【速報バックナンバー 2008年1月分】

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◎ 1月

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■2008年1月27日(日)■  

@ 2008/01/27 10:30
シールでは登って行けません。アイゼンが必要
(ツアーコース入口急斜面)
A 2008/01/27 13:30
八ヶ岳から中央アルプスまで手に取るようにくっきりと
(ツアーコース位ヶ原入口)

B 2008/01/27 14:30
位ヶ原は深くえぐれた風紋

C 2008/01/27 16:10
日没後もきれいに晴れ渡る空に稜線が浮かび上がります
(位ヶ原山荘前)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
先週は速報をおやすみさせていただき、今回は1月最後の速報です。寒気の影響で昨日と同様の寒い朝を迎え、気温は予報どおりの極寒ではあったものの、現地では温度計の表示を疑ってしまうほどの小春日和と終日快晴の一日を過ごすことができました。
7時の乗鞍高原は快晴。ぼんやりと明るくなり始めて空の青さが徐々に増してくる頃、ノリクラの峰々が赤く染まり始めて今日の朝を迎えます。気温はマイナス10℃、日が昇ると同時に時折北から強い風が観光センター駐車場を吹き抜け、つむじ風が舞い上がるようになってきます。それでも白く輝き始めた稜線には雪煙が上がる様子はなく、上部の風はさほど強くないように感じられます。そして乗鞍高原を強く吹きぬけていた風も9時30分ごろになると収まってきて、それと同時に早朝のピーンと張り詰めた冷たさも幾分和らいできたように感じます。スキー場最上部のかもしかゲレンデから始まるツアーコースでは、10時頃になってザックにスノーシューをくくりつけてリフトを降りてきたスキーヤーやボーダーの方々が登行の準備を始めます。気温はマイナス3℃、この頃になると日差しの暖かさを感じるようになり、シールやスノーシューの準備と同時にウエアを一枚脱いでザックにしまう方々も多く見受けられました。ツアーコース入口の急斜面の積雪は二週間前とほとんど変わりません。そしてバーン状態も二週間前と全く変わらずひどいアイスバーンが広がっています。そのため途中まではシールで登って行くことができるものの、急斜面を登り切る最後の20〜30メートルが硬く凍り付いていて、スキー板をはずしてアイゼンに履き替えての登行を余儀なくされる状態です。大雪でも降らない限りバーン状態の回復は期待できませんので、今後、ツアーコースに向かう方はエッジの付いたスノーシューかアイゼンを携行することを是非お勧めします。
急斜面を登りきった先のツアーコースは二週間前のアイスバーンの上に10〜20センチ程度の積雪が積もっていて、大半のエリアでは問題なく登って行くことができます。ただ、所々、吹きさらしの箇所ではスケートリンク状態がむき出しになっていて、急激にバーン状態が変化しますので、急斜面を登りきった後でも注意が必要です。
ツアーコースを進むと徐々に高天ヶ原から富士見岳までノリクラの峰々が間近に迫ってくるようになってきます。午前中は富士見岳に少し雪煙が上がる様子をみかけましたが、お昼が近づくにつれてその様子もなくなり、ツアーコース内を少しばかり吹き抜けていた風も完全に収まってきます。青い空と白い雪以外は何もないサイレントな世界に小鳥のさえずりが彩りを付け加えてくれます。1月中はひどい天候での取材活動ばかりでしたが、今日は久々に背中に汗ばむ感じを覚え、季節を疑ってしまうほどの穏やかさです。それでも正午のツアーコースはマイナス7℃。この気温でアウターなしでツアーコースを登って行けることが不思議なほどです。
この快晴の空と穏やかな気候は午後になっても続き、ツアーコースから位ヶ原に差し掛かる急斜面からは八ヶ岳から南アルプス、そして、中央アルプスまで白い峰々をはっきりと見渡すことができる透明感の溢れる空が続いています。そして、午後になると日差しはさらに強くなり、スキー板の表面に凍り付いていた雪が太陽の熱で溶け始めるほどです。それでも14時の位ヶ原の気温はマイナス13℃。普段ならアウターの中に何枚も重ね着して厚手のグローブと帽子をかぶっても指先が引きちぎれそうになる状態なのに、春スキーと同じ格好でなんら問題のなく大雪渓に向かって登って行くことができます。久々に指先に暖かさの感覚がよみがえってきたように感じます。
位ヶ原や大雪渓はどこもかしこもアイスバーンと深くえぐれた風紋が続く世界が広がっています。滑走する場所を探すのが苦労するほどです。そして15時を回る頃になると蚕玉岳に今日の陽気を与えてくれた太陽が早くも沈み始めます。日が落ちた後もきれいに晴れ渡る空が広がり、そんな薄暮の空に白いノリクラが徐々にフェードアウトしながら今日一日が終わってゆきます。
久しぶりに無風の位ヶ原で極寒ともいえるマイナス10℃以下であるにもかかわらず、春スキーのような小春日和に恵まれた今日一日は1月最後のご褒美かもしれません。ただ、こんなに絶好の天候とは裏腹に過酷な天候もあり、良いときと悪いときの差が激しいのがこの時期の特徴なのかもしれません。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/13 20:45更新)

