ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2016/05/28〜29) @
5月最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
さて、先々週の乗鞍スカイラインオープン、先週の乗鞍岳春山バスの大雪渓延長運行開始など、盛り上がる話題が目白押しでしたが、今週は岐阜側滑走指定地の鶴ヶ池雪渓での滑走不能となり、稜線付近の雪解けが顕著になってきて、残念ながら春スキーとしては消極的な話題が耳に入ってくるばかり...梅雨が終わっていないどころか、まだ始まってもいない時期で、夏山シーズンまでの1ヶ月間をどのように過ごそうか思案しなければいけなくなるかもしれません。
個々のエリアの積雪状況は、この後の各コーナーでご覧いただきますが、全体的には例年の6月中旬前後の状況で、大雪渓下部の至っては6月下旬から7月上旬に相当する積雪状況になっていて、今後の推移が気がかりです。
平年の梅雨入りは6月8日(東海地方・関東甲信地方)で、梅雨入りに向けてカウントダウンが始まろうとしているこの時期ですが、29日(日)は秋空を思わせるような見事な青空に恵まれ、春山シーズン終盤の貴重な二日間の様子をご覧ください。
【5月28日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。気温11℃、ご覧のようにどんよりとした朝で、少し肌寒さを覚えます。
曇っていても山頂はくっきりと |
曇っていても、山頂方面はご覧のようにくっきりと。そして、右側の富士見岳の中腹をよく見ると、県道乗鞍岳線の除雪が通っていることがわかります。ここは4号カーブに匹敵する深い切り通しになるため、上部から滑走した場合はかなり危険です。富士見沢の除雪後は、この上部を滑走されないことをお勧めします。
そして、観光センター隣の自然保護センター。
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レンゲツツジ −
先週はつぼみだった 速報(2016/05/20) |
今週は開花へ |
先週はつぼみだったレンゲツツジ。今週は開花が始まりました。乗鞍高原の入口に相当する中平地区からこちらの鈴蘭地区まで、ほぼすべてで開花しています。
道端に目を向けると | アマドコロ |
道端の様子に目を向けると白い花がたわわに咲いている様子を発見します。さらに良く見ると葉の下に一列にいっぱい花が咲いています。こちらはアマドコロ(甘野老、ユリ科アマドコロ属)。葉や茎に甘味があって山菜として食用されます。
一の瀬つつじ園 | レンゲツツジ − つぼみはまだ固い |
さて、レンゲツツジが観光センターで咲いていたのなら一の瀬園地では...こちらのつつじ園はつぼみも硬いまま。どうやら、観光センター周辺とは1週間ほどの開きがあるようです。来週もう一度確認に来ましょう...
乗鞍岳春山バス乗場 | 乗車券の販売 |
そして、観光センターに戻ると、乗鞍岳春山バス始発便の乗車券販売が始まっていました。
アルペンボーダーやレーシングスキーやなど夏スキーヤー・ボーダーの姿が目立ってきました |
今日はアルペンボードのグループと、レーシングスキーのジュニアたちの姿があります。例年であれば、いわゆる「夏スキーヤー」の姿が数多くみられるようになるのは、シャトルバスの運行が始まる7月からですが、今年は雪不足で滑走できる場所がもうなくなってしまい、7月を待たずにノリクラ入りを早めているようです。
春山バス始発便は3台 |
今日の始発便は3台。大雪渓に向けて出発します。
【観光センターから大雪渓へ −車窓の風景】
それでは車窓に映る風景をご覧ください。
白い花 − ズミ(コナシ) | 白い花 − ウワミズザクラ |
先週もお伝えしましたが、スモモが終わった後に目立つ白い花はこちらのふたつ...左はズミ(コナシ)、右はウワミズザクラです。
花の形が違うので近づくとわかる(左:ズミ、右:ウワミズザクラ) |
どちらも背の高い木で見分けがつきませんが、花の形が違いますので、近寄ってみるとすぐにわかるはずです。
三本滝ゲート − この先冬季閉鎖 | 自転車も通行禁止 − 岐阜側乗鞍スカイランはOKです |
観光センターから7km先の三本滝ゲート。マイカーでの通行はここまでで、この先は冬季閉鎖中で、ゲートで閉鎖されています。ゲートには右の画像のような表示もされていて、自転車も通行禁止です。そのため、春山バスには自転車を積み込むことができません。春山バスとシャトルバスはほとんど同じ仕組みですが、唯一異なる点は自転車の積み込み禁止だけといってよいでしょう。
なお、岐阜県側の乗鞍スカイラインは5月15日にオープンし、自転車の通行も可能ですから、7月まではそちらでヒルクライムされることをお勧めします。
ムラサキヤシオツツジ − バスの車窓からも十分確認できます |
こちらはかなり目立ちますので、バスの車窓からでも十分にわかるはずです。ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅)。染料に何度でも漬けて染めたほどの鮮やかさから、このような名前が付いたとのこと。
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先週の摩利支天バス停上(29号カーブ上) | 今週の摩利支天バス停上(29号カーブ上) =新緑前線が到来した!= |
そして、「新緑前線」も徐々に高度を上げています。こちらは標高2000メートル付近の摩利支天バス停上(29号カーブ上)ですが、先週までは左の画像のようにまだ緑がなかったものの、今週は一斉に新芽が芽吹いてきました。やはり芽吹き始めると一気に明るさを感じるもので、日に日に変化して行きます。
位ヶ原山荘 |
さらに進んで標高2350メートルの位ヶ原山荘。先々週まではこちらが春山バスの終点でした。もちろん、大雪渓までの延長運行が始まっても、こちらで乗降することが可能で、スキーヤーの中には、大雪渓から位ヶ原山荘まで下山滑走して、こちらでバスを待ちながらコーヒー・生ビールなどで休憩される方もいらっしゃいます。
屋根板方面 − 雪解けが進む | 大雪渓から位ヶ原山荘への下山は困難 =大雪渓から春山バスにて下山をお勧めします= |
ただ、左の画像のとおり、大雪渓から下山滑走する屋根板はかなり雪解けが進んで岩場・ハイマツ帯が多くなり、右の画像の最終地点では雪渓の下を川が流れるようになり、踏み抜きの危険があります。そのため、大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走は困難な状況になってきましたので、今後は、大雪渓から春山バスに乗車して下山されることをお勧めします。
積雪は森林限界より上部に限定されてきました。
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先週の11号カーブ(ツアーコース入口) | 今回の11号カーブ(ツアーコース入口) =左下に着目= |
位ヶ原山荘から約1.5km先の11号カーブ(ツアーコース入口)。左は先週の画像、右は今回の物です。左下に着目すると...
ウラジロナナカマドの芽吹 |
今週になって、ウラジロナナカマドが芽吹き出しました。森林限界を超えた山岳地帯で、春を感じさせる唯一のヒトコマです。
雪壁 |
そして、最後は雪壁。
4号カーブ雪壁 | 高さ最大7.2メートル − 昨年よりも高い |
最も高いのは大雪渓から数百メートル手前にある4号カーブ。現時点で高さは最大7.2メートルあって、昨年の5.8メートルよりもかなり高い状態です。ここを通過すると終点の大雪渓は間もなくです。
なお、県道乗鞍岳線のカーブ番号の位置は、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線のカーブ番号版 をご覧ください。
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