【速報バックナンバー 2009年3月分】

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◎ 3月

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■2009年3月29日(日)■      ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1

 

@ 2009/03/29 08:10
全面パウダーに快晴の朝を迎え、出発を急ぎます
(位ヶ原山荘)
A 2009/03/29 09:40
昨日よりもさらに軽いパウダー
(屋根板)

B 2009/03/29 12:25
パウダーゾーン、食い潰し完了!
(屋根板)

C 2009/03/29 14:00
冷たい空気に覆われ、午後になっても軽い感触が続く
(大雪渓)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日も3月とは思えない上質なパウダーゾーンが広がり、そんな好条件を演出するかのようにほぼ快晴が続き、昨日と同様に楽しい一日を送ることができました。
日の出を迎える6時前の位ヶ原山荘の気温はマイナス13℃。絶えず西から冷たい風が小雪を伴いながら吹きぬけ、鉛色の空が広がるモノトーンの朝を迎えます。上空は激しく雲と小雪が真横に流れ、その雲間に時折青空が流れて行き、ぼんやりとした滲んだ朝日が弱々しく周囲を明るく照らすようになってきます。昨晩からの降雪はさほどではないものの、位ヶ原山荘周辺はどこもツボ足で膝程度まで埋まってしまうほどの軽い雪に包まれています。昨晩はさほど強い風もなく、雪面は風で締まった様子は全くなく、真冬のコンディションが昨日と同様に続いています。
そんな天候も次第に青空のほうが上空を支配するようになり、7時を過ぎる頃になってようやく西の空にノリクラの峰々の様子が屋根板に浮かび上がってきます。その稜線からは山肌全身から雪煙を巻き上げる様子がうかがえますが、それほど激しいものではなく、8時を迎える頃になると上空は雲ひとつない快晴に包まれると同時に、山肌からの雪煙も次第におさまりを見せるようになってきます。
青と白のコントラストが広がる屋根板は昨晩の降雪で綺麗にグルーミングされ、昨日のシュプールはほとんどなくなり、スキーヤーやボーダーを手招きするかのような光景が広がります。そんなコンディションに位ヶ原山荘に宿泊されたスキーヤーやボーダーの方々もすばやく身支度を整え、屋根板や鶴ヶ沢などオープンバーンに向けて一斉に出発して行きます。
深い青空が広がり、少しばかり黄砂の影響があった遠景の山々も再び真っ白な姿を澄んだ空気の中に浮かび上がらせ、穂高はもちろんのこと、南アルプス、八ヶ岳もその白い部分の面積が幾分広くなっているかのように感じられるほど。そんな透明感の溢れる環境は冷たい空気に覆われている証拠でもあり、今日は一日を通してマイナスの気温を推移することになります。
10時の屋根板の気温はマイナス8℃。この頃になるとようやく太陽の暖かさを感じるようになり、屋根板をシールで登り始めるとそれまで指先がちぎれるような感覚が続く状況から、薄手のインナーグローブだけでも問題ないほどの快晴無風の穏やかな環境へと変わってゆきます。バーンはストックで差してどこも30センチ以上の新雪が積もり、さらにその積雪量以上に、シールで踏み込んだときの感触は柔らかなものがあって、甲から脛程度の沈み込みがあります。この時期なら、太陽の日差しが強くなってくると、見る見るうちに雪面が融け始めるものの、今日は低い気温でその様子は一切感じられず、早朝と全く変わらない雪質が続きます。そのため、ほかほかと暖かくなった環境とは裏腹に、ターンを開始した途端、足裏のセンサーから脳裏のスイッチは真冬モードへと切り替わってしまうほど。「浮いては沈む」という新雪ターンの基本的な楽しさを十分味わうことができます。バーンコンディションは冷え込みで昨日よりもさらに軽い状態になっています。
その後も天候はほとんど変わらず、屋根板や魔利支天岳といった主要なエリアは多くのスキーヤー・ボーダーであっという間に食い尽くされ、パウダーを完食したスキーヤーの方々はこれ以上ない感嘆の笑顔を見せてくれました。
正午の屋根板の気温はマイナス4℃。今日はこれ以上気温が上がることはなく、さらに上部の位ヶ原では再びマイナス8℃に低下します。位ヶ原に登ると、若干、風の影響を受けていてやや締まった雪質と風紋が所々に広がるものの、アイスバーンのエリアは少なくなっています。そして、大雪渓についても午後になっても柔らかな状況が続き、14時を過ぎても楽しくターンを描くことができました。
午後になって少しばかり雲が湧き上がる天候になってきたものの、今日は昨日以上に良い天候が続き、上質なパウダーに「春スキー」とは縁遠い一日を送ることができました。
なお、2009シーズンのノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の連載を今回の取材分より開始する予定です。Vol.1 の掲載は今週末を予定しております。(2009/03/28 18:45更新)

