ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.5(2017/04/28〜29) D

 

 

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(Update:2017/05/04)

 

【乗鞍岳春山バス−位ヶ原山荘に向けて】

雪景色が続く

位ヶ原山荘に向かうまでの車窓は雪景色、または、雪の壁ばかり...

 

雪壁はどんどん高くなる

観光センターから位ヶ原山荘までの道のりは約15km。除雪は4月1日から開始され、まずは休暇村ゲートから三本滝ゲートの手前まで行われ、その先はスキー場内を通過するため、スキー場の営業終了を待って再開されます。今年はスキー場の営業が例年より1週間ほど長かったため、三本滝ゲート以降の除雪開始が遅れたものの、ほぼ例年通りに除雪が完了しました。今年の積雪量は多い方に入ると思いますから、まずまずのペースで作業は進められたものと考えられます。

標高が高くなるにつれて、積雪量は増えて行きますが、観光センターから12km先の冷泉小屋から位ヶ原山荘までの3km区間は特に多く、右の画像のとおり、バスの背丈よりも高い雪壁が続いています。これも1週間単位でどんどん低くなって行きますから、迫力ある手記の壁をご覧になりたい方は、早めにお越しになったほうがよいかと思います。

 

位ヶ原山荘に到着 スキーなどの搬出は皆様のご協力をお願いいたします

そして、9時10分、ほぼ定刻通りに春山バスは位ヶ原山荘に到着。トランクからスキー板を搬出しますが、皆様のご協力をお願いいたします。

 

「あら〜、久しぶり!」

「あら〜、久しぶり!」と、声をかけてくださる車掌さん。いつも明るく元気な様子はお変わりなく安心しました。また、今シーズンもよろしくお願いいたします。

 

乗鞍岳春山入山計画書の記入と提出

こちらが先ほどバス車内で説明のあった乗鞍岳春山入山計画書と投函口。記入する内容は登山届に近いものです。また、地図と春山バスのダイヤも切り離して持ち帰ることができますから、ぜひともご記入・ご提出お願いいたします。

 

仮設トイレ − これより先にトイレはありません

位ヶ原山荘の敷地内には仮設トイレが設置されています。現時点では、これより上部エリアには利用できるトイレはありませんのでご注意ください。これより先のトイレは、宇宙線観測所隣の公衆トイレが5月15日頃から、大雪渓駐車場の公衆トイレが5月下旬から利用可能になります。

 

春山バスは5月下旬には大雪渓まで延長される予定

乗鞍岳春山バスの現時点での終点は位ヶ原山荘ですが、今後、道路除雪が進めば、3.5km先の大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで延長される予定です(5月下旬予定)。そうなると、大雪渓までのアクセスは、7月からのシャトルバスとほぼ同じ環境となるため、バックカントリースキーヤーだけでなく、大雪渓で滑走トレーニングやコブ作って滑走するう夏スキーヤーの姿が多くなってきます。季節を通じて多くの方々に楽しんでもらえる環境がノリクラには整っています。

 

【屋根板から位ヶ原へ登る】

屋根板入口

位ヶ原山荘で乗鞍岳春山入山計画書の提出を終えたら出発の準備。位ヶ原山荘から100メートルほど移動すると屋根板入口です。

 

シールを装着 ザックに板を背負って

本格的なバックカントリースキーでは、滑走面にシールを張り付けて登るスタイルが一般的ですが、これからの時期は深雪という場面はありませんので、ザックに板を背負ってツボ足(ブーツのまま)で歩くか、もしくはスノーシュー・アイゼンというスタイルも多いと思います。ただ、ゴールデンウィーク期間中は、山頂方面はアイスバーンになっているケースがまだありますから、スキーアイゼンを含めたどんな登攀スタイルで登る場合でも、アイゼンは必ず必須です。

 

天気が荒れるかもしれないから、山荘の見えるところで

「今日は天気が荒れるかもしれないから、位ヶ原山荘が見えるエリア(富士見沢付近)で、滑りましょう。」と、参加メンバーに告げる名物ガイド。天気予報で天候を確認するのはもちろんのこと、常に上空の様子に気をかけながら行動することも大事です。

まだ、現時点では山頂方面は確認でき、青空も見え隠れする状況だと、なかなか判断の難しいところですが、もしもという場合を想定して行動することが必要です。

 

元気に出発!

準備が整えば、いざ出発!今日は少し重たい湿雪ではありますが、26日に降った雪が10〜20センチほど積もって純白なバーン。少し上部まで登れば、雪が乾いてくると思いますから、それを期待しながら登ります。

厳冬期の雪はエリアを問わず、ほぼ均一な雪質ですが、これからの時期は日中暖められて夜間冷え込む状態を繰り返しますので、雪質がアイスバーンからグサグサの春雪まで大きく変化し、最も滑りにくい時期でもあります。

【2010年2月の雪崩死亡事故現場について】

位ヶ原山荘付近からの様子
左:雪崩死亡事故現場、右:屋根板方面

そして、寒暖の差が大きいということは、雪が締まったり緩んだりを繰り返すということで、雪崩の懸念も念頭に置かなければなりません。右の画像は今回入山する屋根板方面ですが、その左側に同じようなオープンバーンがあります。

こちらは2010年2月に死亡事故が発生した雪崩現場です。毎年、必ず1回は雪崩が発生しています。屋根板よりも斜度があって、スキーヤー・ボーダーの方々にとって非常に魅力的に感じるバーンでしょう。

 

地図:雪崩死亡事故現場 時期・天候条件にかかわらず立ち入らないことが賢明

「雪崩多発地帯であっても、起きる時期・天候条件は決まっているので、その時期を外せば問題ない」と、おっしゃる方もいらっしゃいます。これまでの発生時期は2〜3月ですから、これからの時期は発生頻度は少なくなると言えるでしょう。

しかし、2017年3月28日に発生した那須の高校登山部合宿訓練での雪崩死亡事故を勘案すると、雪崩多発地帯であるにも関わらず入山することは、社会通念上、本当に問題はないのかということを、改めて考えさせられるのではないかと思います。

 

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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