第13回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム

(2016/07/09〜10) C

 

 

 


 

【レース展開U、平湯峠〜ゴール】

乗鞍スカイラインの特徴はその眺望 北アルプスの山々を眺めながら
‏‎8:30:08 【地図表示10】

乗鞍スカイラインは、それまでの未舗装の山岳道路を改良して1973年(昭和48年)に完成しました。そして、30年の償還期間を経た2003年から無料化となるのと同時に、環境保護のためにマイカー規制となりました。実は有料道路時代は自転車の通行は認められず、マイカー規制開始と同時に自転車通行が可能となり、本大会(乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム)はその翌年の2004年から始まりました。

乗鞍スカイラインの特徴はその眺望にあり、背後にはアカンダナ山・焼岳・奥穂高岳と北アルプスの山々が右に左に広がります。

 

7km地点

乗鞍スカイラインに入るまでは、振り返っては絶えず後方の様子を気にしていた矢部選手。でも、もう後方の気配すら感じられなくなってきました。こちらは7km地点、乗鞍スカイラインに入って2kmのところ。乗鞍スカイラインの入口から3kmとなる夫婦松駐車場付近までがややきつい勾配が続きます。

 

@ 矢部選手 08:37:55

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A 若松選手 08:38:53  B中村選手 08:39:00 
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7km地点の通過タイムは、1位の矢部選手は22分55秒、2位の若松 達人選手は23分53秒、3位の中村 俊介選手は24分00秒で、矢部選手と若松選手の差は58秒で、矢部選手がかなり先行しています。(途中で中村選手と若松選手の順位が入れ替わっています。)

この先、数百メートルのところに、夫婦松駐車場があります。

 

夫婦松駐車場 =足切り時刻は10時00分です= 夫婦松駐車場に上嶋清一翁 顕彰碑
=乗鞍スカイラインの前身の軍用道路の建設に貢献=
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こちらが7.4km地点の夫婦松駐車場。出走順にかかわらず、ここを10時までに通過できなければ足切りとなります。なお、今回のレースでの最終通過者は9時55分で、足切りされた選手はなかった模様です。

夫婦松駐車場には、乗鞍スカイラインの歴史上で重要な人物の顕彰碑があります(上嶋清一翁 顕彰碑)。

乗鞍スカイラインの前身は戦前の軍用道路だったことは有名なことですが、当時3メートル幅で工事を実施する軍に対して、濃飛自動車乗合株式会社の社長だった上嶋清一氏は、将来戦争が終わって軍用道路が払い下げられれば、登山バスの運行も可能になること見据え、道幅を3.6メートルで工事するよう提唱し、拡幅分の費用を全額負担されたとのこと。拡幅分は総工費42万円のうち8万円ですが、当時の濃飛自動車の全従業員の給料の2年分に相当する高額で、その後の返済には苦労されたとのことです。

軍用道路は昭和17年に完成し、終戦を迎えて県道に編入されるものの、戦後直後、誰もが登山バス運行など実現するとは思わなかった中、関係方面に強く働きかけ、昭和24年に実現できました。この顕彰碑は昭和48年の乗鞍スカイライン完成時に建てられたものですが、上嶋氏の功績がなければ、現在の乗鞍スカイラインの発展はなかったものと考えられます。(参考文献:雲上銀座への道瀬口貞夫著)

 

夫婦松を過ぎると勾配がやや緩くなる
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夫婦松駐車場を過ぎると、勾配がやや緩くなり、ややスピードを乗せて走ることができるようになります。木々の間からは北アルプスの山並みを垣間見ながらのヒルクライム。

 

ペースを緩めることなく
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後続とは1分以上の差がありますが、ペースを緩めることなく、走り続けます。

 

自分との戦い
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もう完全に自分との戦い。来年のチャンピオンクラスにはもっと多くの選手に挑戦してもらいところ...

 

@ 矢部選手 08:54:34 A 若松選手 08:55:50
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そして、森林限界手前の11.7km地点。1位の矢部選手と2位の若松選手の差は1分16秒でさらに広がっています。

 

12.4km地点(8kmポスト) −見た目以上の劇坂

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12.4km地点(乗鞍スカイライン8kmポスト)付近から森林限界が近づきますが、12km付近〜13km付近(乗鞍スカイライン8〜9kmポスト)の区間は、足を全く休ませてくれない直線の劇坂となります。

画像正面の山は猫岳。乗鞍岳は主峰 剣ヶ峰(標高3026メートル)をはじめとした23の峰々の総称で、猫岳も乗鞍岳の一つです。乗鞍スカイラインは、猫岳・烏帽子岳・四ッ岳など数々の峰々を縫うように進んで行きます。

 

劇坂区間は勾配10% 眼下にはほおのき平スキー場
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この1kmの劇坂区間は標高差100メートルですから勾配10%。この区間を抜けると。眼下にはほおのき平スキー場のゲレンデがはっきりと確認できるはずです。

 

雲海が浮かぶ − 遠方は白山
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北西方向の眺望が開けると見事な雲海。遠方には加賀の白山が確認できます。もっと重厚な雲海が広がったときには、白山までびっしり雲海が続き、雲の上を歩いて白山までいけるのではないかと錯覚するくらい...

 

四ッ岳カーブ − 路肩に積雪が残っている年も
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そして、14〜15km地点の四ッ岳カーブへと進みます。四ッ岳カーブは乗鞍スカイラインの中でも積雪の多い場所で、積雪の多い年だと、路肩に残雪が残っている様子を見ることもできますが、今年は厳冬期の降雪が少なく、春以降の雪解けが速かったため、6月下旬に完全になくなってしまいました。

 

標高2500メートル − 気圧は平地の7〜8割程度
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標高は2500メートルを超え、気圧は平地の7〜8割程度。レースは後半に入って、体力的に厳しくなってきます。

 

烏帽子岳と土俵ヶ原 桔梗ヶ原
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周囲は完全に山岳風景。右の画像は烏帽子岳をバックにした土俵ヶ原。気温は10℃前後で微風という好条件。土俵ヶ原からヘアピンカーブを二つ抜けると桔梗ヶ原へ...広大なハイマツ帯の広がる台地は、勾配が緩くなりヒルクライムから解放されます...ギアをトップに入れ替え、風を切り裂きながらゴール目指してと力いっぱい走り抜けて行くだけ...

 

山岳地帯の特有の風景を堪能できる

青空と雲のコンビネーション。森林限界を超えた山岳地帯を行く乗鞍スカイラインだからこそ巡り合える...

 

ゴールはもう目の前...

 

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