【速報バックナンバー 2015年2月分】

Top-page > Sokuhou-Index > 2015-02


 

◎ 2月

<<Back(2015-01)   Sokuhou-Index   Next(2015-03)>>

 

■2015年2月27日(金)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/02/27 09:15
天候は冬型へ − 吹雪がひどくなる
(ツアーコース入口)
A 2015/02/27 00:50
ツアーコース内でも景色が霞むほど視界が悪い
(ツアーコース − 入口急斜面■)

B 2015/02/27 11:30
視界はさらに悪化
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2015/02/27 11:40
予想以上に上質なパウダー
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 今回は2月28日(土)に変わって一日前倒しして速報をお届けします。連日暖かい日が続いていましたが、今日は冬に逆戻りの一日となりました。

早朝7時の乗鞍高原は、雪が真横に流れて行く吹雪の朝を迎えています。気温はマイナス5℃。周辺の木々がゴーゴーと唸りをあげていて、上空の雲は幾分足早に流れていき、その雲間に所々で青空がのぞいています。また、滲んだ朝日が鉛色の空をかろうじて突き破るかのように ぼんやりと浮かび上がり始めました。前線が通過する際のような荒れた天候です。

今日は平日ということもあって、Mt乗鞍はやや閑散とした雰囲気でした。また、リフト営業は強風のため、一部で運行開始が遅れたものの、ほぼ定刻どおりの運行が始まりました。3本の乗り継いでツアーコース入口へと向かいます。

9時のツアーコース入口の気温はマイナス7℃。雪の降り方はやや激しく、ウエアやザックは見る見るうちに白く雪化粧が施されてしまうほどです。ツアーコース入口付近は新雪が10センチ程度ですが、さらに進んだ入口急斜面に差し掛かると新雪は20センチほどの増加します。また、降る雪は春先のような再結晶したような感じの雪ですが、登行に負担となるような重たい雪ではなく、厳冬期の乾いた雪質感があります。ただ、天気の良い日が続いたためか、下地に固い層があって、ストックを突き刺すとコツコツとした感触があります。視界は若干悪く、吹雪で煙っているような状況です。

入口急斜面を登り切った先のツアーコースの雪質や積雪量はほぼ同じです。また、天候も極端に悪いわけではありませんが、強弱を繰り返しながら降る雪は、ウエアにどんどん降り積もり、厳冬期の乾いた雪質ではあるものの、着雪性がある様子が見られる点が厳冬期の雪質から春の雪質へと変化が始まっていることを物語っています。

ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面の手前の6番標識付近に差し掛かった頃から、雪面に突くストックの感触に下地の硬さを感じない状況となってきました。下地の硬さを感じるということは、一旦雪面が融けたことを意味しており、さらに上部までこのような状況が見られると、急斜面では雪崩の危険性が高くなります。また、2月22日(日)には屋根板で雪崩が発生したようですので、それ以外の多発エリアでも雪崩には十分注意しなければならない状況になってきました。

11時のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス10℃。急斜面の上端が見え隠れする程度の視界ですが、風はそれほど強さを感じさせません。こちらでも新雪は20センチ程度ですが下地の硬さがないため、思った以上に上質のパウダー滑走を楽しむことができました。また、さらに上部の位ヶ原は森林限界を超えて、いつもの強風が吹きぬける猛吹雪となっています。ただ、この強風にもかかわらず、雪面には新雪が積もっている様子からも、着雪性のよい雪質へと変わってきていることがわかります。

明日は天候が回復して絶好のバックカントリー日和となりそうです。しかし、あさっては再び天候が悪化するとの予報が出ていて、一日単位でめまぐるしく天候が変化します。これも春へと季節が移り変わって来ている証拠といえるでしょう。また、天候の変化と共に寒暖の差が激しくなると雪崩発生の危険性がさらに高くなりますので、天候にかかわらず、雪崩多発地帯には足を踏み入れないようご注意ください。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

今回は都合により一日前倒しして速報を実施しましたが、次週はいつものように土曜日(3月7日)に実施いたします。 (2015/02/27 15:30更新)
 

