ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2016/05/28〜29) E

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6 

(Update:2016/06/02)

 

【乗鞍岳頂上小屋と剣ヶ峰頂上】

乗鞍岳頂上小屋 今年は5月15日から営業開始

乗鞍岳主峰 剣ヶ峰の直下にある乗鞍岳頂上小屋。今年は5月15日から営業を開始しています(当面土日のみ)。中に入るのをちょっとためらう方もいらっしゃいますが、どうぞ中の方へ...

 

改築に伴う寄付を募っています 屋根板にメッセージを残す

乗鞍岳頂上小屋は大正時代に建てられ老朽化が進み、昨年、建て替えられました。ただ、すべてが完成したわけではなく、今後の屋根を葺くなど、外装・内装を行います。こちらは屋根を葺く木の板。改築に伴う寄付を募っていて、屋根板にはご自身のメッセージを残すことができます。

先代の建物は80年以上続いていましたので、残されたメッセージは孫の世代まで受け継がれることでしょう...

 

注文が入ってからドリップするコーヒー

バッジなどの記念品のほか、コーヒーなどの飲み物の販売も行っています。山小屋とはいえども、注文してからドリップします。標高3000メートルでは水の沸点が低いので、提供までにちょっとお時間いただきますが、お待ちの間、小屋の中に漂う木の香りを楽しんでいただければと思います。

 

小屋の奥さんは気さくな方...

 

「どうしようかなぁ〜、ノリクラ、今日が最後だしなぁ〜〜」 ゲットしたバンダナ − さっそく巻いてみました!

「どうしようかなぁ〜、ノリクラ今日が最後だしなぁ〜〜」と、今シーズン最後のボードにお越しになったこちらの方。迷われていましたが、やっぱり気になってオリジナルバンダナをゲット...さっそく頭に巻いて、今シーズン最後の稜線滑走に向かわれました。

乗鞍岳頂上小屋は、現時点では土日営業のみですが、夏山シーズンはほぼ毎日営業され、シャトルバスの営業が終わる10月末まで続けられます。

 

乗鞍岳主峰 剣ヶ峰山頂(標高3026メートル)

乗鞍岳頂上小屋から登ること5分。標高3026メートルの乗鞍岳主峰 剣ヶ峰に到着。正午の気温は10℃、やさしい風が吹き抜けています。

 

360度のロケーション 「毎週毎週、好きだねぇ〜」

360度のロケーションに包まれ、どこを撮っても絵になる風景です。そして、やはり今週もお越しになった常連ボーダーも登頂...「毎週毎週、好きだねぇ〜」 これが「おはよう」とか「こんにちわ」といった挨拶代わりの合言葉です。

 

【稜線(剣ヶ峰〜蚕玉岳)】

剣ヶ峰〜蚕玉岳滑走エリア(赤点線内) 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年の蚕玉岳山頂付近
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2015/05/30〜31) D
先週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2016/05/20〜22) D
今回の蚕玉岳山頂付近
昨年より1週間遅く、例年の6月上旬〜中旬並み

蚕玉岳山頂付近は、先週から高さ1メートルほどの雪解けがみられ、昨年より1週間遅く、例年の6月上旬〜中旬並みの積雪状況です。

 

「午前中、焼岳いってきて、今日、二つ目の登頂なんですよ〜」

「午前中、焼岳いってきて、今日、二つ目の登頂なんですよ〜」と、おっしゃるこちらの方。日本百名山を目指す方だと、1日に複数の山に登るケースもあるようですが、「夏になったらジャンダルムに行きたいので、そのトレーニングに...今日は6時から中の湯から登り、10時に下山してノリクラにやってきました。」とのこと...時刻はお昼を少し回った頃ですので、もう一つどこか登ることができそうですね〜

 

どうして山の上のカップラーメンは美味いんだろう... 眼下に流れる雲を眺めながら

眼下に流れる雲を眺めながらのランチタイム。どうして山の上で食べるカップラーメンは美味しいんでしょうか...

