【速報バックナンバー 2012年2月分】

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■2012年2月25日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/02/25 09:15
気温マイナス2℃ − 重たい雪が降って春先の雰囲気
(ツアーコース − 入口)
A 2012/02/25 09:30
新雪10センチ、下地は硬いアイスバーン
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2012/02/25 11:40
ツアーコース上部でも下地は硬い
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2012/02/25 13:15
本日も雪崩発生 − 長さ40m×幅75m
(屋根板)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 空気の感覚や降る雪の様子など、ようやく季節の移り変わりを感じさせる気候の一日を迎えました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、雲間に少し青空の残る夜空が広がります。気温はマイナス1℃。いつもなら西風か北風が吹き抜けるところですが、今日は南風。冷たさとか寒さを全く感じさせない状況で、先週の極寒がうそのような暖かさです。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、ボタボタと音を立てて降り落ちる牡丹雪の朝を迎えます。7時の気温はマイナス1℃。完全に春先の雰囲気です。それでも時間の経過とともにベタベタの雪が少しずつ乾いた物へと変化して行きます。昨日は暖かな気候で久しぶりに観光センター前駐車場が完全に雪がなくなりましたが、この湿雪で再び真っ白になってきました。

9時のツアーコース入口付近では、少し風が吹き始め、粒の細かな吹雪になってきました。気温はマイナス2℃と高く、寒さを感じさせるものではありません。たた、2月23日(木)に降雨に見舞われたため、10センチ程度の新雪の下地は、ストックで突き刺すとコツコツと硬い層に覆われていることがわかります。そのため、入口急斜面ではシールのグリップの効きにくい状態で、スノーシューで登行される方の中でも、苦労されている様子も見られるほどでした。

ツアーコース入口急斜面を登り切った先も、バーンコンディションはほとんど変わりません。また、バーンを良く見ると縦溝状のうねりが見られるところもあって、2月23日(木)に降った雨は、比較的まとまった降雨であったことが想像できます。
また、気温が氷点下近くまで上昇すると、厳冬期と同じ服装ではかなり暑さを感じさせるもの。厳冬期ならアウターを脱いでも、乾いた雪質でウェアが濡れることはないものの、今日の湿った雪質では、ウェアーにびっしりと着雪して表面が濡れてくるため、アウターを脱ぐわけには行かず、中着を脱いで体温調節しなければならないところが、やや面倒な感じです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス6℃。雪の降り方が少しまとまってきて、水分の少ない雪質へと変化してきました。位ヶ原急斜面は標高が2500メートルに達しますが、ここでも下地に硬い部分があって、ツアーコースは全面に渡って、柔らかい部分が少なくなってしまいました。

ツアーコースの先にある位ヶ原では、いつものような冷たい強風もなく、若干ホワイトアウトに近い状況もありましたが、視界が比較的確保されていて、問題なくアクセスすることが可能な状態でした。ただ、風の影響でアイスバーンの箇所が所々に見られ、突然シールがつるっと滑る状況もありました。

2月22(水)日のお知らせ で富士見岳の雪崩発生の様子をお伝えしましたが、本日は屋根板で雪崩が発生しました。雪崩発生時刻は11時40分位。屋根板上部をスキーでのトラバースした際に誘発し、屋根板斜面の北側半分に伝播し、長さ40メートル×幅75メートル、破断面は50センチ程度の規模でした(サイズ1)。なお、人的災害はありませんでした。

三寒四温という言葉があるように、これからの時期は気温・雪質が激変し、雪崩が多発するコンディションとなってきますので、細心の注意で行動することをお勧めします。(2012/02/25 18:00更新)

【2月25日現在のツアーコースとその周辺の積雪・雪のコンディション・雪崩状況】
上記の本文でも申し上げていますが、10センチ程度の新雪の下に硬い層が形成されています。この状況はツアーコース全面に渡って見られます。また、本日の屋根板では雪崩が発生しました(長さ40メートル×幅75メートル、破断面50センチ、サイズ1)。すでに今シーズンお伝えしている雪崩のレポートは、いずれもスキーによる滑走・トラバースで誘発するケースであるため、スキー・ボードでドロップインする際には、細心の注意の下、行動されることをお勧めします。