【ツアーコースの積雪状況 − すでに昨年の最大積雪量を越え、雪崩の懸念があります。】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えていて、2月22日(日)には今年初めて屋根板で雪崩の発生しました。今後、雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

・3番標識付近の積雪量は、先週より20センチ増加して、昨年より70センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より15センチ増加して、昨年より130センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より40センチ増加して、昨年より2メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、先週よりもかなりなだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、国道158号分岐から先、路面凍結積雪があります。冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
 

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2014ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2014年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2014年12月から2015年3月までのウインターシーズンについては、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
2015年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2015年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2015年5月中旬頃を予定しております。

| 速報バックナンバー | TOP |
 

■2015年2月21日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/02/21 09:30
快晴に誘われて、たくさんの方がお越しになる
(ツアーコース入口)
A 2015/02/21 09:55
気温6℃、完全に春スキーの気候 − Tシャツ姿の方も...
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2015/02/21 10:25
初めてのノリクラ − 厳冬期の美しさと春の陽気に包まれる
(ツアーコース − 4〜5番標識間)

C 2015/02/21 11:25
透明感あふれる遠景 − 浅間山から中央アルプスまで一望
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ まだまだ厳冬期ではありますが、2月も後半に差し掛かり、例年、春の足音が少しずつ聞こえてくるようになります。しかし、今日は一気に春がやってきたような穏やかで暖かな一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、全く寒さを感じさせない夜を迎えています。気温はマイナス5℃。寒いとか冷たいという感覚すらない状態で、体感的にはプラスの気温と言っても良いほどです。上空にはうっすらと雲がかかっていて、それが寒さをおさえているのかもしれません。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、まさに快晴無風の朝を迎えます。7時の気温はマイナス11℃、冬の厳しさに慣れている乗鞍高原でも、やはり二桁のマイナスとなればかなり寒く感じるはずですが、昨晩同様に寒さを感じません。厳しい寒さに体がようやく慣れてきたのかもしれません。そして、今日はNHKのラジオ体操が始まる頃になってピンク色のモルゲンロートを見せ、ノリクラにも新しい朝が来ました。

昨晩からの降雪はゼロで、Mt乗鞍のバーンも若干固めのコンディション。8時30分にリフト営業が始まりましたが、もうすでに日差しの暑さを感じさせるほどで、アウターなしでリフトに乗車していても全く問題ない状態です。そして、9時のツアーコース入口は0℃にも達し、その後も気温はぐんぐん上がって行きます。。快晴無風のコンディションですから、9時の段階でツアーコース入口には30名近くの方がお越しになり、その半数以上の方がアウターをザックに押し込んで出発されました。

昨晩の降雪がありませんでしたから、ツアーコース入口急斜面は昨日までのトレースがそのまま残っています。それでも、下地の硬さを感じさせることはなく、シールのグリップもそれほど悪いものではありません。また、適度な硬さのため、ツボ足でもそこそこ登ってこられる状態です。
入口急斜面を登り切った先も快晴無風が続き、10時にはプラス6℃に達すると、アウターどころか長袖シャツすら脱ぎ捨てて、半袖のTシャツ姿になる方もいらっしゃいました。日差しの強さもいつも以上のもので、肌をジリジリと焼き付ける灼熱感すら感じさせるもので、雪面が見る見るうちに緩んで行く様子が感じられるようになってきます。

今日は初めてノリクラにお越しになったという方が結構たくさんいらっしゃり、普段の悪天候の様子を伝えると信じられないご様子...ただ、こんな日にノリクラデビューができたことは、本当にうらやましい限りで、また、次回も天気の良い日を選んでお越しくださればと思います。

