ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2016/05/20〜22) @

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(Update:2016/05/26)

 

5月中旬から下旬にかけて、天候の良い日が続く続くことが多く、今回はまさにそんな週末でした。そして、このような天気のことを「1円玉天気」と表現する業界用語があるそうです。つまり「崩しようがないほど安定した天気」という意味とのこと...天気だけでなく、空気感もさわやかで、「こんな天候が毎日続いてくれたら」なんて思うものです。

さて、春山バスの大雪渓延長運行は、例年5月下旬から6月上旬に始まりますが、今年は積雪量が少ないため、道路除雪が早く完了し、21日(土)から大雪渓延長運行が始まりました。スキーヤー・ボーダーにとって喜ばしいことですが、稜線付近の積雪も少ないため、滑走可能時期も短くなる可能性があって、急いで春スキーを楽しんでおかなければいけない状況です。なお、大雪渓・山頂の全体的な積雪状況は、昨年並みかやや少なく、例年6月上中旬並みでしょう。

それでは、20日(金)の位ヶ原山荘〜大雪渓間の春山バス試運転の様子、21日(土)の大雪渓延長運行初日の様子、そして、22日(日)の一の瀬園地で行われたすもも祭りの様子をまとめてお伝えいたします。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【5月20日(金)、乗鞍岳春山バス 大雪渓に向けて試運転】       【5月21日(土)、観光センター前、春山バスは大雪渓へ】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ − 車窓の風景】       【春山バス、大雪渓に到着】
Page-3 : 【大雪渓下部】       【畳平周辺】
Page-4 : 【肩の小屋へ】       【肩の小屋】       【肩の小屋から稜線へ】
Page-5 : 【稜線(蚕玉岳〜朝日岳)】       【稜線(蚕玉岳〜朝日岳)】
Page-6 : 【5月22日(日)、第45回 乗鞍高原すもも祭】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>   ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線版  
(シャトルバス・マイカー規制) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(乗鞍岳春山バス) − お知らせ−2016シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について
(施設・道路情報) − 2015シーズン終了に伴う 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定

  

 

【5月20日(金)、乗鞍岳春山バス 大雪渓に向けて試運転】

観光センター前 − 大雪渓延長に向けて試運転

現在、乗鞍岳春山バスは位ヶ原山荘までの運行となっていて、その先の大雪渓に向けて除雪作業が続けられ、二日前に除雪が完了しました。今回は乗鞍岳春山バスの大雪渓延長運行に向けて試運転が行われました。

 

「位ヶ原山荘から大雪渓までは何キロ?ですか」

大雪渓への延長運行は、除雪完了が確認されてから実施されるため、例年、5月下旬〜6月上旬とばらつきがあり、明確な日程が決められていません。今年は積雪量が少なく、位ヶ原〜大雪渓間の除雪が例年より1週間程度早く完了し、ここ数年では最速の除雪完了でした。今回の試運転で安全が確認されると、正式に大雪渓への延長が決定・発表され、明日5月21日(土)からの運行が可能かどうかが判断されます。

今回の試運転は、松本市、アルピコ交通、のりくら観光協会、そして、報道各社など構成で試運転が行われました。

 

9時40分観光センターを出発

すでに位ヶ原山荘までは1日4便の運行が行われていますので、試運転は実際の定期運行便を用いて行われました。9時40分観光センター発の便に一般乗客と一緒に関係者が乗車し、位ヶ原山荘にて一般乗客の方の降車を確認したのち、大雪渓への試運転を行うという段取りです。

 

車窓には新緑が広がる 車内は楽しそう

位ヶ原山荘までの車窓はもうほとんど雪景色はなく、新緑の世界が広がります。車内ではいろいろな会話を交わす中、知らない人同士がノリクラという共通の話題で仲良くなってしまいます。都会の雑踏の中で他人同士が言葉を交わすことなど、まずありえないことでしょうが、ちょっとしたきっかけで周りの雰囲気を和ませてくれるものです。

 

位ヶ原山荘

そして、位ヶ原山荘に到着。ここで一般観光客の方の降車を待ちます。

 

試運転開始

位ヶ原山荘を出発して、ここからが試運転です。

 

森林限界を超えると雪景色

位ヶ原山荘が森林限界の直下に位置しているため、位ヶ原山荘を出発してほどなくすると、高山帯の風景へと様変わりします。積雪量も一気に増加して、雪壁がみられるようになってきます。

 

積雪状況確認

そして、最も雪壁が高い4号カーブ付近で一旦バスから降りて、除雪状況を確認します。右の画像のように雪壁越しに穂高の山並みが見られますが、雪壁と春山バスと穂高の山並みというコンビネーションは、例年ならおそらく見られないのではないかと思います。それは、例年通りの雪壁の高さがあれば、雪壁が高すぎて雪壁の外の景色がみられないからです。

