ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2017/05/14〜15) D

 

 

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(Update:2017/05/18)

 

【シャトルバス、乗鞍スカイラインを行く】

車内の様子 平湯峠 − ここから乗鞍スカイライン

それでは、ここからは乗鞍スカイラインを行くバスの車窓の様子をお伝えします。こちらが標高1684メートルの平湯峠。乗鞍スカイラインはここから始まります。

 

昨年の平湯峠付近
2016ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2016/05/14〜15) C
今回の平湯峠付近

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと山肌に残雪が見られるようになって来きます。

 

北アルプスの眺め(穂高連峰、焼岳)

乗鞍スカイラインの特徴は北アルプスなどを中心に周囲の山並みを一望できるところが大きな特徴ですが、今日は残念ながら眺望が楽しめません。白く雪をかぶっているのが穂高連峰、その手前が焼岳です。

 

夫婦松駐車場 上嶋清一翁顕彰碑

平湯峠から3kmのところにある夫婦松駐車場。今年は5月1日からここまで早期通行が実施されました。1日から14日までの2週間で1200名もの来場者があったとのことで、なかなかの集客があった模様です。

その奥に大きな顕彰碑が建立されています。

石碑には「上嶋清一翁顕彰碑」と書かれています。乗鞍スカイラインの前身は戦前の軍用道路だったことは有名なことですが、当時3メートル幅で工事を実施する軍に対して、濃飛自動車乗合株式会社の社長だった上嶋精一氏は、将来戦争が終わって軍用道路が払い下げられれば、登山バスの運行も可能になること見据え、道幅を3.6メートルで工事するよう提唱し、拡幅分の費用を全額負担されたとのこと。拡幅分は総工費42万円のうち8万円ですが、当時の濃飛自動車の全従業員の給料の2年分に相当する高額で、その後の返済には苦労されたとのことです。

軍用道路は昭和17年に完成し、終戦を迎えて県道に編入されるものの、戦後直後、誰もが登山バス運行など実現するとは思わなかった中、関係方面に強く働きかけ、昭和24年に実現できました。この顕彰碑は昭和48年の乗鞍スカイライン完成時に建てられたものですが、上嶋氏の功績がなければ、現在の乗鞍スカイラインの発展はなかったものと考えられます。(参考文献:雲上銀座への道瀬口貞夫著)

 

一昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2016/05/14〜15) C
今回の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
一昨年より多い

夫婦松駐車場を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。昨年は残雪ゼロでしたが、今年は一昨年よりやや多い状況のようです。

 

バスガイドさんの説明

今回は来賓バスということで特別にバスガイドさんが同乗されていますが、シーズン中は6月18日(土)〜9月24日(土)までの毎日、バスガイドが乗車して観光案内をするサービスが実施されます。乗車する便は、昨年の1日二往復から、今年は上り便で一便追加されました。(ほうのき発:9:55、11:55、13:55。畳平発:10:50、14:50。料金は通常運賃のみ。)

 

一昨年の猫の小屋跡地
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
昨年の猫の小屋跡地
2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2016/05/14〜15) C
今回の猫の小屋跡地
一昨年より多い

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。こちらも昨年より多いことはもちろんですが、一昨年よりも多い状態で、例年並みの積雪量といえるでしょう。

 

森林限界から濃霧

この先8kmポストを過ぎると森林限界に差し掛かります。それと同時に、濃霧もひどくなり、周囲の様子がほとんどわからないほど。

 

四ッ岳カーブ付近 昔の四ッ岳カーブの様子

平湯峠から10kmほど進むと四ッ岳カーブに差し掛かります。バスガイドの方は昔の写真を取り出して、「現在は1時間足らずで畳平に到着できますが、当時は3時間、渋滞がひどいと7時間もかかったようです」と、説明されます。完全2車線の乗鞍スカイラインが完成したのは昭和48年で、それ以前はご覧のように道幅の狭い山岳道路でした。

 

最大8.8メートルの雪壁

そして、最大8.8メートルの雪壁のある四ッ岳カーブも、ご覧のような濃霧のl中。残念ながら今日は眺望は全く期待できません。

 

 

一昨年の鶴ヶ池雪渓
2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2015/05/15〜16) A
昨年の鶴ヶ池雪渓
2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2016/05/14〜15) C
今回の鶴ヶ池雪渓
例年並みかそれ以上の積雪

四ッ岳カーブを抜けると、広々とした桔梗ヶ原を通過しますが、完全なホワイトアウト状態。こちらの画像は畳平に入る直前にある鶴ヶ池雪渓。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。

昨年・一昨年よりも積雪量が多く、例年並みかそれ以上の状態です。

畳平に到着

そして、濃霧の中、来賓バスが畳平に到着しました。

 

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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