【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の連載開始について】
2009シーズンのノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の連載は今回の取材分より開始する予定です。ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。
【位ヶ原山荘の4月中の営業について】
位ヶ原山荘は2月11日(水)から本日(スキー場営業終了日)まで連日営業を実施しておりましたが、4月中は金・土・日の営業となります。なお、4月下旬から始まるゴールデンウィークより再び連日営業となります。
【乗鞍高原温泉スキー場の営業終了と県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート)の開通について】
スキー場営業終了に伴い、ツアーコースへのアクセスは乗鞍高原から全ての区間が登行となります。下記の情報にご留意の上、計画してください。
<乗鞍高原温泉スキー場の営業>

本日をもって、乗鞍高原温泉スキー場は営業を終了しますが、休暇村トリプルリフトは4月5日(日)まで営業します。
<県道乗鞍岳線(休暇村〜三本滝ゲート間)>
県道乗鞍岳線は休暇村より先の区間については冬季閉鎖となっていますが、スキー場営業終了に伴って除雪作業が開始され、4月24日(金)11:00より休暇村ゲート〜三本滝ゲート区間が通行可能となります。

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■2009年3月28日(土)■      ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1

 

@ 2009/03/28 10:10
上質な新雪に覆われる − それでも滑り易い雪質に苦労
(ツアーコース − 入口)
A 2009/03/28 10:50
やや雲がたなびくものの綺麗なノリクラに感嘆
(ツアーコース − @番標識付近)

