【速報バックナンバー 2008年2月分】

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◎ 2月

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■2008年2月24日(日)■  

@ 2008/02/24 13:35
極寒・地吹雪の一日
(画像:位ヶ原山荘提供)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
本日は悪天候のため、現地に向かうことができませんでした。したがって、位ヶ原山荘支配人からいただいた画像と情報をもとにお伝えいたします。
昨日は朝から降り始めた雪はお昼近くになると急速に天候は悪化し始め、午後からは暴風雪の荒天に一変しました。山荘前では夕方までに40〜50センチの積雪となりました。そして、一夜明けて、今日の最低気温はマイナス21℃の極寒の朝を迎えます。昨日の降雪は収まるものの、強風の荒れた天候は変わらず、地吹雪が絶えず吹き付けています。この暴風で昨日の降雪はもとより、それまでに積もった積雪すら吹き飛ばすひどいもので、風の強さだけでいえば同じく悪天候だった年末年始以上のものがあります。
空は次第に明るさが増してきたものの白一色で気温は一向に上昇せず14時の時点でマイナス14℃。それでもこの頃になるとぼんやりと太陽の輪郭が見え隠れするようになり、16時くらいになってようやく風が収まってきました。
宿泊客の方も山荘周辺を2本ほど滑走されたそうですがかなり厳しかったとのことです。山荘周辺で昨日の降雪分どころかそれ以前の積雪も吹き飛ばされるほどですから、かなり風に叩かれてやわらかいエリアが少なかったと想像できます。
東京では昨日春一番が吹き、各地で荒れた天候でした。次週は現地入りしたいと考えていますが、今回のように急激な天候悪化が予測されるときは現地入りしないこともありますのでご了承ください。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/24 20:25更新)

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■2008年2月17日(日)■  

@ 2008/02/17 07:40
マイナス17℃、吹雪の朝
(位ヶ原山荘)
A 2008/02/17 11:45
思考能力が失われるほどの極寒
(屋根板)

B 2008/02/17 13:30
こんな日は暖かいうどんが何よりのご馳走
(位ヶ原山荘)

C 2008/02/17 15:00
今日は終日ホワイトアウトの一日
(ツアーコース 位ヶ原入口)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
今日はこれまでにないほどの寒さと吹雪の中の視界の悪さから本当に耐え難い一日となりました。