積雪量は、3番標識付近は昨年より20センチ少なく、先週より15センチ多い状況。5番標識付近では昨年よりも80センチ少なく、先週より10センチ多い状況。位ヶ原急斜面は昨年より1.2メートルほど少なく、先週より40センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
2012年3月下旬頃より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開し、2012年5月中旬頃より、プレリリース版に変わってノリクラ雪渓カレンダー正式版の再開を予定しています。 
  

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■2012年2月18日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/02/18 09:35
気温マイナス14℃ − 指先が悴む冷たい一日
(ツアーコース − 入口)
A 2012/02/18 11:50
思ったように積雪が増えず、ウェーブが埋まらない
(ツアーコース − 6番標識付近ウェーブ)

B 2012/02/18 12:15
新雪20センチ − まずまずのパウダー
(ツアーコース − 6番標識付近)

C 2012/02/18 12:22
気温マイナス18℃ − この先は極寒のホワイトアウト
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 明日は二十四節気の「雨水(うすい)」を迎えます。空から降るものが雪から雨へと変わり、雪が溶け始めるとされる「雨水」ですが、今日は終日に渡ってマイナス15℃前後の厳しい冷え込みで、冷たさに耐え切れない一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、シャワーのように細かな雪の降る夜を迎えています。気温はマイナス8℃。空気は澄んでいるものの、細かく降る雪で視界は煙り、鳥居尾根のダウンヒルコース上の水銀灯が霞んでいます。風はなく、さほどの寒さを感じない状況です。

そして、一夜明けた朝7時の乗鞍高原はマイナス14℃の厳しい寒さです。夜明け前は星も出ていましたが、空が明るくなってくると次第に曇り空となり、さらには雪が降り始めます。さらに風がここに加わり、8時ごろには小規模な地吹雪も見られるほど。今日の空気は非常に冷たく、乗鞍高原にいても、まるで位ヶ原の大地のいるような冷たさ。脳裏までキーンと冷たさが響き渡る状況です。

9時のツアーコース入口には、いつものように出発を始めるスキーヤー・ボーダーの方々が集まってきます。雪の降り方はそれほど激しいものではなく、降る雪も粒の細かなもので、気温がマイナス14℃かなりの冷え込みを見せている割には、結晶の崩れた状態となっています。時折、ぼんやりとした太陽が見え隠れするものの、今日の太陽には極寒を和らげるだけの力強さはなく、温度計の示す気温以上の冷たさを感じさせる状態です。

ツアーコース入口付近の新雪は20センチほど。ストックで突き刺して下地の硬さを若干感じさせます。新雪の積雪量は少ないものの、この気温ですから、ノリクラ特有の乾いた雪質にめぐり合えるのは久々のことです。乾いた雪質であるために、周囲の木々には大きな雪の塊を携える様子はほとんどなく、時折吹き抜ける風で、木々に若干降り積もる雪が軽く舞い上がる様子は、地吹雪かと見間違えるほどです。

そして、入口急斜面を登り切った先のツアーコースも、新雪の積雪量はほとんど変わらず20センチほど。時間とともに風が若干収まる気配を見せるものの、つま先からはジンジンと激痛が走り、指先からは感覚がなくなるほどの冷たさがさらにひどくなります。動き続けて全身の血液の循環を常に保っていないと、我慢できないほどの辛さです。
また、ツアーコースを滑り降りてくるスキーヤー・ボーダーの方々とすれ違うと、「冷たすぎて板が滑らない」と、おっしゃり、中には滑らない板を小脇に抱えて、ツボ足で降りてくるボーダーの方もいらっしゃるほどです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス18℃。下から急斜面上部がはっきりと見えない程度の視界しかなく、天候の回復は見込まれない状況です。この付近の新雪は40センチ程度の積雪。ただ、表面は少しパックされたところもあって、普段は風の弱いツアーコース内でも風の影響を受けているところも見られました。

このところ、穏やかな天候・気候に恵まれるようになってきた矢先の冷たさに、体のほうが順応できない状態で、久々に寒さに負けたと感じた一日でした。明日も寒気が居座る状況のようですから、寒さ対策をしっかりと整えて、お越しください(2012/02/18 16:50更新)

