【速報バックナンバー 2012年1月分】

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◎ 1月

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■2012年1月28日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/01/28 09:15
気温マイナス8℃ − 寒波が抜けて落ち着いた天候
(ツアーコース − 入口)
A 2012/01/28 10:50
50センチの新雪 − トレース以外は綺麗にグルーミング
(ツアーコース − 2〜3番標識間)

B 2012/01/28 11:00
青空が広がり、青と白の綺麗なコントラスト
(ツアーコース − 3番標識付近)

C 2012/01/28 12:35
やや締まった新雪 − でもパウダーは楽しい
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 1月最後の週末を迎えた今日、一週間ほど続いた寒波が一休みして、低い気温の中でも穏やかな天候の一日に恵まれました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、まるでシャワーのように細かな雪が、西から東へと真横の流れる吹雪模様の夜を迎えています。気温はマイナス8℃。それでも鳥居尾根ダウンヒルコースの山頂側に設置されている水銀灯がはっきりとしている様子から、さほど視界の悪い状況ではなさそうです。降る雪はふわふわの軽いものではなく、でも湿雪というわけではなく、その中間といったところで、積雪量には貢献しそうな様相のものでした。

一夜明けた乗鞍高原は小雪が少し舞う曇り空の朝を迎えます。気温はマイナス10℃。昨晩の降雪は2〜3センチ程度と、思ったほどの降り方ではありませんでした。視界は位ヶ原付近が時折見え隠れする状況で、東の空にはぼんやりと滲んだ朝日が昇ろうとしています。風は全く無いといってよいほどで、穏やかな一日の幕開けです。

時間の経過とともに朝日がしっかりと差し込むようになり、白銀の大地にしっかりと影ができるほど。低い気温ではあるものの、ツアーコースを登るのをためらうほどではありません。そして、スキー場最上部のツアーコース入口には、リフト営業が始まった9時過ぎになって、数名のスキーヤーが出発の準備を始めています。
9時のツアーコース入口の気温はマイナス8℃。少しばかり風が吹き、雪煙がゲレンデ内をつむじになって湧き上がる様子からも、軽めの雪が降り積もっていることがわかります。ツアーコース入口ではストックを突き刺して40センチ。入口急斜面では40〜60センチ程度の新雪です。

まとまった新雪に見舞われたツアーコースは、昨日までのトレースは完全にリセットされています。それは綺麗にグルーミングされたバーンを、登行することすらためらわせるほどの美しさ。降りたての均一な雪がこれほど綺麗であったかと、いまさらながら思い起こさせてくれたワンシーンです。

ツアーコース入口急斜面を登り切った先も、綺麗な真っ白で真っ平らなグルーミングバーンが広がります。そして、10時を過ぎる頃になると、先ほどまでの小雪はすっかり収まり、上空には青空がのぞき始めます。青空が広がり始めると同時に、北から南へと足早に流れていた雲の様子も、次第に落ち着きを見せるようになって、ツアーコースの隣に聳える高天ヶ原の山肌をも確認できる状況になってきました。
こうなると登行するモチベーションも高まるもので、また、気温は相変わらずマイナス10℃前後であっても、体の中からホコホコと暖気が湧き上がってきます。それでも流れる風は冷たいものがあり、そのため、アウターをザックに押し込むのではなく、インナーを一枚脱ぎ、アウターを再び着込んで登行を続けるスキーヤーの様子もありました。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス12℃。この頃から天候は再び曇り空となってきます。そして、位ヶ原急斜面は40〜60センチ程度の降雪があって、このエリアだけを繰り返し滑走してパウダーを楽しむスキーヤーも見られるほど。パウダーのコンディションとしては、やや落ち着いた状況で、スキーのトップを不用意にもぐらせてしまうと、そのままググッと入り込んでしまう様子があり、滑走には少しコツが必要な感じもありましたが、それでも十分楽しめるコンディションと言えるでしょう。

