ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2017/07/15) C
【肩の小屋、今シーズンの営業が始まる】
肩の小屋 |
大雪渓の北西に位置する肩の小屋。畳平からの登山道と肩の小屋口からの登山道が合流し、ここから山頂へと向かう中継地点にあるため、今日も多くの登山者が、肩の小屋で休憩される様子がありました。
売店 | 今年も来ちゃいました − 大雪渓でスキー練習するぞ! |
売店を切り盛りするのは、スキーをこよなく愛するこちらのスタッフ。つい先日まで月山で滑っていて、今年も夕方の誰もいなくなった大雪渓で連日練習を重ねることでしょう...
生ビール − 冷えてます! | 今回初めてスタッフ入り − 本職はインドでの山岳ガイドさん |
夏の定番といえば生ビール。今日のように天候が良い日は、結構オーダーが入っています。そして、右の方は今年初めて肩の小屋のスタッフにお越しになりました。肩の小屋の母体である鈴蘭小屋でお手伝いにお越しになったのがきっかけとのこと。本職はインドでの山岳ガイドさんとのこと。
スタッフの数が足らない模様 − バイト募集中です |
ノリクラにお越しになる前には当WebSiteをご覧になってお越しになり、「肩の小屋の営業開始が遅れていると書いてあり、ちょっと心配していました。」とおっしゃります。実際、まだスタッフの数が足らず、新人なのにすべて任せっきりにされてしまい、オーダーはどんどん入るし、洗い物はたまる一方で大変...(笑)
そんな状態ですから、お知り合いの方で山小屋のバイトをやってみたいという人がいらっしゃいましたら、ぜひともご紹介ください。(連絡先:鈴蘭小屋、0263−93−2001)
【畳平、お花畑】
15時前の畳平 −
シャトルバス下り便を待つ長い列(この便は5台運行) =混雑する便は、登りが9時便・下りが15時便= |
こちらはシャトルバス終点の畳平。時刻はちょうど15時前で、下山がピークを迎える時間帯です。ご覧のとおり、シャトルバス下り便に乗車される方の長い列ができています。この便(15時05分発 乗鞍高原行)は5台運行されました。今日も海の日の三連休初日で繁忙期に相当しますが、お盆などでは乗車できない場合もありますので、早めに行動されることをオススメします。
上りで最も混雑するのは9時便ですが、下りで最も混雑するのがこちらの15時前後の便です。
お花畑は7月11日からオープン − この部分の積雪で一般開放が遅れた |
ここからは畳平のお花畑の様子をお伝えします。今年はお花畑の雪解けはそれほど遅くはなかったのですが、ご覧になっている入口部分の積雪が多く、この区間を重機で除雪する必要があったため、一般開放が7月11日(火)へとずれ込み、例年よりも2週間程度遅い一般開放です。
全体的に緑が濃くなっている |
全体的に緑がしっかりとしていて、積雪が残っている場所はありません。お花畑の雪解けは、遊歩道の奥、折り返し点付近から手前に向かって雪解けが進みます。そのため、高山植物の生育も遊歩道の奥が最も早い状態です。
この分岐点から先が本番です。
ハクサンイチゲ | ミヤマキンバイ |
現在、全体的に咲き誇っているのはハクサンイチゲで、今が見ごろを迎えています。そのわきにはミヤマキンバイ。こちらは数はさほど多くはありません。ただ、現在咲いている黄色の高山植物はミヤマキンバイしかありませんので、容易に見つけることができます。おそらく、来週あたりからは、ミヤマキンポウゲへと移って行くかと思われます。
ハクサンイチゲン群生 |
畳平お花畑では特に手を加えているわけではありません。ハクサンイチゲンの群生も全体的に広がっているわけではなく、所々固まっていたり、まばらであったりといった状況。
折り返し地点 |
そのため、ボリューム感はないかもしれませんがこれが自然な形なんです。
ミヤマクロユリ |
そのわきにはミヤマクロユリの蕾が大きくなり、一部ではすでに開花しているものも見られます。例年であればハクサンイチゲがピークを過ぎたあたりから見られますが、ここ数年はちょっと早い傾向が見られます。
ほぼ例年並みの開花状況です |
積雪量が多かった割には、高山植物の開花はほぼ例年並みと考えられます。
<編集後記>
「カラスの捕獲(大雪渓では、中身にかかわらずレジ袋を外に放置しないで!)」
先日、乗鞍岳の雷鳥保護のため、環境省がカラスの捕獲を行うとの報道がありました。これまでにも、雷鳥への影響が懸念されていたところでしたが、昨年、雷鳥の巣から卵を食べるカラスの様子がカメラで撮影され、その影響が立証されました。
20年ほど前までは、大雪渓でカラスの姿はありませんでした。あまり定かな記録はないものの、マイカー規制開始(2003年)前後くらいからその姿を見かけるようになってきた記憶があります。
カラスをおびき寄せているのは大雪渓にお越しになるスキーヤー・登山客が持ち込んだレジ袋。もしかすると、マイカー規制前は、各自のマイカーに戻って食事をとっていたのが、ザックやレジ袋などを外に放置するようになったのが原因かもしれません。
通常、これらの袋にはパンなどの食品が入っていることが多く、高温になってしまうザックから出して、地面や雪渓の上にレジ袋を置く様子がみられます。カラスは嗅覚は良くないため、匂いでレジ袋の中身を判別していませんが、「レジ袋=食品」という認識が出来上がっていて、レジ袋を見ると(レジ袋の音を聞くと)、人の目を盗んで奪いとります。通常の登山者は移動するため、一定の場所にレジ袋を置くということはありませんが、大雪渓でトレーニングするスキーヤー・ボーダーの場合は、ザック・レジ袋を置いたままの状態にするため、カラスにとっては非常に効率的に食料にありつけます。
そのため、大雪渓に訪れたスキーヤー・ボーダーの方は、レジ袋に入ったものを絶対にザックから外に出して放置しないようお願いいたします。中身が食品でなくても、レジ袋を狙うケースがありますのでご注意ください。
もし、周りでレジ袋を大雪渓の屋外で放置しているケースが見られましたら、お声掛けしてくださるとありがたいです。これ以上、カラスを大雪渓周辺い定着させないことが大事ですから...
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