【2月18日現在のツアーコースの積雪・雪のコンディション】
この一週間の積雪量は少ないものの、積雪自体に不安定な状態は感じられません。また、乾いた雪質ではありますが、やや、詰まった感じがあり、軽いパウダーではないものの、ターンしにくいという箇所はなく、今日のような低い気温が推移し続ければ、まずまずのパウダーを味わうことができるでしょう。

積雪量は、3番標識付近は昨年より40センチ少なく、先週とほぼ同じ状況。5番標識付近では昨年よりも80センチ少なく、先週より10センチ多い状況。位ヶ原急斜面は昨年より1〜1.2メートルほど少なく、先週より50センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
2012年3月下旬頃より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開し、2012年5月中旬頃より、プレリリース版に変わってノリクラ雪渓カレンダー正式版の再開を予定しています。 
  

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■2012年2月11日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/02/11 09:35
またとない快晴の朝 − ツアーコースにはたくさんの方々が
(ツアーコース − 入口)
A 2012/02/11 10:20
ツアーコースには絶景が広がる
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2012/02/11 11:50
気温、マイナス10℃ − 力強い太陽にぽかぽか陽気
(ツアーコース − 5〜6番標識間)

C 2012/02/11 12:45
20〜40センチの新雪 − グルーミングバーンの中を行く
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 久しぶりに綺麗な快晴の空が広がり、冷たい空気に包まれる中でも、力強い太陽の暖かさに恵まれた一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、夕方から降り始めた雪が少しずつ収まりを見せ始め、頭上には滲んだ月が明るく差し込む様子も見られるほど。気温はマイナス6℃とさほどの寒さは感じさせません。

そして、一夜明けた早朝の乗鞍高原は綺麗な青空に包まれています。7時の気温はマイナス11℃。快晴無風ではあるものの、ノリクラの峰々には白い雲の帯が横たわり、その姿を確認することはできません。昨晩の降雪は数センチで、たいした降り方ではなかったことがわかります。

今日は祝日ということもあって、Mt.乗鞍(旧 乗鞍高原温泉スキー場)の駐車場には朝早くからたくさんの車がお越しになっています。8時を過ぎる頃になると、ノリクラの峰々にかかっていた雲も抜け始め、雲ひとつないコンディションとなってきます。そして、はっきりと眺めることのできるようになったノリクラの峰々には激しく雪煙が立ち上がり、上部エリアでは強い風に見舞われていることが容易に想像できます。

スキー場の賑わいと同時に、ツアーコース入口もいつも以上に人出が見られます。9時を回る頃にはすでに20名以上の方々がツアーコース入口急斜面を登って行く様子が見られ、その後も続々とスキーヤー・ボーダーの方々がやってきます。気温はマイナス10℃。空気に冷たさがあっても、日差しの暖かさが感じられ、出発の準備を続けるボーダーの方々からは「思ったほど寒くないねぇ〜」という声も聞こえるほどです。

ツアーコース入口付近は10センチ程度の新雪があり、7日(火)の降雨のため、下地に硬さを感じる箇所も見られます。そのため、ツアーコース入口急斜面を登りきる最上部では、シールのグリップが効きづらい場面もあって、アクセスに苦労するスキーヤーの様子もありました。
入口急斜面を登り切った先のツアーコースも10〜20センチ程度の新雪しか降り積もっていませんが、それでも完全にフラットな綺麗な斜面が続いていて、下地の硬さもあまりなく、楽しいパウダーを味わえることが容易に想像できます。