ツアーコース入口付近では新雪感はほとんど感じられませんでしたが、中間の3番標識付近からようやく足裏に柔らかさを感じさせてくれます。
11時の位ヶ原急斜面の気温はプラス8℃、傍らで休憩されている方の中には額から大粒の汗を吹き出している方もいらっしゃり、雰囲気的には3月後半から4月上旬といった状況です。そして、登って来たツアーコースを振り返ると、浅間山から八ヶ岳、南アルプス、そして、中央アルプスまでくっきりと一望でき、この透明感はさすがに厳冬期そのもので、今日は厳冬期の澄み切った空気と春の陽気を一緒に楽しむことのできる一日となりました。(さらに下に続きます↓)

D 2015/02/21 11:50
まだまだ快晴無風が続く − 厳冬期の厳しさは全くない
(位ヶ原)
E 2015/02/21 12:55
天空を歩く
(摩利支天岳東斜面)

F 2015/02/21 12:25
春の陽気にも負けない標高2800mのパウダー
(摩利支天岳東斜面)

G 2015/02/21 13:30
稜線上も穏やか − ついつい長居したくなる気候が続く
(摩利支天岳 − 肩の小屋・コロナ観測所分岐点)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ (↑上から続き)この陽気ですから、ツアーコースを登り切って森林限界の位ヶ原にやってきても、空気の動きすら感じさせない快晴無風が続きます。
正午の位ヶ原の気温はプラス8℃。登山の方の多くは肩の小屋を経由して剣ヶ峰山頂方面へ向かい、滑走用具を持つスキーヤー・ボーダーの方々は摩利支天岳方面を目指す様子が見られます。

ただ、この陽気も位ヶ原5号カーブ付近から急に冷たい空気が流れ込み、気温は一気にマイナス2℃まで下がります。若干風を感じるものの、いつもの厳冬期の激しい天候と比べれば雲泥の差で、この強い日差しのために、摩利支天稜線付近もアイスバーンは皆無に近い状態でシールだけで問題なく登る事ができたほどです。ただ、稜線の北側はいつものごとく、シールが全く効かないアイスバーンが続いていました。(※位ヶ原5号カーブ:県道乗鞍岳線のカーブ番号ですが、現地には標識はありません。ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号 をご覧ください。)

ツアーコース内では新雪感がほとんどありませんでしたが、さすがに標高2800メートル付近に達すると、春の陽気に負けずに新雪の柔らかさが残っていました。また、森林限界より上部では、風の影響が強く現れるため、アイスバーンやパックされた箇所やパウダーが混在していますので、条件の良いところを選んで滑走する必要があります。
また、今年はすでに昨年最大積雪量を越えていますが、まだ雪崩の発生はなく、今後、寒暖の差が激しくなると雪崩の危険性が増してきます。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

午後になって、幾分雲が見られる状態がありましたが、完全に春モードの一日を過ごすことができました。ただその反面、この春の陽気でツアーコースは完全にバーンが腐ってしまい、下山滑走はかなり手こずる状態となっていますので、今後、まとまった降雪に見舞われるまでは、若干の「覚悟」が必要だと考えられます。

なお、次週の速報ですが、2月28日(土)より変更して2月27日(金)に実施しますので、あらかじめご了承ください。 (2015/02/21 18:50更新)
 

【ツアーコースの積雪状況 − すでに昨年の最大積雪量を越え、雪崩の懸念があります。】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えているにもかかわらず、今年はまだ雪崩の発生がありません。雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

・3番標識付近の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より60センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より1メートル多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より20センチ増加して。昨年より1.5〜2メートル多い状況。6番標識山麓側の谷は、先週よりもかなりなだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、今日は県道に関してはMt乗鞍第一駐車場までは完全に無雪になりましたが、第3駐車場方面は一部積雪凍結があります。また、普段は国道158号分岐から乗鞍高原側は路面凍結積雪がありますので、冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず携行してください。
 

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2014ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2014年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2014年12月から2015年3月までのウインターシーズンについては、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
2015年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2015年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2015年5月中旬頃を予定しております。


 

| 速報バックナンバー | TOP |
 

■2015年2月14日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/02/14 09:30
初めての冬山へGo!
(ツアーコース入口)
A 2015/02/14 09:45
新雪40センチのラッセル − やや重たさを感じる雪質
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2015/02/14 11:05
標識埋没直前 − 1ヶ月以上も早く昨年最大積雪量を越える
(ツアーコース − 5番標識)

