ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2016/07/23〜24) @

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(Update:2016/07/28)

 

7月18日(月)に九州から東海地方にかけて梅雨明けが発表され、連日良い天候が続いています。梅雨明け十日の安定した天候は、ヒルクライマーの待ちに待った夏空です。雨に降られる心配がなくなれば、空の状況を気にせずにヒルクライムできるもの...夏スキーや登山と異なって、あとのメンテナンスを考えると、雨はできる限り避けたいところです。

7月23日(土)は、綺麗な青空の朝を迎えましたが、中腹あたりに霧がかかり、位ヶ原7号カーブ付近からその霧(雲海)の上に抜けて、大雪渓は見事な快晴。ただ、日中になると、その霧も次第に大雪渓・山頂方面へと昇り、昼前以降の大雪渓は日差しが完全になくなります。山麓から登ってくる霧と同時にひんやりとした空気も運ばれ、天然のクーラーの心地よさは最高。周期的に濃霧に覆われて視界が奪われることがあったものの、それ以上の天候の変化はありませんでした。

7月24日(日)も昨日とほぼ同じような天候。朝一番の乗鞍高原は周期的に曇ったり晴れたりを繰り返しますが、山頂方面はその雲の上だったようで、ご来光はまずまずだったとのこと。中腹にかかる雲の高さは昨日よりやや高く、山麓から大雪渓・山頂方面に絶えず流れ込んで、朝一番を除いて、ほぼ曇状態。また、流れ込む空気も昨日と同じくひんやりとしたもので、汗しらずの一日でした。また、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まで、あと1ヶ月となり、ヒルクライマー数は207と今季最高をカウントしました。

大雪渓の積雪状態は、この後のコーナーで詳しくお伝えしますが、さらに雪解けスピードが速まり、9月上旬頃の状況で、場所によっては10月上旬に匹敵するほど。車道沿いの雪渓下部は滑走不能となり、雪渓上部右側・左側のみ滑走可能状態です。ただ、こちらも例年よりも面積・距離が短く、雪渓上部右側はもちろんのこと、雪渓上部左側でもポールが林立する状態です。場所を融通しあって練習していただくようお願いいたします。

それでは、二日間の様子をご覧ください。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月23日(土)、観光センター駐車場】       【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
Page-2 : 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 U(三本滝ゲート〜大雪渓)】       【大雪渓に到着、雲海の上、ヒルクライムだ!登山だ!】
Page-3 : 【雪渓下部 T】
Page-4 : 【雪渓下部 U、雷鳥の親子】       【雪渓中段】       【雪渓上部T】
Page-5 : 【雪渓上部 U】       【肩の小屋】
Page-6 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】      <編集後記>

【長野県安全登山条例について】    (Page-3)
【カラス対策 − 絶対にザックから食べ物・レジ袋を放置しないこと】   (Page-4)

●参考資料●
(周辺地図) − ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>   ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線版  
(シャトルバス・マイカー規制) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(長野県安全登山条例) − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)。(2016/04/13)

  

 

【7月23日(土)、観光センター駐車場】

観光センター前駐車場

早朝6時の観光センター前駐車場。

 

山頂付近には雲の帯

気温14℃、綺麗な青空の朝を迎えますが、山頂方面は雲の帯が流れる状況。この後、乗鞍高原はどんよりとした曇り空となりますが、雲の帯の高さによって天候が大きく左右されるのが標高差の大きいノリクラの特徴といえます。

 

シャトルバス始発便

シャトルバス始発便。7月になって、少しずつ人出が増えてきている様子がみられますが、今年は全体的にやや少ない傾向。海の日の三連休が過ぎると夏休みに入り、家族連れの方々が増えてきてもおかしくありません。ただ、今年は関東甲信で梅雨明けが遅れていて、その影響からレジャーに出かけようという雰囲気に至っていないのかもしれません。

 

自転車持ち込みは輪行バックで梱包してください 植物調査の学生さん

長靴に枝打ちばさみに自転車といういでたちは大学の植物調査の学生さん。沿道の植生調査で下山しながら実施するとのこと。毎年、この時期、学部生・大学院生が調査で訪れる姿をよく見かけます。(※ バス会社の話では、自転車は必ず袋に入れてくださいとのことでした。)

 

