【速報バックナンバー 2008年4月分】

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◎ 4月

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■2008年4月28日(月)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6 ) 

@ 2008/04/28 10:50
上空は薄い雲に覆われ稜線は強風にさらされる
(大黒岳避難小屋)
A 2008/04/28 12:10
雷鳥生息調査
(大黒岳)

B 2008/04/28 11:30
雷鳥のつがい − オス(手前)、メス(奥)
(大黒岳)

C 2008/04/28 13:00
乗鞍スカイラインの除雪は桔梗ヶ原付近まで進む
(左−烏帽子岳、右−大丹生岳)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は良く晴れた穏やかな天候となりましたが、稜線付近は絶えず強い西風が吹きつけ冬の寒さに逆戻りしたような一日となりました。
しっかりとした太陽が昇るものの、位ヶ原山荘付近は少しばかり西からの弱い風が吹き、8時を過ぎても太陽の暖かさをほとんど感じない朝を迎えています。今日は雷鳥生息調査の方々がお越しになりました。9時過ぎに出発する頃の位ヶ原山荘付近はまだ雪面が硬く、スノーシューで出発するかアイゼンにするか少し迷うような状態。しかし、その後も気温はほとんど上昇せず、アイゼンで屋根板・鶴ヶ沢を登っていってもほとんど沈み込みのない状態です。さらに鶴ヶ沢を登りつめるとシールでは全く歯が立たないアイスバーンとなります。したがって、春先とはいえどもシールで登行する場合は必ずアイゼンが必要かと思います。
県境付近の稜線に出ると西からの猛烈な暴風にさらされ、まっすぐ立っていることすら難しい状況。さらに大黒岳の避難小屋に到着するまでは完全に吹きさらしの状態となり、体を斜めにして進んでゆくと、避難小屋に到着した瞬間、吹き止んだ風で不意にバランスを崩してしまうほどです。到着した大黒岳一帯も雷鳥の生息域で、ちょうどこの時期は縄張り争いとつがい形成の時期であるため、雷鳥そのものの活動が活発になり、また、白一面の銀世界でごく一部のハイマツを除けば隠れる場所が少なく、雷鳥の観察には比較的容易な時期との事です。今回も調査を開始して1時間もしないうちにつがいを見つけることができました。国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されている雷鳥は生息域が非常に限られ、ノリクラにお越しになる方は雷鳥の生息する意義を調査を続けられる先生はおっしゃっていました。
今日は青空が広がるものの少し薄い雲がかかり、太陽にははっきりとした日暈がかかっています。そのためあまり遠景の様子を望むことはできず、穂高ですらその姿をにじませるほどです。また、大黒岳からは北に広がるノリクラの峰々を眺望することができ、真っ白に輝く、烏帽子岳や大丹生岳を間近に望むことができます。その山肌を乗鞍スカイラインが畳平に向かって伸びています。4月1日から始まった除雪は大丹生岳の山肌を通る桔梗ヶ原付近で作業が進められています。6台の重機が唸りをあげながら少しずつ雪を削り取って行く様子がうかがえます。除雪の先端は乗鞍スカイラインに県道乗鞍岳線が合流する地点まで進んでいますが、畳平はまだ手付かずの状態です。
鶴ヶ沢上部の県道乗鞍岳線直下の雪面は絶えず強い西風にさらされたため、朝はほとんどフラットな状態でしたが、午後になると風紋が広がるようになります。それでも柔らかいコンディションではなく、鶴ヶ沢の上半分は硬いバーンが広がり、まるでスノーマシーンで仕上げたゲレンデのような状態です。しかし、下半分に差し掛かるとすぐに変化を始め、位ヶ原山荘付近に達すると重く湿った雪質となり、この付近では稜線上の厳しい環境から穏やかな春の陽気となります。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/29 07:15更新)

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■2008年4月27日(日)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6 ) 

@ 2008/04/27 06:25
荒れた天候の中を出発
(位ヶ原山荘前)
A 2008/04/27 09:50
次第に天候は回復
(屋根板)

B 2008/04/27 14:15
雪面は雲の絵筆と丸いシュプールできれいに描かれます
(魔利支天岳)

