【速報バックナンバー 2011年1月分】

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◎ 1月

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■2011年1月29日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/01/29 09:00
今日もツアーコースを出発します
(ツアーコース入口)
A 2011/01/29 09:25
この一週間の積雪量は少なく、まだブッシュが隠れません
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2011/01/29 12:25
マイナス12℃、視界が効かなくなって来ました
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/01/29 12:30
降雪が激しくなり、今日はここで撤退!
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

1月最後の速報をお届けいたしますが、今日も寒い一日となり、今月は寒波にすっぽりと覆われて凍てついた一ヶ月となりました。

日付が今日に今日に変わる頃の乗鞍高原は、冷たさがピーンと張り詰めた夜を迎えています。気温はマイナス7℃。上空の星たちも氷結しているかのように、きらきらと細かな瞬きを見せてくれます。そして、吐く息も口元を離れた瞬間から凍りつき、煙のごとく白く尾を引いて流れて行きます。風はなく、居座った冷気にすっぽりと覆いつくされた夜が続いて行きます。

そして、一夜明けた乗鞍高原はいつも以上に冷たい朝を迎えます。気温はマイナス13℃。久々に寝具から起き上がるのが億劫に感じる朝です。天候は曇ですが、雲間に所々青空がのぞき、時間とともに朝日が周囲を明るく照らすようになってきます。昨晩からの積雪はほとんどありませんが、路面はうっすらと新雪が積もっています。また、早朝は位ヶ原付近まで視界が効いたものの、徐々に上部エリアが煙ってくるような雰囲気となってきました。

8時ごろになると、早朝から降り出した小雪が少しまとまった降り方を見せるようになります。9時のツアーコース入口付近にはほとんど人影なく、かもしかゲレンデも皆無の状態。それでも、時間とともに少しずつツアーコースに向けてスキーヤー・ボーダーの方がちらほらと姿を見せるようになってきます。この時点の気温はマイナス8℃。先ほどまで影がしっかりできるほど太陽の存在を感じましたが、雪の降り方が強くなってくると同時に太陽の姿がなくなってきます。

ツアーコース入口付近の新雪は数センチ程度で、先週のものと思われるシュプールがそのまま残っている状態。その先の急斜面もまだブッシュが残っていて、この一週間はほとんど降雪に見舞われていないことがわかります。
入口急斜面を登りきった先のツアーコースの新雪は10〜20センチ程度で、風の影響を受けていることもあって、表面がややパックされた感じの箇所もあります。

徐々に天候は悪化傾向を示し、3番標識付近から時折強風に見舞われるようになってきます。5番付近より上部エリアは視界は100〜200メートル。雪の降り方もかなりまとまったものとなってきて、ウェアが白くなってくるほどの勢いです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス12℃。それまで登行していてほとんど寒さを感じることはありませんでしたが、この付近に達すると一気に冷え込みを覚えるようになってきます。位ヶ原急斜面も全体的に締まった雪質で、所々でパックされた箇所もあって、やはりこの一週間の降雪量が少なく、風の影響を受けたと感じられる状況です。また、位ヶ原急斜面の上端右寄り部分では、風の影響で大きな雪庇(せっぴ)ができていますので、この箇所を滑走される際には十分な注意が必要です。

位ヶ原急斜面を登りきった先の位ヶ原は視界が100メートル程度と悪化し、時折強い風が吹き抜けると地吹雪となってホワイトアウト状態となります。気温もさらに下がってマイナス14℃。やはり今日もこの先を進むことが困難な状況となっています。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、この一週間の降雪がほとんどないため先週とほぼ同じで、昨年よりも少なめです。
3番標識付近では先週とほぼ同じで、昨年より20〜30センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週とほぼ同じで、昨年より30センチ少ない状況。位ヶ原急斜面は先週より10〜20センチ少なく、昨年並みの状況となっています。

