ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2016/10/01〜02)  @

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(Update:2016/10/06)

 

10月最初のノリクラ雪渓カレンダーです。グリーンシーズンも残すところ あと1ヶ月。錦絵が広がる紅葉シーズンから、初雪・初冠雪から始まる初冬のモノトーンな景色まで、わずか1ヶ月の間に駆け足で進む様子は、一年の中で一番変化の多い1ヶ月とも言えます。

10月1日(土)は、夜明け前の激しい雨が収まり、朝一番は曇〜霧雨の天候。その後、位ヶ原山荘付近までは濃霧が立ち込める状況が続いたものの、位ヶ原より上部では視界が回復し、それまで山麓から絶えず湧き上がっていた雲が収まって、12時30分から30分だけ青空に恵まれます。
午後になると、先ほどとは逆に山頂・稜線から雲が降りてきて再び曇り空となるものの、午前中のような視界不良はほとんどなく、大雪渓から絶えず位ヶ原まで見渡せる状況になりました。

10月2日(日)は、昨晩からの小雨が収まって曇り空の朝を迎えます。天候は回復するとの見方から人出は昨日よりも多く、シャトルバス始発便は3台も運行される状況。位ヶ原山荘付近までは濃霧が掛かっているものの、森林限界以降はきれいな青空が広がり、紅葉散策にピッタリなコンディションに。
また、これまで毎週通い続けてきた常連スキーヤーの今日が最終日。滑走距離12メートルに6本のショートポールを立てるとピッチは僅か2メートル。クイックなターンを繰り返しながら今シーズンの練習が終わり、来年の再会を誓いました。
そして、肩の小屋も今日が今シーズン最後の営業。こちらもいつもと変わらず、登山客が途切れなく立ち寄り、無事に今シーズンの営業が終了しました。

大雪渓は雪解けが収まってきたものの、左寄りに位置する滑走エリアでは、雨による上部からの土砂の流れこみがひどく、滑走できない状態となりました。そのため、バーン状態のよい右寄り部分での練習滑走がおこなわれたものの、滑走距離が先週の約半分の12メートルしかなく、やむなく今週で滑走終了となりました。ただ、先週までの滑走エリアの左寄り部分は23メートルと変わらない長さが残っていて、おそらく、今年も雪渓が消滅することなく残り、17年目の「万年雪」を更新することになると思います。

紅葉については5ページ目からお伝えいたします。上部の大雪渓・位ヶ原エリアは、ウラジロナナカマドは完全に落葉し、ダケカンバも落葉が進むものの、位ヶ原の高天ヶ原裾野付近では鮮やかな黄色が残っていて、11号カーブ、7号カーブからの紅葉が楽しめる状態です。
さらに下って、位ヶ原山荘から冷泉小屋、および、28号カーブ付近は見頃がやや過ぎた状態となり、今後は、摩利支天から三本滝が見頃となるかと思われます。また、乗鞍高原の一の瀬大カエデは昨年より1週間程度遅い状況です。

それでは、二日間の様子をご覧ください。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【10月1日(土)、朝の観光センター駐車場】       【一の瀬大カエデへの行き方】       【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景T(乗鞍高原〜三本滝ゲート)】
Page-2 : 【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景U(三本滝ゲート〜位ヶ原山荘)】       【位ヶ原〜大雪渓の紅葉は趣きのある風景に】
Page-3 : 【雪渓下部】       【雪渓上部 T】
Page-4 : 【雪渓上部 U − 秋スキー最終日】       【肩の小屋、今シーズン最終日】
Page-5 : 【紅葉情報−大雪渓付近(標高2600〜2700m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近T(標高2500m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近 U(標高2500m付近)】
Page-6 : 【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】       【紅葉情報−冷泉小屋〜摩利支天付近(標高2220〜2000m付近)】       【紅葉情報−摩利支天〜三本滝(標高2000〜1800m付近)】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>