C 2008/04/27 15:00
終日、変幻自在の雲のシルエットに支配されます
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
終日冷たい空気に覆われて、激しく動く雲に太陽の暖かさをかき消されて、少しばかり冬に逆戻りしたような気候の一日となりました。
朝6時の位ヶ原山荘付近の気温はマイナス2℃。西から絶えず強い風が吹き続き、一面鉛色の空が広がっています。昨日から降り続いた雪はやむものの、この強い風で時折地吹雪となる荒れた天候です。積雪は吹き溜まったところで30センチほど。しかし、昨晩の降雪は春先の湿り気の多い雪質だったため、少し締まった状態で、ツボ足で踝程度の沈み込みしかありません。夜明けごろから常に鉛色だった空もその雲間から時折太陽が覗くことがありますが、それもあっという間に激しく流れる雲にかき消されてしまいます。気温はさほど低くはないものの久しぶりに冬の寒さを感じる朝です。
それでも7時を回る頃から雲が少しずつ薄くなり空には明るさを感じるようになって気温は0℃。山荘のひさしからは降り積もった雪の雫がポタポタと音を立てて落ちるようになってきます。この頃から雲間から太陽が覗く時間が少しずつ長くなってきます。天候は次第に回復傾向を見せ、8時ごろから雲の中からしっかりと太陽が周囲を照らすようになり、9時の位ヶ原山荘付近の気温は2℃。西からの風はあるものの、上空の雲は完全になくなり快晴の青空が広がるようになります。県道乗鞍岳線の除雪は位ヶ原山荘前まで進んでいますが、しかし幅員が十分でないため、バスの通行にはもう少し幅を広げる必要があるように感じます。
10時の屋根板の気温は2℃、風は弱まってきて快晴の空にしっかりとした太陽が差し込むもののつめたい空気に覆われて暖かさをほとんど感じません。屋根板は吹きさらしの箇所を除いて大半が新雪に覆われ真っ白な雪肌を見せ、強い日差しにサングラスなしでは目を開けていられない状態です。そして西からの風がやんだ瞬間だけ日差しの暖かさを感じ、今日の風の冷たさが想像以上のものであることが良くわかります。屋根板の新雪はシールではほとんど沈み込みはないもののストックで突き刺して10センチほどあります。日が当たっていてもこの気温ため、表面はさほど緩んでいません。しかし、つめたい風がやんで暖かさを感じるようになるとそれに反応するかのように表面の柔らかさが現れるようになってきます。そしてほぼ快晴天候も西の空から激しく雲が流れるようになり、富士見岳や屋根板はきれいなグラデーションの世界が絶えず繰り広げられるようになり、しばらくその様子を眺めているとどんどん体が冷えてくる感覚を覚えます。先週も同じように激しく雲が行き交う様子が見られましたが、今日は視界が奪われることもなく、完全に雲に覆われる時間も長くなることがなく、天候の悪化を感じさせるようなことはありません。お昼になっても気温は上がらず、正午の鶴ヶ沢は3℃。富士見岳の山頂付近に雲がかかる時間が長くなりますが、完全に輪郭が見えなくなることはなく、気温さえもう少し高くなってくれれば穏やかな状況といえます。また、つめたい空気に覆われているにもかかわらず、遠景の視界は望めず、今日は穂高と鉢盛山どまりで、上空に広がるきれいな青空とは対照的な状況となりました。
午後になって幾分気温は上がって位ヶ原では4℃。雪原に広がるダケカンバの先端には少しばかりの樹氷が着雪し、風に触れるたびにかさかさを音を立てて落ちて行きます。今日は風がなければ本当に無音の一日で、唯一このダケカンバから落ちる樹氷の音だけが天然の音といえます。
今日もツアーコースからはたくさんの方々がお越しになったようで、13時過ぎの大雪渓には20名近くの方がいらっしゃいます。そしてすでにたくさんのシュプールが刻まれ、滑走のたびに歓声がこだます様子も目にすることができました。変幻自在に絵筆をふるう雲の動きは午前中と全く変わらず、一時的にほとんど雲に覆われたときもありましたが、その後もつめたい空気と青空とグラデーションの世界が続き、15時の大雪渓はマイナス2℃まで低下します。そのため雪面は次第に完全に硬く締まリ始めて行くものの、しっかりとした青空が広がる天候の下、まだ10名ほどの方々が大雪渓で歓声を上げています。
今日は昼過ぎからパックされ始めたものの、少し締まった新雪であっても日中は楽しく丸いターンを描くことができ、昨日とは比べ物にならない楽しい一日となりました。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/27 18:55更新)

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■2008年4月26日(土)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6(今週末掲載予定 ) 

@ 2008/04/26 07:55
三本滝ゲートまで通行可能になりました
(三本滝レストハウス駐車場)
A 2008/04/26 10:55
今日の天気は雨と霙と雪の繰り返し
(ツアーコース入口)

B 2008/04/26 12:05
徐々に積もり始めます
(ツアーコース)

C 2008/04/26 15:20
夕方近くになると降りかたがさらに激しくなります
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
GW初日の今日、春の荒天を代表するような天候の一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原はいつもよりもやや少な目の星数がなんとか広がっている夜空を見せています。気温は4℃、外でじーっと星を眺めていても寒さはありません。また、いつもと同様に西から流れる柔らかい空気が顔をそーっとなでて行きます。それでも西の稜線付近から飛んでくる飛行機のライトが少しにじんでいて、全体的には晴れているように見える夜空も西の稜線付近にはやや雲がかかっていることがわかります。
そして一夜明けて6時の乗鞍高原は4℃、小雨が降っています。5時くらいまではノリクラの山肌が少し赤く染まり、上空には雲が見えるものの、青空が広がり始めていました。しかし、5時30分位からノリクラの山々が完全に雲に覆われはじめ、6時前には雨が降るようになってきます。時折まとまって降るこの雨は観光センター駐車場にしっかりとした水溜りを作るほど。それでも7時過ぎには雨は上がり始めて、鳥居尾根ゲレンデ付近まで視界が回復し始めました。
県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝ゲートの区間は4月24日(木)に冬季閉鎖が解除されました。このため、今回の登行の出発点は三本滝レストハウス駐車場となります。観光センター駐車場から上部へ向かい始めると再び雨が降り出し、三本滝レストハウス駐車場に到着したときは雨と霙が交互に繰り返す生憎の天候。日差しがないため、9時のレストハウスの気温は6℃と早朝からほとんど変わりません。駐車場には15台ほどの車が止められていますが、雨を避けてレストハウスのテラスの軒先でツアーコースへ登って行く準備を進めつつも、時折激しく降る霙の様子を眺めながら出発するタイミングを見計らっています。
三本滝レストハウスからかもしかゲレンデを経てスキー場最上部から始まるツアーコース付近に差し掛かると霧が発生するようになり、雨よりも霙が降っているタイミングの方が多くなってきます。それでも水分を多く含んだ雪質は、少しでも登行の足を止めるとシールの裏に雪がくっつきまとわりつきます。この降雪でツアーコース急坂は2〜3センチの降雪となり、春の汚れた表面がきれいに化粧を施されるようになってきます。ただ、ツアーコースが全体的に積雪量は減少の傾向を見せ始め、ツアーコース入口急斜面ではブッシュの分布が少し広がってきています。ただ、登行や滑走には問題はありません。また、ツアーコース入口急斜面以外ではブッシュはまだありません。その後の天候も基本的に変わりはなく、一時的にやむことはあっても、雨か霙か雪のいずれかしか選択できません。そして気温は徐々に下がり始めて、正午のツアーコースの気温は3℃。雨よりも霙か雪のタイミングがさらに多くなってきます。そして、ほとんど風がないため、水分の多い大粒の霙や雪は激しくまっすぐ急降下する様子が至るところで広がっています。そして、ツアーコース周辺のオオシラビソの枝葉も徐々に雪化粧を始めるようになります。13時のツアーコース中間部付近ではいつもと異なり南からの風が強く吹くようになり、霙があられに近い状態となってきます。そのため顔や首筋はあられの攻撃にさらされて、身を縮めながら先へ進んで行きます。ツアーコース内では重たかった雪質もツアーコースから位ヶ原に差し掛かる急斜面付近では徐々に乾いた雪質となり14時の気温は2℃。厚手のグローブでないと指の感覚がなくなってきます。この降雪による積雪量もさらに多くなってきてコース内のシュプールやトレース跡がほとんどなくなっています。また、この頃から周囲の木々が轟音を上げるようになってきて風向きもいつものように西からのものとなり、位ヶ原に上がったとたんに横殴りのあられに叩きつけられるようになり。位ヶ原はまっすぐ前を向いて進むことは到底できません。位ヶ原の15時の気温は0℃。ここではもう雨や霙ではなくあられかもしくは降雪は続き、位ヶ原の雪原をシールでさらに進めば、これまで感じなかった板の沈み込みを感じるほどの降雪となっています。
速報を書く現在も位ヶ原山荘付近では横殴りの吹雪が続き、今日は雨から雪へとめまぐるしく変化する天候で全身ずぶ濡れの状態が冷え込んでウェアがバリバリになるなど、なかなか辛い一日となりました。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/26 19:30更新)