天候は相変わらず快晴無風で、1番標識付近からは高天ヶ原と剣ヶ峰が真正面に見られる絶景ポイントがあって、青と白のコントラストの美しい世界が広がっていて、カメラにその絶景を収める様子が絶えず見られるほどです。また、冷たい空気に包まれていても、休憩中に寒さを感じることは全くなく、太陽の暖かさに改めてありがたさを実感したものです。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス10℃。少しばかり雲が湧き始めるものの、青と白のコントラストの冴え渡る世界は変わりありません。そして、ツアーコース周辺の木々はすべて綺麗な雪化粧が施され、オオシラビソなどの針葉樹が広がる森林限界付近では、真っ白な樹氷の光景に埋め尽くされています。厳冬期には軽めの雪しか降らないノリクラでは、樹氷の世界に覆われることは珍しく、着雪性のあるやや湿った雪が降るようになったことが想像され、季節は真冬から少しずつ春へと移りつつあることを示しているものです。

ツアーコース位ヶ原急斜面を登り切った先の位ヶ原は、やや強めの風が吹きぬけ、13時の気温はマイナス16℃まで低下します。午後になると、ノリクラの峰々を覆い隠すような激しい雲が位ヶ原周辺を流れるようになり、時折、周囲の視界もさえぎる極寒のコンディションとなってきます。それでも太陽の太陽の暖かさがあって、思ったほどの苦痛はありませんが、やはり、この冷たい空気の流れからは、厳冬期を抜けたとはとても思えない状況です。しかし、先週までは見られたハイマツは全くなくなり、位ヶ原でも徐々に積雪量が増え始めてきました。この雪の降り方を見ると、一歩春に近づいたといっても良いでしょう。

今日は本当に穏やかな一日で、今日のような青と白のコントラストが広がるノリクラを体験してしまうと、絶対に「もう一度訪れてみたい!」と思っても不思議ではない状況でした。また、低い気温に包まれたことから、終日に渡って素直なパウダーを楽しむことができたことも付け加えておきます。(2012/02/11 18:15更新)

【2月11日現在のツアーコースの積雪・雪のコンディション】
7日(火)の降雨によって、ツアーコース下部では硬い下地ができていて、入口急斜面ではシールのグリップが効きにくい場面があります。ただ、それより上部ではあまり下地の方を感じさせません。新雪は5番標識付近までは10〜20センチ程度、それより上部では20〜40センチ程度です。ツアーコース内ではパックやクラストといった雰囲気はなく、楽しいパウダーを楽しむことができますが、森林限界を超えた位ヶ原はパックやアイスバーンが所々にあります。

積雪量は、3番標識付近は昨年とほぼ同じで、先週より30センチ多い状況。5番標識付近では昨年よりも60センチ少なく、先週より40センチ多い状況。位ヶ原急斜面は昨年より2メートルほど少なく、先週より50センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
2011ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって 今シーズンの連載を終了いたしました。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2011年12月より連載開始いたしました。毎週土曜日の掲載を予定していますが、厳冬期は天候状況によって、掲載日の変更や掲載できない場合があります。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
2012年3月下旬頃より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開し、2012年5月中旬頃より、プレリリース版に変わってノリクラ雪渓カレンダー正式版の再開を予定しています。 
  

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■2012年2月4日(土)■
 (ご注意 : 今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします)  
 

@ 2012/02/04 09:40
気温マイナス10℃ − 吹雪の中を行く
(ツアーコース − 入口)
A 2012/02/04 10:20
新雪は20センチ程度 − 寒波到来の割には積雪が少ない
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2012/02/04 12:55
積雪が少なくても、まずまずのパウダー
(屋根板)

C 2012/02/04 13:10
パウダーフリークが薪ストーブを囲んで団欒
(位ヶ原山荘 − 2月4日(土)より営業開始)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 暦の上では春を迎えた立春の今日。しかし、そんな気配さえ全く感じさせない吹雪の一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、明るい月が頭上に昇り、星も同時に瞬く晴れた夜空が広がっています。気温はマイナス14℃。いつものように、やや足早に流れる西からの空気の流れに、吐く息が長く尾を引く様子が見られます。頭上はしっかりと晴れ上がっているものの、東の空と西の空には雲がたなびいていて、こんなに煌々と輝く月夜であるにもかかわらず、ノリクラの白肌が眺めることができないのは残念です。また、気温のわりに寒さを感じさせない様子もあって、空気感が真冬とは少しばかり異なってきている雰囲気もあります。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、小雪が左右に舞いながら降る、どんよりとした天候の朝を迎えます。気温はマイナス10℃。低く垂れ込めた鉛色の空に、朝日もノリクラの峰々も飲み込まれ、とても立春の朝とは思えない状況です。そして、時間の経過とともに雪の降り方は強くなり、吹雪といっても良い感じになってきました。

