ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2016/07/08〜09) @

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6

(Update:2016/07/14)

 

7月10日(日)は参院選挙投票日...でもありましたが、乗鞍スカイラインをステージとした自転車ヒルクライムレース「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」が開催されました。そちらの取材に出向く都合から、今回のノリクラ雪渓カレンダーは一日前倒しして取材しております。なお、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム特集は、7月下旬掲載予定です。掲載時にはトップページとTwitter(@norikura_org)にてご案内いたしますので、ぜひともご覧ください。

7月8日(金)は、久々の青空の朝を迎えたものの、次第に薄い雲がかかって曇り空へ。そして、大雪渓では10時頃から雨が降り始めるものの、レインウェアが必要かどうか迷う程度の降り方。山頂方面の視界はもとより、遠景の山並みは水墨画のようにきれいに浮かび、視界は良好。特に山麓の乗鞍高原方面はいつも以上にはっきりと確認できる状態でした。そして、この1週間の雪解けの激しさに、訪れたスキーヤーは驚きを隠せない状況。その後もどんよりとした天候が続き、降ったりやんだりを繰り返し、15時過ぎからまとまった雨降りとなりました。

7月9日(土)は、昨日、夕方からの雨が降り続く一日でした。大雪渓の気温は午前中は10℃で、先週のような寒さに凍えるような状態ではありませんでした。シャトルバスは長野側・岐阜側ともに雨天時ダイヤとなり、シャトルバスでお越しの方はほとんどなかったものの、自前のマイクロバスでお越しのグループはこの天候でも結構いらっしゃり、雪渓上部右側はポールレッスンや基礎キャンプ等でにぎわっていました。この1週間の雪解けは激しく、例年の8月中旬並みの状況になり、場所によっては8月下旬〜9月上旬の状況に至るまでになっています。また、畳平のお花畑も高山植物の見頃の時期が早くなり、本来なら今が見頃のハクサンイチゲが終わりに近づき、ミヤマクロユリが全面満開になっていました。午後からは、明日、乗鞍スカイラインで行われる「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」の大会会場である殿下平総合交流ターミナルに向かいます。雨の降り続く中、受付手続きをされる様子や車検のために自転車を持参の方々等の様子があり、選手の方々は、「今日はこんな天気でも、明日は回復するとわかっているので、期待したいと思っています。」と、一様におっしゃっていました。結局、降り続いた雨の影響で、夕方5時に乗鞍スカイラインは通行止めとなり、このまま明日も朝から通行止めとなれば、大会開催が危ぶまれます。そして、雨は完全に収まるのは夜中となり、今日は本当に雨ばかりの一日でした。

先ほどももうしあげましたが、大雪渓の積雪状況は、この1週間の雪解けが激しく、例年の8月中旬並みで、場所によっては8月下旬〜9月上旬の積雪量を示す場所もあり、そろそろ、雪渓下部での滑走が困難になりつつあります。大雪渓での夏スキーを計画されている方は、お早目にお越しになることをお勧めします。梅雨明け頃には雪渓下部はなくなり、滑走エリアが少なくなる可能があります。

それでは、二日間の様子をご覧ください。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月9日(土)、観光センター駐車場】       【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
Page-2 : 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 U(三本滝ゲート〜大雪渓)】
Page-3 : 【大雪渓に到着】      【雪渓下部 T】 
Page-4 : 【雪渓下部 U、短くなってもまだ滑走可】       【雪渓中段、学生たちのキャンプ】 
Page-5 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部 U、基礎キャンプ】
Page-6 : 【雪渓上部 V】       【肩の小屋】       【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>

【長野県安全登山条例について】   (Page-3)

●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>   ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線版  
(シャトルバス・マイカー規制) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(長野県安全登山条例) − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)。(2016/04/13)

  

 

【7月9日(土)、観光センター駐車場】

観光センター前駐車場

7月9日(土)、早朝6時の観光センター前駐車場。

 

昨日夕方から降り続く雨の朝を迎えます。

 

周期的に強弱を繰り返す雨

夜中は結構まとまった雨脚でしたが、明け方以降は弱い雨。それでも、周期的に強弱を繰り返します。

 