7時の位ヶ原山荘付近の気温はマイナス17℃。細かな雪が西から冷たい風に激しく舞い上がる吹雪の朝を迎えています。昨晩の積雪は20〜40センチ、ただ、風に叩かれているためスコップですくい上げると重たさを感じる雪質で、周辺のオオシラビソの木々には大きな雪の塊が重そうにぶら下がっています。東の空には時折ぼんやりと輪郭をにじませる太陽が見え隠れしますが、その前を真横に雪の粒が激しく流れて行きます。この吹雪のため、山荘付近からは屋根板の下部程度までしか見ることができません。今日の吹雪は風・雪ともそれほど激しいものではなく視界も悪いながらも100メートル以上あり、普段ならさほどの苦痛を感じない程度のもののはずですが、山荘から外に出た瞬間から体に突き刺さるような厳しさがあります。凹凸のわかりづらいホワイトアウトの状態で、なおかつ、少し締まった雪質は踏んだ瞬間に足元が一旦沈み込む感覚から平衡感覚が狂い、しかもこの極寒の状態では思考能力がどんどん低下し、一歩一歩を踏み出すのが精一杯といった状態にさえ感じます。
10時の位ヶ原山荘付近の気温はマイナス14℃、朝と変わらない低温が続きますが、風は少し収まりを見せてきます。しかし雪の降りかたは先ほどより激しくなり、1時間ほどの間に5センチ程度の降雪があります。締まった雪質は山荘周辺だけでなく、いつもなら比較的やわらかい雪質が残る屋根板でも同様で、シールで踝程度しか沈み込みまず、常にスキーのトップが雪上に出ているため歩きにくいということはありません。11時の屋根板下部の気温はマイナス15℃、先ほどのまで西から吹き付けていた吹雪が北からの吹きつけるようになってきます。屋根板下部では時折地吹雪が吹き抜けることはあるものの風はさほど強くありません。それでもウエアの隙間から外気が入り込んだ瞬間に寒さではなく痛みが走る感覚があり、今日の寒さが如何に強烈なものであるかを感じ取ることができます。そして、屋根板上部では強風のため雪崩でも起きたかと思うほど木々が轟音を上げていて、それ以上先に進もうという気力が完全にうせるほどの状態でした。正午の屋根板付近の気温は相変わらずマイナス15℃。表面が叩かれた雪質ですが表面がパックされた箇所はないため、板のしなりと雪の沈み込むタイミングをマッチさせれば、まずまずの浮遊感を楽しむことができます。
お昼を過ぎる頃から再び吹雪がひどくなってきて、13時ごろの1時間ほどで5センチ程度の降雪となりましたが、14時を過ぎる頃から雪の降りかたは収まりを見せ、風もほとんどなくなり、一瞬青空がのぞくときが見られるほどです。それでも気温は相変わらず低く、15時のツアーコース位ヶ原入口付近の気温はマイナス16℃で対岸の尾根がやっと見える程度の視界で、午後になって落ち着きを見せ始めたものの終始荒天の一日でした。
位ヶ原山荘付近や屋根板では昨晩からまとまった降雪がありましたが、ツアーコースは位ヶ原に上がる急斜面をのぞいてそれほどの降雪はなく、全体的な積雪量は昨日から5〜10センチ程度しか増えていません。それでも、この1週間降り続いた新雪で板のしなりに雪の沈み込むタイミングを合わせて滑走すればまずまずの感触を楽しむことができます。
今日はこれまでにない辛い一日となりました。本当にノリクラはいろんな側面を見せてくれる山であることを再認識させてくれたように感じます。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/17 20:30更新)