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■2008年1月13日(日)■  

@ 2008/01/13 08:15
今朝の最低気温はマイナス18℃、今季の最高の冷え込み
A 2008/01/13 11:35
終日暴風、雪煙で青空は真っ白に曇る

B 2008/01/13 12:25
吹きさらしの雪面は歯の立たない危険なアイスバーン
(屋根板)

C 2008/01/13 15:40
煙った太陽が稜線に沈んで行きます
(ツアーコース位ヶ原入口)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
昨日の春先のような気候から一転して今日は終日マイナス10℃以下の暴風に叩きつけられた厳しい一日となりました。今朝の位ヶ原山荘付近の天候は晴れているのか曇っているのかわからないような天候。西からの暴風に叩きつけられた雪面には新雪は全くなく、昨日のトレースがそのまま残っている硬い雪面が広がっています。強風に巻き上げられた雪煙が上空全体を覆い、おそらく晴れているのでしょうがその雪煙で上空が鉛色に覆われる状態です。その中からぼんやりと太陽が昇り始め、滲んだ輪郭はほんのりとオレンジ色に変化しています。7時の気温はマイナス14℃。昨日の気候から一転して極寒の朝を迎えています。最低気温がマイナス18℃を観測し、今シーズン最高の冷え込みになりました。低温に加え常に強い風にさらされる環境では顔など露出しているところはもちろんのこと、防寒した指先ですらすぐに感覚がなくなり、思考能力も失われるほどの辛さに絶えられない状況になってきます。
ぼんやりとした朝日が昇ってしばらくすると鉛色の空は次第に明るくなり少しずつ青空がのぞくようになってきます。しかし県道から見る屋根板方面はぼんやりと霞み、遠方にあるはずの富士見岳はその姿を全く見ることはできません。通常、霧で遠方を望むことができないことは良くありますが、それよりも明らかに明るさがあって、一面を雪煙に覆われた空全体が太陽に照らされて異様に白く光っています。
お昼近くになると屋根板から富士見岳方面が見えるようになってきます。太陽を覆う雲と雪煙も時折薄くなって、雪面にはダケカンバの影ができるほどの状況になります。正午の屋根板の気温はマイナス12℃。動き続けなければ指先などは鈍痛が走るような状況です。ダケカンバの林の中ではまだ柔らかい雪面が残るものの、屋根板中間平坦部へ上がる最後の急斜面では常に強い風に吹きつけられて表面の柔らかい新雪は完全に吹き飛ばされ、シールはもちろんのことスキーブーツですら登って行けないほどのアイスバーンが広がっています。お昼を過ぎると強風はさらに強くなり、凍った斜面に立っていることが困難な状況となり、突風でバランスを崩すこともしばしばあって、これ以上上部へ向かうことが不可能と判断しました。
午後になると東の空にはかなり青空が広がるようになってきますが、気温はさらに低下し、暴風は否応なく牙をさらに突き出してきます。夕方になってもこの厳しい環境は収まることなく、16時のツアーコース位ヶ原入口付近の気温はマイナス15℃。はっきりとした輪郭を一度も見せることのなかった太陽が高天ヶ原と剣ヶ峰の鞍部に沈んで行きます。
いつもならツアーコースを何の不安もなくスキー場まで滑って帰るところですが、ツアーコースは位ヶ原入口からかもしかゲレンデに続く急斜面まで全面アイスバーンになっていて、ターンしながら滑走することが困難なほどの状況です。かなりひどい状況ですのでツアーコースへ向かう方は十分注意が必要です。
今日は現地に出向くこと自体がかなり危険な状況であったと思います。昨日から今日にかけての大幅な状況変化に対応する装備や状況判断が求められる一日となったように思います。
12月よりほぼ毎週お伝えしてきた速報は、しばらくの間は不定期でお伝えする予定です。あしからずご了承ください。  (2008/01/13 20:45更新)
【位ヶ原山荘の年末年始営業終了と通常営業の再開ついて】
位ヶ原山荘の年末年始営業は1月14日(月)で終了となります。現地に向かう方は緊急避難場所などがありませんのでご注意ください。また、通常営業は2月9日(土)より再開されます。(2月9日から3月末までは連日営業、それ以降、しばらくは週末のみ営業予定)