 

横幅は105メートル

稜線直下の横幅は北側部分の雪解けが進んで、先週の130メートルから105メートルに。それでも十分な横幅です。

 

昨年の位ヶ原
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2015/05/30〜31) D
今回の位ヶ原
昨年とほぼ同じ状況、例年の6月中旬下並
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2015/05/30〜31) D
今回の剣ヶ峰直下の岩
昨年と同じか1週間遅い雪解け、例年の6月中下旬並

上段の位ヶ原は昨年とほぼ同じ状況で、例年の6月中下旬の積雪状況。下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、昨年とほぼ同じかやや遅い雪解けで例年の6月中下旬の積雪状況です。両者とも今週の雪解けスピードに大きな変化は見られません。

 

岩の頭の出現場所(赤丸箇所)

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ(赤丸部分)。先週からバーン中央に岩の頭が出現しました。今後、ここでバーンが分断されると、稜線からの滑走ができなくなります。

 

昨年のバーン分断場所
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2016/05/20〜22) D
昨年のバーン分断場所
次週末は分断の可能性も

先週の岩の出具合は昨年とほぼ同じでしたが、今週は昨年より高さが低いため、昨年より雪解けが遅い状況のようです。昨年は翌週にバーンが分断され、今年もおそらく次週末には分断する可能性がありますが、一旦、板を外せば滑走できるレベルではないかと思います。

 

線から約1kmすると(→) 県道乗鞍岳線に到達 −高さ1.6メートル、過去最低

稜線から約1kmのバーンを滑り降りると県道乗鞍岳線に到達し、ここで終了です。道路はすでに除雪が終わっていますので、切り通しの雪の壁ができていて、その高さは現在1.5メートル。

昨年は1.6メートル、2014年は3.5メートル。2013年は2.5メートル、2012年は4.2メートル、2011年は2.7メートル、2010年は3〜4メートルで、過去最低の積雪量になってしまいました。

 

【昨年の今ごろは?】

2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2015/05/30〜31) @

5月27日(水)より、乗鞍岳春山バスの大雪渓延長運行が始まりました。
春山バスの運行は4月29日より始まってゴールデンウィークの大型連休を迎え、5月15日には乗鞍スカイラインもオープンしました。そして、先週の5月24日は乗鞍高原のすもも祭、今回の春山バス大雪渓延長と続き、5月はめまぐるしく状況が変わりました。また、6月に入ると梅雨入りを迎えるため、貴重な晴れ間を今のうちに楽しんでおかなければならず、忙しい5月でもありました。

さて、1日目の5月30日(土)は、朝からよい天候に恵まれたものの、春山バスが大雪渓に到着した8時ごろにはモクモクとして夏のような雲がわき始めて、青空を覆い始めます。その様子はまるで夏の光景そのもの。ただ、それ以上の天候の変化はなく、お昼前には上空に筋状の高い雲が流れるようになり、気温の上昇も抑えられて、暑くもなく寒くもなく穏やかな気候が終日続きます。また、これまではあちこちで見られていた雷鳥の縄張り争いが影をひそめ、オスとメスのつがいの姿があって、産卵への重要な時期へと差し掛かっているようです。

2日目の5月31日(日)は、朝一番の雨が収まり曇り空からのスタートです。上空は低い雲が垂れ込め、道中の乗鞍スカイラインは全線濃霧が続き、畳平は気温3℃と肌寒い状況でした。しかし、8時40分に濃霧が一気に消え去って快晴の見事な天候に。爽やかな空気に置き換わって終日秋のような天候が続きました。

 

<編集後記>

「今年は何もかもが前倒しに...」

雪解けが早いというより、今年は冬季の降雪が少なかったため、積雪状態が例年よりも2週間から1ヶ月程度前倒しになっていることは、本編内でお伝えしている通りです。そのため、乗鞍岳春山バスは例年より1〜2週間程度早く大雪渓延長運行が始まりました。また、稜線からの滑走も、まだ5月だというのに、そろそろ終盤を迎えています。

でも、絶対に変わらないのは、県道乗鞍岳線の冬季閉鎖解除。畳平までの全線が開通は7月1日に決まっていて、積雪が多くて道路への崩落や落石の危険性があって、延期されることはあっても短縮されたことは過去にはありません。ですから、今年はすでに終点(県境)まで除雪が終了しているにも関わらず、7月1日までの1ヶ月間を指をくわえながら待つことになります。

県道乗鞍岳線は生活道路でなく観光道路です。そのため、地元住民の生活に直接的な支障が出ることはないため、早期に開通させなければならない切迫性のある事情はないかもしれません。ただ、観光道路はそれを目的に訪れる方が多く、ノリクラの大きな目玉一つでもあります。開通させれば長野・岐阜の通り抜けができるようになり双方の利益を生み、閉鎖させれば機会の損失が続きます。早期に開通できる今年の状況を見ると、ちょっともったいないなと感じるところです。

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  -  Next-Page (Vol.4) >>