C 2015/02/14 12:00
視界不良 − 今日はココで撤退
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ 今日も厳冬期らしい悪天候の一日でした。それでも積もった新雪の質感がやや重たい雰囲気を感じるようになり、季節の変化を少しずつ感じるようになってきました。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は、ザーッと音を立てて降るかのごとく細かな雪が激しく降り、まるで舞台の演出のような見事な降り方を見せています。気温はマイナス11℃、激しい降り方にもかかわらず、気温が示すほどの寒さを感じないのは、一帯が雪に閉ざされているためかもしれません。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、昨晩同様に細かな雪が降り続く朝を迎えます。7時の気温はマイナス9℃、昨晩からの降雪は10センチ程度ですが、少し風があって軽い雪が吹き飛ばされてしまったものと考えられます。鉛色の空が広がるものの所々に青空が見え隠れし、8時頃には太陽の輪郭がぼんやりと浮かび上がり、薄日のさす状況となります。昨晩は気温ほどの寒さはありませんでしたが、今朝の空気は乾いているためか、冷たさが刺々しく感じる状況。ツアーコース入口に到達するまでのリフト乗車中が今日一番の冷たさといっても過言ではないほどです。ゲレンデ内にも うっすらと新雪が積もり、プチパウダーを楽しむスキーヤー・ボーダーの姿がかもしかゲレンデにはありました。

リフト営業が8時30分に始まり、9時にはかもしかゲレンデ最上部にあるツアーコース入口に到達します。気温はマイナス10℃、日差しがさらにしっかりとしてきたものの、風が強くなり、つむじ風が所々で発生します。ツアーコース入口には今日も出発の準備を始める様子が見られましたが、今日初めて雪山に挑戦するというスノーシューのお二人の姿もあり、常連の方と一緒にツアーコースへ進んで行きます。(初心者の方は必ず経験者の同行の下で入山されるようお願いいたします。)
ツアーコース入口急斜面は40センチほどの新雪が積もり、常連の方が先導でラッセルされ、そのトレースに初心者のお二人が付いて行くもののかなり辛そうな様子。「雪山がこんなに大変なものとは思いませんでした。同じ雪でもゲレンデとは全く異なりますね。日常では全く経験することのない体験でした。」と、おっしゃっていました。今日の新雪は若干重たさを感じる雪質で、足への負担が若干あったのかもしれません。また、厳冬期の真っ只中ではあるものの、完全に軽い雪質でなくなってきた点は、季節に変化が現れてきた様子を感じさせるものです。

入口急斜面を登り切った先も新雪40センチ程度で、雪質も厳冬期としては若干重たさを感じさせるもので、この積雪量と雪質はツアーコース全区間でほぼ同じ状況です。また、この雪質のため積雪量が増えやすくなり、5番標識ではすでに埋没寸前の状況で、昨年の最大積雪量を1ヶ月以上も早く更新してしまいました。例年3月中下旬に最大積雪量が観測されますので、今年はさらに積雪量が増えることが考えれます。

ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面は視界が200メートルほどで、上端部分がかろうじて見える程度。風は午前中よりも弱くなり、無風に近い状況になります。11時30分の気温はマイナス13℃。新雪は40センチでやや重たさを感じる雪質が続きます。重たさを感じるといっても、滑走時のスキー操作に影響を与えるものではなく、いつもと変わらないパウダーが楽しめます。また、先週はツアーコース全区間で下地の硬さを感じたものの、今日はほとんど感じさせることはありませんでした。

森林限界を超えた位ヶ原に到達すると、厳冬期らしく冷たい強風が否応なく吹き付け、それまでのツアーコース内とは全く異なる環境となります。12時の気温はマイナス14℃、視界は50メートル程度まで低下し、ここで撤退するスキーヤーも何人もいらっしゃいました。視界的にはもう少し先に行くことも可能だったかもしれませんが、一旦方向を見失ってしまうと下山できなくなりますので、常に安全性を担保した行動が求められます。