雨天時のBダイヤ

そのため、今日のシャトルバスは雨天時用のBダイヤ。通常のAダイヤは1時間に1便の運行ですが、Bダイヤは2時間に1便程度まで減便された運行となります。ただし、始発便と最終便はどちらも同じ時刻に運行されます。雨天時のダイヤは降水確率が40%を超える場合に適用されますが、週末と重なった場合は減便対応しない場合もあるものの、今日は乗鞍スカイラインでも雨天時用のダイヤが適用されました。

 

【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】

 それでは、いつものように大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。こちらの画像は一日目の7月8日(金)の様子です。

 

すずらん橋駐車場(Mt乗鞍 第3駐車場)の入口 ナツツバキ

7月は数々の山野草・高山植物の季節ですので、少し沿道の花々にも触れたいと思います。こちらはすずらん橋駐車場(Mt乗鞍 第3駐車場)の入口付近。先週もお伝えしたナツツバキ(夏椿、ツバキ科ナツツバキ属)が咲いています。

 

花弁が落ちている これから咲くつぼみと咲き終わって膨らんできた子房

しかし、よく見ると地面には無数の花弁が落ちています。そして、枝先を見ると、まだこれから咲くつぼみと、咲き終わって膨らんできた子房が同時に存在しています。確か、昨年はこのような現象は見られなかったように記憶していますが、もう少し調べてみないとわかりません。

 

ノイバラ

さて、もう少し進んで、休暇村の手前では見事なノイバラが咲き誇っています。

 

マルハナバチ

よく見ると、忙しそうに飛び回るマルハナバチ。そして、足には巣に持ち帰るための花粉団子を蓄えています。

ハナアブとの違い@ − ホバーリング、後ろ足を下に垂らす ハナアブとの違いA − 花粉団子

ハナアブとミツバチ(マルハナバチ)の違いに翅の枚数(アブは2枚、バチは4枚)がありますが、現実的にはどちらも2枚に見えてしまい、翅の枚数では見分けることはまず無理でしょう。もっとも見分けやすいのは花粉団子をつけているかどうか...そして、ミツバチ(マルハナバチ)はホバーリングしたり、後ろ足を下に垂らした形で飛ぶところでしょうか?(アブはガニマタ)。

マルハナバチはずんぐりとした体に小さな翅で、航空力学的に飛ぶことは不可能だといわれていましたが、実際には空気の薄い高山帯でも器用に飛び回っています。短い花期にたくさんの蜜や花粉を集めるために、わき目も振らずにノイバラの周りを飛び回っています。

 

沿道の山野草・高山植物

この時期は本当に数多くの山野草・高山植物が一気に咲くため、全部に目が行き届きません。でも、ちょっと変わった形の山野草が沿道を埋め尽くしている様子に目が留まります。

 

ヤマオダマキ 中央の黄色が強い部分が花、その外が萼

こちらはヤマオダマキ(山苧環、キンポウゲ科 オダマキ属)。苧環(おだまき−紡いだ麻糸を管状の巻き上げたもの)に、形状が似ているところからこのように呼ばれています。後ろに長い特徴的な部分も花の一部のように見えますが、これは花を包む萼片で花はその中にあります。萼が花弁に見えてしまう植物は数多くあります(アジサイなど)。

 

三本滝ゲート 7月から自転車通行可能に...おや〜!

観光センターから7km先の三本滝ゲート。7月から冬季閉鎖が解除され、自転車の通行(ヒルクライム)も可能になりました...おやっ!このジャージ、このお二人は...

 

中込 辰吾・由香里ご夫妻 − 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に向けてトレーニングが始まる

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍では、知らない人はいないはず...中込辰吾・由香里ご夫妻。女子B優勝は不動の存在です。
「次は位ヶ原山荘までにしようか...いや、冷泉小屋でいいよ。」と、区間を区切りながら調整を繰り返します。本番まで1ヶ月半程度ですが、これから各選手が本番に備えた練習のために、この三本滝ゲートを何度も行ったり来たりすることと思います。

 

かもしかゲレンデのニッコウキスゲ

さて、先週もお伝えしたかもしかゲレンデのニッコウキスゲ。まだ、つぼみが残っていますので、しばらく楽しめることともいます。ニッコウキスゲは1日花ですから、翌日には萎れてしまい、次のつぼみへとバトンタッチします。

■ 次のページは >>  Page2 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 U(三本滝ゲート〜大雪渓)】 ■

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   1  2  3  4  5  6  Next>>