午後になって雪の降り方が強くなってきています。速報を書く乗鞍高原では軽めの雪が降り続いています。現段階では降り積もるほどの勢いではありませんが、天候は悪化傾向の予報が出ていますので、明日、ツアーコースへお越しの方は、雪崩などに注意して行動されることをお勧めします。
(2011/01/29 15:50更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年1月22日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/01/22 09:35
今日も雪が降り続きます
(ツアーコース入口)
A 2011/01/22 10:25
周囲の枝に重くのしかかる大雪
(ツアーコース − 入口急斜面上)

B 2011/01/22 12:45
滑走するボーダーの姿が見えなくなるほどのパウダースノー
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/01/22 12:45
大雪に笑みが絶えません
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

今日も終日にわたって雪が降り続き、先週よりも一段と積雪量が増したツアーコースはどこもパウダーゾーンに覆われ、真冬の楽しさに包まれた一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、東の空からまん丸の月が明るく昇り、闇夜にノリクラの雄大な稜線を真っ白に輝かせる夜を迎えています。気温はマイナス5℃ですがさほどの寒さは感じさせません。そして、上空に昇る月はくっきりと澄んだものではなく、やや滲んだ状態から、天候は悪化に転じている様子が伺えます。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、雪が降り始めます。7時の気温はマイナス6℃。ほとんど風がない中、雪の降り方は時間とともに激しくなってきて、大粒の雪が路面を白く覆い始めます。乗鞍高原温泉スキー場の鳥居尾根コースすら見えないほどの天候ですから、朝日の昇る気配は全く感じられませんが、8時を過ぎる頃になると雲間に青空がのぞき始め、時折太陽が輝きを放つようになってきます。

天候は回復するかと思いましたが、青空は次第になくなり、どんよりとした雲の中に太陽が何とか輪郭を主張しています。そして、雪の降り方は激しさを増す中、スキー場最上部のツアーコース入口には、今日も出発の準備をするスキーヤー・ボーダーの姿があります。9時時点で15名ほどの方がシールやスノーシューの用意されていて、整った順番に出発します。気温はマイナス8℃。ただ、気温の割にはさほどの寒さを感じさせず、ツアーコース入口急斜面を登り始めた方の中には、アウターをザックに押し込む様子も見られたほどです。

ツアーコース入口急斜面はシールで踵〜甲程度の沈み込みで、この数日間はあまり降雪に恵まれていないようです。ただ、先週と比べると入口急斜面のブッシュは明らかに減少し、かなり積雪量が多くなっていることが伺えます。そして、ツアーコース周辺のオオシラビソなどの木々には重たげにたくさんの雪を抱える姿があり、この一週間の降雪の様子はこんなところからも想像できるものです。

入口急斜面を過ぎた先のツアーコースも、さほどの新雪感はなくシールで甲程度の沈み込み。また、時間とともに雪の降り方はさらに強くなって行きます。先ほどまで見え隠れしていた滲んだ太陽も姿が見えない時間帯のほうが多くなり、バーンに残るシュプールやトレースも新たな降雪で徐々に埋まって行く様子が見られます。
そして、3番標識付近まで残っていた昨日までのシュプール・トレースはそれより先は完全になくなり、積雪量が多くなってきていることがわかります。また、6番標識付近のウェーブも、その高低差が先週よりも明らかに少なくなり、そんなところからも降雪量が増えてきていることが伺えます。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス6℃。場所によっては新雪のつき方に差があるものの、全面パウダーゾーン。シールで登っている際には少し重たさがあるかと思いましたが、滑走をはじめるとそんなことはさほど気にならず、滑走するボーダーの姿が見えなくなるほどのディープな箇所もあり、鉛色しかない真冬の天候ではありますが、一向に止む気配のないこのコンディションに笑みが絶えない様子が見られました。

それまでほとんど風を感じることがありませんでしたが、ツアーコースの先の位ヶ原に達すると、時折冷たい強風に吹きさらされています。視界は100メートルほどで、森林限界を超えたこの先は目印がないためホワイトアウト状態となり、この先を進むことは困難な状況。気温もマイナス14℃と急激に減少していて、きょうも極寒の世界が広がっていました。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、先週よりも増加し昨年に近い状態となってきました。
3番標識付近では先週より30センチ増加し、、昨年より10センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週より50センチ増加し、昨年より20センチ多い状況。位ヶ原急斜面は先週より70センチ増加し、昨年並みの状況となってきました。