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■2008年2月16日(土)■  

@ 2008/02/16 09:45
少し霞んでいるものの、午前中は日差しがさす天候
(ツアーコース急斜面入口)
A 2008/02/16 10:50
ツアーコースは全体的に積雪量が増えてきました
(ツアーコース)

B 2008/02/16 12:10
やや締まりかけた新雪にいくつものシュプール
(ツアーコース 位ヶ原入口)

C 2008/02/16 12:40
この斜面の新雪だけで今日は満足
(ツアーコース 位ヶ原入口)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
今日も終日を通してマイナス10℃以下の気温が続きましたが、行動している分にはそれほど苦にならない一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原はゆっくりと舞い降りる雪が降り続く夜を迎えています。気温はマイナス6℃。一面の音を吸着しながらしんしんと降る雪はまるで霧雨のような細かさで、乾いた粉雪が空気を包み込んでいます。
そして一夜明けて朝7時の乗鞍高原は時折突風が吹きぬけ、そのたびに地吹雪が舞い上がり、上空からは小雪も舞う荒れた天候。それでも東の空には青空が広がり始めます。しばらくすると徐々に青空の領域が増えてきますが、上空の雲は北から南へ足早に流れて行きます。早朝までの小雪はやんで、8時くらいになると、日差しも強く晴れた天候になりますが、鳥居尾根から上部は相変わらず雲に覆われた状態が続きます。
日差しがはっきりしてきても気温の上昇は全くなく、9時の気温はマイナス10℃、それでも日差しがある分、寒さが少しばかり和らいでいるように感じます。スキー場のゲレンデ内にはさんさんと太陽の日差しが降り注ぎ明るい雰囲気が流れています。ただ、かもしかゲレンデ最上部から始まるツアーコース入口付近からはその先に続く急斜面が霞んでいて、上空の青空も次第に鉛色掛かった状態になり始めます。10時の気温はマイナス10℃、相変わらずの低温が続きます。
ツアーコース急斜面はこの数日間降り続く降雪で20センチほどの新雪。ただ、シールで登っても踝程度までしか沈み込まない締まった感触があります。
11時くらいになると晴れたときはしっかりと影ができるほどの強い日差しを見せるものの、上空は青空と薄い雲がミックスされたような状態が広がるようになり、小雪が舞い始めると同時にモノトーンの風景に一変し始めます。ツアーコースは多いところで50センチ程度の新雪があり、年末年始の降雪以来、ほとんど変化のなかった積雪量は、この1週間で全体的に20〜30センチ程度増え、ようやくD番の札が雪に埋まるようになって来ました。しかし、まだ多いとは言える状態ではなく、E番付近の谷はほとんど変化のない状態です。
そして、お昼近くになるとこれまでぼんやりと輪郭を見せていた太陽が影を潜め、完全に鉛色の世界が広がり、舞い降りる雪の結晶がさらにきれいな物に変わってきます。降り方もやや強くなりウエアに積もるようになって来ましたが、吹けば飛ぶ軽いものです。位ヶ原に上がる最後の急斜面では30センチほどの新雪が積もっていますが、こちらもやや締まりかけた状態です。それでもお越しになったスキーヤーの方は一様に楽しそうなターンを連続してツアーコースへ向かって行きます。
舞い降りる雪が軽くなり始めた正午の気温はマイナス14℃。位ヶ原はさほど視界が悪い状態ではありませんでしたが、この頃から徐々に降雪と視界の状態が悪化してきます。ほとんどなかった風も吹き始めて、それまで感じなかった寒さも、温度計の示すとおりの寒さへと変わって来ました。それでも天候が急変することはなく、午後は再び降雪が収まってきて、速報を書くこの時間帯では1時間に5センチ程度の降雪です。ただ、気温のほうはさらに下がってマイナス16℃を示しています。それでも空はまだ明るさを保ち、少しずつ春へと近づいているようにも感じます。この寒さの中、春の日差しが待ち遠しいと思ってしまうのも致し方ないものです。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/16 18:05更新)

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■2008年2月10日(日)■  

@ 2008/02/10 10:20
昨晩の降雪は30〜50センチ、文句ない快晴
(屋根板)
A 2008/02/10 11:50
雪崩、長さ150m×幅30m
(富士見岳南側、3号カーブ下)

B 2008/02/10 12:40
今シーズン最高の雪質、スキーヤーの顔がほころびます
(大雪渓)

C 2008/02/10 14:05
晴天と極上の雪質が終日続きます
(大雪渓)

