業者側も観光客も重視した姿勢に変わってきているからだと思います。

ただ、いかんせん、自然しかない場所...雪遊びを目的にやってくるスキーヤーなら、春山バスを降りれば、自分たちの目的に沿った行動ができますが、観光客の場合はもう少し遊び方を指南する必要があるのではと思います。このことは毎年申し上げているかと思いますが、やはり何度も言い続けないといけないと思って、あえて申し上げます。

山を指南するといえば、山岳ガイドがその仕事になるかと思います。安全に山頂に連れて行くのがガイドの仕事ですが、その道中をいかに楽しく過ごさせるかというのも重要な要素で、特に高山植物などはよく知っているガイドかどうかによって、ツアーの成果が大きく左右されます。

それと同じように、一般観光客の方々にも、バスを降りて次便に乗るまでの間、何か遊べる・学べる要素を提供する時期に入ってきていると思います。

 

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