周期的に雲が流れる天候

今日は冷たい湿った空気が入り込んでいる影響から、雲が周期的に流れ込んでいます。関東甲信の梅雨明けが発表されないのは、これが原因でぐずついた天候が続いているからですが、この週末は沿岸だけでなく、甲信地方など内陸まで流れ込んでいます。涼しくて過ごしやすいんですけど、やはりスカッとした夏らしい雰囲気がないと、活気がありませんね。

 

【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景 T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】

雲が低く垂れこめてきた

それでは、いつものように大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。先ほどの青空は姿を消して、ご覧のような低い雲に覆われています。

 

おっ...なんだ! かもしか

乗鞍高原は自然豊かな場所です。道路脇の斜面からひょっこり出てきたのは かもしか...特別天然記念物に指定されていて、捕獲は禁じられていますが、農林業への食害のため有害駆除されるケースもあります。

 

いろいろな動物に遭遇できます

かもしか以外にもクマだったりタヌキだったり、いろいろな動物を目にすることができます。

 

オオバギボウシ 新芽は山菜(ウルイ、ウリッパ)

ゆりのような漏斗型の花が数多くみられるこちらの花はオオバギボウシ(大葉擬宝珠、リュウゼツラン亜科ギボウシ属)。かつてはユリ科に属していましたが、新しい分類に変わったようです。

大きな葉と擬宝珠のような花の蕾からこのように呼ばれ、オオバギボウシが珍重されるのは春先のこと...オオバギボウシというよりもウルイとかウリッパと言えば、アクやクセのない美味しい山菜として知られています。また、新芽の頃は有毒のコバイケイソウとよく似ていて、毎年、誤食による食中毒が発生しています。

 

Mt乗鞍のゲレンデ

さらに進んで、左の画像はすずらん橋駐車場(Mt乗鞍 第3駐車場)の入口。その反対側の右側へ進むと草原と化したゲレンデが広がります。

 

オニユリが咲き始めました つぼみが数多くみられる

まだ、数は少ないもののオニユリが咲き始めました。ユリ園とまではいかないものの、かなりの数がみられます。なお、大雪渓に向かう沿道には、オニユリとよく似たクルマユリが咲いています。初めて見る方は違いが判らないと思いますが、大きな違いがありますので、すぐに違いが判明できます。ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.8(2016/07/02〜03) @ の中ほどにクルマユリの解説をしておりますので、合わせてご覧ください。

 

沿道の山野草は種類・数量ともに多くなって来ました。

 

ヤマホタルブクロ クルマバナ

ヤマホタルブクロ(山蛍袋、キキョウ科ホタルブクロ属)。セイヨウタンポポとミヤマタンポポの違いのように、萼が反り返っているものはホタルブクロ、反り返っていないものがヤマホタルブクロです。右の花はクルマバナ。花のつき方が車の車輪のように放射線状にレイアウトされているところから命名されています。

 

青色のアジサイ

そして、青色のアジサイを発見...

 

タマアジサイ 中央の両性花も咲き始めました

タマアジサイ(玉紫陽花、ユキノシタ科アジサイ属)、球形のつぼみの形からこのように呼ばれていますが、こちらはすでにつぼみは完全に開いた後の状態です。他のアジサイと同様に周辺にみられる装飾花と、中央の細かく多数分布する両性花があって、両性花がようやく咲き始めたところです。

いつも、タマアジサイを紹介するのは8月上旬なので、1週間以上早い状況です。

 

三本滝ゲート − この先マイカー規制

観光センターから7km先の三本滝ゲート。ここからマイカー規制が始まり、バス・タクシー・自転車のみ通行可能です。

 

マイカー規制は2003年から通年実施  − しかし、ご存じない方もまだ多い

マイカー規制は2003年から始まり、すでに13年が経過していますが、その旨をご存じなくお越しになる観光客の方が多数いらっしゃいます。おそらく、全く下調べせずにお越しになり、途中の電光掲示板などの表示もご覧にならずにここまでやって来たものと思います。

昨今はSNSなどの即時性のツールで、断片的ではあるものの一定の情報が得られることもあって、下調べしようとはしなかったり、また、ネットそのものを利用しない人には、残念ながら十分な情報が伝わらないこともあります。しかし、何も考えず、行きあたりばったりの旅というもの面白いものですが...

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