ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2016/05/14〜15) C

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(Update:2016/05/19)

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

バスガイドさんが同乗(6/18〜9/17の毎日、2往復で実施)

それでは、ここからは乗鞍スカイラインを行くバスの車窓の様子をお伝えします。今回は来賓バスということで特別にバスガイドさんが同乗されていますが、6月18日(土)〜9月17日(土)までの毎日、バスガイドが乗車して観光案内をするサービスが実施されます。(乗車する便は1日二往復、ほうのき発:9:55、13:55。畳平発:10:50、14:50。料金は通常運賃のみ。)

 

ヒルクライマーの姿が

国道158号線から平湯峠への旧道に入ると、マイカーの姿はほとんどなくなり、乗鞍スカイラインを目指すヒルクライマーが目立ってきました。

 

平湯峠 − この先、乗鞍スカイライン、マイカー規制 ここから出発するヒルクライマーの方々
=入場者数が減少する中、自転車だけは急増=

そして、こちらが標高1684メートルの平湯峠。乗鞍スカイラインはここから始まります。マイカーはこの手前の駐車場まで通行可能で、ご覧のように数多くのマイカーがみられます。しかし、ここからはシャトルバスに乗車することはできません。お越しのマイカーはすべて畳平を目指すヒルクライマーの方々。開通初日のヒルクライムに挑みます。

乗鞍岳入込数は、マイカー規制初年度の平成15年の23万人から年々減少し、昨年は12万人と過去最低となってしまいました。しかし、全体の入れ込み数が激減する中、自転車入れ込み数は逆に急増していて、今年は前年比166%増の7227名でした。入込数全体の割合からすればわずかな数字ですが、166%という急増ぶりには目を見張るものがあります。

 

昨年の平湯峠付近
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2015/05/15〜16) A
今回の平湯峠付近
積雪ゼロ

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになって来るはずですが、ご覧のように今年は残雪ゼロです。

 

乗鞍スカイラインの前身は戦前の軍用道路

この時期のバスの車窓は雪景色が一つの魅力ですが、それがなくともバスガイドさんの説明は多岐にわたります。

「乗鞍スカイラインは昭和48年に完成した全線2車線の道路ですが、その前身は戦前の陸軍の軍用道路でした。当初は道幅3メートルの計画だったのに対し、濃飛乗合自動車の当時の社長だった嶋精一氏は、将来戦争が終わって軍用道路が払い下げられれば、登山バスの運行も可能になること見据え、道幅を3.6メートルで工事するよう提唱し、拡幅分の費用を全額負担されました。」

上嶋清一翁の功績をたたえる顕彰碑が、夫婦松駐車場の一角に建立されています。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今回の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
積雪ゼロ

夫婦松駐車場を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。こちらも残雪ゼロ。おそらく、これほどまで積雪のない年は過去にはなかったのではないでしょうか?

 

車窓からは北アルプスの山々が一望

車窓からは北アルプスの山々が一望できます。画像でははっきりわかりませんが、穂高の山並みをバックに焼岳とアカンダナ山・安房山と連なっている様子がわかります。

 

図や写真を使用しながら説明

バスの車内では、乗鞍周辺の山の話から乗鞍に生息する雷鳥など、図や写真を使用しながらの説明が続きます。ノリクラをよくご存じの方なら既知の内容とは思いますが、車窓の様子を織り交ぜながらのテンポ良い説明は耳あたりのよいもの...そして、再確認させてくれる良い機会になります。

 

昨年の猫の小屋跡地
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今回の猫の小屋跡地
昨年より1週間早く、例年より2週間早い雪解け

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。道路の左側の積雪を見ると、昨年より1週間ほど早い雪解けで、例年と比べると2週間程度早い状況です。他の箇所と比べると、昨年・例年との差が少ないほうです。

 

ようやく積雪がみられるようになって来た

この付近(森林限界手前)から車窓から積雪がみられるようになってきました。

 

森林限界を超えて − 濃霧が

しかし、それと同時に森林限界以降は濃霧に見舞われます。

 