ツアーコースの先の位ヶ原は、やはりいつもどおりの厳しい環境があり、視界は200メートルほどで、時折、地吹雪で完全に前が見えなくなるほど。また、いつもならアイスバーンとなっている足元も雪質には柔らかさがあって、上部エリアのこの時期としては珍しく、やや湿った雪が降り積もったことが推測されます。
14時の位ヶ原の気温はマイナス16℃。午後になって再び天候が荒れ始めてきた感じが見られました。

今日は降りたての軽い新雪というより締まった雪質に近くなって、1月26日付 お知らせ − 【ご注意】寒波による積雪量急増に伴い、雪崩の危険性が高まっています。 でご案内したほど不安定な雪質ではありませんでしたが、今後、湿雪と乾雪が交互に降ったり、寒気が抜けて気温が高くなったりと、季節が変化を始める時期に差しかかります。この一週間で雪崩も発生しておりますので、引き続き、十分な注意が必要です。
なお、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 では、過去の雪崩箇所が地図で掲載されていますので、今後、ツアーコースなどへ入山される方は、ご参考になさってください。(2012/01/28 17:30更新)

<1月28日現在のツアーコースの積雪>
この一週間は寒波に見舞われたものの、軽い雪質であったことと降雪そのものが多くなかったようで、積雪量はそれほど増加していません。それでも、6番標識付近のウェーブは先週よりもさらに滑らかになっていて滑走上の支障も減少し、位ヶ原急斜面のブッシュも明らかに減少してきました。
積雪量は、3番標識付近は今シーズン始めて昨年と同レベルになり、先週より15センチ多い状況。5番標識付近では昨年よりも80センチ少なく、先週より20センチ多い状況。位ヶ原急斜面は昨年より1.2メートルほど少なく、先週より50センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
2012年3月下旬頃より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開し、2012年5月中旬頃より、プレリリース版に変わってノリクラ雪渓カレンダー正式版の再開を予定しています。 
  

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■2012年1月21日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/01/21 09:45
気温0℃、暑い! − アウターをザックに掛けて
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2012/01/21 10:10
今季初めての湿雪 − 周囲の木々は重そうに頭を垂れる
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2012/01/21 13:05
ピットテスト − 雪質が変化するこれからの時期は重要
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2012/01/21 13:25
湿雪でもそれほど重たくないパウダー
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 二十四節気のうち、最も寒い日とされる大寒を迎えた今日。そんな暦とは裏腹に、今日は今季初めて湿雪が降り積もり、降雪が続く中でもアウターなんて着てられないほどの気温の高い一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、牡丹雪に近い降り方が続く夜を迎えます。気温はマイナス2℃。周囲の木々は枝先までびっしりと雪化粧していて、そんな雪明りが周囲をほんのりと明るく照らす闇夜が続いています。
そして、一夜明けた乗鞍高原は昨晩の降雪が収まり、曇り空の天候から始まります。気温はマイナス4℃。周辺は歩くとザクザクと音を立てるような締まった雪が降り積もっています。それでも昨晩からの降雪は5センチ程度とたいした降り方ではありません。

いつもは乾いた雪質の乗鞍高原ですが、日本列島の南岸を低気圧が西から東へ通過したことから、湿った雪が降りました。この湿った雪のおかげで、スキー場の積雪も増加して、部分的に見られた雪着きの悪い場所もほとんどなくなり、安心して滑走できる状態となってきました。
そして、スキー場最上部のツアーコース入口には、今日も出発の準備をされるスキーヤー・ボーダー、そして、冬山登山に向かう方々が集まっています。