位ヶ原から位ヶ原山荘へ向かう屋根板は、ツアーコースよりも雪質は軽く、風向きなどで雪質が大きく変わるものと考えられます。また、屋根板はダケカンバが多く、ややツリーランに近い状況であるのが普通ですが、今年は積雪量が多くなってほとんど立ち木を気にすることなく滑走できる状況で、近年これだけ積雪量が多くなったことはありません。それだけに雪崩の心配も懸念されます。

午後になって風は弱くなり、天候は若干回復を見せましたが、明日は再び強風の影響が懸念されます。また、積雪量が昨年以上になっているにもかかわらず、まだ、雪崩の発生がありません。十分に注意して入山されることをオススメします。
12月から3月までのウインターシーズンは、今回のように速報のみの掲載となっています。ノリクラ雪渓カレンダー再開は下記の通り予定しておりますのでご了承ください。 (2015/02/14 18:20更新)


【ツアーコースの積雪状況 − すでに昨年の最大積雪量を越え、雪崩の懸念があります。】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。
また、すでに昨年の最大積雪量を超えているにもかかわらず、今年はまだ雪崩の発生がありません。雪崩多発地帯では大きな雪崩が発生してもおかしくないと思われますので十分注意してください 。ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版では、雪崩多発地帯を地図で示していますので、参考になさってください。

・3番標識付近の積雪量は、先週より30センチ増加して、昨年より30センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より50センチ増加して、昨年より50センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より60センチ増加。6番標識山麓側の谷は、先週よりもかなりなだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、国道158号分岐から先、路面凍結積雪があります。冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
 

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2014ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2014年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2014年12月から2015年3月までのウインターシーズンについては、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
2015年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2015年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2015年5月中旬頃を予定しております。

 

| 速報バックナンバー | TOP |
 

■2015年2月7日(土)        (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンはノリクラ雪渓カレンダーの更新はありません)
 

@ 2015/02/07 10:40
気温プラス2℃ − 晴天に恵まれ、春のような陽気
(ツアーコース − 4〜5番標識間)
A 2015/02/07 12:10
初めてのノリクラ − 今日のミッションは大成功!
(位ヶ原)

B 2015/02/07 13:25
山頂エリアは強風でやや締まった雪質に
(摩利支天岳東斜面)

C 2015/02/07 13:30
久々に終日好天に恵まれました
(屋根板上部)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

▼ ここ最近は、取材日(週末)になると天候の悪い日が続いていましたが、今回は久々に綺麗な青空が広がり、春のような暖かな一日でした。

日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は雲ひとつない快晴で、明るい月が東の空に昇り、その月明かりが周囲を煌々と照らす夜を迎えています。気温はマイナス11℃、頭上には星が綺麗に輝いていて、月明かりに負けないほどの明るさです。ノリクラの白肌もこの明るさにいつもよりも大きくはっきりと感じられ、夜のスクリーンに浮かんでいます。

そして、一夜明けた乗鞍高原は、見事な快晴無風の朝を迎えます。気温はマイナス15℃、かなり冷え込んでいるものの力強い朝日に恵まれて、それほどの寒さはありません。昨夜を明るく照らした月が西の空に沈もうとし、ノリクラの峰々はモルゲンロートに赤く染まって月が沈むのを迎え入れます。

Mt乗鞍のリフト営業が8時30分に始まり、9時過ぎにはツアーコース入口に到着します。
少し薄い雲がかかるようになってきたものの快晴無風は続き、ツアーコース入口にはすでに20名ほどのバックカントリースキーヤー・ボーダーの方々が出発の準備を始めています。気温は0℃で、日差しの暖かさを十分感じる状態ですから、シールやスノーシューの装着はもちろんのこと、多くの方がアウター脱いでザックに押し込む様子も見られました。

ツアーコースに入ると、新雪は5〜10センチ程度しかなく、さらに下地がかなり硬い状態。この1週間は天候の良い日が続き、日差しで雪面が若干融けて固い層ができたものと考えられます。この状態は入口急斜面を登り切った先も続き、ツアーコース最上部の位ヶ原急斜面も同様の状況です。