■  【一の瀬大カエデへの行き方】     (Page-1)
【県道乗鞍岳線、および、乗鞍スカイラインの給水・トイレの各施設】 (Page-2)
【長野県安全登山条例について】 (Page-3)
【古い空缶・空き瓶(トーメン印白桃シロップ漬け、コカ・コーラレギューラーサイズ1966年)】  (Page-4)
【各山小屋の営業終了日】 (Page-4)
【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い2016年版】(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)

●参考資料●
(紅葉情報) − 紅葉総合INDEX
(周辺地図) − ノリクラガイドマップ(紅葉上部エリア版)ノリクラガイドマップ(紅葉下部エリア)  ノリクラ ガイドマップ (春〜夏スキー大雪渓・山頂版)     ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線版  
(シャトルバス・マイカー規制) − 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報
(長野県安全登山条例) − 7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)。(2016/04/13)

  

 

【10月1日(土)、朝の観光センター駐車場】

観光センター前駐車場

早朝6時の観光センター前駐車場。

山麓を飲み込む低い雲 − お越しのマイカーは25台と少な目

夜明け前の3時頃には激しい雨が降っていましたが、5時ぐらいには収まり、現在は曇・気温14℃・無風です。ご覧のとおり、観光センター周辺の山肌をも飲み込むように低く垂れこめる雲に包まれています。そして、観光センター前駐車場にお越しのマイカーは25台と平日並みの静けさ...紅葉シーズンを迎えているにも関わらず、かなり少ない状況。

ただ、翌週は体育の日を含む三連休を迎えるため、お出かけを控えている方もいらっしゃるのかもしれません。また、天候の影響も大きいものと思われます。

 

10月より始発便が7時になる 畳平 気温8℃ − この時期としては高め

長野県側の県道乗鞍岳線、および、岐阜県側の乗鞍スカイラインは、10月よりゲート開門時間が変更されます。県道乗鞍岳線では三本滝ゲート開門が6時→7時に、乗鞍スカイラインは平湯ゲート開門が3時30分→7時に変更です。そのため、シャトルバスも始発便が繰り上げられ、長野県側は6時10分→7時00分(観光センター発)、岐阜県側は5時40分→6時40分(平湯温泉発)となります。

昨日(9月30日)は、畳平鶴ヶ池周辺で初霜が観測されました。高さ4センチの霜が長さ15メートル×3メートルにわたって発生し、例年より11日遅く、昨年より16日遅い記録でした。また、畳平付近で氷が発生しましたが、乗鞍岳での初氷は鶴ヶ池湖面での発生を基準としていますので、初氷はまだということになります。

 

シャトルバス乗場 − 雨が降り始めた 紅葉について係員に問い合わせる
=事前に下調べしておくことをオススメします=

シャトルバス始発便が到着する少し前から雨が降り始め、周囲が霧で包まれてきました。今日は悪天候というほどの状況ではなかったものの、午前中は小雨〜濃霧の続くあいにくの状況でした。

「紅葉はどこを歩いたらいいですか?登山道ですか、それとも車道ですか?」と、係員に問い合わせる乗客の方。乗鞍周辺は国立公園内で景観の問題から細かな案内図の掲示があまり完備されていませんので、事前に下調べしたうえでお越しになったほうがよいかと思います。当WebSiteの、「紅葉総合INDEX」  乗鞍紅葉概要(紅葉の歩き方」などを参考にされるとよいかと思います。

 

シャトルバス始発便到着

始発便は7時に変更されましたが、下り最終便も17時05分→16時30分(いずれも畳平発)に変更されていますのでご注意ください。

 

翌日の始発便は3台運行

こちらは翌日10月2日(日)の始発便の様子。天候が回復するとの見方から、まずまずの人出で3台運行されました。一旦日差しが差し込んで天候が回復するかと思われましたが、位ヶ原山荘付近までは濃霧が立ち込める状況でした。

 

【一の瀬大カエデへの行き方】

一の瀬園地入口

乗鞍高原で最も注目される紅葉といえば、一の瀬大カエデ。例年10月20日前後に見頃・ピークを迎えますので、まだ、お伝えできるレベルには至っておりませんが、少しずつ変化を見せていますのでご覧下さい。

 