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■2008年4月20日(日)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.5 ) 

@ 2008/04/20 07:35
山頂へ出発!
(位ヶ原山荘)
A 2008/04/20 10:50
激しく雲が行き交います
(屋根板)

B 2008/04/20 13:10
午後からは完全に視界が奪われます
(位ヶ原)

C 2008/04/20 16:40
夕方になってきれいな太陽がようやく差し込む
(ツアーコース)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は雨や雪が降ることはなかったものの、別の意味でノリクラの怖さを体験させられたような一日となったように感じます。
6時の位ヶ原山荘付近はすでに高く昇った朝日ときれいな青空に包まれた絶好の朝を迎えます。上空には少し雲があるものの空の青さはもう十分なもので、山麓には見事な雲海が広がっています。強い朝日が雲海の躍動感をきれいに浮かび上がらせ、この朝の光景は何度見ても飽きを感じさせない美しさがあります。東の空には全く雲はないものの、西の空には北から流れ込む雲にノリクラの峰々が見え隠れしています。それでもはっきりとした青空に昨日は全く姿を見せなかった屋根板がはっきりと映ります。そんな強い太陽に照らされて少し歩くと汗が吹き出るほどの状況です。山麓の雲海がなくなり始めた7時ごろになると上空の雲が徐々に増え、ゆっくりと北から南へ流れる雲に青空が支配されるようになってきます。位ヶ原山荘に宿泊された方々も7時過ぎには大半の方が剣ヶ峰に向けて出発されます。ゆっくり流れる雲の動きは時間の流れを止めるような感覚を覚えますが、それも青空よりも雲量が多くなってくるとそんな感覚が薄らぎ、天候の行方が心配されるようになり、9時を回ろうとする頃には完全に空の青さはなくなってきます。10時の屋根板の気温は10℃。山頂付近は北から雲が流れるものの、屋根板は山麓から湧き上がってくる霧で時折視界が奪われるような状態になってきます。それでも日差しの強さは雲を通して十分伝わり、じーっとしていても雪面からの蒸し暑さを感じるほどの状況です。今日の天候は完全に雲の動きに支配されたといっても差し支えない一日で、変幻自在に形を変えながら上空に数々の模様を形作りながら青空にきれいな絵筆を振るいます。そして、屋根板や富士見岳の雪肌には様々なグラデーションを受け止めるスクリーンが広がり、そんな様子を足を止めてじーっと眺めてしまい、時間のたつのを忘れてしまいます。11時の屋根板の気温は8℃。雲の動きが徐々に早くなり、山麓からの霧を押しやる西風が収まると一瞬のうちに視界が奪われ、一面ホワイトアウトのまったく視界の効かない世界と、青空に生き物のように雲が行き交うきれいなグラデーションの世界が交互の訪れるようになり、次第にホワイトアウトの時間のほうが長くなって行きます。それでも日差しに照らされた雪面はどんどん緩んで行き、11時ごろまではシールで表面をバリバリと割りながら進んでいった屋根板や鶴ヶ沢もお昼近くになるとその表面も完全に緩んで春雪となります。今日の雪質は重たいというよりも粘っこいといった表現のほうが適切で、緩斜面では直滑降でも失速してしまうような状況で、屋根板の至るところでターンせずにまっすぐのシュプール跡を見つけることができます。
午前中は視界が奪われてもすぐに回復する天候を見せていましたが、午後になるとさらに悪化傾向を見せます。正午の鶴ヶ沢の気温は6℃、北からの涼しい風が吹き火照った体がクールダウンさせられます。そして上空の雲は徐々に低くなってきて、遠景を見ても鉢盛山はもうすっぽりと雲に隠れ、午前中であれば10分間隔くらいの周期で視界が回復した天候も、13時ごろの位ヶ原では完全に視界が奪われてきます。その後の位ヶ原や大雪渓は視界が回復することなく、ひどいときは50メートル先が見えないほどの状況。この状況になると身動きが全く取れなくなります。今日は午前中は周期的な天候の変化はあったものの、視界に関しては問題となる時間帯は少なく、多くの方が山頂方面に出向いたものの、午後の下山時刻になってこの状況に見舞われ、下山ができない方もいらっしゃったようで、14時の大雪渓付近では声をかけながら足元すら見えない斜面をツアーコースに向けてゆっくり降りて行く様子を耳にしました。
位ヶ原・大雪渓方面はこれからのシーズンは霧に対する注意が十二分に必要で、ツアーコースから先の位ヶ原がすでに霧で視界不良であれば立ち入ることは少ないと思いますが、今回のように午前中はそこそこの天候であって、位ヶ原・大雪渓へ登って行ったものの、午後から完全に視界が奪われると全く身動きが取れなくなることを熟知していなければなりません。特に今回は午前中に激しく雲が行き交い、天候が不安定であることは容易に想像できました。一旦霧が発生すると位ヶ原や大雪渓は牙をむくことを決して忘れてはなりません。
県道乗鞍岳線は24日(木)より三本滝ゲートまで通行可能となりますが、現在、除雪の先頭は位ヶ原山荘の100メートル手前まで進んでいます。そして、これまで見かけることのなかった熊の足跡も見つけ、春へさらに一歩進んだノリクラをいろんな意味で発見した一日でした。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.5
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/20 21:10更新)
【県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の冬季閉鎖解除と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線は4月24日(木)に休暇村ゲートが開門し三本滝ゲートまで通行可能となりますが初日の開門は11時を予定されていますので、当日、現地に出向く方はご注意ください。また、4月以降当面は週末のみの営業を予定していた位ヶ原山荘は4月12日(土)より連日営業をおこなっています。

