ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2016/08/26〜27) D
【畳平のお花畑】
畳平 − 平日でもまずまずの人出 |
ここからは畳平の様子をお伝えします。時刻は15時前、下山のシャトルバスを待つ列がみられます。土日から当たり前の光景ですが、平日の今日もご覧の状況です。8月中は平日でも人出の多い傾向がみられます。
入口の階段付近 |
こちらはお花畑。入口の階段付近です。
ハクサンボウフウが咲き残る | ミヤマアキノキリンソウが目立ってきた |
先週はハクサンボウフウとミヤマキンポウゲが咲いていましたが、ミヤマキンポウゲの数がだいぶ少なくなってきました。それに代わって、ミヤマアキノキリンソウが目立つようになってきました。畳平お花畑でのミヤマキンポウゲのピークは7月上中旬、ハクサンボウフウのピークは7月中下旬でしたので、1ヶ月以上経過していますが、この一角だけ積雪が多く、雪解けが遅かったことから、開花そのものがかなり遅れたためです。(4月下旬の畳平駐車場除雪時に、雪捨て場となることが影響していると考えられます。)
ミヤマアキノキリンソウに関しては、開花は他のエリアよりやや遅い程度です。
全体的には草紅葉のシーズンへ |
全体的には花は終わり「草紅葉」のシーズンに入りつつあります。
モミジカラマツの紅葉 | ミヤマキンバイの紅葉 |
左はモミジカラマツの葉、右はミヤマキンバイの葉です。先週とそれほど大きな違いはないものの、モミジカラマツは一部で枯れ始めてきました。
実のほうが多くなってきた(左:イワギキョウ、右:コウメバチソウ) |
そんな中でもまだ頑張って咲いている花もあります。こちらも先週に引き続きイワギキョウとコウメバチソウの花です。ただ、この画像をご覧になっておわかりのとおり、花が終わって実になっているものが多くなってきました。
遊歩道をさらに進むと...
オンタデ | 雌株は赤く染まる |
オンタデは雌雄異株で、こちらは雌株。花の部分が全体的に赤く染まっているのですぐにお分かりになるかと思います。
ヨツバシオガマはもう完全に実の季節で全身を紫に染めています。「葉まで美しい」といわれていますが「実まで美しい」といってもよいでしょうね。
小麦畑のような色合いに | ミヤマクロスゲ |
お花畑は全体的に小麦色っぽく変化を始めています。よく見ると、ミヤマクロスゲの葉が変化しているからです。今後、もう少し変化してくると、日の光を浴びたお花畑全体が黄金色に輝きます。
カヤグクリ − 木道下の昆虫を狙う |
木道の下を行ったり来たりしているのはカヤググリ。よく似たイワヒバリはクチバシの根元が黄色である点が識別点です。そのクチバシをよく見ると虫を加えています。木道の下に隠れている昆虫を探しているようです。
毎週毎週、いろいろな変化を見せてくれたお花畑。
ミヤマクロユリ |
新芽が出てつぼみが膨らみ、花が咲いて結実するという流れを毎年繰り返します。
トウヤクリンドウが咲くと高山植物の季節は終了 |
最後はやはりトウヤクリンドウをご紹介します。畳平のお花畑のコーナーは8月末を持って今シーズンの掲載を終了させて頂きます。また来シーズンも雪解けとともに咲く花々の様子をご紹介できたらと思っております。
【昨年の今ごろは?】
8月最後のノリクラ雪渓カレンダーです。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が再び8月最終日曜日開催に戻りましたので、大会取材の都合から、通常、土日に実施している取材を一日前倒しして、28日(金)・29日(土)の様子をお届けします。
8月28日(金)は、朝一番は雲量が多いものの、きれいな青空でした。観光センター前駐車場は15台程度とかなり少ない状態。お盆前は平日でもまずまずの人出でしたが、お盆が終わったと同時に平日の人出はやや少ない状況となってきました。時間とともにどんよりとした状況が徐々にひどくなり、位ヶ原山荘から先は霧の中。それでも大雪渓では霧が抜けて山頂方面もはっきり確認でき、日中は何とか雨に降られずに一日を送ることができました。
8月29日(土)は、断続的な雨が降る朝を迎えます。観光センター前駐車場は、明日開催される全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の大会会場になるため駐車・進入禁止で、シャトルバスは道路沿いの路線バス停留所から出発します。途中、三本滝ゲート付近からひどい濃霧になりますが、大雪渓に到着すると山頂付近まで見渡せるようになり、お昼近くには雲間に日差しが差し込む状況。午後からは大会会場の観光センターに向かいます。正午の天候は曇、気温20℃。13時から選手の受付が始まり、明日の天気を心配そうにスマホでチェックする様子が見られました。
大雪渓は、全体的には雪解けがさらに遅くなって、昨年よりも積雪が多い状況になってきました。
雪渓上部左側が1週間早い雪解けですが、それ以外のところでは昨年と同じか1週間程度遅く、今週は場所によっては2週間ほど遅いところまで見られるようになってきました。雪渓上部右側、雪渓中段の下半分、雪渓下部はまだ滑走可能。また、雪渓上部左側は過去最高の長さが見られます。今後は雪渓上部左側がメインになってきますが、急斜面のため上級者・経験者限定で、これからノリクラデビューはお勧めできませんので、ご了承ください。
<編集後記>
「山の日制定でお盆休みが早く始まった...」
例年、お盆は13日〜15日の3日間をさすことが多く、そのうちで天候の良い日に混雑のピークが際立つ傾向ががみられます。しかし、今年は山の日(8月11日)が祝日として制定されたことから、その傾向に少し変化が見られました。
<お盆休み中の人出の変化>
・ お盆の混雑が11日からスタートした。
・
前半は天候に恵まれ、連日多くの人が来場したが、例年のような混雑のピークがみられなかった。
・
21日(日)まで連休という企業があったものの、16日以降はそれほど多くなかった。
シャトルバスの乗客数を見ると、今年は11日(木)から14日(日)まで連日良い天候が続き、1000〜1300名前後で通常の週末以上のにぎわいが続きましたが、ピーク(混雑)と呼べる日はなく、山の日が制定されたために分散・前倒しされた模様です。その後は、15日(月)は天候が良くなかったものの、16日(火)〜21日(日)まで一時的な雨はあっても、それほど大きな天候の崩れはありませんでしたが、前半4日間ほどの人出はありませんでした。16日(火)以降は結果としては天候が良かったものの、台風到来の天気予報が発表されていたことが影響したことと、21日(日)まで連休うという企業があったものの、多くの方はお休みが15日・16日までだった模様です。
また、今年は山の日制定の式典が上高地で実施されることから、10日(水)・11日(木)の国道158号線の混雑が懸念され、乗鞍方面への入場が困難になるのではとの見方があったものの、実際には交通混雑はなく、11日(木)のシャトルバス乗客数は1000名を超えて山の日式典の影響はほとんどなかったものと思われます。また、この4日間で最も多かったのが、13日(土)や14日(日)ではなく、12日(金)だったことを考えると、12日(金)もお休みにして、11日(木)からお盆休みが始まった方が多かったことがわかります。
来年のお盆休みは8月11日が金曜日となることから、カレンダーの並びがよく、11日(金・祝)〜15日(火)の5日間の連休となる方がかなり多いかと思います。天候さえ問題なければ、今年以上に期待できそうです。
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|