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
昨日からの降雪はさほど多くないものの、雪質は今シーズン最高の一日を楽しむことができました。
朝7時の位ヶ原山荘付近は上空の薄い筋状の雲がオレンジ色に変わり始め、ぼんやりとした太陽が昇って今日一日が始まります。気温はマイナス11℃、昨日からの降雪は30〜50センチ。吹雪でなかったことと気温が低いことからふわふわの新雪。スコップですくい上げても全く重たさを感じない空気をたくさん含んだ乾いた雪質です。位ヶ原山荘に宿泊した登山客は日の出とともに屋根板方面に一列になってラッセルを始めます。スノーシューやかんじきで膝程度まで沈み込み、軽い雪質とはいえども若干苦労されている様子をうかがうことができます。
東の空にはまだ筋状の雲が残るものの、日が高くなるにつれて西の空は次第に青さを増し、位ヶ原山荘付近からは屋根板と剣ヶ峰や富士見岳方面の大パノラマが青と白のくっきりとした世界を繰り広げています。見慣れている風景であってもやはり今日のようなコントラストはなかなか出会うことはできません。9時ごろになると少し風を感じるようになり、富士見岳の山肌には雪煙が舞い上がるようになるもののそれも一時的で、穏やかな雰囲気が流れます。真っ白な新雪に反射する太陽の日差しは強く、サングラスなしではとてもであることはできないほどで、10時の気温はマイナス4℃ですが、暖かな日差しが背中をぽかぽかと照らし、顔に当たる風に冷たさを感じさせません。東の空の雲も次第になくなり、全面快晴の空が広がり始めます。
大雪渓方面に向けて歩く屋根板はシールで脛程度の沈み込み。強い日差しに照らされると徐々に雪に重みがでてくるものの、今日はお昼近くになっても一向にそんな様子を見せないため、登る際にスキーのトップを浮かせる必要はなく、新雪の中で板を前後にすいすいとスライドさせながら楽に登行ができます。
全体的に急斜面の少ないノリクラですが、それでも屋根板では所々で小規模な雪崩を散見でき、富士見岳の南側の3号カーブの直下の急斜面では11時の時点で長さ150メートル、幅30メートルの雪崩の跡を確認しました。早朝、剣ヶ峰を目指した登山者の話では、そのときよりもさらに雪崩の跡が拡大しているとのことでした。比較的安全な山と言われていますが、ここ以外にも雪崩の起きやすいエリアや、雪質の状況によっては足を踏み入れた瞬間にクラックが走る所もあり、注意が必要であることは間違いありません。
屋根板を登りきった正午の位ヶ原は一気に気温が下がりマイナス10℃。北からの風が絶えず吹き続け、それまでのぽかぽか陽気が影を潜めます。それでも雪面は風に叩かれた様子はあまり感じられず、20センチ程度の新雪があります。位ヶ原の冷たい風もお昼過ぎには収まってきて、13時の大雪渓は同様のマイナス10℃であるにもかかわらず、穏やかな陽気が戻ってきます。大雪渓の新雪は30〜50センチ。午後になってもパックされた感触は全くなく、肩の小屋方面から軽快に滑り降りてきたスキーヤーは一様にご機嫌な笑顔がこぼれています。決して深い新雪ではありませんが、底に当たることもなく、午前中のやわらかさを保ったままの状態はターン時に抵抗感を全く感じることのない雪質は今シーズン最高であることは間違いありません。
一時的に薄い雲が太陽の輪郭をにじませることはあるものの、午後になると再びきれいな青空が広がり、位ヶ原からツアーコースに降りる急斜面からは高天ヶ原と剣ヶ峰の間にきれいに落ちて行く太陽を見届けることができました。16時のツアーコースの気温はマイナス8℃。ツアーコースはすでにたくさんのシュプールで食い散らかされているものの、新雪の感触を最後の最後まで楽しむことができ、終日こんなきれいな雪質を味わってしまうと、絶対にまたやって来たくなってしまうことは間違いないと感じた一日となったように思います。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/10 20:40更新)

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■2008年2月9日(土)■  

@ 2008/02/09 10:10
シールで
なんとか登って行けるバーン状態に回復
(ツアーコース入口急斜面)
A 2008/02/09 12:40
朝からの新雪が降り積もり、楽しいバーンに...
(ツアーコース位ヶ原入口)

B 2008/02/09 13:40
小雪から吹雪に。徐々にホワイトアウトの世界へ
(位ヶ原)

C 2008/02/09 17:30
位ヶ原山荘、本日より通常営業開始!
(位ヶ原山荘)

