【速報バックナンバー 2016年3月分】

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◎ 3月

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■2016年3月26日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.2
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>)  
 

@ 2016/03/26 09:05
今日も満員御礼 − 140名もの入山者がお越しになる
(ツアーコース入口)
A 2016/03/26 11:35
ワクワク・ウキウキ〜〜 今日はテン泊だ!
(ツアーコース)

B 2016/03/26 13:35
ミッション達成! − 娘さんを連れて初めてのバックカントリー
(位ヶ原)

C 2016/03/26 15:20
終日晴天 − 最後まで滑りまくる
(大雪渓)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 先週の三連休は二日目・三日目は大賑わいでしたが、それに匹敵するような人出となり、冷たい空気に包まれているものの、強い日差しで気候は春そのものでした。

早朝6時の乗鞍高原は、きれいに晴れあがった朝を迎えます。気温はマイナス8℃と冬に逆戻りしたような冷え込みを見せ、あちこちで真っ白になるほどの霜が降りています。日の出がどんどん早くなり、今日は5時45分くらいからノリクラの峰々が綺麗なピンク色に染まり始めます。そして、日の出と交代するかのように、夜を明るく照らしていた立待の月が高天ヶ原の頂に沈んで行きます。ピンクに染まるノリクラの峰々にワンポイントを添える朝のドラマの始まります。
24日(木)にはまとまった降雪があり、所々で白くなっているものの、目立った積雪ではなく、路面も全く問題ない状態です。

<Mt乗鞍スキー場のゲレンデ状況>今シーズンの営業は来週末の4月3日(日)まで、残すところあと一週間です。休暇村第二ペアリフトの営業が10時ごろまで遅れたものの、鳥居尾根コース以外は滑走に問題ない状態。バーンは24日(木)の降雪があるものの、やや硬めの状態。ただ、この時期に固いバーンで滑走できるゲレンデはほとんどなく、標高の高いノリクラだからこそといえるでしょう。現時点では滑走に支障となる箇所はほとんどなく、今後の天候にもよりますが、来週末まで何とか営業が継続されることを期待します。

<ツアーコースの状況>9時のツアーコース入口の気温は0℃、早朝の冷え込みはもうありません。入口付近にはすでに30名ほどがお越しになり出発の準備を始めます。24日(木)の新雪を期待してファーストトラック狙いで出発する人。地元乗鞍に在住しながらツアーコースは初めてという娘さんと一緒の親子のお二人。今日はツアーコース脇でテント泊されるため、背丈以上の大きなザックを背負ったグループなど様々な方が一斉に出発します。そして、その後も続々と入山者が訪れ、最終的に140名以上がツアーコースへと向かった模様です。

入口急斜面は24日(木)の新雪はほぼ皆無。それどころか、バーンがかなり固く、入口急斜面上端部はシールではほとんどグリップが効かない状態。そのため、大半の方が隣の樹林帯からその先へと進んでいらっしゃいました。もちろん樹林帯の中でもバーンが柔らかい状態ではなく、スタート時はツボ足だった登山者の多くがここでアイゼンに履き替えていました。その先もうっすらと新雪が乗っているものの下地が固く、まるでゲレンデを登っているような感覚。足裏に柔らかさが感じられるようになるのはツアーコース最上部の位ヶ原急斜面に入ってから、ただ、ここでも新雪は5〜10センチ程度で、パウダーという感覚ではありません。

正午の位ヶ原急斜面の気温は0℃、今日は冷たい空気に包まれていたものの、日差しが強く、顔は冷たさを感じても寒さは感じないというコンディション。冬と春が混在したような気候でした。

なお、下山のツアーコースはハードバーンで、ゲレンデ的なコンディションのため、下山滑走には問題ありませんが、入口急斜面は斜滑降で表面を削ってしまっていますので、明日はさらにシールがグリップしない状況になると思われます。アルペンブーツならキックステップが可能かもしれませんが、ソフトブーツ・登山靴はアイゼンが必要な状況になることが予測されます。