B 2009/03/28 13:00
真冬のようなディープなパウダー
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2009/03/28 13:35
午後は次第に雲に支配される
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 3月最後の週末を迎えましたが、雪質はまるで3月とは思えないほど上質なパウダーゾーン広がり、春というよりも穏やかな厳冬期といった雰囲気を見せた一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は再び降り始めた小雪が続く夜を迎えています。気温はマイナス2℃。路面は数センチの積雪で真っ白になり、足元に少しずつ柔らかさを感じるようになってきます。時折、西から吹く風があるものの、ちらちらと舞う雪はゆっくりと降り立ち、上空には星空も広がる穏やかといってもよい雰囲気が一晩中続きます。
そして、一夜明けて上空は雲ひとつない快晴の朝を迎えます。6時の乗鞍高原の気温はマイナス8℃、冷たさがピーンと張り詰めています。ノリクラの白肌が茜色に染まるものの、その全身から激しく雪煙が湧き上がり、乗鞍高原でも時折地吹雪で視界が奪われることがあるほど。しかし、それも次第におさまりをみせて穏やかな雰囲気となってきます。しかし、7時を過ぎる頃になると上空には薄い雲がたなびくようになってきます。それでも周辺の山々も雪化粧が施され、青空を引き立てる光景があちこちで見かけることができます。
力強い太陽が高くなるにつれて、その暖かさを十分感じ取れるようになる頃、スキー場の営業が始まり、かもしかゲレンデの最上部から始まるツアーコース入口には今日もたくさんの方々が準備を始めています。9時のツアーコース入口付近の気温はマイナス5℃。先ほどから広がり始めた薄い雲に太陽が滲むようになり、9時30分ごろになると、ほとんど曇に近いといっても良い状態となります。そのため、準備を始めるスキーヤーやボーダーの方々もここでアウターを脱ぐ様子はなく、この30分ほどの間に50名ほどの方が出発されて行きました。
この数日間降り続いた降雪で、ツアーコース入口付近は30センチほどの新雪が降り積もっています。それも春先の湿雪ではなく、ほとんど真冬と言っても良いほどの雪質。シールで甲程度の沈み込みがあり、十分な柔らかさが足裏から感じ取ることができます。それでもトレース跡は多くの方が踏み固め、ツボ足でも問題なく登って行くことができるほど。そして、ツアーコース入口からさらに急斜面に差し掛かるとストックで突き刺して50センチ以上の新雪が感じ取られ、シールでの登行ではトップが沈み込んでしまうほど。それでもスキー板を雪面に簡単に浮かせることができ、3月末であることを疑ってしまうほどです。それでも多く方で踏み固められてしまったトレース跡はシールが滑り易い状態で、再び戻ってきた太陽の日差しで締まりかけた雪面状態と相まって、多くのスキーヤーの方はやや苦労されていました。
ツアーコース入口急斜面を登りきった先も十分なパウダーゾーンが広がり、深くなったトレース跡を一列に連なって登って行く光景が続きます。そして、ほとんど無風の状態が続き、新雪ゾーンは周辺の喧騒を吸収してくれて入るかのごとく、本当に静かな無音の世界が広がっています。
午前中は青空に薄い雲がたなびく穏やかな状態が続き、ツアーコースを進めば進むほど積雪がさらに増加して行くことがはっきりとわかるほど、そして、太陽の暖かさよりも冷たい空気のほうが勝っているようでバーンコンディションは変わらず、柔らかい新鮮な雪質が保たれています。
正午の位ヶ原急斜面付近の気温はマイナス4℃。この頃になると上空の雲の動きがやや早くなり、時折、綺麗に晴れ上がるときも見られます。そんな中を上部から滑り降りてくるスキーヤーやボーダーの方々が思い思いにディープなターンを描き、位ヶ原急斜面はあっという間に食いつぶされてしまいました。積雪は50センチ以上はあって、あまり深く板を沈みこませるとどんどん深みにはまってしまう感覚があって、板を抜きながらのターンを楽しく描いてゆく必要があります。
位ヶ原急斜面を登りきった先の位ヶ原はまるで真冬のような冷たい空気に覆われます。13時の気温はマイナス10℃。今日は全体的に雲がやや多いこともあって、午前中でも遠景の山々はさほどはっきりとはせず、北アルプスの頂も雲に覆われていましたが、13時30分ごろになると、視界が霞むようになり、すぐ目の前の鉢盛山も霞むようになり、流れに激しさを増した雲に高天ヶ原や剣ヶ峰も飲み込まれてしまいます。そして、ツアーコース内とは比べ物にならないほど冷たい空気にさらされて、14時の位ヶ原の気温はマイナス12℃まで低下し、指先の感覚は冷たいを通り越して、千切れてしまうかと錯覚するほどの激痛が走ります。
そんな位ヶ原もこの数日間の降雪で大半が柔らかな新雪に覆われ、積雪量も増加しています。
今日は真冬といっても良いほどの寒さと引き換えに、好条件のバーンを楽しむことができた一日となりました。
なお、2009シーズンのノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 の連載を今回の取材分より開始する予定です。Vol.1 の掲載は今週末を予定しております。(2009/03/28 18:00更新)

【ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の連載開始について】
2009シーズンのノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版の連載は今回の取材分より開始する予定です。ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。
【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

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■2009年3月21日(土)■  

 

@ 2009/03/21 09:25
かつてないほどの人出 − ゲレンデと見間違えるほど
(ツアーコース − 入口)
A 2009/03/21 11:25
穏やかな陽気と綺麗な青空が広がります
(ツアーコース − D番標識付近)

