ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2017/07/29) @
ノリクラ雪渓カレンダーは今回で12回目(Vol.12)。グリーンシーズンのちょうど中間地点を回るところです。残すところ3ヶ月ですが、この3ヶ月が最も変化の多い時期でもあります。ノリクラは週を追うごとに色々な変化・発見を見せてくれます。山の日、お盆、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍、そして、紅葉とへと日々がつながり、その様子を見逃さないようにしなければなりません。
このところ、土曜日だけは良い天気が続いていましたが、今回はほぼ曇で一時雨でした。特にこの1週間は天気が悪く、梅雨明けしたのにぱっとしない状況が続いています。ただ、大きな崩れはなく、人出としては可もなく不可もないといった状況でしょうか?天候が悪くてもノリクラに来たいと思っていただけるようなフィールドにしなければなりませんね。
【7月29日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。若干雲が多いものの綺麗な青空の朝を迎えます。気温はすでに18℃、今日は湿度がやや高く、この気温でもやや暑さを覚えます。
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先週の高天ヶ原・剣ヶ峰 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.11(2017/07/22) @ |
今週の高天ヶ原・剣ヶ峰 今後は大雪渓だけになって行く |
もう残雪の季節は終わりになり、剣ヶ峰付近の積雪は南東斜面と大雪渓に限定される状況になってきました。
意外と天気が良い |
昨日までの天気予報では、早朝は曇で午前中には雨が降り出すはずでした。それが予想に反して良い天気に。6時の観光センター前駐車場は70台と先週と比べる若干少なめとなっている状況は、天気予報をご覧になって中止にされた方がいらっしゃったものと思われます。
ノリクラは週間天気予報の段階で週末の天気が芳しくない発表がなされると、それだけで来場者が減ってしまう傾向がいつも見られます。どこの観光地でも共通した悩みであることは間違いないと思われます。雨天でも楽しめるフィールドが望まれるところです。
シャトルバス始発便 |
それでも始発便は大きなリュックを背負った登山者の姿が多く、2台運行されるまずまずの状況。
自然保護センター(観光センター隣) | 高山植物 −
名札があるので名前がわかります (オカトラノオ) |
さて、観光センター隣にある自然保護センター。高山植物に一つずつ名札がつけられています。ちょうど今週に入って目立つようになてきたがオカトラノオ。花が咲くまではその存在に全く気づきません。
観光センター前の空き地に | オオバギボウシの花 |
こちらはオオバギボウシの花。かなり特徴的な花で、咲いていればすぐに判別がつくものですが、こちらも咲いてないと、その存在に気付きません。
同じ場所(6月上旬) | アマドコロ |
=時期を替えて色々な花が咲く= ノリクラ 雪渓カレンダーVol.5(2017/06/10) @ |
また、同じ場所の1ヶ月以上前はご覧のように別の花が占拠しています。花が咲くまでどんな植物が植わっているのか人間の目では本当にわからないものです。週ごとに数々の直物が共演しあっているなんてことは想像にも及ばないものですね。
ヒルクライムの準備 |
ちょっとした道端で植物たちのドラマが繰り広げられる様子は、自転車でのヒルクライムであれば、より近くで観察できます。でも、そんな細かなことよりも、自然という大枠でノリクラを楽しんだ方が良いでしょう。その中で、興味がわいてきたものに関して、ちょっと深く掘り下げれば、さらに楽しさが増すものです。
【大雪渓までの沿道の風景】
それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。
7時頃から曇り空へ − やはり予報通りの天候に |
早朝の晴天は7時頃にはなくなって、ご覧のような曇り空に...やはり予報通りの天候になりつつあります。
三本滝ゲート − この先マイカー規制 | やっぱりこれはイワギキョウだね |
そして、こちらは観光センターから7km先にある三本滝ゲート。「どうもアレはイワギチョウじゃない気がする...」と、パトロール中に気になった高山植物を撮影し、他の警備員に見せています。「これはイワギキョウで間違いないはずだよ。」という会話が続きます。
単にゲート管理が仕事であるものの、観光客からはいろいろなことを聞かれる立場でもあります。ですから、おのずとこのようなことにも知識を深めなければいけません...
観光客との接点...実はこれが一番大事なこと。
かもしかゲレンデ | ニッコウキスゲはそろそろ終わりに |
三本滝ゲート隣のかもしかゲレンデ。ニッコウキスゲがそろそろ終わりになってきていますね。
ハクサンフウロは引き続き咲き続ける | アヤメが咲き始めました |
その他には、先週お伝えしたハクサンフウロがまだ咲いている横に、アヤメが咲き始めました。平地での見頃の時期は1ヶ月以上も前に終わっていて、標高1800メートルでは季節が1ヶ月ほど遅い進み方を示していることがわかります。
ニッコウキスゲ | 実ができ始めた |
さて、こちらがニッコウキスゲ。花は終わりに近づき、すでに実ができているものも見られます。
【沿道に咲いている高山植物 (クリックで拡大)】 |
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ホタルブクロ | ミヤマオダマキ | ベニバナイチヤクソウ | ノリウツギ | ヨツバヒヨドリ゙ |
ミヤマホツツジ | ゴゼンタチバナ(実) | ミネカエデ(実) | クロツリバナ | クロウスゴ(実) |
その他沿道に咲いている高山植物は、ご覧のようなものがあります。
雲が低く垂れこめる |
冷泉小屋からさらに登ると雲が低く垂れこめるような雰囲気に。
位ヶ原山荘 |
そして、標高2350メートルの位ヶ原山荘から先は一気に天候が変化して、濃霧に包まれるようになってきました。
この先濃霧 |
位ヶ原山荘付近がちょうど森林限界で、今日のように位ヶ原山荘から先が濃霧の日もあれば、三本滝付近から濃霧に見舞われて、位ヶ原山荘付近から上部は晴天という場合もあって、森林限界付近は天候のターニングポイントでもあります。
元気に走り続けるヒルクライマー − ヘッドライト・テールライトの点灯が必須 |
そんな中でも元気に走り続けるヒルクライマー。濃霧で景色が見えない中でも、メンバー揃っての走行は楽しいもの。また、自転車は他の車両からの視認性が非常に悪いため、今日のような濃霧の日は、ヘッドライトはもちろんのことテールライトを点灯させることをオススメします。
5号カーブの雪壁 | 4号カーブの雪壁 |
位ヶ原の雪の壁はかなり小さくなりました。それでも7月末まで存在していることがかなり珍しいことと思います。
4号カーブの内側部分の積雪はなくなる |
さすがに4号カーブの内側部分の積雪はなくなりました。
4号カーブ外側はまだしっかり残る |
しかし、外側はご覧のようにまだしっかりと積雪が残り、8月第1週程度までは雪の壁を楽しむことができる状況で、例年になく積雪量の多い状態が続いています。
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