ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.1(2017/04/01) A

 

 

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(Update:2017/04/06)

 

【ツアーコースT −入口急斜面】

ツアーコース入口
ツアーコース地図 −ノリクラガイドマップ 冬スキー 版

こちらがツアーコース入口。ツアーコースは標高2000メートルの入口から、標高2500メートルの位ヶ原までの約2kmの樹林帯を切りとおして作られたバックカントリーコースで、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。また、ツアーコースや山頂方面の地図はノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末> をご確認ください。

ゲレンデを離れてここからバックカントリーエリアとなります。この先はスキー場の管理区域外となるため、負傷・遭難などの事故が発生した場合は、山岳救助隊への救助要請を行うことになります。山岳救助隊への要請は警察(110番)へ連絡してください。

なお、救助費用が必要となる場合がありますので、ツアーコース(バックカントリーエリア)に入山される場合は、山岳保険に加入されることをお勧めします。

 

スキーヤーは大半がシール ボードはスプリットボードも最近は多い

ツアーコース入山の登攀用具は、スキーであればシール、ボードであればスノーシューが主流となりますが、最近はボードを分割して登攀時はスキーのようにシールを装着するスプリットボードが多くなっています。

また、登山の方は、スノーシューの方もいらっしゃいますが、これからの時期は深雪は少ないため、ツボ足(要するに登山靴のまま)で登る方が多く、山頂付近などアイスバーンではアイゼン・ピッケルというスタイルが一般的です。

 

ガイドツアーの一行 いざ出発

山頂方面は全く見えない天候状況のため、現時点では上部エリアへの入山は難しいと考えられます。ただ、ツアーコース自体は濃霧などに影響なく行き帰りができるため、最終判断はツアーコース最上部の位ヶ原急斜面での天候状況次第です。(次のページの【ツアーコースV − 位ヶ原急斜面】を参照)

こちらはガイドツアーの一行。いつもハイテンションな名物ガイドは、こんな天気でもお客さまを盛り上げようと元気そのもの...どんな天気であっても、その状況を楽しむという姿勢は必要ですよね...前のページの【4月1日(土)、観光センター前駐車場】のコーナーでお伝えしたように、観光センターに冬季事務所がありますから、ご興味のある方はお尋ねになってはいかがでしょうか?

 

警告の看板
=怪我・遭難など救助要請は警察110番へ=

さて、ツアーコース入口にこのような看板があることをご存じでしょうか?ゲレンデ最上部が入山口になっているスキー場では同様の警告看板があるケースが多いようですが、こちらで記載されている金額などはあくまでも一例であって、この値段で請け負うというものではありません。

先ほども申し上げましたが、怪我や遭難などで救助要請をする場合は、警察(110番)への電話連絡となります。

 

それではツアーコースに入って行きたいと思います。

 

昨年のツアーコース入口急斜面
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) B
今回のツアーコース入口急斜面
今年は積雪減少の傾向が見られません

こちらは入口急斜面の全景です。左は昨年の様子、右は今回の様子です。昨年はバーンの各所にブッシュが出始めていますが、今年はまだその傾向はありません。それどころか、今週は幾分積雪量が増加しています。

例年、入口急斜面の積雪量は3月上旬ごろがピークで、それ以降は減少傾向を示しますが、今年はまだ減少の兆しは見られません。

 

やや硬い下地に軽い新雪が10〜20センチ

バーンコンディションはやや硬い下地に軽い新雪が10〜20センチほど積もっている状態。

 

シールがやや滑りやすい 潔く諦めて、ツボ足で

このようなコンディションだとシールが滑りやすく、特に日陰になるとその傾向が強くなります。こんな場合は、シールでの登行をあきらめて、潔くツボ足で歩きましょう。

 

ツアーコースの下山滑走は例年5月中旬ごろまで
(積雪情報は当WebSiteで随時発信)

さて、ツアーコースの滑走可能時期は、例年5月中旬頃までです。雪解けが最も早いのはこちらの画像の入口急斜面ですが、雪解けが進むと雪の下に横たわっていたブッシュが起き上がり、人の背丈以上の密林状態になってしまします。とても歩いて下山できる状態ではありません。そうかといって、ここから再び登り返すわけにも行きません。

そのため、当WebSiteでは、4月下旬ごろからツアーコースやその下部のかもしかゲレンデの積雪状況をお伝えしておりますので、入山時にご覧くだされば参考になるかと思います。なお、ツアーコースでの下山滑走ができなくなった後は、位ヶ原山荘より乗鞍岳春山バス下り便に乗車して下山してください。