拡大

乗鞍高原は案内看板が少ない 観光センターから大カエデ付近までクルマで2.5kmほど

他の観光地では大々的な案内看板を設置して、初めての観光客でもスムーズにお越しいただけるように対応がされていますが、乗鞍高原は国立公園内にあるため、景観上の問題から看板設置が積極的に行われていません。こちらは一の瀬園地入口に設置されている乗鞍高原周辺の案内図。細かなことは記載されていませんので、観光センター下にある観光案内所などで乗鞍高原のパンフレットを入手されるとよいかと思います。

また、一の瀬大カエデの場所についての問い合わせがたびたび寄せらますので、前回のノリクラ 雪渓カレンダーVol.20(2016/09/24〜25) @ 【一の瀬大カエデへの行き方】 でご紹介しております。合わせてご覧ください。

 

色付きが目立ってきた

乗鞍高原の紅葉は10月中旬が見頃ですが、ヤマウルシ・スモモ・カツラなど色付きが結構めだってきました。

 

見頃へ

場所によっては見頃に近い状態も...

 

紅葉撮影

そのため、紅葉撮影の方々の姿も目立ってきました。

 

大カエデへ

さて、大カエデは一の瀬エリアの中でも最南端にあり、上高地乗鞍スーパー林道A線の入口にあります。道路をそのまま南進してしまうと、その先は前川にかかる白樺橋に出ますので、もし、橋まで行ってしまったら行き過ぎてしまったサインです。

 

昨年同時期の大カエデ
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2015/10/03〜04) G
今回の大カエデ
=昨年より1週間遅い色づき=

さて、肝心の一の瀬大カエデですが、ようやく、側面でも色づき始めたところで、昨年よりも1週間遅い状況です。

 

【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景T(観光センター〜三本滝ゲート)】

2014年の鈴蘭バス停のカエデ
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2014/10/04〜05) @
2015年の鈴蘭バス停のカエデ
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2015/10/03〜04) @
今回の鈴蘭バス停のカエデ
色合いが薄い

それでは、いつものように乗鞍高原から大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。こちらは鈴蘭バス停のカエデ。年を追ってみると、ご覧のように色づきが薄くなっている(遅れている)様子がわかります。老木であることが影響しているのか、気候の問題であるのか不明ですが、少し気がかりです。ただ、先ほどの一の瀬大カエデも遅れていましたので、乗鞍高原全体の紅葉は見頃が遅くなるのかもしれません。

 

昨年の善五郎駐駐車場〜休暇村間
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2015/10/03〜04) @
今回の善五郎駐駐車場〜休暇村間

善五郎の滝駐車場からすずらん橋までの間にあるミズナラも、色づきはかなり前から始まっているものの、昨年と比べるとやはり遅い状況です。

 

今回の鈴蘭橋 紅葉を迎えた鈴蘭橋(昨年10月中旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2014/10/18〜19) D

ノリクラの紅葉エリアは標高2700メートルの大雪渓から標高1500〜1400メートルの乗鞍高原まで広がり、9月中旬の大雪渓から、10月末の乗鞍高原まで、1ヶ月半もの長期間楽しむことができます。しかし、各エリアの紅葉は長くて2週間、本当に良い状態のピーク期間は1週間もない状態。そのため、事前にいつが良いのかどこが良いのか下調べしておく必要があります。

 

今回の休暇村〜三本滝間 紅葉を迎えた休暇村〜三本滝間(カラマツ、昨年10月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.25(2014/10/25〜26) D

乗鞍の紅葉情報をまとめた 紅葉情報INDEX から当WebSiteのすべての紅葉情報へアクセスでき、その中に、乗鞍の紅葉を大まかに把握するには、乗鞍紅葉情報 は初めての方にお勧めです。

また、撮影ポイントについては、ノリクラガイドマップ(紅葉上部エリア版)ノリクラガイドマップ(紅葉下部エリア) は改訂作業が終わり、公開いたしました。県道乗鞍岳線沿線のビュースポットが地図上で把握できるようになっております。また、撮影当時のノリクラ雪渓カレンダーにもリンクされていますので詳細な状況の把握も可能です。紅葉撮影にお越しの際には一度ご確認ください。

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