B 2009/03/21 12:30
締まったバーンにソリ遊びが楽しい
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2009/03/21 14:10
終日晴天に見舞われた一日でした
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は快晴と穏やかな陽気に見舞われ、また三連休の中日とあって、この数年の間ではおそらく最高と思われる賑わいの一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、満天の星がくっきりと輝く透明感の溢れる夜空が広がっています。気温は0℃、いつもと異なり、東から少しばかり冷たさを伴う風が流れるものの、月のない暗い夜にはっきり浮かぶ星をじーっと眺めていても体が冷え込んでくるほどのものではありません。
一夜明けた朝6時の気温はマイナス5℃、空の青さが少しずつはっきりとしはじめて、白く聳えるノリクラの峰々がうっすらと赤く染まりながら今日一日を迎えます。風は全くなく、東の空から昇り始めたばかりの朝日にも暖かさを感じるほどの状況です。
早朝の気温は氷点下であったものの、力強い太陽が高くなるにつれて気温が上昇を始め、8時の段階で気温計は5℃を表示するようになります。シールで歩くスキー場のゲレンデは硬めのコンディションで場内アナウンスでもアイスバーンを注意するほど。それでも日差しを受ける背中には十分な暖かさを感じ、薄手のインナーグローブだけでも十分なほどの状況となってきます。そして、スキー場最上部のかもしかゲレンデ付近に差し掛かると少しばかり風が吹きぬけるようになります。その風は冷たさはなく、むしろ生暖かさを感じるほどです。
かもしかゲレンデ最上部のツアーコース入口付近には、リフト営業開始直後の9時頃にはすでに50名ほどの方がシールやスノーシューなど登行の準備を始め、ツアーコース入口急斜面に向けて出発を開始します。その様子はまるでゲレンデのような賑わいといっても良いほど。その後も大きなザックを背負ったスキーヤーやボーダーの方々が、かもしかゲレンデのリフトに乗って続々とお越しになり、30分ほどの間にさらに50名ほどの方がお越しになり、今日一日を通して100名以上の方がツアーコースに出向いたことは間違いなく、ここ数年の間ではおそらく過去最高の賑わいとなりました。
ツアーコース入口付近は昨日うっすらと雪が降ったものの、ほとんどゲレンデのバーンコンディションといっても良いほど。固めのコンディションであるものの、うっすらと乗った新雪が日差しで緩んでシールでもさほど滑る状況ではなく、思ったほど苦労させる状況ではありません。そして、この日差しで登り始めるとすぐに汗ばみ、急斜面に上る手前でアウターをザックにしまう光景があちこちで見かけることができました。
急斜面を登りきった先のツアーコースは、強い日差しに照らされているにもかかわらず、雪面の柔らかさを感じることはなく、ツボ足でもあまり沈み込みはなく、シールと雪面がこすれる音が響くほど。少しばかり冷たさを感じる弱い風が火照った体をクールダウンさせてくれる心地よい穏やかな気候が続きます。
そんなバーンコンディションはツアーコース全体でほとんど変わらず、最後の位ヶ原急斜面に差し掛かっても同様で、さらに表面が薄くパックされたような箇所もあって、シールではやや苦労させられ、むしろスノーシューやツボ足のほうがスイスイと登っていけるほど。そんな状況の中、スノーシューで登り、下りは背中をソリ代わりに気持ちよく滑ってこられる方々の様子をうかがうと、今日はスキーよりもソリの方が楽しそうにも感じるほどです。
ツアーコースからさらに位ヶ原に登るといつものように風が吹きぬけています。ただ、その風にもさほどの冷たさを感じることはなく、13時の気温は2℃。これまでのように顔がこわばるような耐え難い状況はなく、午後を迎えても大雪渓や魔利支天岳などにたくさんの方々の姿が見られます。しかし、位ヶ原を含めた上部エリアは硬いコンディションが広がり、甲高いエッジン音を大雪渓にこだましながら滑り降りてくる様子が見られました。
この晴天で南アルプスや八ヶ岳などの遠景を拝むことができましたが少しばかり霞んだ様子で、ツアーコースのバーンもうっすら積もった新雪の下には黄砂に汚れた部分が見られるようになり、そんな状況から春をはっきりと感じることができるようになって来ました。
今日は本当に多くの方々にお声をかけていただき、ありがとうございました。また、たくさんの方々を撮影させていただいたものの限られた4コマに掲載できず、大変申し訳ありません。今シーズンのノリクラ雪渓カレンダープレリリース版の連載開始は現段階では未定ですが、その際にはできる限り掲載させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。(2009/03/21 20:15更新)

【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2009年3月15日(日)■  

 

@ 2009/03/15 08:20
雲ひとつない快晴の朝、屋根板に向けて出発!
(位ヶ原山荘)
A 2009/03/15 11:10
やや締まり始めるものの、十分柔らかな新雪ゾーン
(屋根板)

B 2009/03/15 12:45
雪煙を巻き上げて
(富士見沢)