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■2008年4月19日(土)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.5 ) 

@ 2008/04/19 08:20
濃霧の中を一番スタート!
(休暇村)
A 2008/04/19 10:00
徐々に霧が晴れてきます
(休暇村ゲレンデ)

B 2008/04/19 12:20
しかし再び濃霧
(ツアーコース)

C 2008/04/19 15:35
ホワイトアウトの世界が一瞬開ける
(位ヶ原・魔利支天岳)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は17日(木)から降り続く雨が少しずつ収まりを見せ始め小雨となっています。そのため観光センター駐車場の水溜りも引き始めています。小雨は若干強弱を繰り返すものの、上空にはほぼ真上に上った十三夜の明るい月がその輪郭を見せ始め、徐々に雲が薄くなってきたことを物語っています。そして南の空はぼんやりと明るく雲の濃淡がわかるような状態になってきました。この天候ではあるものの視界は悪くなく、雲が鳥居尾根のゲレンデコースの上端付近まで垂れ込んでいることがわかります。十三夜を取り巻く雲はゆっくりと形を変えながら流れ、小雨さえ気にしなければその変化をじっと眺めていたいと思ってしまうほどです。
一夜明けた乗鞍高原はまだ小雨が降り続いています。6時の気温は6℃。夜明けごろはぼんやりと見えていた鳥居尾根のゲレンデが完全に見えなくなり、7時ごろになるとかなり低い所まで雲が降りてきます。県道乗鞍岳線は三本滝ゲートまで通行できるようになるのは4月24日(木)ですから今回も休暇村からのスタートとなります。8時の休暇村駐車場は8℃。かなり濃い霧に覆われ視界は100メートルに満たない状態です。先ほどから比べると雨は少し小降りになってきましたが、この霧と相まって、出かける気力を失うほど。休暇村駐車場には何台もの車が止まっているものの、準備を始める方はまだいらっしゃいません。そのため、この濃霧の中を出発したのは富士見岳を目指すボーダーの方だけでした。しかし、8時30分には雨はやんで9時になると休暇村周辺の霧も収まりを見せ始めます。そしてそれを待っていたかのようにシールを貼ったりツアーコースへ出かける準備を開始する姿が休暇村駐車場のあちらこちらで見かけることができるようになります。今回はこの天候のため、あまりたくさんの方はお越しにならないと思っていましたが、最終的に30名以上の方がツアーコースに向けて登って行かれました。
休暇村から抜けていった霧は次第に上部へと上がって行き、休暇村ゲレンデも10時近くになると時折日がさす状態になります。10時の三本滝レストハウス付近の気温は12℃。東の空に青空が見え隠れするようになり、蒸し暑さすら感じる状態になります。それでも西の空は相変わらず鉛色を呈し、かもしかゲレンデからはノリクラの山並みを一切確認することはできません。
かもしかゲレンデは上部から山麓まで良い視界に保たれていましたが、ツアーコースに差し掛かると山麓から沸いてくる霧に覆われて視界が奪われます。そして気温も下がり始めて正午のツアーコース入口付近は6℃。吐く息が若干白くなるときがあります。かもしかゲレンデあたりから雪面がかなりきれいな状態になり、ツアーコースにも水分を含んだかなり重たい新雪が積もっています。全体的には10〜15センチ程度で一旦足を止めるとシールに張り付いてしまうほどの厄介な雪質です。その後も時折青空がのぞく瞬間があるものの、終日濃霧の一日が続きます。それでも時折雲に切れ間が覗き、そのたびに山麓の乗鞍高原が太陽に照らされている様子がうかがえます。低く垂れ込めた雲は鉢盛山の山頂付近まで下がっていて、ツアーコースから位ヶ原に上がる急斜面付近にやってくると足元すらわからないほどの濃霧に見舞われます。15時のツアーコース位ヶ原急斜面は8℃。この視界では特別な装備がない限り、樹木や標識のほとんどない位ヶ原に上がることはできませんのでご注意ください。
位ヶ原は濃霧が続きますが、それでも一瞬雲がちぎれ、青空と太陽が自分たちの出番を待っていたかのように位ヶ原周辺を明るく照らします。これまでの五里霧中の状況とはまるで別世界が広がり、位ヶ原がいろんな顔を持っていることを改めて再確認させられます。また、それだけ穏やかな時と厳しい顔の両面を持っていることといえます。その後は再び足元も見えない濃霧に覆われ、山荘へ向かう宿泊の方も今日はそのアプローチにかなり苦労されたようです。
今日のような何も見えない位ヶ原は引き返す勇気をもって行動することが必要であることを教えてくれたような一日となりました。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.5
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/19 19:50更新)
【県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の冬季閉鎖解除と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
乗鞍高原温泉スキー場の休暇村ゲレンデの第一トリプルリフトは4月6日(日)をもって営業が終了しました。したがって、ツアーコース入口までは休暇村ゲレンデからすべて登行することになりますので、時間に余裕を持って早めに出発されることをお勧めします。また、冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)は昨年よりも遅い4月24日(木)からの規制解除が予定されています。したがって当面は休暇村からの登行が必要となりますのでご注意ください。
また、当初、位ヶ原山荘は4月以降当面は週末のみの営業を予定しておりましたが、4月6日(日)までは連日営業を行い、4月7日(月)〜11日(金)までの5日間は一旦休業するものの、12日(土)からは再び連日営業を行います。