9時のツアーコース入口の気温は0℃。ぼんやりとした太陽が雲間から時折のぞきます。その雲の動きはさほど早くなく、一旦強まった雪の降り方が再び収まってきます。ツアーコース入口に降り積もった新雪は20〜40センチほど。シールで甲程度まで沈み込む感じがあります。ただ、これまでのように全く抵抗感のないふわふわの雪質ではなく、踏み込むとググッと圧力を感じさせるもの。それでも、ラッセルに苦労させるものではなく、湿雪ではありますが新雪の範疇に十分入るものといっても良いでしょう。
ただ、ツアーコース周辺の木々は、全身がびっしりと着雪していて、中には雪の重みで頭を垂れる様子が見られるほどでした。

気温が0℃でほとんど無風であったことから、これまでのようにウェアーをしっかり着込んで出発すると、すぐに汗が噴き出してくる状況。登山者の中には少し上りだしてすぐにアウターをザックに掛けて、薄着で再スタートされる様子がありました。その後も雪が降ったり止んだりしますが、薄着のままでほとんど問題にならないほどでした。

ツアーコース入口急斜面を過ぎた先も雪質に変化はありません。また、この一週間の積雪量もそれほど多くなかったようで、昨日までのトレースがうっすらと残っている様子が見られます。風もなく、時折、高天ヶ原の山肌が確認できる程度まで視界が回復します。ただ、今日はこれ以上の天候の悪化も好転もありません。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス4℃。ツアーコース上部でも湿雪のコンディションに変化はなく、降り落ちる雪も細かなあられ状のもので、これまでの乾いたさらさらとした積雪の上に、春の雪が降り積もる状況となっています。そのため、これまでの綺麗で均質な雪層の上に別の雪質が降り積もることとなり、今後は降雪状況・気温上昇によって、降り積もる雪層が幾重にも重なり、雪崩の危険性が増してきます。
そんな中、今日は雪層の状況を確認するためのピットテストを実施されているボーダーの方々に出会いました。現時点では問題となる弱層はなかったようですが、今後は、降雪状況に注意しながら滑走が必要がです。
なお、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 では、過去の雪崩箇所が地図で掲載されていますので、今後、ツアーコースなどへ入山される方は、ご参考になさってください。

湿雪とは申しましたが、パウダーを楽しむ上では申し分ない状況で、なだらかなツアーコースでもストップスノーという状況ではありませんでした。速報を書く現在も、まとまった降雪が続いています。明日もパウダーを楽しむことができる状況と考えられますが、急激な積雪量の増加と弱層には十分な注意が必要ですのでご注意ください。(2012/01/21 17:20更新)

<1月21日現在のツアーコースの積雪>
この一週間、まとまった降雪がなかったこともあって、先週と比べて積雪量に大きな変化はありません。ただ、6番標識付近のウェーブは明らかに滑らかになっていて、滑走上の支障もかなり減少しています。
積雪量は、3番標識付近で昨年より20少なく、先週とほぼ同じ状況。5番標識付近では昨年よりも1メートルほど少なく、先週とほぼ同じ状況。位ヶ原急斜面は昨年より2メートル少なく、先週とほぼ同じ状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
2012年3月下旬頃より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開し、2012年5月中旬頃より、プレリリース版に変わってノリクラ雪渓カレンダー正式版の再開を予定しています。 
  

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■2012年1月14日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/01/14 10:05
降雪でブッシュはかなり減少する
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2012/01/14 11:40
抵抗感の全く無い極上のパウダー
(ツアーコース − 6番標識付近)

B 2012/01/14 12:10
さらさらの雪質に乾杯!!
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2012/01/14 13:45
ビーコントレーニング − ガイドツアーで雪山を学ぶ
(ツアーコース − 5番標識付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 終日小雪が舞う天候に加え、冷え込んだ空気に包まれ、さらに太陽の日差しに恵まれなかった状況でしたが、その結果、極上のパウダーを目の前に、スキー板自らが楽しそうにターンを繰り返したがる一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、しんしんと雪が舞い降りる様子を見せてくれます。気温はマイナス6℃。降る雪は地上に落ちるのを嫌がるかのように、ゆっくりとしたモーションで着地して行き、そんなふわふわな雪質にすべての物音が吸着されて、本当に静かな夜が続いて行きます。