C 2009/03/15 12:55
今日は天候も雪質も最高!
(富士見沢)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
昨日の吹雪の一日から一転し、今日は終日快晴の中、この時期としてはまずまずの新雪の柔らかさを至るところで楽しむことができた一日となりました。
夜明けを迎えた早朝6時の位ヶ原山荘の気温はマイナス13℃。昨晩から続いた強風は5時ごろから収まりを見せ、西から激しく流れ行く雲間に青空がのぞくようになってきます。東の空はうっすらと茜色に染まりはじめ、雲間の青空にしっかりとした朝日が昇り始めて今日一日が始まって行きます。風は収まりを見せるものの、まだまだ時折吹き抜ける地吹雪で全身が真っ白になってしまうほど。ピーンと張り詰めた冷たい朝は7時を過ぎる頃になると上空を激しく流れていた雲が一斉になくなり、真っ青な快晴の空へとバトンタッチします。そんな青空に浮かぶ剣ヶ峰や富士見岳などノリクラの峰々は、まるで燃えさかるかのように全身から激しく雪煙が舞い上がっています。柔らかな新雪が積もり、さらに強い風にさらされていることがわかります。
昨日の吹雪を耐えながら位ヶ原山荘にやってきた宿泊客の方々は、どの新雪ゾーンを滑ろうかと地図とにらめっこしながら、続々と屋根板へ出発して行きます。9時の屋根板の気温はマイナス6℃、ストックで突き刺して30センチ程度の新雪が積もりますが、昨晩の強風の影響を受けているためか、少し締まりかけた雪質で、シールで甲程度の沈み込みです。冷たい空気に包まれて太陽の暖かさはあまり感じられませんが、サングラスなしではまぶしすぎるほどの強い日差しが燦々と降り注ぎ、青と白のコントラストはさらにはっきりとして行きます。気温の低い状態が続くため、時間が経過してもパックされる様子は全く見られず、十分柔らかなバーンコンディションはスキーを引っ張っていくように斜面を落ちてターンして行けば十分に浮遊感を楽しめる状態で、この時期としては申し分ない状態。屋根板や富士見沢ではスキーヤーやボーダーが思い思いの雪煙を巻き上げ、そのたびに高らかに発する歓声が富士見沢全体にこだまします。天候も雪質も最高の状態にテンションは上がりっぱなしといった様子がうかがえます。
屋根板では11時ごろからぽかぽか陽気となってきますが、富士見沢上部に差し掛かると冷たい空気に包まれた状態が続きます。正午の富士見沢の気温はマイナス8℃、吹きさらしの部分では新雪は完全に剥ぎ取られ、ひどくパックされた状態が富士見沢の上部エリアでは広がって、シールではとても登って行くことはできない箇所もあります。結構な斜度があって、登って行くことができなくなった時点ではブーツから板をはずすことすらできない状態となりますので、状況を見て早めにアイゼンに切り替える判断が必要となります。
午後になると風はさらに収まりを見せ、それまでノリクラの峰々に立ち上っていた雪煙はほとんどなくなり、穏やかな状態となってきます。それでも気温の低い状況は続き、13時の位ヶ原はマイナス8℃。昨日の強い風にさらされた位ヶ原はパックされたエリアがかなりの範囲に広がり、シールではルートを選ばないと進むことができない状態。そして、大雪渓も締まった新雪に覆われているものの、午後になってもパックされた状況は見られず、比較的滑走し易いバーンが広がります。また、先週の雪崩はほぼ完全に埋め戻されていました。
今日はこの時期としてはまずまずの新雪の柔らかさを十二分に味わうことができ、さらに透明感の溢れる快晴に終日包まれた一日を楽しむことができました。

ツアーコースの積雪は先週から比べて20〜70センチ程度増加しています。そのため、B番標識付近では昨年より70センチほど多く、D番標識付近では昨年より30センチほど多く、そして、位ヶ原急斜面は昨年より50センチ〜1メートルほど少ない状態です。
ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2009/03/15 18:20更新)

【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2009年3月14日(土)■  

 

@ 2009/03/14 09:35
天候は雨から雪へ。今日もたくさんの方が出発の準備
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2009/03/14 10:25
周囲の木々も久々の雪化粧
(ツアーコース 入口急斜面上)

B 2009/03/14 11:35
天候は次第にひどい吹雪へ
(ツアーコース − D番標識付近)

