ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2016/06/17〜18) E

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(Update:2016/06/23)

 

【春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓に到着 − 気温11℃、柔らかく吹き抜ける風の心地よさ

春山バス始発便が到着した8時の大雪渓は見事な快晴が続いています。気温は11℃、暑くもなく寒くもない気候で、柔らかく吹き抜ける風の心地よさを感じます。

 

板を担いで 板をザックに

スキーを肩に担いで、出発です。モーグル・アルペンレーシングなど、種目によって練習に適したバーンが異なり、大雪渓の各エリアに移動します。そんな中、バックカントリースキーのように、スキー板をザックに固定するコブ管理人。先週 新設した雪渓上部左側のモーグルコースに向かいますが、やや遠いので、このスタイルが一番楽なんです。もっとも、スキー板のほかにスコップも持参しなければならないので、このスタイルにせざるを得ないという事情もあります。

 

大雪渓から肩の小屋への登山道 積雪区間があります

こちらは大雪渓入口から北に50メートルほど進んだところにある登山道入口。右の画像のとおり、途中にはまだ積雪区間が残っています。

 

アイゼンを装着して モーグルコースの岩の左側へ(青線)
=赤線は行き止まりになります=

積雪区間は58メートルですが、雪に慣れていない方は特にお勧めしますが、アイゼン着用を推奨します。また、積雪で登山道が隠れているため、赤線のようにそのまま直登して、モーグルコースの岩の右側を進んでしまう方がいらっしゃいますが、この先は行き止まりになりますので、青線のようにモーグルコースの岩の左側を進むと、正規の登山道が再びあらわれます。

 

雪の上を黄色い声で楽しそう

黄色い声を出しながら、雪の上を楽しそうに行くこちらの方々。明日の乗鞍天空マラソンを控えて、今年も願掛け登山にお越しになりました。

 

明日の乗鞍天空マラソンを控えて願掛け登山

お話をお聴きすると、「明日のマラソンよりもこちらが本番!」と、おっしゃり、写真を撮ったり動画を撮ったり、山頂に向かうまでの過程を十二分に楽しまれていました。

 

【大雪渓下部 T】

大雪渓入口 縦溝は先週よりもなだらかに

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。先週は縦溝がひどくなっているとお伝えしましたが、今週は幾分なだらかな感じに戻っています。ただ、全体的にみると、再氷結した氷柱がみられるようになってきて、バーンコンディションは7月に近い状況となってきました。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2016/06/11〜12) A
今回の大雪渓入口
昨年より5週間早く、例年の7月下旬並み

入口付近の様子は、先週まで残っていた下の部分がなくなり、昨年より5週間早く例年の7月下旬並みの積雪状況です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬 47メートル)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2015/07/25〜26) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2016/06/11〜12) A
今回の大雪渓入口(49メートル)
昨年より5週間早く、例年の7月下旬並み

岩の帯の先端から車道までの距離は車道からの距離は49メートル。昨年・例年とも5週間早く、7月下旬並み。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
ノリクラ雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2016/06/11〜12) A
先週の登山道入口
昨年より3週間早く、例年の7月上旬並み

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。昨年より3週間早く、例年より7月上旬並み状況です。

 

今週の登山道入口(隙間3メートル)
昨年より2週間早く、例年の7月中下旬並み

車道との間の隙間は3メートル、昨年より2週間早く、例年の7月中下旬並みです。

 

登山道の高山植物 コバイケイソウ(長さ15センチ)、シナノキンバイ(丸っこい)

入口付近では雪解けに伴い、登山道が姿がをあらわし、現在30メートル先まで雪解けが終わっています。そしてその傍らには毎年見られるシナノキンバイが新芽をつけ始めました。まだ小さく、出始めたばかりですが、昨年より3週間程度早い進捗です。シナノキンバイの左に15センチ程度伸びているのはコバイケイソウです。山麓で山菜として珍重されるオオバギボウシに似ていて、誤って食用にするケースがたびたび見られますが、有毒ですのでご注意ください。

 

登山道に積雪のあるうちは...(→) 積雪期は急斜面区間を迂回してもOK

先ほども申し上げたようにこの先は積雪があります。比較的急斜面ですので、積雪のあるうちは雪渓内を迂回してもよいと思います(画像右)。

その場合、右の画像の青線ルートのように大雪渓入口から、緩い斜面を選んでモーグルコースの岩方面に向かうことをお勧めします。ただ、これは雪渓下部に積雪が残る時期までのことで、無雪期の夏山シーズンになったら、登山道のルートから逸脱されないようお願いいたします。また、青線ルート上ではスキーヤー・ボーダーが滑走されている場合がありますので、徒渉は滑走者への配慮していただき、濃霧でモーグルコースの岩方面が不明瞭なら、正規の登山道から入山するようお願いいたします。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.11(2015/07/18〜19) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2016/06/11〜12) A
今回のモーグルコースの岩
昨年より1ヶ月早く、例年の7月上中旬並み

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

積雪状況は、先週同様に今週は昨年より1ヶ月早く、例年の7月上中旬並みとなっています。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2016/06/11〜12) A
今回の石碑の岩
昨年より4週間早い雪解く、例年の7月上中旬並み

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。こちらも先週と同じく、昨年より4週間早い状況で、例年の7月上中旬並みです。

 

チングルマ −つぼみ、昨年より4週間早い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。2週間前から芽吹きましたが、今週はもうつぼみができています。昨年より4週間早い状況です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月上旬)
ノリクラ雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) B
今回の石碑の岩の下部のバーン
昨年より3週間早い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、中央部分の岩やその周辺の状況から、昨年より3週間早い積雪状況です。

 

過去の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2013/07/27〜28) C
今回の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
例年の7月中旬並み

石碑の岩の南側には雪渓上部から雪渓下部へ滑り降りるエリアがあります。例年の7月中旬並みの積雪状況で、あと2週間程度は雪渓上部から下部への下山滑走が可能かと思います。

 

雪渓中段全景

こちらは雪渓中段の全景画像。中央の大岩に注目してみると...

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26) C
今回の雪渓中段の大岩
昨年より5週間早い雪解け、例年の7月中下旬並み

先週は昨年より1ヶ月早い雪解け状況でしたが、今週は昨年よりも5週間も早い雪解けで、このエリアは雪解けが早くなり、例年の7月中下旬の積雪状況です。この大岩だけでなく、周辺では岩の数が多くなってきました。この状態だと雪渓中段での滑走は恐らくあと3週間〜1ヶ月程度と考えられ、例年なら8月上旬ごろに雪渓上部と雪渓下部が分断されますが、今年は7月上中旬と思われます。

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