 

【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】

入口急斜面上 − なだらかな緩斜面へ

入口急斜面を登り切ると、なだらかな緩斜面が続きます。一旦、ここで休憩しましょう。

 

気温プラス4℃ − 少し休憩 気温がプラスになると暑さ対策も

気温はプラス4℃。今年は比較的気温の低い日が続き、3月に入ってもツアーコース内で気温がプラスとなる日がほとんどありませんでした。おそらく、気温がプラスに転じると、暑さ対策も必要になってくるはずで、右の画像のようにボードにアウターを括り付ける姿が今後は多くなってくるはずです。

 

昨年の1番標識付近
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C
今回の1番標識付近
積雪量205センチ、昨年より155センも多い

ツアーコース内は山麓側から順番に、1番から6番まで標識があります。こちらは1番標識付近。現在の積雪量は205センチで、昨年より155センチも多い状態です。昨年は極端に雪不足の年でしたが、積雪量の多かった一昨年と比べても、35センチも多い状態です。

ツアーコースの積雪量のピークは3月中旬から3月下旬に迎え、その後は減少の一途をたどりますが、今年は2月下旬ごろから積雪量の大きな変化はなく、現時点では3月上旬ごろの積雪量を維持しています。

 

湿雪が降る シールに張り付いて団子状態に
シール用ワックスでメンテナンス

今日は比較的軽めの湿雪が積もりました。登り始めは雪面温度が高く湿った状態でも、登るにつれて雪面温度は低くなってきますので、ご覧のようにシールに雪が団子状に着雪することがあります。シール用のワックスを塗布すると着雪しにくくなりますので、そのようなメンテナンスもよいでしょう。ただ、シールが滑りやすくなるという状況もあるようです。

 

昨年の3番標識付近
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C
今回の3番標識付近
積雪量170センチ
昨年より95センも多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。現在の積雪は170センチ。積雪の少なかった昨年より95センチも多い状態です。また、積雪量の比較的多かった一昨年と比べても75センチも多い状態です。今年は3月の降雪があまりなく、最大積雪量は例年よりも少ない状況でしたが、3月は低めの気温が推移して、雪解けが進んでいないことが積雪量維持につながっています。

 

早くシールが欲しいよ〜

スキーを背負って「早くシールが欲しいよ〜」と、スノーシューで行くこちらの方。初めてノリクラにお越しになりました。「山頂に行きたい」と、おっしゃっていましたが、現時点の天候では山頂方面はムリです...ツアーコース内は木々があって視程が確保されていますが、木々のない森林限界では目印となるものがほとんどないため、濃霧に見舞われると、方角を見失ってしまいます。

 

足が前に出ません... 山頂に行きたいけど

うつむき加減でトボトボと...なかなか足が前に出ません。上空の雲行きも怪しいのですが顔にも雲がかかっています...冬のノリクラは初めてとのこと。こちらの方も山頂に向かいたいとおっしゃっていましたが、この天候では無理... 

剣ヶ峰山頂への登頂は、乗鞍岳春山バスの運行が始まるゴールデンウィーク付近からがシーズンとなります。それ以前の厳冬期は、登行距離が長く、肩の小屋から先はアイゼンが必須で、また、スキーヤーの場合は、とても稜線からの滑走はムリなためお勧めしません。 

 

昨年の5番標識付近
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C
今回の5番標識付近
積雪量285センチ
昨年より150センも多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。現在の積雪285センチ。積雪の少なかった昨年より150センチ多く、積雪の多かった一昨年と比べても70センチ多い状態です。 

 

昨年の6番標識手前の谷
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版Vol.3(2016/04/02) C
今回の6番標識手前の谷
例年2月頃には谷は埋まる

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。左の昨年は積雪量が少なかったため、ウェーブが残っていますが、今年はほぼ完全に埋まっています。また、一昨年と比べても積雪量が多い状況です。

この谷が埋まるのは2月以降で、それまではこの付近を通過するだけでかなり時間を要する状況でした(画像以外に2〜3ヶ所ほど谷があります)。また、積雪の少なかった昨年は、この付近の下山滑走時にウェーブに対応できず、転倒して骨折負傷する事案が発生しており、特に曇って影のできにくい状況では、地形の状況が不明瞭になり、ウェーブの存在に気づかず、減速しないまま突っ込んでしまう場合があります。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。

 

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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