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■2008年1月12日(土)■  

@ 2008/01/12 08:40
雨で路面の雪はほとんど融雪(観光センター駐車場)
A 2008/01/12 10:35
降り続く雨にスキーヤーもレストハウスに逃げ込みます

B 2008/01/12 13:00
お昼過ぎから雪(ツアーコース)

C 2008/01/12 14:00
雪がやんで太陽がぼんやりと顔を出します
(ツアーコース位ヶ原入口)

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
今日は梅雨の時期のようなしとしとと雨が降り続き、とても1月とは思えないような一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は雨、気温は6℃。梅雨のように強弱を繰り返しながらまとまった雨脚の降りかたを見せます。風はほとんどありませんが、時折西から生暖かさを含んだ風が顔をなぞって行きます。ゲレンデを整備する重機のライトが西の空をぼんやりと明るく煙らせていて視界はさほど悪くない様子がうかがえます。
朝を迎えても乗鞍高原は雨、7時の気温は7℃、この時期としては異常なほどの暖かさです。昨日から降り続く雨で観光センター駐車場の雪はほとんど融けてしまいました。8時30分ごろ一旦小雨になってきたものの9時ごろから再び本格的な降りかたを見せます。9時の気温は6℃。鈴蘭橋隣の第3駐車場にはスキー場に訪れた方々が雪が雨で固められた滑り易い路面にすり足で慎重に歩いていく光景を目にすることができます。また、ゲレンデ内は若干霧が立ち込めて視界の良くない状況で、ゲレンデ内を流れる小大野川は濁流が激しくうねり、雨量の多さを物語っています。10時の三本滝レストハウス付近は6℃、雨脚は一向に変わらず、ゲレンデのスキーヤーもレストハウスに駆け込んで行きます。かもしかゲレンデ上部からみるツアーコース急斜面は上端が霞んで見えない状態ですが、11時を過ぎる頃から視界が良くなり始めて、11時30分ごろにはツアーコース急斜面上端からかもしかゲレンデが良く見渡せるようになってきて空も幾分明るくなってきました。この雨でツアーコースの雪面はかなりの水分を含んでシールの食いつきが良く、急斜面でもまっすぐ登って行けますが、シール自体に雪がついてしまい、油断をするとズルっと滑り落ちてしまいます。
12時のツアーコースは2℃。お昼を過ぎた頃から雨が霙に変わり、13時ごろから本格的な雪へとかわって行きます。これまで雨に降られてずぶ濡れになったウエアに雪が着雪してバリバリの状態になります。この雪もそれほど軽いものではなく、春先に降るような少し粘りのあるような雪質です。このまま雪が降り続くと思いましたが、13時30分ごろから小降りとなり14時にはほぼ完全にやんできました。14時のツアーコース位ヶ原入口付近の気温は2℃。視界がかなり良くなってきて高天ヶ原の山裾が徐々に姿をあらわして来たと同時に太陽の輪郭が見え隠れするようになって来ました。ほとんど風もなく明るい曇り空の中、時折ホシガラスの鳴き声を耳にする以外は少しモヤのかかった光景と静寂さが広がる様子は、春霞の頃の景色を思い出してしまうほどです。
今日は春スキーにノリクラにやってきたような錯覚さえ感じさせ、雨に降られた辛い一日でもあり、季節が変ってしまったのかと思ってしまうような一日でした。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/12 18:40更新)