<森林限界以降>午後になって、西から雲が周期的に流れてきますが、天候が変化するほどの状況ではありません。ツアーコースと比べ、上部は24日(木)の新雪が残っていて、富士見沢・すべり台・山頂方面は10〜20センチ程度の新雪があって、楽しくターンができる状況だったと思います。ただ、これらのように新雪が吹き溜まっている場所とは逆に、吹きさらしの部分はアイゼンがないと対応できないアイスバーンとなっていて、場所によっては、新雪とアイスバーンが混在している状況も見られ、登行は注意が必要です。
そして、天候は申し分ない状況が夕方まで続き、14時のすべり台はマイナス6℃、15時の大雪渓はマイナス4℃、といずれも氷点下ですが、体感的にはプラスといってもよいほどの暖かさでした。

<ツアーコースの積雪>
・3番標識付近の積雪量は、先週と同じで、昨年より60センチ少ない状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より5センチ減少して、昨年より140センチ少ない状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より2メートル少ない状況。
・位ヶ原の積雪量は、先週より10センチ減少して、昨年より35センチ少ない状況。

本文内でも申し上げましたが、本日の下山のツアーコースはハードバーンで、ゲレンデ的なコンディションのため、下山滑走には問題ありませんが、入口急斜面は斜滑降で表面を削ってしまっていますので、明日はさらにシールがグリップしない状況になると思われます。アルペンブーツならキックステップが可能かもしれませんが、ソフトブーツ・登山靴はアイゼンが必要な状況になることが予測されます。

なお、本日取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.2 は、次週末掲載予定です。(2016/03/26 19:10更新)

 

【3月26日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

次週末でMt乗鞍スキー場の営業が終了します。それに伴い、県道乗鞍岳線の除雪、乗鞍岳春山バスの運行開始などにより、ツアーコース入口や大雪渓・山頂方面へのアクセス方法が変わってきます。下記を参照のうえ、入山されるようお願いいたします。
特にスキー場営業が終わってから、県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝開通までの間。4月4日(月)〜4月15日(金)までは、休暇村から全山自力で登行することとなりますので、ご注意ください。
  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)
4月3日(日)まで リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月4日(月)〜15日(金)11時 徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月15日(金)11時〜22日(金) マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)
4月23日(土 )予定〜5月下旬 マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)
5月下旬〜6月30日(木) マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月19日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(土)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)


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■2016年3月19日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版Vol.1
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>)  
 

@ 2016/03/19 09:30
晴れ間もあって思ったより天気が良い
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2016/03/19 10:10
全区間湿雪だがモナカよりマシ
(ツアーコース − 2番標識付近)

B 2016/03/19 11:25
ホワイトアウト − 先が全く見えず撤退を
(位ヶ原)

C 2016/03/19 13:50
雪崩発生 − 細心の注意を
(2010年2月死亡事故発生場所 − 長さ200m×幅70m)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 三連休初日の今日、予報では夕方まで雨でしたが、午前中は擬似的な晴天もあって、思ったほど悪くない天候で、雨の多くなる春に向けて、雨天に慣れるにはそこそこの天候でした。

早朝7時の乗鞍高原の天候は雨、気温はプラス3℃。14日(月)にまとまった降雪に見舞われ、その後は晴天が続く状況でしたが、昨日夕方からの雨で月曜日の雪は見事になくなってしまいました。雨の降り方も結構強く、外に出るのが億劫な雰囲気です。ただ、視界はそれほど悪くなく、鳥居尾根コースの上端付近まではっきりと確認できます。このコンディションですから、路面凍結は全くありませんが、夏タイヤへの交換はもう少し先のほうが良いかもしれません。

<Mt乗鞍スキー場のゲレンデ状況>鳥居尾根コース以外は全面滑走ですが、レストランやまぼうし・スキースクール建屋付近、夢の平クワッドリフト付近、三本滝レストハウス前は降雨と融雪で広範囲にわたって水たまりができています。今シーズンの営業は4月3日(日)までの予定ですが、コースによっては、早めに営業終了となる可能性も考えられます。雪質は全エリアで湿雪ですが、夜間の冷え込みがまだまだ続きますので、日によってはアイスバーンになる可能性もあります。
また、リフト営業が始まった8時30分ごろから、雨の降り方がかなり弱くなって来ました。