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■2008年4月13日(日)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.4 ) 

@ 2008/04/13 06:05
朝から曇天、硬いバーンにアイゼンが良く効く
(位ヶ原山荘前)
A 2008/04/13 11:40
少しずつ低い雲が広がり始めます
(屋根板付近)

B 2008/04/13 13:05
午後から雪が降り始めます
(魔利支天岳東斜面)

C 2008/04/13 13:35
人気のないバーンで雷鳥が激しく縄張り争い
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
昨日の晴天はなくなり、今日は午前中のどんよりとした天候から次第に小雪に変わり、天候の変化の早い春先ならではの一日となりました。
早朝6時の位ヶ原山荘付近は東の地平線付近は朝日で若干オレンジ色に染まるものの、上空全体を薄く覆った雲の中にどんよりとした輪郭をにじませた太陽が昇る朝を迎えます。気温は1℃。風はなく寒さはほとんど感じません。それでも昨日はズボズボと踏み抜いてしまう雪面は硬く締まり、アイゼンのほうがよいコンディションのバーンが広がっています。日が高くなるにつれて上空を覆う雲が時折薄くなり、8時ごろには雪面に影ができるほどの日差しが差し込むようになります。しかし、まだ暖かさを感じるほどのものではなく、9時ごろになると再び日差しが弱くなって雪面の影がなくなってきます。この時点で気温は8℃とかなり上昇するものの、雪面は早朝と変わらない硬い状態が続きます。
10時の屋根板の気温は10℃、一時的ではありますが上空の薄い雲がちぎれて部分的に青空がのぞきます。そして、力強い太陽が差し込むと、それまで硬く締まった雪面は一気に緩み始め、表面にも水気があわられるようになります。そのため屋根板を登っていても暑さを感じるようになり、アウターがないほうが快適な状態となってきます。青空は再び薄い雲に覆われてくるものの、太陽の周りだけを雲が避けるように通るかのごとく、若干の青空と太陽の日差しが雪面に薄く影を落としています。そのため、11時の屋根板は14℃まで上昇し、ほとんど風もなく蒸し暑さを覚えるようになってきます。さほど強いとはいえない日差しではありますが、数日前の降雪のため、黄砂などで汚れた雪面が再び真っ白になっていることもあって、サングラスなしでは目を開けていられない状態です。昨日の速報で上部エリアの縦溝についてお伝えしましたが、屋根板の緩斜面でも縦溝が見られ、鶴ヶ沢など周囲から水の流れが集まってくる箇所では大きなものでは幅が80センチ深さが20センチほどのものも見られるほどで、どこをとってもフラットなバーンはありません。状況としては5月末から6月の梅雨入り頃にまとまった降雨に見舞われた後の大雪渓に広がる縦溝に似た状況といえます。屋根板付近から望む遠景はこの天候ですので中央アルプスどまりで、南アルプスや八ヶ岳などは霞の中に隠れています。また、お昼前からそれまでの薄い雲の下に少しずつ低い雲が流れ込むようになってきて天候の変化が見られるようになってきます。
12時の鶴ヶ沢の気温は10℃、先ほどまでの蒸し暑さは影を潜め、時折ひんやりとした空気が流れるようになります。また、いつもは聞こえることのあまりない乗鞍高原の正午を告げるチャイムが聞こえます。空気の流れがいつもと違うようです。そんな状況の変化は雪面が一番敏感で、表面は急激に固まり始め、急斜面のトラバースで表層がずれる感覚を覚えます。
お昼を過ぎて急激に気温は低下し13時の位ヶ原は0℃まで下がります。そして12時30分ごろから降り始めた雪が吹雪きに近い状態になってきます。この時点で位ヶ原・大雪渓エリアには5名ほどのスキーヤー・ボーダーの方の姿を確認しましたが、雪の降りかたが強くなると同時に一斉に下山を開始します。この気温の低下と同時にバーンはかなり硬くなり、大雪渓を滑り降りるボードのエッジ音がその硬さを物語っていました。そして、人気のなくなった位ヶ原・大雪渓エリアでは左右前後から雷鳥の声が甲高く鳴き響き、いたるところで激しく繰り広げられる空中戦を目の当たりにします。天候の悪化と同時に一斉に大雪渓にあつまってきたかのような状況にこれだけたくさんの雷鳥を確認することは初めてのことです。
14時の大雪渓は2℃、少し気温が上がってきて降雪は強弱を繰り返すものの収まる気配はなく、大雪渓に広がる縦溝にうっすらと雪が積もり始め、16時のツアーコースの位ヶ原急斜面は3センチほどの降雪がシュプール跡を消し始めています。そのため、下りのツアーコースはやわらかく滑り易いバーンが広がり、A番の標識付近までは楽しく滑走することができます。しかし、その先は降雨と変わり、水分を含んで全く滑らない雪質となります。スキー場上部に下りるツアーコース急斜面付近では霧が立ち込め、スキー場内は小雨が降り続きます。先週で営業を終えた休暇村ゲレンデは下部ではすでに地面が露出しているところがありますので、次の週末は滑走できない部分が現れることと思います。今日のような天候を見ると、春へと確実に季節が変化していることを感じさせてくれた一日となったように思います。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.4
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/12 19:50更新)
【県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の冬季閉鎖解除と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
乗鞍高原温泉スキー場の休暇村ゲレンデの第一トリプルリフトは4月6日(日)をもって営業が終了しました。したがって、ツアーコース入口までは休暇村ゲレンデからすべて登行することになりますので、時間に余裕を持って早めに出発されることをお勧めします。また、冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)は昨年よりも遅い4月24日(木)からの規制解除が予定されています。したがって当面は休暇村からの登行が必要となりますのでご注意ください。
また、当初、位ヶ原山荘は4月以降当面は週末のみの営業を予定しておりましたが、4月6日(日)までは連日営業を行い、4月7日(月)〜11日(金)までの5日間は一旦休業するものの、12日(土)からは再び連日営業を行います。