C 2009/03/14 13:15
3月とは思えない上質なパウダーゾーンが広がる
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日はまるで真冬に逆戻りしたかのような寒さと吹雪の中、3月とは思えない上質なパウダーを味わうことのできた一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原はさほど強くはないものの、しとしとと降りつく雨に見舞われています。気温は1℃。吐く息はゆっくりと南へ伸びて、冷たく雨が降りしきる様子が想像されますが、寒さは全くなく、少しばかり生暖かすら覚えます。
そして、一夜明けた朝6時の乗鞍高原は昨晩からの雨が続きます。気温は3℃、暖かい朝です。しかし、この雨も次第に霙交じりとなってきて、7時を過ぎる頃になるとぼたん雪へと変わってきます。そして、8時近くになると周囲の木々がうっすらと白く変化し始め、ぬかるんだ路面も完全に雪に覆われるほどの降り方となってきます。
9時の三本滝レストハウスの気温はマイナス2℃。気温が下がって降る雪が細かくなってきます。早朝の暖かさから少しずつ空気に冷たさを感じるようになってきます。今日は時間とともにどんどん気温が下がってくる状況を肌身に感じ取る一日となります。
久しぶりの降雪でかもしゲレンデはリフト営業開始と同時に駆け込むスキーヤーやボーダーの方々であっという間に無数のシュプールに覆われます。かもしかゲレンデ最上部ではこの悪天候にもかかわらず、今日もたくさんの方々がスキー板にシールを張ったり、スノーシューを履くなど、出発の準備を始めます。リフト営業が開始されてから30分程度の間に30名ほどの方がツアーコース入口急斜面を目指して歩き始めます。
ツアーコース入口付近は、昨晩も雨ではなく雪だったようで30センチほどの新雪が積もり、シールで甲程度の沈み込みがあります。若干締まった感触はあるものの、まずまずといった所。その先の急斜面では深いところで50センチもあり、スキーのトップが埋まってしまうほど。この時期としてはまとまった降雪といえます。
入口急斜面を登りきった先も同じような雪質が続き、降る雪は少し湿り気があるものの、ウェアが濡れてしまうほどのものではありません。
11時のB番標識付近の気温はマイナス6℃。この頃になると冷たい風が吹きぬけるようになり、動いていても徐々に寒さを感じる状態となってきます。そして、D番標識付近からは完全に吹雪となり、シールで歩く足裏からも軽い感触が伝わり、降る雪も綺麗な結晶の形が見られるようになってきます。状況としては1月や2月の厳冬期の吹雪とほとんど変わらないといっても良いほどです。
正午の位ヶ原急斜面はマイナス10℃。こちらも30〜50センチの軽い新雪が積もり、3月とは思えない上質のパウダーゾーンに歓声を上げてシュプールを描くスキーヤーやボーダーの方もいらっしゃるほどです。
しかし、その先の位ヶ原では周囲の木々が激しく唸りを上げ、シールでは全く歯が立たないアイスバーンの広がっています。絶えず、北から激しい吹雪にさらされ、悪いとは言うほどの視界ではないものの、目印の乏しい位ヶ原ではこれ以上先に進むことができる状況ではありません。気温はさらに下がってマイナス12℃。顔の感覚が徐々になくなり、久しぶりにまつげの凍る極寒の中に長時間滞在することは困難な状況でした。
その後は激しく流れる雲間から時折青空がのぞく瞬間もありましたが、激しい吹雪は速報を書く現在も続いています。
春とはとても思えない荒れた天候となり、この時期は本当に天候の移り変わりに注意が必要であることが思い知らされた一日となりました。

ツアーコースの積雪は先週から比べて20〜70センチ程度増加しています。そのため、B番標識付近では昨年より70センチほど多く、D番標識付近では昨年より30センチほど多く、そして、位ヶ原急斜面は昨年より50センチ〜1メートルほど少ない状態です。
ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2009/03/14 18:10更新)

【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2009年3月8日(日)■  

 

@ 2009/03/08 07:20
曇天の朝、屋根板に向けて出発!
(位ヶ原山荘)
A 2009/03/08 10:50
至るところで雪崩 − どんよりした天候でも遠景はくっきりと
(屋根板下部)

B 2009/03/08 13:10
大雪渓も雪崩 − 長さ320m×幅90m
(大雪渓)