今日は本当に天候が安定していて、薄い雲のベールが感じられる状況になってくるものの、空の青さは十分感じられ、厳冬期の空の青さに春霞がかかったような雰囲気で、季節は少しずつ春へと近づいているようにも感じられます。

11時の位ヶ原急斜面の気温はプラス2℃、連日マイナスばかりを記録していた状況ですから、寒さどころか暑さすら覚えるほど。新雪は20センチ程度あるものの、その下地はかなり硬く、場所によってはほとんど氷に近い状態。そのため、シールがかなり滑りやすい状況でした。それでも、後ろを振り返ると、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスが霞がかかる中でもくっきりと確認でき、ヒヤヒヤしながら登る苦労を一瞬忘れさせてくれるものです。

さらに登ると森林限界を超えた位ヶ原に到達しますが、所々にシュカブラ(風紋)が見られ、全体的に固めのバーン。気象状況がツアーコースとは大きく異なり、常に強風にさらされているせいですが、プラスだったツアーコースの気温とは異なり、正午の位ヶ原はマイナス6℃。7号カーブ付近から冷たい風が吹き抜けますが、厳冬期としてはかなり穏やかな状況で、肩の小屋方面や摩利支天岳方面へ向かうスキーヤーの列がみられ、今日は大半の方がツアーコースよりもさらに先を目指して行きました。
今回初めてノリクラにやってきたという方々も、この天候に誘われて位ヶ原までお越しになり、日常では絶対に味わうことのできない位ヶ原の風景に「こんなにすごいとは思いませんでした。絶対、またノリクラに来たいです。」とおっしゃっていました。

13時の摩利支天岳東斜面(通称:すべり台)は、雪煙が舞い上がり、強めの風が吹きぬける状況となり、バーンはやや締まった雪質です。それでも、柔らかい部分を選んで滑走すればそれなりに楽しいパウダーを味わうことができました。

14時以降になると空はかなり白くなり、風もさらに強くなり天候は悪化傾向となりましたが、終日に渡って好天に恵まれ、こんな日ばかりが続けばと思うほどでした。
12月から3月までのウインターシーズンは、今回のように速報のみの掲載となっています。ノリク ラ雪渓カレンダー再開は下記の通り予定しておりますのでご了承ください。 (2015/02/07 18:00更新)
 

【ツアーコースの積雪状況 − 今シーズン初めて積雪量が減少。硬い層が全エリアで見られますので、雪崩には十分注意してください】
ここ最近、各地でスキー場コース外滑走による遭難事案が頻繁に発生しています。
乗鞍のツアーコースはMt乗鞍の管理区域外(コース外)のため、遭難した場合は県警山岳救助隊や民間の救助隊(遭対協)に救助要請を行うことになります。
場合によっては救助費用の自己負担が多額になる場合もあり、自己責任の範疇を超える状況となります。
ゲレンデスキーヤー・ボーダーの方が装備なしで入山することは危険が伴い、また、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々も「チャレンジ精神」とか「滑走欲望」を自制できることが求められます。

・3番標識付近の積雪量は、先週より35センチ減少して、昨年より10センチ多い状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より25センチ減少して、昨年より40センチ多い状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より2メートル近く多い状況。6番標識山麓側の谷は、先週よりもかなりなだらかになり、下山滑走でもほぼ問題ない状態になりました。
なお、乗鞍高原周辺は、国道158号分岐から先、路面凍結積雪があります。冬用タイヤ、または、タイヤチェーンは必ず必要です。
 

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2014ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.25<最終号> をもって今シーズンの連載を終了させていただきます。連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
●速報●
2014年11月はお休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
2014年12月から2015年3月までのウインターシーズンについては、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
2015年3月下旬以降の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2015年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2015年5月中旬頃を予定しております。

 

| 速報バックナンバー | TOP |


Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top <<Back(2015-01)   Sokuhou-Index   Next(2015-03)>>