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■2008年4月12日(土)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.4 ) 

@ 2008/04/12 09:15
休暇村ゲレンデを歩きます
(休暇村ゲレンデ)
A 2008/04/12 11:35
休憩には程よい陽気
(ツアーコース)

B 2008/04/12 12:45
スピードの乗らない重たい雪でも楽しいスキー
(ツアーコース)

C 2008/04/12 15:45
上部エリアも雨の影響で至るところに縦溝
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は暑くもなく寒くもなく登行には持って来いの一日となりましたが、ツアーコースより上部の滑走はかなり苦労させられた一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は先ほどまで見えていた月すらなくなった闇夜が広がります。目が夜空に慣れてくると空全体が薄い雲に覆われていることがわかります。その雲の隙間で所々星が光り、完全な闇夜のなかで目の焦点がその星にあいます。気温は4℃。しばらく夜空を眺めていても寒さどころか心地よさを感じるほどの気候で、いつものように顔をやさしくなでるような風に包まれています。
夜が明けて早朝6時の気温は1℃。夜明け直後の5時30分頃は空はまだはっきりとした青さを見せていなかったものの、6時頃にはしっかりとした青空が広がります。しかし、西に浮かぶノリクラの稜線は帯状の薄い雲が張り付くように浮かび稜線の輪郭をはっきりとさせてくれません。乗鞍高原も雪解けが進み、観光センターから望む鳥居尾根ゲレンデでは少し地面が出始めています。
乗鞍高原温泉スキー場は3月30日(日)でリフト営業を終了し、休暇村ゲレンデも4月6日(日)で営業を終了しました。また、県道乗鞍岳線は休暇村から先はまだ冬季閉鎖中のため、今回は休暇村ゲレンデからすべて登行となります。7時30分頃の休暇村の駐車場にはすでに準備を整えて出発された方、これから出発しようと準備を開始する方などが10名ほどいらっしゃいます。その後、登ってこられた方も含めて、今日のツアーコースは全体で15名ほどと、いつもの賑わいはありませんでした。
今日は全体を通して汗ばむような陽気の一日ではありません。10時の三本滝レストハウスの気温は8℃。少し北風が強くなり東の空には雲がわき始めます。日差しはしっかりと差し込むものの、ジリジリと焼き付けるようなものではなく、休暇村ゲレンデを出発したころにはグサグサだった雪質がかもしかゲレンデに差し掛かると、少しパックされた状態に変わってきます。先週は三本滝ゲートまで完了した県道乗鞍岳線の除雪が今日はかもしかゲレンデを通り、魔利支天方面へ進んでいます。したがって、かもしかゲレンデは高いところで5メートルほどの切り通しが出来ていて、下から登行してきたものの、場所を間違えると車道に下りることが出来ません。また、上からの滑走においても切り通しの部分に滑落しないように注意が必要です。かもしかゲレンデの先にあるツアーコースでは先週のトレース跡を隠す程度の降雪はありましたが、やわらかい感触を得るほどの降雪量ではありません。今日は人出が少なく、いつものように踏み固められた閉口する状態ではありませんが、日差しとともに水分を含みすぎた雪質はシールがしっかりと噛まない状態で、それはそれで滑り易い状態でした。
急斜面を登り切って、12時のツアーコースの気温は12℃。登っているとやや汗ばむほどの陽気ですが、足を止めて休憩していると程よい気候で、あくせくと登らずにゆっくりと春の陽気を十二分に楽しみたい所です。この頃からツアーコースもかなり雪面が緩んできて、重たい春先のゲレンデがやや水分を含んでもたつくような感触のバーンになります。しかし、こんな雪質にも慣れていればなんら問題ないどころか、楽しくスキーをすることができ、ツアーコースを華麗に滑り降りてくるスキーヤーの中には歓声を上げる方もいらっしゃるほどでした。
午後になると上空の青空が次第に薄くなり、13時ごろになると全体的に空が白くなってきます。太陽も徐々にその輪郭が薄くなってきて、ツアーコース内のバーンもパックされ始めます。そして次第に気温が下がり始めて14時の位ヶ原は6℃。薄着のままでは寒さを感じる状態になり、次第に風景も白一色のモノトーンの世界になります。それでも15時くらいから再び雲の隙間に青空がのぞくようになります。その青空から西に傾き始めた太陽が大雪渓エリアを照らすと全面にできた縦溝が広がっていることがわかります。この縦溝は降雨によってできたもので、大雪渓だけでなく、位ヶ原・魔利支天岳・屋根板など上部エリアすべてで確認でき、夕方近くになってパックされてきたコンディションではこの縦溝を滑ることはできない状態です。よほど気温が高くなり雪解けが進むか、降雪がない限りしばらくは残ると思いますので、スキーヤー・ボーダーの方は日差しで雪の緩んだタイミングを見計らって滑走するなどの計画が必要かもしれません。
晴れてまずまずの一日でしたが、これほどまでひどい縦溝ができているとは思いもよらず、明日の行動をどうしようかと思案してしまうほどです。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.4
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/12 19:40更新)
【県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の冬季閉鎖解除と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
乗鞍高原温泉スキー場の休暇村ゲレンデの第一トリプルリフトは4月6日(日)をもって営業が終了しました。したがって、ツアーコース入口までは休暇村ゲレンデからすべて登行することになりますので、時間に余裕を持って早めに出発されることをお勧めします。また、冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)は昨年よりも遅い4月24日(木)からの規制解除が予定されています。したがって当面は休暇村からの登行が必要となりますのでご注意ください。
また、当初、位ヶ原山荘は4月以降当面は週末のみの営業を予定しておりましたが、4月6日(日)までは連日営業を行い、4月7日(月)〜11日(金)までの5日間は一旦休業するものの、12日(土)からは再び連日営業を行います。

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■2008年4月6日(日)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.3 ) 

@ 2008/04/06 06:00
快晴の空に朝日が昇ります
(位ヶ原山荘)
A 2008/04/06 08:45
魔利支天岳に向けて出発
(位ヶ原山荘)

B 2008/04/06 11:50
一向に変化を見せない青空が続きます
(魔利支天岳)