昨年の烏帽子岳
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今回の烏帽子岳
昨年より1週間早い雪解け

森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ標高2550m)。濃霧のため全貌が確認できませんが、おそらく昨年より1週間程度早い雪解けではないかと思います。

 

四ッ岳カーブ − もっとも雪壁の高い場所

さらに進んで10kmポストを越えると乗鞍スカイラインの中で最も雪の壁が高くなる四ッ岳カーブに差し掛かってきます。

 

昨年の四ッ岳カーブ
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今回の四ッ岳カーブ
例年の6月上旬〜中旬頃の積雪量

高山市・飛騨乗鞍観光協会の発表では、最大で5メートルの積雪量があるとのことで、全体的には例年の6月上旬〜中旬頃の積雪量です。

 

関係者の車両も同行

来賓バスのほか、関係機関や報道関係者の車両も同行。

 

桔梗ヶ原

四ッ岳カーブ、土俵ヶ原から平坦な桔梗ヶ原へと向かいます。例年なら一面の銀世界のはずなんですが、ハイマツの絨毯が広がり、初夏に近い光景です。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
今回の鶴ヶ池雪渓
例年の6月上旬の積雪状態

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

ただ、今年は積雪量が少なく、例年の6月上旬の状態となっています。そのため、滑走できるのはあと2〜3週間程度と考えられます。

 

畳平

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。

 

【畳平−乗鞍岳山開き祭】

畳平に到着 − 乗鞍本宮へと移動

バスが到着した10時の畳平の気温は6.5℃。風はほとんどありませんが少し肌寒さを感じる状況。そして、この後、安全祈願神事が行われる乗鞍本宮へと移動します。

 

安全祈願神事

これまでは屋外のテントで行われていたため、一般観光客の方も安全祈願神事をテント外から垣間見ることが可能でしたが、昨年から乗鞍本宮で実施することとなったため、中之社に一般観光客の方が入ることができず、その様子は残念ながらご覧になることは難しいようです。

 

来賓の方々の玉串奉典

のりと・お祓いに続いて、来賓の方々の玉串奉典。

 

年より良いシーズンになることを願って乾杯

「どうか賑々しく、去年より良いシーズンになることを、改めてお祈りをしながら、乾杯をさせていただきます。」との宮司様から乾杯の挨拶で安全祈願神事が無事終了しました。

 

来賓の祝辞(高山市長)

安全祈願神事に続いて、バスターミナル前で来賓の祝辞があり、その中で、「高山市は市になって今年で80年の節目の年でありますが、この記念の年にふさわしい天候を用意していただきましてありがたいと思います。昨年は12万人余の方がお越しいただきましたが、全盛期と比べると何分の1であります。今年は何とか20万人・30万人の皆さんに登っていただけるように誘致を行っていきたいと思います。それには各方面の方々のご指導をいただきたいと思います。」と、おっしゃっていました。

 

樽開き

そして、いよいよクライマックスの樽開き。

 

樽酒の振る舞い

樽酒の振る舞いは、スキーヤー・登山者など一般の方へ、数多く提供されます。

 

丹生川特産のトマトジュースのサービスも

お酒がダメという方には、乗鞍の麓の丹生川で取れたトマトを使ったジュースも提供され、毎年お越しのヒルクライマーの方々も受け取っていらっしゃいました。トマトジュースはいわゆる「トマト臭さ」があって、敬遠する方もいらっしゃいますが、丹生川のトマトジュースは甘味が強く、トマトジュースが嫌いな方でも問題なく飲んでいただける美味しさがあります。

 

樽開きを目当てにやって来ました

今日はこの樽開きを目当てにやって来たというこちらの方々。くれぐれも飲みすぎには十分注意を...

 

昨年の12万人から20万人の来場を目指す

今年から、国民の祝日「山の日」が8月11日に制定されました。また、高山市街地には海外からの観光客も増えていて、それらの流れをいかに乗鞍地域に生かすのかが一つの課題になってくるかと思います。高山市・飛騨乗鞍観光協会では、今年は昨年の12万人から20万人への来場者増加を目指したいとのことでした。

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