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■2008年1月6日(日)■  

@ 2008/01/06 07:15
初日の出、
今年最初の朝日
A 2008/01/06 10:15
久しぶりに見せる屋根板の全景

B 2008/01/06 11:30
いたるところでつむじ風(屋根板)

C 2008/01/06 12:30
位ヶ原は暴風の中、山頂からは激しい雪煙

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
今日は位ヶ原より下部は穏やかな陽気でしたが、大雪渓など上部は絶えず強風と雪煙に覆われる険しい一日となりました。朝7時の位ヶ原山荘付近はマイナス7℃、きれいに晴れ上がった東の空からは赤く染まった太陽が昇り始めます。年末年始の荒天が続き、朝日を拝むことができるのは今年になって今日が最初のこと。オオシラビソの木々の間から昇って来た太陽は白銀のスクリーンにその陰影をきれいに描き出してくれます。そんな5日遅れの初日の出を拝みながら今日一日が始まります。
昨晩の降雪は10センチ程度で、上空には西から東へゆっくり流れる薄い雲に覆われ、山頂方面は北から南へ雲が流れて、その雲間に剣ヶ峰などの峰々が見え隠れしています。それでも位ヶ原山荘付近はほぼ無風で完全にサイレントな世界が広がります。これまでの吹雪の轟音とは比べ物にならないほどの穏やかな状態です。
上空を薄く覆う雲も8時ごろにはすっかりなくなって快晴の青空が広がり、9時ごろになると西からの風が強くなり始め、上部の木々が唸リ始めるようになります。そしてノリクラの峰々からは南に向かって猛烈に雪煙が湧き上がる様子を目にすることができます。
日差しはサングラスをしないとかなりのまぶしさを感じるほどの強さがあるものの、空気の冷たさにかき消されて全く暖かさを感じません。昨晩の降雪はほとんどありませんでしたが、県道ではシールで踝程度の沈み込みと降雪がなかった割にはやわらかさを感じます。また、屋根板でも踝から脛程度の沈み込みで雪が落ち着いている状態を感じさせますが、クラストしているところはなくそれなりの柔らかさがあります。
正午の屋根板はマイナス4℃。屋根板下部では時折突風に見舞われるようになり、一段上がった屋根板中間の平坦部に上がった途端、いたるところでつむじ風が上空へ雪煙を高く舞い上げ、顔を背けてもウエアの隙間から雪が否応なく入り込んでくる状態に見舞われます。もちろん大黒岳や富士見岳といった周辺の頂は常に強い風にさらされていて、絶えず湧き上がる雪煙で青くきれいに晴れ上がった空は淡く霞んで幻想的な光景を醸し出しています。
そして屋根板から位ヶ原にでた途端、常に西から吹き付ける暴風にさらされます。目の前に聳え立つ高天ヶ原や剣ヶ峰からは山の高さ以上の雪煙がまぶしく光る太陽を霞ませるほどです。この暴風のため位ヶ原の雪面は硬く所々でアイスバーンとなり、突然、シールをつけたスキーがツルッと滑ることがあります。
位ヶ原はほぼ完全にブッシュは消えていますが、宝徳霊神の沢などはまだ数メートルの窪みが残り、大雪渓においても県道のガードロープが埋まりきっていないため、視界の悪い時の滑走は注意が必要です。
13時の大雪渓の気温はマイナス6℃。さらに強風は強くなり、とても長時間滞在することができる状態ではありません。
その後も快晴と強風が続きましたが、16時ごろになると位ヶ原付近から上部は完全に雲に覆われ小雪が舞うようになります。ツアーコース位ヶ原入口の気温はマイナス6℃。かなり落ちつた雪質ですが、変に埋まったりもぐったりすることがない分、思ったよりも滑りやすい雪質です。
今日はきれいに晴れ上がった絶好の日和ですが、強風と巻き上げられた雪煙に襲われて厳しい一日となりました。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/06 19:30更新)