C 2008/04/06 14:45
終日紺碧の青空の一日でした
(屋根板)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日はドカンと居座った高気圧に覆われ、雲ひとつなく紺碧の深い青空が終日広がって、またとない一日を送ることができました。
徐々に日の出の時刻は早くなり、もう5時30分ごろにはきれいな太陽が東の空を赤く染めながら昇り始めます。6時の位ヶ原山荘の気温はマイナス4℃。いつもなら太陽の輪郭もぼんやりし、空の青さもまだはっきりとしないものの、今日はどちらもはっきりとした輪郭と青さが朝早くから広がっています。空の青さは日中と全く変わらないほどです。快晴無風で寒さはあまり感じません。位ヶ原山荘付近は表面がパックされた雪面が広がり、ツボ足で歩くと所々踏み抜いてしまうところがあっても日中ほどの踏み抜きはなく、やや固めのバーンが広がっています。そんな雪面に朝日が当たると表面が鏡のように反射して朝日の強さを倍増します。日の出ごろにはほとんど感じなかった風が6時を回る頃からいつものように西から穏やかに吹き始めます。それでもオオシラビソの枝をゆっくりと揺らす程度で、今日は風が吹いてもこの程度で収まります。
8時の気温は0℃。少しずつ太陽の暖かさを感じるようになり、9時にはさらに4℃まで上昇します。いつもなら日が高くなって気温が上がり始めると上空のどこかに雲がわき始めるものの、今日は気温の変化があっても雲は一向に見かけることができません。位ヶ原山荘に宿泊されたスキーヤーの方々はすでに屋根板など上部のエリアに向けて出発されましたが、もう日差しの十分強くなった9時前に出発されようとしたスキーヤーの方々は山荘から数歩歩き出した途端に暑さを覚え、急いでアウターをザックに押し込む場面もありました。この頃になると山荘付近の雪面も少しずつやわらかさを感じるようになって来ました。
突き刺すような日差しはさらに強さを増し始めます。10時の屋根板の気温は6℃。空の青さはさらに深さを強め、先ほどまでのそよ風は完全に影を潜めます。強い日差しで屋根板の雪面はパックされた表面が完全に緩み、新雪のやわらかさが戻ってきますが、さらに時間が経過するにつれて春雪のやわらかさに変化してくる様子をシールの裏から感じ取ることができます。そしてそれまで真っ白だった屋根板は所々で少し汚れが目立つようになり、そんな所からも春雪に変化し始めていることが感じ取ることができます。11時の屋根板は10℃に達し、じーっとしているだけで汗ばんでくるほどになり、サングラスなくては目が開けていられないほどの強い日差しに浴びせられます。快晴無風の状態がいつまでも続き、全く音がない状態では、逆に耳の中の音がジーンと聞こえる世界が広がります。そんな状態に身を置くと、あくせくと登って行くよりも屋根板や鶴ヶ沢のスケール感をずーっと味わっていたいと思ってしまうほどです。今日はきれいな青空が終日に渡って広がるものの、遠景は昨日よりも霞んでいて、中央アルプスや穂高ははっきりと確認できるものの、それよりさらに遠景の八ヶ岳や北アルプスはその輪郭をしっかり確認することができない状態です。
3月31日(月)から休暇村ゲレンデのリフトのみの営業となり、ツアーコースまでゲレンデ内を登行する必要があることから、今日はお昼を回ってもツアーコースから登ってこられる方をほとんど見かけることができません。そんな中、魔利支天岳東斜面には位ヶ原山荘に宿泊された方を中心に思い思いのターンを描いています。雪面も十分やわらかくなりかなり好条件といえます。
それまでの暖かさから一変して、12時の大雪渓は2℃。アウターがないと寒さを感じる状態です。また、魔利支天岳とは対照的に大雪渓はトイレ付近の下部から肩の小屋の上部までどこをとっても圧雪したゲレンデに雪紋ができたような状態。雪紋の少ないところを選んで滑れば、ハイシーズンのゲレンデスキーといっても良いような状態です。そして、13時を回る頃になるとツアーコース方面から数名の方が登ってこられる姿を見かけることができ、ツアーコースそのものにはたくさんの方がお越しになったようですが、時間的に引き返した方も多かったようです。
そして14時の魔利支天岳東斜面の気温は2℃、徐々に西へ傾き始めた太陽の日差しの暖かさを感じられなくなり、それまでやわらかかった魔利支天岳の雪面は徐々にパックされ始めてきます。それとは対照的に魔利支天岳の北側に広がる富士見岳から屋根板に降りる斜面は日中にあまり緩まなかったため、大雪渓以上に固いバーンが広がり、逆に滑り易い状態が保たれ、そのまま屋根板に楽しく滑り降りて行くことができます。
16時くらいになってようやく上空に雲がわき始めてきますが、本当に良い天気が続きます。ツアーコースに降りる位ヶ原の急斜面の気温は3℃。ツアーコースは多くの方が滑り降りてガタガタのバーンがそのまま凍り始め、まともにターンできる状態ではなくなっています。斜光がシュプール跡の凹凸をはっきりと照らし、今日は朝から夕方までダイレクトな光線が差し込んで、バーンの滑り難さを少しばかり助けてくれるように感じます。
これほど深い青空が終日続くことはあまりなく、今日のような日にノリクラにやってきたのなら絶対にもう一度来たくなっても不思議ではない一日を楽しむことができました。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.3
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/06 20:15更新)
【県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の冬季閉鎖解除と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
乗鞍高原温泉スキー場の休暇村ゲレンデの第一トリプルリフトは4月6日(日)をもって営業が終了しました。したがって、ツアーコース入口までは休暇村ゲレンデからすべて登行することになりますので、時間に余裕を持って早めに出発されることをお勧めします。また、冬季閉鎖中の県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)は昨年よりも遅い4月24日(木)からの規制解除が予定されています。したがって当面は休暇村からの登行が必要となりますのでご注意ください。
また、当初、位ヶ原山荘は4月以降当面は週末のみの営業を予定しておりましたが、4月6日(日)までは連日営業を行い、4月7日(月)〜11日(金)までの5日間は一旦休業するものの、12日(土)からは再び連日営業を行います。

