ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.4(2017/06/03) C

 

 

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(Update:2017/06/08)

 

【蚕玉岳〜朝日岳稜線】

蚕玉岳〜朝日岳稜線

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。ちょうど濃霧の時間帯と重なり、鮮明な画像が得られませんでしたのでご了承ください。

 

激しく流れる雲間から

激しく流れる雲間にようやく周囲が確認できる状況。時折、地図を確認するものの、周囲の風景が見えない中では、位置を把握するのはなかなか難しいもの。厳冬期と異なり、ハイマツなどがありますから、なんとか判断が可能ですが、濃霧の中の雪渓は位置を見失いやすいものですから、ご注意ください。

 

一歩一歩慎重に カメラの前だけでも笑顔を!

大雪渓や位ヶ原は新雪の柔らかさがあって、比較的登りやすい状況であったものの、稜線近くに差し掛かるにつれて、バーンはクラスト状態になり、シールのグリップが低下し、スノーシューもエッジのないタイプではかなり苦労する状況です。

それでも、カメラの前だけでも笑顔を振りまいてくれました。

 

初めてのスノーシュー 最後の力を振り絞って稜線へ

中にはスノーシューでの登行は初めてという方もお越しになり、何度も足を滑らせる様子がみられましたが、最後の力を振り絞って稜線へ...

 

一気に青空へ − 登頂のご褒美!

そして、稜線に到達した瞬間に青空が一気に!登頂できたご褒美ともいえる青空でした。

 

まさに雲の上 「いつも見てますよ」

左の画像のような光景を見ると、まさに雲の上にいることを実感します。「いつも見てますよ」と、声をかけてくださったこちらのお二人、記念撮影にちょっと恥ずかしそう!(ご覧下さり、ありがとうございます!)

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2016/06/04〜05) E
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2017/05/27) C
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線
過去5年間の中でもっとも多い状態

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。過去5年間の中では、もっとも多い状態です。

 

昨年の朝日岳
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2016/06/04〜05) E
先週の朝日岳
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2017/05/27) C
今回の朝日岳
過去5年間の中でもっとも多い状態

朝日岳も、過去5年間の中では、もっとも多い状態です。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年の蚕玉岳山頂
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2016/06/04〜05) F
先週の朝日岳
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Vol.3(2017/05/27) C
今回の蚕玉岳山頂付近
過去5年間でもっとも多い状態

蚕玉岳山頂は、過去5年間でもっとも多い状態。昨日の降雪がかなり積もっていて、本来の降雪部分が不鮮明になっているものの、例年と比べてずば抜けて多い状態になっています。

 

蚕玉岳山頂 − エビの尻尾がびっしりと

その降雪はご覧のようにあちらこちらにまだ残っていて、蚕玉岳山頂でもエビの尻尾がびっしりと張り付いています。6月の降雪でこのような現象が見られるのはあまりありません。

 

稜線から

今週は冷え込んだ日が多く、降雪があったため、先週からの雪解けがほとんど進んでいない状況。

 

昨年の位ヶ原
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2016/06/04〜05) F
今回の位ヶ原
過去5年間で2012年に次いで多い状態
昨年の剣ケ峰直下の岩
2016ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2016/06/04〜05) F
今回の剣ケ峰直下の岩
過去5年間で2012年に次いで多い状態

上段の位ヶ原は過去5年間で2012年に次いで多い状態、下段の剣ヶ峰直下の岩付近も、過去5年間で2012年に次いで多い状態です。

 

稜線直下はバーン表面がクラスト

稜線直下の新雪は硬くなっていて、表面がクラストしている感じがこちらの画像でお分かりでしょうか?厳冬期のクラストよりも下地があって、滑走した際にはアイスバーンを滑っているような感覚です。

 

次第に柔らかくなって新雪の感触

しばらく滑走を進めると、次第に柔らかくなり、新雪の柔らかさを楽しむことができるようになります。

 

稜線から3分の1地点
まだ途切れる気配はない
ハイマツ沿いを進む

稜線からの滑走ラインは県道乗鞍岳線と突き当たるまでの約1kmですが、その3分の1程度のところが左の画像。今後雪解けが進むと、この付近から岩の頭が出始めて、滑走不能になります。例年6月中旬頃ですからあと2週間程度でしょうか?その先はハイマツで区切られた沢筋をライン通りに滑走します。

 

稜線から1km地点

この時期になると、雨水が表面を流れて縦溝ができますが、昨日の降雪がそれを埋め戻して、滑走しやすい状態にしてくれました。

 

高さ3.5メートル
2012年に次いで2014年と同じ高さ

稜線から全長1kmの滑走ラインを滑り降りると県道乗鞍岳線の切り通し箇所にでます。切り通しの高さは3.5メートル。ここ5年間では、2012年の4.2メートルに次いで、2014年と同じ高さです。

 

<編集後記>

「今後の雪解けは」

今年は総じて雪が柔らかく感じます。そのため、雪解けスピードがやや速い様子も見られます。そのため、これまで積雪量が多かったところも、次第に例年並みに落ち着くのではないかと思います。今後の雪解け状況は、積雪が硬くなっているかによるところが多く、この柔らかさはちょっと気になるところです。ただ、昨年より圧倒的に積雪は多いため、雪不足による夏スキーへの影響は少ないと考えられます。

積雪量は毎年同じように積もるわけではなく、年によって多い箇所と少ない箇所があり、こちらは例年よりも多いものの、あちらは例年よりも少ないというバラつきがあって、一概に例年より多い・少ないは言えないところがありますが、現時点では、例年よりも積雪が多い箇所のほうが多数あります。

これからは梅雨の時期。この雨が雪解けを加速する一方、下地を硬くする方向にも働くと思われますので、避けては通れないものでもあります。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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