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
天候は悪化傾向を示すものの、久しぶりにきれいな結晶の新雪が降り積もる様子を楽しく観察することができた一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、星が細かく瞬く快晴の夜空が広がっています。気温はマイナス10℃、西から東へ流れる空気が顔をなぞって行き、吐く息が長い尾を作ります。空気がさほど乾燥していないのか気温の割にはそれほど寒さを感じない夜です。そして、一夜明けて7時の乗鞍高原は青空に薄い雲が広がる天候。それでもノリクラの峰々ははっきりと確認することができ、東の空には薄い雲の中から明るい太陽が昇り始めます。気温はマイナス10℃。昨晩と同様、さほどの寒さを感じません。風もなく、8時ごろになると太陽の明るさがさらに増してしっかりとした影ができるようになって来ます。これから天候が回復してくるのではと思わせるほどの状況です。今日は三連休の初日とあってスキー場の駐車場は早くからたくさんの車がやってきて、9時過ぎにはほぼ満車状態。この頃になると青空と太陽は変わらぬ明るさを保ち続けるものの、西の空はすでに鉛色となってきて、ノリクラの峰々はその姿を隠しています。しばらくすると太陽も雲にさえぎられるようになり、いつものように指先から痛みが走り出す寒さが戻ってきて、次第に小雪が舞うようになってきます。
かもしかゲレンデ最上部から始まるツアーコース入口にはすでにたくさんの足跡が急斜面に向かってできています。10時のツアーコース入口の気温はマイナス4℃。3日(日)から降り続いた降雪で、急斜面のバーン状態はかなり回復しています。降雪から数日経過しているため、沈み込みはほとんどありませんが、表面の結晶が崩れていてシールだと少し滑ります。しかしアイスバーンは完全に覆い隠されているため、シールで急斜面を登り切る事が可能です。
11時頃になると雪の降り方が若干強くなってくるものの風はなく、登っている分にはさほど苦にならない状態。それどころか若干背中に汗ばむ感覚さえ覚えます。しんしんとやわらかく降る雪はきれいな結晶のまま舞い降りて来ます。急斜面を登りきった後のツアーコースは、雪面を突き刺すストックの先にコツンと感じるアイスバーンの感覚が先週まで残っていましたが、今日はあまり感じられず、全体的に積雪量が若干増していることがわかります。
正午のツアーコースの気温はマイナス6℃、この頃になると本格的な降り方を見せるようになり、ウエアやザックなどに降り積もるようになってきます。それでも軽い結晶のきれいな新雪は吹けば簡単に飛んで行きます。午前中から降り続いた降雪のため、ツアーコースにいくつもできたトレースが徐々に埋まり始め、シールで登る足元もやわらかい感触を感じるようになり、位ヶ原に登る最後の急斜面では数日前に降った降雪に今日の新雪が5〜10センチ程度上乗せされて、やわらかい楽しいバーンが広がています。
急斜面を登りきった位ヶ原はそれまでさほど強い風はなかったものの、14時近くになると南からの風が西風に変わり、吹雪きとなってきます。気温はマイナス8℃。視界も徐々に低下して広大な雪原はホワイトアウトの世界に陥って行きます。
本日から位ヶ原山荘が通常営業を開始します。18時の位ヶ原山荘の気温はマイナス10℃、雪は速報を書く現在もしんしんと降り続き、この1時間ほどの間に5〜10センチ程度の積雪となっています。この降雪でバーン状態のさらなる回復を期待したいところです。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/09 18:30更新)

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■2008年2月2日(土)■  

@ 2008/02/02 10:15
今週もシールでは登って行けません。アイゼンが必要
(ツアーコース入口急斜面)
A 2008/02/02 12:20
ツアーコースは10〜20センチの滑り易い新雪
(ツアーコース位ヶ原入口)

B 2008/02/02 12:35
どんよりした曇り空でも遠景はくっきりと
(ツアーコース位ヶ原入口)

C 2008/02/02 13:10
モノトーンの世界に輪郭のぼけた太陽が唯一のアクセント
(位ヶ原)