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■2008年4月5日(土)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.3 ) 

@ 2008/04/05 08:45
今日は休暇村ゲレンデからスタート
(休暇村ゲレンデ)
A 2008/04/05 10:10
ツアーコース入口はまだまだ...
(かもしかゲレンデ)

B 2008/04/05 13:35
ツェルトに包まれば寒さはありません
(位ヶ原)

C 2008/04/05 13:55
今日も終日晴天の一日でした
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日はきれいに晴れ上がり太陽の日差しがさんさんと降り注ぐ良い天候でしたが、少しばかり肌寒い気候が続いたため終日まずまずの雪質を楽しむ事ができた一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原の気温は0℃。星空の広がる晴れた夜空が広がっています。月のない夜ではあるもののいつもよりも星の数が少ないように感じます。西からボーっと流れる風が強弱を繰り返します。暗い夜空に目を慣らそうとじーっと周りの景色を眺めていても、芯から冷え切ってくることはなく、風に寒さはありません。ただ、いくら夜空に目を慣らしても今日はノリクラの峰々を確認することができないのが残念です。
夜が明けて6時の乗鞍高原は南に筋状の雲が少し広がるもののほぼ快晴の空が広がります。気温はマイナス2℃、6時前にはすでに力強い太陽が昇り始め、空は十分な青さを見せ、ノリクラの峰々もはっきりとした明るさと輝きが確認できます。乗鞍高原温泉スキー場は3月30日で今季の営業を終了し、3月31日(月)から4月6日(日)までは休暇村第一トリプルリフトのみ営業されています。したがって、今回は休暇村ゲレンデから出発することになります。7時過ぎの休暇村駐車場ではすでに準備を整え営業前のゲレンデを登って行く方もいらっしゃいます。リフト1本だけならば早めに出発したほうが良いとの判断でしょう。8時30分のリフト営業開始とともにツアーコースへ向かう方が乗車され、リフトを降りたところでシールをつけたりウェアを脱いだりと準備を始めます。9時の段階で15名ほどの方がお越しになり、かもしかゲレンデ方面へ歩き始めます。その先のゲレンデはまだまだ十分な積雪量があり、シールやスノーシューでの登行は全く問題がありません。滑走においても問題はないと思います。10時の三本滝レストハウスは4℃。少しばかり風が強くなってきたものの日差しも十分強くなり、暖かさをしっかり感じられるようになって来ました。林間コースなどゲレンデコースとなっていた県道乗鞍岳線は、スキー場営業が終了してすでに三本滝ゲート手前まで除雪が行われ、また、かもしかゲレンデにかかる国設第3ペアリフトは搬器の取り外し作業が開始されました。今後、この先も除雪が行われる事となりますが、三本滝レストハウス付近は1.5メートル近い切り通しとなっています。
ツアーコースへはここからかもしかゲレンデをまだ登って行きますが、比較的急斜面が続くゲレンデになかなか次の一歩が出ない方もいらっしゃり、ツアーコース以上に苦労されている様子がうかがえます。11時のツアーコース急斜面は2℃。水分を多く含んだ新雪が10センチほど積もりさらに表面はパックされ、バリバリと表面を割りながら進んで行きます。ただ、急斜面を登りきった先は強い日差しに照らされて、パックされた表面が緩み始めてやわらかい感触が戻ってきます。今週は降雪の日が多かったものの、ツアーコース全体の積雪量は5センチ程度しか増えていません。お昼に近づくにつれて西から雲がわき始めますがそれでもきれいな青空が続きます。しかし、ツアーコース内に吹く風も次第に強くなり、その風に冷たさを感じるようになります。そして正午の気温は0℃と徐々に低下を始めます。それまで緩んでいた雪質もツアーコースから位ヶ原へ登る急斜面付近では再びパックされた状態に近くなり、少しばかり滑りにくい雪質となります。今日はきれいに晴れ上がるものの、遠景には霞がかかり、午前中まで見えていた中央アルプスが次第にぼやけてくると同時に上空も徐々に薄い雲に覆われるようになってきます。ツアーコースから位ヶ原に上がるといつものように絶えず西からの風が吹き続け、時間とともに強さを増すようになってきます。この風のため硬く叩かれたバーンが広がり、所々大きな雪紋ができていていつもの位ヶ原の光景が広がっています。気温はさらに下がり14時の大雪渓はマイナス4℃、こちらも風で叩かれた固めの雪質が広がり、しいて言えば、ハイシーズンのきれいなコンディションのゲレンデに若干の風紋が広がる状況で、それはそれなりに滑り易い条件です。その風紋ができた雪面をまるで砂漠の砂が流れてゆくような光景が広がり、自然が作る美しさにしばし見惚れてしまいます。
大雪渓や位ヶ原は締まった雪質でそれなりに滑り易いバーンですが、屋根板などではやわらかい雪質が夕方になっても広がっていて、積極的にターンを続ける事ができるコンディションが残っていました。
今日はやや低めの気温のおかげでバーンコンディションが崩れることがなかったため、まずまずの滑走を楽しむことができた一日でした。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.3
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 (2008/04/05 19:50更新)
【乗鞍高原温泉スキー場リフト営業日延長と位ヶ原山荘の春シーズン営業日変更について】
乗鞍高原温泉スキー場の営業は3月30日(日)までの営業ですが、休暇村ゲレンデの第一トリプルリフトは4月6日(日)まで営業日が延長されます。したがって、3月31日(月)から4月6日(日)までの期間にツアーコースへ向かう方はこちらを利用されることをお勧めします。ただし、その先のかもしかゲレンデまではリフト営業はありませんので、シールまたはスノーシューによる登行となります。
また、当初、位ヶ原山荘は4月以降当面は週末のみの営業を予定しておりましたが、4月6日(日)までは連日営業を行い、4月7日(月)〜11日(金)までの5日間は一旦休業するものの、12日(土)からは再び連日営業を行いますので合わせてご利用ください。

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