そして、一夜明けた早朝7時の乗鞍高原は曇り空の朝を迎えます。気温はマイナス8℃。曇っていることもあって、寒さの中にも穏やかさを肌に感じる状況です。昨晩からの降雪は5センチ程度。思ったほどの降雪にはなりませんでした。しかし、東の空が明るくなるにつれて小雪が舞うようになり、その後、今日は終日にわたって雪の降り続く一日となります。

時間とともに日が高くなりますが、その太陽も小雪が真横に流れる中に、滲んだ姿しか見せず、太陽の暖かさは全く感じられません。9時のツアーコース入口の気温はマイナス8℃、ストックで突き刺して30センチほどの新雪が感じられます。今日もツアーコースへ向かうスキーヤー・ボーダーの方々がシールやスノーシューを装着する姿が見られます。そんな出発の準備を進める中、少しずつ風を感じるようになり、ツアーコース周囲の木々に降り積もる雪が軽く舞い上がる様子もあり、今日はいつも以上に乾いた降雪に包まれていることが容易に想像できます。

ツアーコース入口急斜面はシールで甲程度の沈み込み。先週よりもブッシュがかなり減少し、ほとんど気にならない状況となってきました。しかし、入口急斜面を登りきる箇所では、バーン下地が少し硬くなっていてシールが滑りやすい状況のため、登行に苦労するスキーヤーもいらっしゃいました。

入口急斜面を登り切った先も、新雪に包まれていて、シールで甲から脛程度の沈み込み。時折、風が強弱を繰り返しますが、登行に支障となるほどではありません。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス10℃。天候は全く変わらず、鉛色の空と小雪が続きます。降り続く雪を良く見ると綺麗な結晶の形が崩れないままウェアーに降り積もり、低い気温と日差しのないコンディションでないと、なかなかここまで綺麗な新雪を見ることはできません。
そのため、ツアーコースは全く抵抗感のない乾いた雪質に包まれ、位ヶ原急斜面では何度も登り返してパウダーを楽しむスキーヤーもいらっしゃったほどでした。この付近の積雪は、シールで膝付近まで沈み込むほどですが、軽い雪にラッセルもさほどの苦労を感じさせません。

そんな新雪を安全に楽しむには、雪山に対する基本的な知識・技術が必要となります。乗鞍高原でガイドツアーを開催するODSSでは、初心者向けのガイドツアーを常時開催しています。今日は遭難者を救助するためのビーコンの使い方を習得する様子が見られ、クロスサーチでピンポイントで遭難者の位置を推測し、ゾンデ棒で探し当てるトレーニングが行われていました。

今後、積雪量が増加し、気温の変化が見られるようになると、雪崩れの危険性が増加して行きます。天候や装備など、 万全の体制で入山されることをお勧めします。(2012/01/14 16:50更新)

<1月14日現在のツアーコースの積雪>
先週と比べると、積雪量そのものは変化はありませんが、全体的にブッシュが少なくなり、滑走しやすい状況となって来ました。入口急斜面はほとんどブッシュが気にならなくなり、2番標識付近と3番標識付近に若干ありますが問題とならないでしょう。6番標識付近のウェーブはまだありますので注意が必要です。また、位ヶ原急斜面はブッシュがまだ目立ちますが、滑走可能な状況になってきました。
積雪量は、3番標識付近で昨年より20〜30センチほど少なく、先週よりも10センチ多い状況。5番標識付近では昨年よりも1メートルほど少なく、先週とほぼ同じ状況。位ヶ原急斜面は昨年より1メートル少なく、先週よりも50センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
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■2012年1月5日(木)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/01/05 09:25
今年初めての寒波到来 − パウダー三昧
(かもしかゲレンデ)
A 2012/01/05 10:50
ツアーコースは入口から厳しいラッセルを強いられる
(ツアーコース入口急斜面)