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■2008年1月5日(土)■  

@ 2008/01/05 09:25
準備ができたら出発!(ツアーコース入口)
A 2008/01/05 10:50
青空に白い頂が浮かびます

B 2008/01/05 12:10
お昼になると北から雲に覆われます

C 2008/01/05 14:10
濃霧の中、一瞬の輝き(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
年末年始は吹雪が続きましたが、ようやくノリクラの峰々の姿をきれいに拝むことができた一日になりました。朝7時の乗鞍高原はマイナス5℃。少しずつ夜が明け始め、日が昇り始めると雲の隙間から青空がのぞく様になってきます。そして西の空には真っ白なノリクラの姿をはっきりと拝むことができます。中平付近から観光センターのある鈴蘭までの路面は凍結状態ですが、鈴蘭から休暇村方面はやや滑りやすい圧雪状態です。
年末年始から続いた荒天からようやく開放され、スキー場のリフトの乗車するスキーヤー・ボーダーの中には大きなザックやスノーシューを持参する方もちらほら見かけ、スキー場最上部のかもしかゲレンデからはじまるツアーコースの入口には多くの方がスキーにシールをつけたり、スノーシューを装着する光景を目にすることができました。9時のツアーコース入口付近の気温はマイナス2℃。空気は冷たいものの日差しはかなり暖かくぽかぽか陽気。リフトから降りてきてシールを装着しながらインナーウエアを一枚脱いで準備をされれるスキーヤーも多くいらっしゃました。そして、9時30分を回る頃になると東の空に少し雲が残るもののほぼ晴天となり、この天候に誘われてか30分くらいの間に20名ほどの方がツアーコースを登ってゆきます。まるで春スキーの頃の人出と変わらないほどです。
かもしかゲレンデから始まるツアーコース急斜面はほぼ完全にブッシュはなくなりました。雪質は片栗粉状態。すでにたくさんのトレースがついていますのでそれに沿って行けばよいのですが、日陰で少し硬くなった箇所ではシールが効きにくく斜度がきつい分、若干苦労するところもあります。トレース部分はかなり締まった雪質で、シールをつけたスキーヤーばかりでなく、スノーシューの方はもちろんのこと、ツボ足ですら問題ないほどの状態になっています。
青く澄んだ青空が広がるツアーコースの周囲に林立するオオシラビソには、まるで綿で作ったクリスマスツリーの雪のごとく、もっこリとした雪が降り積もり、さらにその雪から氷柱が垂れ下がって、厳冬の時期の雰囲気作りに欠かせない存在となっています。もちろんツアーコースの目の前には高天ヶ原や剣ヶ峰などノリクラを代表する峰々が白く聳え立っている様子を望みながら進んで行きます。年末年始は全く拝むことができませんでしたので、このように青と白のくっきりとしたコントラストを久しぶりに見ることができると感動するものです。
ツアーコース入口付近は片栗粉のような雪質でしたが、@番の標識を過ぎたあたりから少しずつ雪質が軽くなってきます。
正午のツアーコースはマイナス4℃。冷たい空気の中でも日差しを受ける左肩は暖かく、さほどの寒さは感じません。ただ、これまではっきり姿を現していた剣ヶ峰は北から流れ込んできた雲にどんどん包まれるようになってきます。ツアーコースの積雪は年末年始の降雪時よりも少し増え、ハイシーズンは完全に姿を消してしまうD番の標識直下まで増えています。そして、E番標識付近の谷もさほど苦労する状態ではなくなってきています。ツアーコースの最後の位ヶ原へあがる急坂にはすでに多くのシュプールがついていて、シールで登って踝程度の沈み込み。この付近までやってくるとようやく雪に軽さを感じるようになります。ただ、一旦位ヶ原にでてしまうと今度は完全に別世界になります。絶えず西からの強風にさらされ、視界は200メートルほどなり、14時の気温はマイナス10℃と一気に下がります。ほとんどホワイトアウト状態となり、この頃から雪が降り始めます。今回は大雪渓入口まで行きましたが、特別な装備がない限り、視界の失われた位ヶ原は足を踏み入れてはいけません。大雪渓はほぼ完全に雪の覆われていますが、県道のガードロープまで達していませんので、上からの滑走時には注意が必要です。大雪渓付近は時折強い風が吹き、激しく雲が行き交います。その雲の隙間から時折青空がのぞき、大雪渓全景も見え隠れするときもありますが、マイナス10℃の中で、晴れ間を待つことは到底できません。
速報を書く現在はマイナス8℃で小雪が降っています。年末年始の荒天と比べればさほどの寒さではありません。全体的に雪質が落ち着いてきた状態になり、スキーヤーとしてはやわらかい雪がほしいところであることには間違いありません。贅沢は話ですが一降りほしいといったところでしょうか?
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/05 21:45更新)