C 2009/03/08 12:00
午後から急に天候は回復へ
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は午前中は曇、午後は晴とスイッチを切り替えたかのような天候の変化を見せ、静かな一日を送ることができました。
早朝の位ヶ原山荘はどんよりとした曇り空から始まります。6時の気温はマイナス10℃。風は全くなく、ノリクラの稜線もモノトーンの空の中にもはっきりとうかがうことができます。そして、山麓方面には綺麗な雲海が広がり、鉢盛山など周辺の山々がその雲海に点々と浮かぶ様子は、浮島が水墨画に描かれたような趣を感じさせます。そんな光景に雲間から滲んだ朝日が昇り始めて今日一日が始まります。
位ヶ原山荘に宿泊された方々が今日の天候を気にしながら早々に屋根板方面に出発します。スノーシューで歩く雪面は完全にパックされ、静かな周囲にカラカラと音を立てながら、一列になって先を進んで行きます。8時を回る頃になると雲間に少しだけ青空がのぞくものの、次第に雲は一様に灰色の様子が濃くなって行きます。それでもほとんど風はなく、天候が急激に悪化する様子は感じられず、山麓の雲海もすっかりなくなり、屋根板から望む遠景の山々もこの天候の中でもはっきりとうかがうことができるほどです。昨日もお伝えしたように至るところで雪崩が発生していて、屋根板でも長さ170m×60mの雪崩が発生しています。シールで歩くとクラックが周囲に走る状態があちこちで見られ、慎重に先を進む必要があります。
屋根板の上部に差し掛かると少しばかり西からの風を感じるようになりますが、天候は相変わらずのモノトーンの世界。それでも時折はっきりとした影を映すほど太陽が強くなるときもあるほどです。屋根板からさらに上部の位ヶ原は昨日の固めのコンディションから幾分柔らかさがあって、シールでも問題なく歩ける状態になっています。
正午の位ヶ原の気温はマイナス4℃。雲の動きはゆっくりとしたものであるものの、この正午を境に西の空から急に青空が広がってきます。位ヶ原のバーンコンディションと同様に大雪渓も柔らかい感触が足裏に感じ取られるようになります。しかし、ここでも雪崩が発生しており、これまで見たことのないほどの規模であると思います。
昨日よりも柔らかいバーンコンディションでも、ひどくパックされた箇所や締まった雪質の部分など、あらゆるコンディションが混在する大雪渓や位ヶ原は楽しく滑走できる状況ではありません。しかし、ツアーコースに差し掛かると、多くの方々が滑走したため、表面のパックされた雪が完全に剥ぎ取られ、逆に滑り易い状態にホッとさせられるほどでした。
雨と雪が混在するこれからは雪崩の時期ともいえます。今回は至るところで雪崩が見られ、屋根板や大雪渓などこれまでほとんど発生した様子を見かけなかったところでもおきていますので、細心の注意が必要と考えられます。

ツアーコースの積雪は先週から比べて40〜70センチ程度増加しています。そのため、B番標識付近では昨年より50センチほど多く、D番標識付近では昨年程度、そして、位ヶ原急斜面は昨年より50センチ〜1メートル近く少ない状態です。
ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2009/03/08 18:10更新)

【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2009年3月7日(土)■  

 

@ 2009/03/07 09:20
今日もたくさんの方が出発します
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2009/03/07 10:35
昨日の雨でバーンには縦溝ができる
(ツアーコース − A番標識付近)

B 2009/03/07 11:15
ツアーコースは全面パックされた新雪に覆われる
(ツアーコース − D番標識付近)