<ツアーコースの状況>9時のツアーコース入口の気温は3℃、東の空を見るとぼんやりと太陽が顔をのぞかせるようになり、天候は回復傾向を示します。例年なら春分の日前後の週末はかなり多くの入山者がお越しになりますが、今日はこの天候のため、ほぼ皆無状態。その時、ちょうど位ヶ原山荘から下山して来られた登山客の方にお話をお伺いすると、「予定では山頂方面に向かうところでしたが、とてもそんな天候ではなく、やむなく下山してきました。」とのこと。ツアーコース入口まで下山してから太陽が顔をのぞかせるようになってちょっと残念そうなご様子でした。

ツアーコースは入口から位ヶ原急斜面まで全区間湿雪。特に入口から5番標識付近まではシールに張り付くような湿雪で、足への負担がかなり重たく感じる状態でした。そのため、下山滑走は完全にストップスノーという状態です。入口急斜面を登り始めると、雨はほとんど収まり上空には青空が広がり始め、予報以上に天候が早く回復するような雰囲気を感じます。ただ、しばらくすると、遠方の山並みに雲が低くかかるようになり、10時30分ごろには青空は再び消滅してしまいます。

11時の位ヶ原急斜面の気温は6℃、少し風が出てきましたが、冷たさは全くありません。この付近でも湿雪であることに変わりないものの、シールにまとわりつく状態からは解消され、雪が幾分軽くなってきます。月曜日に降った新雪は20センチ程度残っています。視界はさほど悪くなく、上端まではっきりと確認できる状態で、そのまま森林限界の位ヶ原へと登ります。

<森林限界以降>正午の位ヶ原の気温は0℃、先ほどまでほぼ収まっていた雨が霧雨状に降り始めます。視界は100メートル前後で、これ以上先に進むことは困難な状態。先に登っていたスキーヤーの方も、ここで引き返さざるを得ない状態でした。
13時の大雪渓の気温は0℃と変わらないものの、霧雨状の雨がやや強くなる状態で、視界は50〜100メートルとほとんど周辺の状況を把握できない状態。地形に熟知されていない方は、方角を見失う状態ですので、位ヶ原から先の大雪渓方面には進行しないようお願いいたします。また、位ヶ原の積雪はこの1週間で48センチも増加して、初めて昨年より多くなりました。
大雪渓の積雪量ですが、昨年よりも少ないものの、2014年とほぼ同じ状態で、極端に少ないということはないと思います。大雪渓付近はまだこれから積雪量が増えますので、現時点では、今後の夏スキーシーズンへの影響について述べることはできません。

また、その他の画像に掲示した屋根板と、 画像Cの箇所で雪崩が発生しました。画像Cは位ヶ原山荘から300メートルほど車道を登った所(位ヶ原山荘から上り直線区間に入るところ)の斜面で、屋根板の雪崩は長さ70メートル×30メートル。車道沿いの雪崩は視界不良で計測できませんでしたが、過去の雪崩から推定して長さ200メートル×幅70メートルです。どちらも箇所も毎年必ず雪崩が発生しており、画像Cの車道沿い箇所では2010年2月23日に死亡事故が発生しておりますので、細心の注意の下、行動してください。
なお、過去の雪崩箇所は、ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>でご覧になれますので、入山時には必ずご確認のへお越しくださるようお願いいたします。

<ツアーコースの積雪>
・3番標識付近の積雪量は、先週より10センチ減少して、昨年より60センチ少ない状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より10センチ増加して、昨年より125センチ少ない状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より2メートルほど少ない状況。
・位ヶ原の積雪量は、先週より48センチ増加して、昨年より5センチ多い状況。

今回取材分より、2016ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版の連載を開始いたします。掲載は次週末を予定しておりますので、今しばらくお待ちください。(2016/03/19 19:00更新)  ⇒ 掲載いたしました ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.1(2016/03/19)

 

【3月19日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2015ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、前回取材分のノリクラ雪渓カレンダーVol.25(2015/10/31〜25)<最終号>をもって2015シーズンの連載を終了させていただ来ました。2016シーズンの連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2015年 2016年
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
速報 ×
ノリクラ
雪渓カレンダー
× × × × プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版<上旬終了>
正式版<中旬開始>
 

●速報●
<2015年11月> お休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
<2015年12月〜2016年3月> ウインターシーズンは、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
<2016年3月下旬以降> 春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2016年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2016年5月中旬頃を予定しております。


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■2016年3月12日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンの掲載はありません)
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>)  
 