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 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは、不定期で速報だけお伝えいたします。
2月最初の速報です。朝から夕方までどんよりとした天候が変化することなく終日モノトーンの世界が続いた一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は一つ一つの星が細かく輝いている満天の星空。気温はマイナス11℃。沸騰したやかんから立ち上がる蒸気のように吐く息は白く凍りつきます。ピーンと張り詰めた夜空に目をならすと西の空にノリクラの白い稜線をぼんやりと確認することができ、空気の透明度の高さを物語っています。一夜明けて、早朝7時の乗鞍高原は曇、気温はマイナス7℃。東の空には時間とともに寝ぼけたように輪郭を滲ませた太陽が昇ってきます。こんな曇り空でも西の空にはノリクラの稜線がくっきりとしていて、視界をさまげるものは何もありません。ほとんど無風で今日は一日中このような天候が続きます。
こんな天候にもかかわらず、10時前にはかもしかゲレンデ最上部からスタートするツアーコース入口には10名ほどの方がシールもしくはスノーシューを装着して上部に向かう準備を始めます。気温はマイナス3℃。少しばかり太陽の光が強くなってきて雪面に影ができるようになってきたものの暖かさを感じるというほどではなく、大半の方がウエアを脱ぐことなくリフトから降りてきたときと同じ格好で登って行きます。先週の速報でお伝えしましたがツアーコース入口の急斜面はひどいアイスバーンでアイゼンなしでは登って行けない状態になっていましたが、30日(水)・31日(木)あたりの降雪で10センチ程度の新雪が積もり、アイスバーンは覆い隠されています。しかし、この程度の降雪ではとてもバーン状態を回復するには至らず、急斜面を登り切る最後の20〜30メートルの箇所ではシールのスキーヤーは大半の方が板をはずしてツボ足で登って行きます。今日はツボ足で登って行くことができたものの、夕方には表面のやわらかい新雪はすっかり落ちてしまい、アイスバーンがむき出しになっている箇所がいくつもありますので、明日以降、ツアーコースに出かける方は是非アイゼンを携行してください。
急斜面を登りきった後のツアーコースは完全にアイスバーンはなくシールで問題なく登って行けます。ただ、ストックを付くと所々でコツコツとした感触があり、十分な量の降雪ではありません。11時のツアーコースの気温はマイナス4℃。少しばかり太陽の光に強さが見え始め、雪面に影がはっきりするようになってきます。小鳥もさえずり、アウターを脱いで薄手のグローブで登っていっても問題ないほどです。しかしそんな状態も1時間程度しか続かず、正午の気温はマイナス6℃。11時との気温差は2℃ですが、この頃から空気が冷たくなってきてアウターを再び着て厚手のグローブに変えても指先が千切れそうなほどの感覚になってきます。多少の風が吹き抜けることがあっても、常に高天ヶ原と剣ヶ峰をくっきりと確認することができます。今日は曇り空であるにもかかわらず、遠景の稜線は晴れているときと全く変わらないほどの視界が開け、ツアーコース最後の位ヶ原の急坂を登り切ると東の空に八ヶ岳から南アルプス、中央アルプスがくっきりと望むことができ、一面モノトーンの広がる位ヶ原の風景とは対照的にアクセントのある景色を楽しませてくれます。
位ヶ原は数日前の降雪で先週のえぐれた風紋やアイスバーンはほとんどなくなり、滑る箇所を選ばなくても良い状態に回復しています。午後になってもほとんど無風で天候に全く変化はなく、位ヶ原のモノトーンの風景に唯一輪郭のぼけた太陽がアクセントになっています。それでも気温は急激に下がってきて、14時の大雪渓はマイナス12℃。かなりの寒さを感じますが、風がないのが救いになっています。
大雪渓入口にはまだ県道のガードロープが残っていて、ツアーコースも含めて全体的に積雪量が増えているとはいえない状態です。
今日は本当に変化の乏しい一日でしたが、15時くらいになってきて少し小雪が舞い始め、夕方には山頂付近全体に雲がかかってきてきました。15時のツアーコース位ヶ原入口付近の気温はマイナス8℃。数日前に降った10〜20センチの新雪はほとんどパックされている様子もなく、快適にスキー場まで飛ばして行くことができ、久々にスキーの楽しさを実感できたように感じます。ただ、先ほど申し上げたようにスキー場に降りる最後の急斜面は表面の新雪がなくなり、アイスバーンがむき出しになってしまいましたので、明日以降、お越しになる方は注意が必要でしょう。
天候に恵まれたとはいえなかったものの強風や吹雪でもなく、また、久々に状態のよいツアーコースを滑走でき、まずまずの一日を送ることができたといえます。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。   (2008/02/02 19:50更新)
【位ヶ原山荘の通常営業の開始ついて】
位ヶ原山荘は1月14日(月)で年末年始の営業を終了いたしましたが、2月9日(土)より通常営業を開始し、3月末までは連日営業を実施します。(宿泊・昼食とも) 

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