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■2008年1月2日(水)■  

@ 2008/01/02 12:00
午後から激しく流れる雲間に青空が覗く(屋根板)
A 2008/01/02 12:35
雷鳥はもうすっかり保護色

B 2008/01/02 12:45
終日暴風に叩きつけられいたるところに風紋

C 2008/01/02 15:15
ブッシュは完全になくなりました(ツアーコース位ヶ原入口)

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
昨日の夕方から位ヶ原山荘付近では暴風が吹き続け、夜が明けても一向に収まる気配を見せない朝を迎えました。7時の気温はマイナス13℃。今日も寒い朝を迎えました。絶えず西から強く吹きつける風で雪は激しく真横に流れて行きます。降雪は続くもの風で吹き飛ばされていることもあって、昨晩からの降雪は30センチほど。ただ、今日は積雪よりも、強風でえぐられた大小いくつもの風紋が広がる光景に目が移ります。風に叩きつけられた雪面は昨日までの柔らかな新雪の鮮度を失い、スコップで持ち上げるとかなりの重さを感じる状態になっています。地上の強風は西から東へ吹き抜けるものの上空の雲は北から南へ激しく流れ、その雲の切れ間から青空が覗き、天候の回復をうれしく思うものです。しかし、8時を回る頃になると再び全天が雲に覆われ、激しく吹きぬける風で地表の雪が舞い上がり、時折完全に視界が奪われることもあるほどです。また、気温そのものは終日マイナス12℃と昨日までとほとんど変わらないため、体感温度はこれまで以上の寒さを感じる状態です。
強風で叩かれた雪面はほとんど沈み込まず、県道ではシールで踝程度の沈み込み。そして、屋根板では脛程度の沈み込みです。また、スキー板を踏み入れると表面から3〜5センチ程度がきれいに割れ、表層がパックされていることがわかります。ただ、沈み込みがなくパックされた雪面はシールでかなり歩き易い状態を作り出し、昨日までの登行スピードとは比べ物にならないほど容易に登って行くことができます。
正午の屋根板中間部付近の気温はマイナス12℃。周辺の木々がゴーゴーと激しく唸る暴風が吹きぬけ、時折全身を雪煙に襲われる環境では、顔などは極力露出を避けないと短時間で凍傷になってしまうことが確実な状況です。それでもお昼を過ぎる頃から激しく流れる雲間から青空が広がるようになり、一瞬視界も良くなると宝徳霊神バス停に続く急斜面には、一つも凹凸のないきれいな雪面が広がっている様子などをうかがうことができます。もちろん周囲の木々は叩きつける雪煙できれいな樹氷となっていて、青く晴れていれば絶好の撮影日和になったはずです。
この雪質状態ですから、滑走は容易な状況ではありません。ただ、そんな雪面を元気に動き回る雷鳥を見つけることができました。もう完全に保護色となり、ジャンプしながら木の芽をついばみ、元気な様子をうかがうことができました。
午後は比較的青空が広がる時間が長くなりますが、低温と強風は相変わらずです。この4日間に降り続いた降雪でツアーコース上部の位ヶ原入口の急斜面は完全にブッシュが消え、誰もがイメージする位ヶ原入口の急斜面にようやくなったように思います。ただ、パックされた雪質は決して滑走し易い状態ではありませんでした。
12月30日(日)から連日お伝えした年末年始の速報は今日で終了いたします。また、近いうちに現地に出向きますので、これからも速報をご愛読のほどよろしくお願いいたします。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/02 18:45更新)