B 2012/01/05 14:55
ツアーコース上部は1メートル近い新雪
(ツアーコース − 6番標識付近)

C 2012/01/05 15:20
マイナス16℃、終日吹雪 − ブッシュはさらに少なくなる
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 通常、週末にお届けすることになっていますが、今回は前倒しして速報をお届けいたします。そのため、1月7日(土)の速報はお休みさせていただきます。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、夜がふけるにつれて、ひどい吹雪の様相を見せるようになって来ました。気温はマイナス8℃。時折、目の前すらわからなくなるほどの雪の降り方を見せ、路面の積雪量の徐々に増えてゆく状況です。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、昨晩からの吹雪が続いています。一晩の積雪量は20〜30センチ。気温はマイナス10℃と冷え込んだ厳しい朝を迎えます。そして、夜明け前から、周辺の道路を除雪する重機がうなりを上げる音が朝の静けさの中に、鳴り響いています。

今日は平日ということもあって、8時のMt.乗鞍(旧 乗鞍高原温泉スキー場)の駐車場には、20〜30台ほどの車しかお越しになっていません。しかし、未圧雪のかもしかゲレンデは、リフト運行開始ととも多くのスキーヤーやボーダーの方々が一斉に飛び込んで行きます。かもしかゲレンデには新雪が30〜50センチほど降り積もり、軽く舞い上がる乗鞍特有の乾いた雪煙を巻き上げながらライディングするボーダーの姿があちこちで見かけることができました。

かもしかゲレンデから先のツアーコース入口付近に到達すると、降雪とともに風も強くなってきて、吹雪の様相がさらに一層激しくなります。
10時のツアーコース入口付近の気温はマイナス12℃。雪着きのよくないところでも30センチほどの新雪が積もっています。しかし、今日は平日ということもあって訪れる方は皆無。そのため、この先は全くノートラックのバーンが広がっています。しかし、それは逆に全山単独でラッセルを強いられることであり、軽い雪質ではあっても、深雪で全く先に進むことのできない場面もあったりして、かなりの苦労を強いられる状況が続きます。

11時のツアーコース入口急斜面上の気温はマイナス13℃。入口急斜面は70センチほどの新雪のラッセル。ブッシュの面積はかなり少なくなり、登行スペースや滑走スペースを選ぶ点では問題とならない積雪レベルになってきました。そして、入口急斜面を登り切った先は、降雪は少し収まりを見せるようになってきたものの、風はさらに強くなり、周囲の木々がひどくうなりを上げるようになって来ました。

その先のツアーコースは、どこをとっても50センチ以上の新雪。踏み込むほどにさらに沈んでしまう軽い雪質に、最短距離のルートを選ぶことは避けて、沈み込んでも登りやすいルートを選んだほうが最終的には早く登って行ける状況。シールで膝程度まで軽く沈み込んでしまうほどです。さらに上部の6番標識から先では、常に70センチオーバーの状況となり、シールで太腿まで沈み込み、全く先に進めない状況です。

15時の位ヶ原急斜面の気温はマイナス16℃。視界は100〜200メートルほどですが、強風がうなりを上げる状況はかなりひどく、これ以上先に進むことは困難な状況となっていました。また、ここに到達するまでにいつもよりもかなり時間を要してしまったため、本日はここで引き返さなければならない状況でもありました。

今日は終日にわたって吹雪の一日で、登行でつけたトレースは、終日続いた風雪でほとんどなくなってしまいました。そのため、明日以降お越しになる方は、新たにラッセルが強いられる状況が相変わらず続くことと考えられます。
また、この深雪で滑走することもままならない状況で、登行だけでなく、下山もラッセルが強いられるため、時間に余裕を持ってお越しになることをお勧めします。(2012/01/05 19:00更新)

