ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2016/05/20〜22) D
【稜線(蚕玉岳〜朝日岳)】
蚕玉岳〜朝日岳稜線滑走エリア(赤点線内) |
こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像左側のピークが蚕玉岳山頂(標高2979メートル)、画像右側のピークが朝日岳山頂(標高2975メートル)で、その間の稜線からが滑走エリアで、大雪渓へとつながります。大雪渓に滑り降りる手前のクレパスには注意してください。
一昨年の稜線付近 速報(2014/05/24) ↓ |
昨年の稜線付近 速報(2015/05/23) ↓ |
今回の稜線付近 一昨年は積雪の多い年で、昨年は今年よりやや少ない状態 |
稜線付近の積雪は、部分的には昨年より少なかったり多かったりまちまちですが、全体としては昨年よりも多い傾向になってきました。昨年も積雪の少ない年で、5月中旬頃は急速に雪解けが進み、今年よりも積雪がやや少ない状態となっています。(画像右上)
その前の2014年は積雪の多い年で、厳冬期と等しい積雪状態でした。(画像左上)
稜線付近 − 岩が数多く出現 |
稜線付近はご覧のように岩が数多くみられるようになってきて、滑走エリアを左右に二分する状態になってきました。
肩の小屋からの登山道 |
こちらは肩の小屋から続く登山道付近。しっかりとした踏み跡ができています。ただ、下りの人が雪面を足を滑らせながら下山すると、踏み跡が消えてしまいますので、できれば、踏み跡に沿って下山していただくと、登ってくる方の安全が確保されます。
踏み跡は1本だけ −
すれ違いはどちらかが外へ =この時にアイゼン装着してないと道を譲れない= |
踏み跡は1本しかありませんので、どこかですれ違いをしなければなりませんが、その時はどちらかの方が道を譲るために、ライン外に出る必要があります。その際にアイゼンがないと不安定ですので、踏み跡があるからと安心せず、ラインから外れた場合のことを考えてアイゼン着用が上りでも安全でしょう。
大雪渓に滑り降りる箇所で雪解けが目立つ(赤丸) |
稜線部分は豊富に雪がありますが、大雪渓に滑り降りる箇所の雪解けが目立ってきました。
大雪渓に滑り降りる箇所 − あと1〜2週間で途切れる可能性が |
一番細いところで20メートル程度の横幅がありますが、今後の雪解けで、おそらくあと1〜2週間で途切れるのではないかと考えられます。
昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2015/05/23〜24) B ↓ |
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2016/05/14〜15) E ↓ |
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線 昨年とほぼ同じ、例年より1週間早い雪解け |
こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年とほぼ同じ状態で、例年よりも1週間程度早い雪解けです。
昨年の権現ヶ池 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2015/05/23〜24) B ↓ |
先週の権現ヶ池 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2016/05/14〜15) E ↓ |
今週の権現ヶ池 昨年とほぼ同じ、例年より1週間早い雪解け |
こちらは御岳の二ノ池に次いで国内2番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。昨年とほぼ同じ状態で、例年より1週間程度早い雪解けです。
昨年の朝日岳 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2015/05/23〜24) B ↓ |
先週の朝日岳 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2016/05/14〜15) E ↓ |
今週の朝日岳 昨年とほぼ同じ、例年の6月上旬〜中旬並み |
朝日岳は昨年よりも1週間程度遅い雪解けで、例年の6月上旬〜中旬並みの積雪状態です。
【稜線(剣ヶ峰〜蚕玉岳)】
剣ヶ峰〜蚕玉岳滑走エリア | 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 |
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。
昨年の蚕玉岳山頂付近 2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2015/05/23〜24) C ↓ |
先週の蚕玉岳山頂付近 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2016/05/14〜15) E ↓ |
今週の蚕玉岳山頂付近 例年と大きな差がない |
蚕玉岳山頂付近の様子。今週は思ったほど雪解けが進んでいません。例年と比べてもそれほど大きな差は見られません。
積雪期のノリクラは初めて |
こちらの方々は夏のノリクラはよくお越しになるとのことですが、積雪期のノリクラは初めてとのことで、積雪情報は当WebSiteをチェックしてお越しになったとのこと(ありがとうございます)。山頂方面から眺める位ヶ原の唐草模様も夏場からは想像もできない光景でしょう。
「エメラルドグリーンだよ!」 | 雪解けの始まった権現ヶ池 |
「エメラルドグリーンだよ!」と稜線の対岸に駆け寄ると、雪解けの始まった権現ヶ池が青く光り始めてきました。
それでは稜線からの滑走バーンの様子をご覧ください。
横幅は130メートル |
稜線直下の横幅は130メートル。現時点では何ら問題なく十分な広さがあります。
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昨年の位ヶ原 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2015/05/23〜24) C |
今回の位ヶ原 昨年とほぼ同じ状況、例年の6月中旬並 |
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昨年の剣ヶ峰直下の岩 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2015/05/23〜24) C |
今回の剣ヶ峰直下の岩 昨年と同じか1週間遅い雪解け、例年の6月上旬並 |
上段の位ヶ原は昨年とほぼ同じ状況で、例年の6月中旬の積雪状況。下段の下段は剣ヶ峰直下の岩付近は、昨年とほぼ同じか1週間遅い雪解けで例年の6月上旬ごろの積雪状況です。
バーン分断場所(赤丸箇所) |
稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ(赤丸部分)。今週はバーン中央に岩の頭が出現しました。今後、ここでバーンが分断されると、稜線からの滑走ができなくなります。
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昨年のバーン分断場所 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2015/05/23〜24) C |
今回ののバーン分断場所 全く同じ状態 |
こちらがその岩の頭。例年6月中旬から下旬ごろになって現れますが、昨年も同じ時期に出現しました。
昨年はその3週間後にご覧のようにバーンが分断されました。今年も同じ傾向であれば、6月中旬ごろまでは稜線からの滑走可能であると推測できます。
稜線から約1kmすると(→) | 県道乗鞍岳線に到達 − 高さ2.3メートル、昨年より高い |
稜線から約1kmのバーンを滑り降りると県道乗鞍岳線に到達し、ここで終了です。道路はすでに除雪が終わっていますので、切り通しの雪の壁ができていて、その高さは現在2.3メートル。
これまでの状況は、昨年の2メートルが最低で、2014年は3.9メートル。2013年はまだ除雪がされてなく、2012年は4.4メートル、2011年は3メートル、2010年は3〜4メートルでした。さらにさかのぼると2003年に2.5メートルという記録があり、今年は昨年に次いで2番目の低さということになります。
先週までは、昨年以上の雪解けがみられたものの、今週は昨年よりも多い部分もあって、これまでのような極端に少ない状況ではなくなっています。
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