速報を書く現在の乗鞍高原もしんしんと雪が降り続いています。明日も楽しいパウダーゾーンが広がることともいますが、天候と雪崩などの気象条件には十分注意した上でお越しくださいますようお願いいたします。(2011/01/22 16:55更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年1月15日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/01/15 09:20
吹雪 − 訪れる方は皆無...
(ツアーコース入口)
A 2011/01/15 09:45
降雪が続くものの、ブッシュはまだ残る
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2011/01/15 10:30
ツアーコースは全面30〜50センチの新雪
(ツアーコース − 1〜2番標識付近)

C 2011/01/15 12:15
午後になってさらに降雪は強くなる
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

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▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

終日にわたってしんしんと舞い降りる雪はすべてのものを飲み込むかの勢いで降り続き、また、訪れる人のほとんどいない静かな一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、ゆっくりと柔らかな羽毛のような雪が舞い降りる夜を迎えています。気温はマイナス4℃。頭上にはぼんやりと半月が降雪に煙っています。風はなく、気温の割には全く寒さを感じさせないところも、雪の羽毛に周囲が包まれているせいかと思ってしまうほどです。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、夜明けとともに雪の降り方が激しくなります。雪質は昨晩と同様に羽毛のごとく軽いもの。風はほとんど感じさせませんが、雪は真横に流れて行き、7時を回っても薄暗い朝を迎えています。気温はマイナス6℃。体感的な寒さはあまりありません。
この雪の降り方は次第に激しくなり、早朝はほとんどなかった積雪が、8時過ぎになると路面は数センチの積雪に覆われるようになります。

9時のツアーコース入口の気温はマイナス8℃。かもしかゲレンデには、パウダー狙いのスキーヤーやボーダーの方々がリフト営業開始とともにいち早くやってくる様子が見られます。しかし、それとは対照的に今日のツアーコース入口に訪れるスキーヤー・ボーダーは皆無。いつもの週末の朝は、必ずツアーコースに向かう方々の姿がありますが、今日ほど人出のない状況は近年珍しいことです。

ツアーコース入口の新雪は20センチほど。柔らかな感触に包まれます。シールで登って行くと次第にスキーのトップが完全に沈み込むほどの状況になります。それでも、入口急斜面のブッシュの状況は先週とほとんど変わらず、昨年よりもかなり積雪量の少ない状況が続いています。

10時のツアーコース入口急斜面の気温はマイナス6℃。今日のツアーコースはほとんど風はなく、その後もしんしんと羽毛のような降雪が続き、時間とともにさらに降り方が激しくなって行きます。入口急斜面を登りきった先のツアーコースはストックで突き刺して30〜50センチの新雪があり、シールで登って行くと甲〜膝下まで沈み込む状況です。
そして、羽毛の降雪が続く中、6番標識付近を過ぎると、上部エリアの位ヶ原方面で強風が吹きぬける雰囲気を感じるようになり、激しい降雪で視界が100メートルを切るようになって来ます。この付近に達するとストックは軽く首もとまで突き刺さるようになってきて、シールで膝程度の沈み込みです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス12℃。いうまでもなく全面パウダー状態で、ツボ足になると完全に太ももまで埋まってしまい、底なしの状態です。雪の軽さと深さはおそらく今シーズン最高のもので、滑り始めた瞬間からオーバーヘッドのパウダー滑走を否応なく味わうことができました。

ツアーコースの全体的な積雪状況は、先週よりも増加していますが、それでも昨年より少ない状況です。
3番標識付近では先週より20〜30センチ増加し、、昨年よりも30〜50センチ少ない状況。そして、5番標識付近では先週より40〜50センチ増加し、昨年よりも70センチ少ない状況。位ヶ原急斜面は先週より1メートル増加し、昨年より70センチから1メートル少ない状況となっています。