<1月5日現在のツアーコースの積雪>
昨年と比べるとかなり雪不足が見られます。
3番標識付近で昨年より20センチほど少なく、先週よりも20センチ多い状況。5番標識付近では昨年よりも30センチほど少なく、先週よりも50センチ多い状況。位ヶ原急斜面は80センチから1メートル少なく、先週よりも30センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
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2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
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■2012年1月1日(日)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/01/01 07:15
気温マイナス10℃ − 初日の出
(位ヶ原山荘前)
A 2012/01/01 08:35
今年最初の宿泊客が出発
(位ヶ原山荘 − 年末年始営業は1月9日まで)

B 2012/01/01 11:35
新春初滑り!!
(屋根板)

C 2012/01/01 12:05
まだまだブッシュが多い
(屋根板)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 新年明けましておめでとうございます。2012年最初の速報をお届けいたします。

早朝7時の位ヶ原山荘付近は曇り空が広がっています。気温はマイナス10℃。昨晩からの降雪はほとんどなく、位ヶ原山荘周辺の雪面はやや締まった感触になっています。それでも所によっては、ツボ足で脛程度まで踏み込んでしまう柔らかさがあります。
上空は全体的に雲に包まれているものの、東の空には雲の隙間があって、日の出時間が近づくとともに、その箇所だけ次第に茜色が明るさが増して行きます。そして、7時過ぎには、南アルプスの北側に炎のような暖かな色合いの初日の出を拝むことができました。
位ヶ原山荘が冬季営業を再開してから五年が経過しますが、年末年始は寒波に見舞われることが多く、冬季営業再開してから初めての初日の出となりました。

朝日が昇り始めると同時に西から風が吹き始め、7時30分頃から小雪が舞う天候になってきました。そして、東の空に昇ってきた太陽も次第に雲にはばまれるようになって来ました。そんな中、今年最初の宿泊客の方が準備を整えて出発です。天候の悪化が懸念される状態で、先ほどまでわずかに見えていた山頂も視界が奪われるようになり、視界の確保できるうちに行動したいとおっしゃりながら、山荘を後にしました。

それまで小雪だった降り方も、10時過ぎには吹雪に近い状態になってきます。ただ、積もるほどの降り方ではありません。そのため、位ヶ原山荘前の屋根板周辺もブッシュがまだ多く、滑走するにはエリアを選ばなければならない状態が続いています。
そんな中、夜明け前から休暇村を出発してお越しになった常連のスキーヤーの方が、今年最初の新春初スキーを屋根板で気持ちよくシュプールを巻き上げます。ここ数日、まとまった降雪がないため、少しばかり落ち着いた雪質で、ディープなパウダーとまでは行きませんが、登っては滑ってを繰り返して、幾重にもシュプールを刻み続ける様子がありました。

正午の屋根板の気温はマイナス8℃。降雪に加えてやや風も見られるようになり、視界も100〜200メートル程度と悪化します。そして、その後は、天候の急変はなく、どんよりとした状態でしたが、さほどの寒さも感じさせることなく、今年最初の一日が無事に終えることができました。

ツアーコースは昨日と状況は変わりません。ツアーコース位ヶ原急斜面は背丈以上のブッシュが多いものの、何とか滑走しながら降りてくることができます。また、3番標識から2番標識にかけては、50センチ程度の短いブッシュのため、ほとんど問題となりません。ツアーコース入口急斜面もスキーを装着したまま、降りることができますが、場所によっては、キックターンなどでルートを切り替える必要があります。それでも、以前と比べれはかなり状況は改善され、スキー・ボードを装着したまま、下山することが可能な最低レベルに到達したと言えるでしょう。

それでは、今年一年も乗鞍の四季をリアルタイムにお届けして行きたいと思いますので、今年も引き続き、乗鞍大雪渓WebSiteをご愛読のほど、よろしくお願いいたします。(2012/01/01 17:00更新)

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