スキー場のリフト営業が開始して、ツアーコース入口には数名のスキーヤー・ボーダーの方々が出発の準備を始めます。
9時のツアーコース入口の気温はマイナス10℃。この頃になると視界もはっきりしない様子も見られ、ツアーコース入口急斜面の最上部がはっきりとしない状態となってきて、時折、強く吹雪く様子もあるほどです。

この一週間は全国的に今シーズン最大の寒波に見舞われました。ノリクラでも吹雪が続いていましたが、ツアーコースは思ったほどの積雪はなく、ツアーコースは全山に渡ってストックで20センチほどの新雪しか降り積もっていません。また、雪質もふかふか状態ではなく、やや締まったコンディションです。ただ、それほど重たさを感じるものではなく、ストックで突き刺した感じも底打ち感は見られません。

ツアーコース3番標識付近に差し掛かると、身をすくめたくなるほどの強風に見舞われる状態が時折見られるようになり、滲んだ太陽から薄日が差し込むときもありましたが、天候は明らかに悪化傾向を示します。

正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス14℃。急斜面の最上部が確認できないほど視界が悪化してきました。この付近でもストックで20センチ程度の新雪しか感じ取ることができず、箇所によってはストック先にコツコツと硬い下地を感じるところもあります。

そして、ツアーコースの先の位ヶ原は視界は50〜100メートルほど。先週までは見られなかった風紋が所々に見られるところから、この一週間は寒波で降雪はあったものの、強風にさらされ続けたことが容易に想像できます。そして、ハイマツが完全に隠れていない所もあって、積雪量は例年よりもかなり少ないことが推測されます。
位ヶ原の先の屋根板は、ツアーコースと同様に新雪の積雪量は少ないものの、バーンコンディションはまずまずで、素直なパウダーを楽しむことができました。

屋根板を滑り降りたところにある、標高2350メートルの位ヶ原山荘は、12月23日(金)から1月9日(月)までの年末年始の営業を終えて、1月10日(火)より休業していました。そして、本日、2月4日(土)より、営業を再開いたしました。今日からの営業は、ウインターシーズンにとどまらず、10月末までのグリーンシーズン中も連日行われます。
位ヶ原山荘には、午後を回って宿泊の方々が続々と訪れ、赤々と燃える薪ストーブの前にはノリクラの常連の方々が、オーダーした熱々のうどんをすすりながら、尽きない話に花を咲かせています。環境の厳しいフィールドでは、ゆっくりと立ち話することがなかなか難しい状況ですが、このように薪ストーブを囲んで話を進めると、時間の経つのを忘れてしまうほどでした。

速報を書く現在の乗鞍高原は、激しい吹雪となっています。おそらく、明日も楽しいパウダーを味わうことができるのではないかと思いますが、雪崩などには細心の注意の上、お越しください。(2012/02/04 17:15更新)

【2月4日現在のツアーコースの積雪・雪のコンディション】
先週と同様、この一週間も寒波に見舞われましたが、思ったほどの積雪量にはなっていません。雪質は現段階では新雪感はあるものの、やや締まった感じで、このまま気温が低い状態であれば、コンディションは比較的安定していると考えられます。ただ、ツアーコース位ヶ原急斜面では、硬い下地が形成された箇所もあり、2月6日(月)〜2月7日(火)は、気温が高くなって雨が降る可能性があり、今後は雪崩に対する危険性が一層高くなってくると考えられます。
なお、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 では、過去の雪崩箇所が地図で掲載されていますので、今後、ツアーコースなどへ入山される方は、ご参考になさってください。

積雪量は、3番標識付近は昨年よりも20センチ少なく、先週より20センチ少ない状況。5番標識付近では昨年よりも1メートル少なく、先週とほぼ同じ状況。位ヶ原急斜面は昨年より1.2〜1.3メートル少なく、先週より15センチ多い状況です。

【2012シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開のについて】 
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