速報を書く現在の乗鞍高原は、まだまだ降雪が続いています。明日のツアーコースはかなりの新雪が積もっていることと思われますが、現地を訪れる方は天候と雪崩に配慮した装備を整えた上でお越しください。(2011/01/15 17:30更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年1月8日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/01/08 09:25
今日はたくさんの方がツアーコースへ
(ツアーコース入口)
A 2011/01/08 10:45
快晴無風 − 絶景にめぐり合えて笑顔がほころぶ
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2011/01/08 12:50
南アルプスから浅間山まで紺碧の空にくっきりと浮かぶ
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2011/01/09 13:40
マイナス12℃ − 上部エリアは極寒の世界
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

今日は終日にわたって綺麗な青空に恵まれ、こんな日こそバックカントリー日和といえる一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、上空に細かく星の瞬くキーンと冷たさが張り詰めた夜を迎えています。気温はマイナス11℃。月のない闇夜にノリクラの稜線の存在は全く確認できません。そして、吐く息は白く尾を引く状況に体の芯まで冷え込むようになってくるほどです。

そして、一夜明けた乗鞍高原は東の空にたなびく雲が赤く染まり、7時過ぎには綺麗な朝日が昇り始めます。気温はマイナス11℃。西の空にそびえるノリクラの峰々には帯状の雲が横たわり、朝日は山頂にかかる雲や真っ白な山肌を茜色に染める朝を迎えます。
次第に上空の雲はなくなり、快晴無風の天候となりますが、とにかく頭の先まで寒さが響き渡り、指先がちぎれるほどの冷たさから一日が始まります。

山頂付近にかかる雲も8時ごろにはほとんど消滅し、高天ヶ原や剣ヶ峰の雄大な姿が青空にくっきりと浮かぶようになります。
この天候ですので、ツアーコースに訪れる方も今日はたくさんいらっしゃいました。スキー場のリフト営業が始まり、9時過ぎにはかもしかゲレンデ最上部のツアーコース入口にはすでに20名ほどの方が出発の準備をされています。

9時のツアーコース入口付近の気温はマイナス8℃。時折、上空から冷たい風が吹き抜けていますが、それもさほど強いものでなく、青空はさらに色合いを増し綺麗なコントラストを放つようになります。
昨日まで強風が吹きぬけていたせいもあって、ツアーコース入口付近はやや締まった雪質です。それでもシールで踵から甲程度の沈み込みを感じます。また、この一週間の降雪があまり積雪に寄与していないこともあって、入口急斜面のブッシュの状況も先週とあまり変わっていません。積雪が増えていないことから、急斜面を登りきる最後の箇所は多くの方が登り降りしていることもあって、シールでの登行にはやや滑りやすい状況。そして、急斜面を登りきった先のツアーコースも所々に風紋が見られて、普段はあまり風の影響の少ないツアーコースでも、比較的強風に見舞われたことがわかります。

天候は一向に変化を見せず青と白のくっきりとしたコンディションが続きます。今シーズンのノリクラ入りは今日が初日というテレマークのお二人も、「1月にこんなによい天気にめぐり合えたのは初めてのこと...」と、おっしゃり、笑顔が絶えずこぼれていました。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス6℃。ここでも風の影響を受けていてバーンはややパックされた状況。そのため、足をとられないように慎重に滑走して行くスキーヤー・ボーダーの姿が多く、やや苦戦されている方もいらっしゃいました。
しかし、天候の方は抜群な透明感を見せ付けてくれて、位ヶ原急斜面から望む遠景、中央アルプスから南アルプス、そして、八ヶ岳や浅間山まで、真っ白に雪化粧した頂を紺碧の空に突き刺さんばかりに描き出されていました。

穏やかなコンディションもツアーコース位ヶ原急斜面までで、その先の森林限界を超えた位ヶ原は絶えず冷たい北風が吹きぬけ、午後からは山頂付近も絶えず雪煙が湧き上がるようになってきます。13時の位ヶ原の気温はマイナス12℃。強風の影響から大きな風紋がいくつもできていて、シールの効きにくいアイスバーンに近い状況のところもあるほどでした。

今日は終日にわたってよい天候が続き、低い気温ではあったものの、ツアーコースを行く道中では、アウターをザックにしまいこむスキーヤー・ボーダーの方々もいらっしゃるほどで、上部エリアの極寒をのぞけば、穏やかな一日だったといえます。