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■2008年1月1日(火)■  

@ 2008/01/01 08:45
お屠蘇で一年の始まりを祝う
A 2008/01/01 10:45
積雪は50センチ、お正月でも除雪作業は欠かせません

B 2008/01/01 11:00
雪のやむ気配は一向にありません

C 2008/01/01 13:00
屋根板は猛吹雪・ホワイトアウト(屋根板中間付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
明けましておめでとうございます。本年も乗鞍大雪渓WebSiteのご愛読よろしくお願いいたします。早速、2008年最初の速報をお伝えいたします。7時の位ヶ原山荘付近は昨日と変わらず雪の朝を迎えました。気温はマイナス14℃、鉛色の空には太陽の輪郭どころか昨日以上に厚く垂れ込め、初日の出を拝むことは到底できない状態です。昨晩からの降雪は50センチ程度で雪質は無論軽さを保った状態ですが、スコップで持ち上げたとき、昨日のような空気を持ち上げるような軽さから、スコップの上に何かが乗っている程度の感触があり、少しだけ雪が締まってきたように感じられます。雪の降り方は昨日と比べれば小粒になるものの気温のほうはお昼前はマイナス12℃を推移したままで、時折、吹雪くときもあって、大雪の峠を超えたようには感じられません。それでもお昼近くになると少しばかり空に明るさを感じるようになり、真っ白な雪景色をサングラスなしで眺めていると目が少し痛くなる感覚を覚えます。昨晩の降雪は50センチ程度ですが、山荘付近では場所によっては腰程度まで埋まってしまい、昨日よりも雪が落ち着いているせいもあって抜け出すのに苦労する状態です。また、県道はシールで膝下から膝程度とこちらも昨日よりも深くなっている状態です。
お昼ごろになると県道から屋根板下部急斜面がはっきりと見えるほど視界が回復し、風も弱くなり降る雪の粒も小さくなって、天候が回復する気配を感じさせるようになってきました。正午の屋根板の気温はマイナス10℃、屋根板はシールで膝から膝上まで沈み込む状態で、少し締まり始めた雪質は一歩一歩スキーのトップを持ち上げながらの登行が必要ですがそれほど苦労する状態ではありません。
このまま天候が回復すると思ったものの、屋根板下部の急斜面を登りきって平坦部に出た途端、北からの猛吹雪となり、すぐ目の前に広がるはずの宝徳霊神バス停に続く急斜面も霞んでしか見えません。視界がほとんどない中でもこの急斜面は完全に雪に覆われていることは確認できます。ただ、この天候と連日降り続く降雪でブッシュのない急斜面を登ることは、なだれの危険が大きいと考えて今回はここまでといたしました。そして、昨日の滑走と比べて、雪が少し落ち着いたせいもあってやや重さを感じる状態ですが、一般的には申し分ない雪質であることは間違いありません。
午後になって天候の回復が見られたものの、14時くらいから再び風が強くなり、雪が真横に降るようになってきます。そして16時ごろからは1時間くらいの間で15センチ程度の積雪があり、猛吹雪といっても差し支えない状態になっています。
速報を書く現在も吹雪は続き、この三日間全く変わることのない天候が続いています。そろそろ収まってもらいたいと願ってしまうものです。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。  (2008/01/01 18:40更新)

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