ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2016/10/01〜02)  B

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(Update:2016/10/06)

 

【雪渓下部】

雪渓下部 今年は7月最終週に消滅

それではここからは雪渓の様子をお伝えします。こちらは車道沿いの雪渓下部ですが雪はありません。今年は7月最終週(第5週)に雪解けが完了しました。2015年は9月第3週、2014年は9月第2週、、2013年10月第1週、2012年・2011年・2010年は9月第2週、2009年は9月第1週に雪解けが完了しました。2004年・2005年は2年連続して雪解けが早かったですが、それでも、8月第2週・8月第3週で、7月中に完了するのは2000年以降初めてのことです。

 

【長野県安全登山条例について】
大雪渓入口に新たな看板が設置 【画像拡大:7月より登山届が義務化されました】

大雪渓入口に設置された「肩の小屋口登山口」の看板は、7月からは登山届の提出が義務化されたことを案内する内容が記されています。登山届義務化の概要については、 お知らせ−7月1日より長野県側登山道は登山届が必要です(長野県安全登山条例、指定登山道)(2016/04/13)。をご覧ください。

長野県は、「長野県安全登山条例」を昨年12月17日に公布・施行し、登山計画書の提出を義務付ける「指定登山道」を4月11日に決定し、昨日7月1日から登山計画書の提出を義務化しました。

条例の中では、遭難の発生のおそれが高いと認められる167の山岳と、1の景勝地を「指定山岳」として定め、指定山岳の山頂及び景勝地に至る主な登山道の起点となる122の登山口を「指定登山口」として定めます。その中で指定登山口から指定山岳の山頂及び景勝地までの区間にある登山道を「指定登山道」として定めます。

ノリクラにおいては、指定登山岳「乗鞍岳(朝日岳、摩利支天岳)」、指定登山口に「鈴蘭橋登山口、肩の小屋登山口」が指定され、指定の登山道の一部でも利用する場合は、登山届の提出が必要です。また、大雪渓でのスキー・ボードは、肩の小屋口登山道を利用しているものと解釈され、登山届の提出が必要です。

【ご注意:実際の登山道入口は大雪渓入口から車道を北へ50m先にあります】

ご注意:実際の登山道入口は車道を北へ50m先にあります

実際の肩の小屋口登山口

おそらく、この看板は設置場所の問題からここに建てられたものと思われますが、肩の小屋口登山口は大雪渓入口とは異なり、この画像より車道を北へ50メートルのところにあります。

 

練習に適したバーンが撮れない − 明日で終了

今日は早々に練習を切り上げて下山してきた常連のお二人。「先週よりも雪解けが進んで、上からの土砂の流れ込みがひどく、滑走箇所を右側に移動したため、滑走距離が短くなってしまった。練習できるレベルではなくなってきたので、明日で今シーズンは終了」とのこと...

 

ウラジロナナカマドは完全に落葉 草紅葉 − ミヤマクロスゲは日が当ると黄金色に輝く

さて、大雪渓のウラジロナナカマドの紅葉は左の画像のとおり完全に終了。右の画像の枯草...といってしまうと身も蓋もありませんが、こちらはミヤマクロスゲの草紅葉で、もう少し時間がたつと、黄金色になって、日が当るとなかなかの光景になります。

 

石碑の岩

いつもお伝えしている石碑の岩。

 

チングルマが全身紅葉 − 昨年より1週間遅い

そこにあるチングルマはようやく全身紅葉が始まりました。昨年より1週間ほど遅い状況です。昨年も例年より1週間遅い状況でしたので、今年は例年より2週間遅いことになります。ナナカマドやダケカンバなどの紅葉は例年より早かったものの、高山植物の紅葉は少し遅い状況です。

 

チングルマ葉これくらいまで赤くなるはず

もう少し赤くなるとご覧のような状態となり、その色合いはかなり目立つ存在で、ウラジロナナカマドやダケカンバの紅葉が終わってすべて丸裸になったのちに、チングルマを始め、ミヤマキンバイなどの高山植物の紅葉が進むとかなり目立つ存在になります。

 

昨年の石碑の岩の下部(紅葉)
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2015/10/03〜04) B
先週の石碑の岩の下部(紅葉)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.20(2016/09/24〜25) B
今回の石碑の岩の下部(紅葉)
=完全に落葉=

石碑の岩の下の紅葉は、ご覧のように完全に落葉しました。昨年より1週間ほど遅い状況でした。

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景 雪渓上部左側

現在、積雪が残っているのは、雪渓上部左側のみ。

今年は例年になく雪解けが激しく、他のエリアでの滑走が困難となり、モーグラーだけでなく、アルペンレーサーも多数お越しになり、雪渓上部左側のほぼ全域で滑走されていました。しかし、雪渓上部左側で安全に滑走できるのはモーグルコースのある右寄り部分と一番奥の左寄り部分で、中央付近は傾斜が強いため滑走には適しません。現時点では雪が柔らかく、滑走に問題ないところ状態で、これがお盆以降はバーンが硬くなり、バーン表面のギャップもひどくなって滑走困難な状況も考えられます。そのため、急斜面を滑落の危険性があるため、初心者の方の滑走は困難ですのでご承知ください。

 

先週の雪渓上部左側
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.20(2016/09/24〜25) B
今回の雪渓上部左側
横35m×縦15〜23m

こちらが雪渓上部左側全景。横幅はさほど変わりませんが、場所によって縦の部分で短くなっています。積雪量は少なくなってきていて、雪渓上端では岩の頭が大きくなってきています。

 

今回の雪渓下端(上方130m)
2011年の雪渓下端(10月上旬、72m)
2011ノリクラ雪渓カレンダーVol.22(2011/10/08〜09) B
2012年の雪渓下端(10月下旬、72m)
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.24(2012/10/20〜19) B

落書きの岩と雪渓下端は130メートルと先週から13メートルも増えています。昨年は10月末の時点ではこれよりも積雪が多い状態でしたので、昨年と比較することがもうできません。また、先週は2011年・2012年で10月上旬・下旬と近似の状態でしたが、これらの年はその後、降雪により積雪量が増えてしまったため、今週と近似の状態の物がありません。おそらく、先ほどの雪渓上部左側の全景画像で示した2004年に近似するものがあるはずですが、この年は落書きの岩からの計測を行っていないため、画像がありません。

 

右側部分 縦の長さは15メートル

雪渓の右側部分で縦方向の直線距離を測りますが、15メートル前後しかありません。

 

滑走エリア

滑走エリアは中央付近に変更されました。先週の滑走エリアはこの画像で少し左側でした。

ハイクアップ用のステップがないため、スキー板で「蟹さん歩き」

ハイクアップ用のステップ(階段)がありません。雪が硬くブーツで登ることが困難なため、スキー板を装着したまま上ります。この「蟹さん歩き」で登るのはかなりシンドイものです。

 

ここを選んだのは土砂がなく縦溝が少ないため

この場所以外で滑られないのは土砂の流入のほか、縦溝があってとても滑られる状態ではないからです。

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