ツアーコースの積雪は先週よりもやや減少し、3番標識付近では先週よりも50センチほど減少し、、昨年よりも30センチほど少ない状況。そして、5番標識付近では先週よりも30センチ減少し、昨年よりも30センチ少ない状況。位ヶ原急斜面も先週よりも10センチ減少し、昨年よりも30センチ少ない状況となっています。

寒波が続いていますが、まだまだ雪の少ない状況が見られ、今後の降雪に期待したいところです。(2011/01/08 18:05更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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■2011年1月1日(土)■

 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)

 

@ 2011/01/01 08:05
今年最初の宿泊の方はやはりバックカントリースキーヤー
(位ヶ原山荘前)
A 2011/01/01 08:05
マイナス14℃ − 次第に吹雪が収まってくる
(位ヶ原山荘前)

B 2011/01/01 12:15
新春初滑り!
(屋根板)

C 2011/01/01 12:05
昨晩からの風でやや締まった雪質に
(屋根板)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 10月末で2010シーズンのノリクラ雪渓カレンダーを終了いたしましたが、12月より2011シーズンの速報を開始します。ノリクラ雪渓カレンダーはしばらくお休みです。

新年明けましておめでとうございます。2011年最初の速報をお伝えいたします。昨年同様、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。
天候は幾分回復傾向を見せてきましたが、それでもやはり終日にわたって小雪の舞う一日でした。

夜明け前の位ヶ原山荘付近は星や月がはっきりと輝く状況でしたが、7時ごろになると上空の青空は雲に覆われ、西から絶えず冷たい風の吹きぬける朝を迎えます。気温はマイナス14℃。昨晩からの降雪はなく、そのため、昨日のトレースも所々でそのまま残っている状態です。東の空に昇り始めた初日の出も、急激な天候の悪化であっという間に雲に飲み込まれてしまいました。

今年初めての宿泊の方も、強風の吹き抜ける中を出発しようかどうか思案していましたが、時間とともに少しずつ風に収まりが見え始め、8時過ぎには新雪を求めて出発します。

10時の屋根板の気温はマイナス12℃。この頃になると、強風はほぼ収まり、時折、太陽の輪郭が見え隠れするほど天候が回復してきます。
屋根板の積雪は昨日とほとんど変わりなく、シールで甲程度の沈み込み。ただ、スキー板を踏み込むと表面が割れ、締まった雪質となり、少しばかり新雪感の乏しい状況となってきました。

11時を過ぎる頃になると、太陽の日差しを十分感じるようになり、日差しを受ける背中に暖かさを感じるほど。周期的に雲に覆われることがあっても穏やかな雰囲気が感じられ、大黒岳の尾根もはっきりと見える時間帯が多くなってきました。

正午の屋根板気温はマイナス12℃。気温は明け方とほとんど変わりませんが寒さを感じないのは、やはり日差しを受けているため。そんな中、今シーズン最初のパウダーを求めてやってきた常連のスキーヤーの姿があり、やや締まった雪質でも綺麗にターンをこなして滑り降りて行きました。

午後はさらにしっかりとした太陽が見え隠れするようになり、上空の青空もはっきりしてきました。しかし、それも一時的で15時過ぎには再び雪の降り方が強くなってきました。

2011年最初の一日は、はっきりしない天候から始まりました。ただ、明日からは天候がしっかりと回復する天気予報が出ていますので、青と白のコントラストに輝くツアーコースを楽しむことができるのではないかと思います。

昨年12月30日(木)から3日間お届けした年末年始の速報は今日で終了いたします。次回からはいつもどおり、週末ごとのお届けとなります。今年も乗鞍大雪渓WebSiteのご愛読を引き続きお願いいたします。(2011/01/01 17:15更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2010ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、2010年10月26日掲載の Vol.24<最終版> 及び 今週末掲載予定の Vol.25<番外編> をもって 今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

<速報>
2010年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2010年12月から2011年3月までのウインターシーズンについては、週末に速報をお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載を実施しない週もあります。
2011年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。

<ノリクラ雪渓カレンダー>
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2011年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2011年5月中旬頃を予定しております。

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