ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2017/06/24) C

 

 

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(Update:2017/06/29)

 

【肩の小屋から山頂・稜線方面の登山道】

こちらは肩の小屋から山頂方面に向かう登山道。

 

稜線までの3分の2程度は雪解けが終わっています。

 

この先は雪に閉ざされる

朝日岳の中腹を登り、前方に稜線が確認できるところまでやってくると、登山道は雪に閉ざされます。

 

7月中上旬までは雪上を歩く装備を持参してください(アイゼン等)

夏山シーズンが間近となり、一般観光客の登山が増えてきていますが、ほとんど、何の装備も持たずにお越しになっています。この時期は積雪がまだありますので、登攀用具とストック・ピッケルは必ず持参するようお願いいたします。

今回は、たまたま天候悪化がなく、レインウェアが無くても問題なく、踏み跡もしっかりついていて、スニーカーでも山頂まで行くことができましたが、、濃霧で視界が遮られたり、冷え込んで雪が硬くなり、スリップすることはよくあり、いろいろなシチュエーションに対応できる装備が必要です。

たまたま問題なく登頂できた場合でも、「アイゼンは使わなかった」というコメントがネット上では散見しますので、ネット上の情報を読み取る場合には注意が必要と思われます。

 

【蚕玉岳〜朝日岳稜線】

剣ヶ峰方面全景 蚕玉岳〜朝日岳稜線 − 登山道は全面積雪

今年は例年になく積雪の多い状況であることはこれまでにも申し上げましたが、右の画像の蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑走エリア(登山道部分)は、例年の5月下旬〜6月中旬並の状況です。

稜線からの滑走エリアから大雪渓上部には滑り降りる箇所の横幅が15メートルまで狭くなっていますが、例年ではすでに途切れている時期で、6月下旬まで滑走可能な状況は近年ありません。

 

一部で登山道が出てきた

こちらが蚕玉岳〜朝日岳稜線付近の様子。一部で雪解けが目立ってきました。

 

雪解けした登山道 − 2014年より1週間、2015年より2週間遅い雪解け

ご覧のように稜線直下の登山道付近から帯状に雪解けがみられるようになり、この状況から、2014年より1週間遅く、2015年より2週間遅い雪解けです。

 

下山はアイゼンが必須です。

稜線に向かうルートはしっかりとした踏み跡ができていますので、雪の柔らかいときはアイゼンなくても登ることが可能ですが、冷え込んで雪面が硬くなった場合や下山時はアイゼンが必要と考えられます。

 

稜線でのんびり休憩

この日の稜線付近の気温は12℃、少し雲の動きが気になる状況ですが穏やかな状況が続き、のんびり休憩していても寒さはあまり感じません。ただ、天候が悪くなった場合に備えて、レインウェア・防寒着・手袋は必要です。また、これからは雷の発生しやすい時期でもありますので、天候悪化の気配のある時は早めの下山に心掛けてください。

 

2014年の権現ヶ池
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2014/06/20〜21) B
2015年の権現ヶ池
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2015/06/19〜20) B
今回の権現ヶ池
2014年と同じで2015年より1週間遅い雪解け

御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。先週から大きな変化はなく、2014年より1週間遅く、、2015年より2週間近く遅い雪解けです。

 

2014年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2014/06/20〜21) B
2015年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2015/06/19〜20) B
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。先週からの雪解けがやや目立つ状況ですが、過去5年間の中では、もっとも多い状態が続いています。

 

2014年の朝日岳
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2014/06/20〜21) B
2015年の朝日岳
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2015/06/19〜20) B
今回の朝日岳
過去5年間で最多の積雪量

朝日岳も過去5年間で最も多い積雪量です。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

こちらは蚕玉岳山頂。こちらも過去5年間で最も積雪の多い状態が続いています。

 

2014年の蚕玉岳山頂
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2014/06/20〜21) B
2015年の蚕玉岳山頂
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2015/06/19〜20) B
今回の蚕玉岳山頂
2014年より2週間、2015より3週間遅い雪解け

蚕玉岳山頂付近は、2014年より2週間遅く、2015より3週間遅い雪解けです。

 

「お目にかかれるかなぁ〜と、今日は期待してきたんです。」

「お目にかかれるかなぁ〜と、今日は期待してきたんです。」と、おっしゃるこちらの方。シールでのスキーはまだ2回目。このグループに誘われて、バックカントリーにハマってしまった模様。

 

今日で今シーズンの滑り納めと

今日で今シーズンの滑り納めとのことですが、まだ、大雪渓での夏スキーは続きますので、どうしてもスキー熱が収まらないようでしたが、引き続きお越しください。そうすると、もうやめられなくなり、秋の紅葉シーズンまで滑り続けてしまうことになるかもしれませんね(笑)。

 

稜線直下はかなり雪解けが進んできた

稜線直下はかなり雪解けが進んできました。おそらく、次週末には全面にわたって積雪がなくなってしまう可能性もあります。

 

2012年の位ヶ原
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2012/06/22〜23) D
今回の位ヶ原
過去5年間で最も多い状態
2012年の剣ケ峰直下の岩
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2012/06/22〜23) D
今回の剣ケ峰直下の岩
2012年に次いで積雪が多い状態

上段の位ヶ原は2012年とほぼ同じで過去5年間で最も多い状態。剣ヶ峰直下の岩付近は2012年に次いで多い状態です。

 

バーン分断場所(岩出現)

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ。先々週からバーン中央に岩の頭が出現しました。こちらも過去5年間で最も積雪量の多かった2012年を超える積雪量となっています。

おそらく、次週末にはこの箇所も上下に分断されれると推測されますので、稜線からの滑走も、次週末前後で終了となります。

 

全景 高さ1.8メートル − 過去5年間で最も高い

稜線から全長1kmの滑走ラインを滑り降りると県道乗鞍岳線の切り通し箇所にでます。切り通しの高さは1.8メートルで、2013年以降では過去最高で、2012年よりもおそらく高いと推測されて、過去5年間で最も高い状態と思われます。

 

<編集後記>

「天空マラソンと宿泊状況」

編集後記のコーナーで、天空マラソンに触れるのは、今回で3回連続となり、ご覧の方々には申し訳ありません。
天空マラソン開催の大きな目的の一つは、梅雨の閑散期の来場者(宿泊者)誘致だと思われます。今回は競技コースがフルマラソン化され、毎年出場される方も、今年の出場をかなり迷われた模様です。会場での取材では、もちろん出場する選手に対するものだけですから、出場を決めなかった方々の声を聴くことはできませんでしたが、旅館・民宿の方々の話を聞くと、天空マラソン申込み当初は例年と変わらない宿泊予約があったものの、その後、キャンセルが目立ち、中には、20名ほどの収容人数のあるペンションでは、蓋をあけてみたら4名しか宿泊されたなかったという状況だったとのこと。

旅館・民宿の中には、電話予約や常連客対応のため、大手旅行サイトの宿泊予約を、この日の予約分に限って閉鎖しているところもあり、「穴を埋める」ことができなった模様です。

今年は様子見という選手も多かったと思われますが、地域活性のためにぜひとも、参加していただきたいものです。また、宿泊に関しても、電話で直接問い合わせたほうが、予約が取れる確率が高く、特に宿泊日が近づいている場合は、電話でそれぞれに宿に問い合わせると、空室に巡り合える可能性が高いとのことでした。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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