C 2009/03/07 12:45
終日快晴、冷たい空気に覆われて透明感が溢れる
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
3月最初の速報をお届けします。今日は終日快晴の天候が広がったものの、冷たい空気に覆われ、太陽の暖かさが全く感じられなかったどころか、真冬といっても良いほどの寒さに見舞われた一日でした。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、雨は収まって雲間から星空がのぞくようになって来ました。気温は1℃。時折、強弱を繰り返しながら西から吹く風に小粒の雪がパラパラと顔に当たります。それでもその風には冷たさはなく、鳥居尾根付近もぼんやりとしながらもその様子が少しずつ見え隠れするようになり、天候が次第に回復傾向に向かっていることを感じさせます。
そして、一夜明けた乗鞍高原は、灰色がかった空が次第に明るくなり、青空がのぞくようになってきます。6時の気温はマイナス5℃。この時間帯ではまだ西の空には帯状に雲が広がり、ノリクラの峰々が見え隠れしている状態ですが、それも時間とともにはっきりと聳え立つようになってきます。7時頃までは東から背中を押されるような風が吹くものの、次第におさまってきます。さほどの冷たさはないものの、やはり氷点下に冷え込んでいるため、スキー場の駐車場は昨日の降雨が完全にスケートリンク状態となるほど。ゲレンデを滑るスキーヤーやボーダーのエッジング音が周囲の山にこだましています。
ゲレンデ内ではほとんど風を感じることはなかったものの、かもしかゲレンデ付近から次第に風が強くなり、ツアーコース入口付近では絶えず強めの風が吹きぬけるようになります。リフト営業が開始され、9時を回る頃になると、ツアーコース入口には上部エリアを目指すスキーヤーやボーダーの方々が一斉に集まり始めます。この30分ほどの間に20〜30名ほどの方がお越しになり、先月までとは異なって、多くの方がお越しになるようになってきました。それでも今日は春スキーという陽気は感じられず、9時の気温はマイナス4℃。太陽の暖かさがスポイルされてしまう状態です。
ツアーコース入口付近は昨日の湿雪が10〜20センチ程度積もり、夜の冷え込みでバリバリの状態。この硬い部分の下地は柔らかい雪があって二層に分かれているバーンコンディションです。そのため、シールやスノーシューで登行するにはさほどの問題はないものの、滑走はかなり苦労させられます。
ツアーコース入口急斜面を登りきった先もひどいバーンコンディションが続き、雨による縦溝が至るところで見られます。ツアーコースを吹き抜ける風はさらに強くなり、周囲の大木も揺さぶられるほどで、上空は薄い雲が激しく南へ流れて行きます。それでも青空の部分が次第に多くなって、太陽の輝きが一層増して、サングラスなしではかなりのまぶしさを覚えるほどです。
そんなはっきりとしたコントラストの青空にしっかりと聳える高天ヶ原や剣ヶ峰は、激しく雪煙が噴火しているかのごとく激しく流れる様子がうかがえ、ツアーコースを先に進むにつれて、さらに冷たい風がふきぬけるようになってきます。
ツアーコースを上部エリアに向かってもバーンコンディションはほとんど変わらず、ひどいパック状態が続き、位ヶ原急斜面付近になってようやく柔らかさが少しだけ感じられるようになります。この位ヶ原急斜面からは遠景の山々が一望でき、昨日の降雪で頂を白く化粧した鉢盛山などの近景はもちろんのこと、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳が冷たい空気で透明感が溢れるコンディションの中に、真冬のようにはっきりととうかがうことができました。
正午の位ヶ原急斜面の気温はマイナス7℃。太陽の暖かさは全く感じることなく、指先や鼻の頭の感覚がなくなり、ほとんど真冬の寒さと言っても良いほど。そして、この先の位ヶ原は絶えず強い風が吹き抜け、ほぼ全面アイスバーンといっても良いほどで、シールの場合、エリアを選ばないと歩くことができない状態です。前述の通り、高天ヶ原や剣ヶ峰は絶えず雪煙があがり、山肌は風でひどくえぐられ、砂漠の砂が移動していくかのように風雪が生き物のように動くさまがうかがえます。また、普段はほぼフラットな位ヶ原も今日は大きくウェーブし、風の影響を大きく受けています。
14時の位ヶ原の気温はマイナス8℃。太陽の日差しを受けて入れば、さほどの寒さを感じないはずですが、強風にさらされて頭の先から冷たい痛みが突き抜けてとても耐えられる状態で今日一日が終わって行きます。
3月とはいえ、真冬に逆戻りした気候で、まだまだ、油断のできない時期と言えるでしょう。また、屋根板などでは雪崩も発生していますので、細心の注意が必要です。

ツアーコースの積雪は先週から比べて40〜70センチ程度増加しています。そのため、B番標識付近では昨年より50センチほど多く、D番標識付近では昨年程度、そして、位ヶ原急斜面は昨年より50センチ〜1メートル近く少ない状態です。
ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2009/03/07 18:10更新)

【位ヶ原山荘の営業開始について】
位ヶ原山荘の年末年始営業を1月5日(月)で終了しましたが、2月11日(水)からスキー場営業終了日までの期間、連日営業を再開しました。(2月17〜19日の3日間は休業)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
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2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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