ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2017/07/01) B

 

 

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(Update:2017/07/08)

 

【大雪渓に到着、雪渓下部】

大雪渓駐車場 − 暴風雨、気温は10℃

10時の大雪渓の天候は暴風雨、気温は10℃。おそらく、この気温だとかなり寒さを感じるところですが、梅雨前線の影響で湿った暖かな空気が入り込んでいるため、寒さは感じません。

 

視界30メートルの濃霧

視界は30メートルほどで、どこを歩いているのかすらわからない状況です。メンバーのいるエッジ音のする方向に歩いていくのみ...通常なら、方向を見失って遭難する危険性のある状況です。

 

それでは、ここからは雪渓下部の状況をお伝えします。

 

2014年の大雪渓入口(車道との距離2メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
2015年の大雪渓入口(車道との距離6メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今週の大雪渓入口
車道との距離は5メートル

車道までの距離は5メートル。2014年は2メートル、2015年は6メートルで、2014年より1週間ほど早く、2015年とほぼ同じ雪解け状況です。

 

2014年の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
2015年の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今週の登山道入口
2014年とほぼ同じで、2015年より2週間遅い雪解け

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります(肩の小屋口登山口)。2014年とほぼ同じで、2015年より2週間遅い雪解け状況です。

 

2014年の登山道入口(隙間1メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
2015年の登山道入口(隙間3メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今週の登山道入口(隙間2メートル)
2014年より1週間早く、2015年より1週間ほど雪解け

車道との間の隙間は2メートルほど。2014年より1週間早く、2015年より1週間ほど雪解け状況です。

 

登山道は全面積雪

肩の小屋口登山口から肩の小屋方面の登山道は、ほぼ全面積雪に覆われて、どこに登山道があるのかほとんどわからない状況。そのため、ご覧のような誘導ロープが敷設されています。

 

例年7月下旬〜8月上旬まで積雪あり 特にモーグルコースの岩付近が最も遅くまで残る

肩の小屋口登山口から肩の小屋方面への登山道は、例年7月下旬〜8月上旬まで積雪があります。一番最後まで残るのが、右の画像のモーグルコースの岩の付近で、このあたりが最も急斜面になっています。

多くの人が往来するため、踏み跡ができていて、晴れた日ならアイゼンなくても登ることができますが、下りではスリップされている方が結構いらっしゃいます。また、今日のように雨が降り続くと、踏み跡が溶けて消えてしまい、また、雨で冷え込んで雪面が硬くなり、アイゼンなしでは登ることができません。

また、山頂方面でも7月中旬くらいまで積雪の残る区間がありますので、アイゼン携行をお願いいたします。

 

【山頂方面登山道の残雪時期(例年)】

【6月24日撮影 − 画像拡大】

@ 肩の小屋口登山口(大雪渓入口)〜肩の小屋  : 7月下旬〜8月上旬

A 肩の小屋付近 : 6月上旬

B 肩の小屋〜蚕玉岳から朝日岳とをつなぐ稜線手前まで : 6月中旬〜下旬

C 蚕玉岳・朝日岳の稜線付近 : 7月上旬

D 蚕玉岳・朝日岳の稜線〜山頂 : 6月中旬


山頂方面登山道の残雪時期は、概ねご覧のような状況で、今年は例年になく積雪が多いため、少なくとも、7月上中旬までは、アイゼン携行をお勧めします。

 

2013年のモーグルコースの岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2013/07/05〜06)
2015年のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今週のモーグルコースの岩
2013年・2015年より1週間遅い雪解け

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

こちらは2013年と2015年で比較しておりますが、2016年は極端な雪不足、2014年は厳冬期に入っても姿が埋まることがありませんでした。2013年・2015年より1週間遅い雪解け状況です。その差は先週よりも若干狭まっています。

 

2014年の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
2015年の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B
今週の石碑の岩
昨年とほぼ同じで、例年より遅い雪解け 

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。2014年とほぼ同じで、2015年より1週間遅い雪解け状況です。先週は2014年より1週間遅く、2015年より2週間遅い雪解け状況でしたので、この1週間はやや早い雪解けを見せています。

 

2014年の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
2015年の石碑の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2015/07/04〜05) B

今回の石碑の岩の下部のバーン
例年よりも少し遅い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、今週に入って、岩の頭が見られるようになってきました(画像中央)。例年よりも少し遅い雪解け状況となっています。

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

こちらは雪渓上部の全景画像です。

 

2014年の雪渓上部全景
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2014/07/05〜06) C

2015年の雪渓上部全景
2015ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2015/07/04〜05) C

今回は悪天候のため、雪渓上部の撮影はほとんどできませんでした。画像の左上の岩の状況を見る限りは、2014年とほぼ同等の積雪状況で、2015より若干早い雪解け状況が見られます。

 

アイスバーン状態

今週に入って、表面がアイスバーン状態になった部分が目立つようになってきています。降雨が強くなるこの時期から発生するもので、6月中下旬まではほとんど見られない現象です。これと同時に、再氷結によるタケノコ状の円柱が見られるのも特徴ですが、先ほどのアイスバーンとタケノコ状円柱は例年よりもまだ少なくバーン状況は良好といえます。

 

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