ただ、少し手前の箇所では、道路の直線方向遠方に穂高を配して雪壁と眺める構図は毎年確認できますので、大雪渓・肩の小屋口バス停で春山バスを下車されたら、こちらまで歩いて戻ってご覧ください。(実際に見られる構図は、5月22日(日)速報の画像@にて紹介しておりますので、そちらをご確認ください。)

なお、4号カーブを含めた県道乗鞍岳線のカーブ番号の位置は、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。

 

4号カーブ雪壁8メートル

4号カーブの雪壁の高さは8メートル。ほぼ昨年と同じ高さです。

 

撮影に夢中... 道路幅も十分

例年だと1.5車線分しか除雪されない状況ですが、今年は除雪の進捗状況がよく、道幅も広くなっています。それでも迫りくるバスを何とかカメラに収めようと、観光協会の女将たちも撮影に夢中...

 

雪壁の中を行く

位ヶ原山荘から大雪渓までの区間は例年の半分程度の積雪とのことですが、4号カーブに関しては、例年と遜色ない状況といえるでしょう。

 

大雪渓到着 「問題なく運行できそうですね」

大雪渓に到着して、運行に問題ないことを確認します。

 

明日5月21日(土)より大雪渓運行決定

協議の結果、明日5月21日(土)より大雪渓への延長運行を開始することが決まりました。

 

【5月21日(土)、観光センター前、春山バスは大雪渓へ】

観光kセンター前、快晴

そして、翌日5月21日(土)は、真っ青な快晴の朝を迎えます。

 

駐車場内の様子 「今日から大雪渓に行くんですよね。」

「昨日のWebSite見ましたよ。今日から大雪渓に行くんですよね。」と、今日は自作のスキー板をお供にお越しになりました。ボードの自作は結構あるようですがスキーの自作は珍しいとのこと...

 

八重桜 − 上高地乗鞍スーパー林道B線入口

さて、新緑の季節を迎えた乗鞍高原は、一斉にいろいろな木々は花を咲かせる時期でもあります。こちらは白骨温泉に向かう上高地乗鞍スーパー林道B線の入口。その隣に八重桜が咲いています。ソメイヨシノなどが終わった後に咲きますが、それでもこんな遅い時期まで咲くことはなく、市街地などでは4月上旬が花期ではないでしょうか?ノリクラの桜前線到来は、北海道とほぼ同じなんです。

そして、角度を変えて料金所の建物があったところをからよく見ると...

 

ノリクラ・八重桜ベストポジション

ノリクラの山並みと八重桜が映り込むベストポジション。ただし、電線がかなり煩わしく、今回は画像処理で電線の一部を削除いたしました。

 

ウワミズザクラ − スモモの後に咲く白い花

本来なら、今の時期はスモモが綺麗に咲いているはずですが、今年は二週間前に終わってしまい、今、乗鞍高原で数多くみられる花はウワミズザクラ(上溝桜)。漢字で書けば間違えないと思いますが、「ウスズミザクラ(淡墨桜)」と紛らわしいですね。古来、亀の甲羅をウワミズザクラの木で焼いて、亀甲のひび割れの形で収穫を占った事から、このように呼ばれているとのこと...

木の高さはかなり大きく、特徴ある花ですのですぐにわかるはずです。

 

ズミ(別名:コナシ) − こちらもスモモが終わった後に咲く。咲き始めはちょっと紅色

こちらはズミ。コナシとも呼ばれています。

こちらもウワミズザクラと一緒に咲いています。大きさはウワミズザクラと同じか、もう少し高さがあります。赤いつぼみから白い花を咲かせます。そのため、咲き始めやつぼみが残っている状態だと、全体的に赤っぽく見えますので、こちらもすぐにわかるはずです。スモモと間違えるケースがありますが、スモモよりも木が大きく、咲く前から葉がありますので、見分けられることでしょう。

正式名称は「ズミ(桷)」。秋には赤い酸っぱい実ができることから「ズミ(酢実)」、樹皮を煮詰めると黄色い染料になり「ソミ(染み)」など、語源に諸説があります。「ズミ」よりも「コナシ(小梨)」のほうが一般的かと思いましたが、「コナシ」は別名で、このほか「コリンゴ(子林檎)、ミツバカイドウ(三葉海棠)とも呼ばれています。

 

春山バス始発便は4台運行 行先表示は「大雪渓・肩の小屋口」に変更

さて、観光センターに戻ると、乗鞍岳春山バスに乗車しようとされる方の列は50メートル以上にもなっています。今日の始発便は4台が運行されました。バスの行先表示(方向幕)は、昨日までの「位ヶ原山荘前」から「大雪渓・肩の小屋口」に変更されています。

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