@ 2016/03/12 09:05
満員御礼 − 今日は130名以上が入山、今季一番賑わい
(ツアーコース入口)
A 2016/03/12 11:40
ツアーコースは全区間モナカ状態 − まともに滑られない
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面下)

B 2016/03/12 12:35
山頂も穏やかでしたよ!
(位ヶ原 − 下山途中の登山グループ)

C 2016/03/12 15:00
午後は変幻自在に雲が戯れる
(肩の小屋・コロナ観測所分岐点)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 午前中はほぼ快晴で、午後からは雲が周期的にダイナミックに流れる天候でしたが、終日穏やかな一日となり、入山者は130名にも及ぶ賑わいとなりました。

早朝6時の乗鞍高原は、雲一つない快晴の朝を迎えます。気温はマイナス11℃、耳がちぎれそうになるほどの冷たい朝です。日の出時刻はどんどん早くなり、6時過ぎには山頂のモルゲンロートが始まり、今日は鮮やかなピンクに染まりました。日の出直後は山頂に雲が流れ込みますがほぼ快晴の状態が続きます。日の出から1時間も経過すれば、日の暖かさが感じられ、朝晩の冷え込みがあっても、春がすくそこにやってきていることが実感できます。

<Mt乗鞍スキー場のゲレンデ状況>今日も鳥居尾根コース以外は滑走可能。鳥居尾根コースは積雪量が少なく、安全に滑走できない状況が続いています。下から見る限り、十分な積雪量があるように見えるものの、一時は排水溝が見えるほど積雪が少なくなり、現在も所々でブッシュが確認できる状態です。そのほかは、ほぼ滑走に支障がない状態と考えられますが、夢の平クワッドリフトの山麓側乗場付近などは下地の氷部分が出てきていますので、積雪量が少なくなってきていることは間違いないと思います。

<ツアーコースの状況>9時のツアーコース入口の気温はマイナス2℃、若干雲がたなびくものの、ほぼ快晴です。そして、朝一番の段階で50名ほどの入山者の方々がお越しになっています。例年、翌週の3月第3週の週末あたりから入山者が急増する傾向がみられますが、今シーズンは1週間早く始まった模様です。おそらく、本日の好天と標高の低いバックカントリーエリアでの雪不足から、標高の高いノリクラにお越しになったものと考えらます。最終的には夕方までに130名ほどの入山者がツアーコースに向かった模様です。もちろん今季一番の賑わいですが、おそらく、ここ数年でも最多の入山者数ではないかと思います。

入口急斜面は先々日の降雪で10センチ程度の新雪が積もっていますが、残念ながら表面がパックされていてモナカ状態。登行にはほとんど問題ないものの、出発早々から下山が思いやられることが容易に想像できる状態です。このモナカ状態はツアーコース全区間に広がっています。これからの時期はモナカ状態は午後以降によく発生しますが、午前中は日差しで表面が緩んで解消され問題となることはあまりないのですが、今日は日差しが強くても空気がかなり冷たく、モナカ表面がほとんど緩まない状態です。また、山頂方面から位ヶ原急斜面まで滑り降りてきたスキーヤーは、「もう、お手上げです...位ヶ原急斜面に入る手前までは快適に滑走できたものの、いきなりひどいモナカで、先が思いやられます。」と、足を取られないように慎重に下山滑走されていきました。

なお、夕方の位ヶ原急斜面はさらにひどいモナカ状態で、斜滑降以外全くできない状態ですが、それより下部は、多くの方が下山滑走されたことから、滑走部分だけはモナカが完全になくなって固い下地が現れ、何とか滑走可能な状態です。しかし、そのターン弧から外れるとモナカ状態になりますので、明日下山滑走の方は十分注意なさってください。

<森林限界以降>12時の位ヶ原の気温はマイナス4℃。上空を西から流れる雲に占有されるようになりますが、天候の急変はありません。今日は肩の小屋・山頂方面に向かった方と富士見沢方面に向かったスキーヤー・ボーダーの方に二分されました。
肩の小屋から先はアイゼンが必要な状況だった模様ですが、山頂からの下山途中の登山グループにお聞きすると、稜線・山頂は風も強くなく穏やかだったようです。悪天候時に使用する旗竿も不要で、「今日はおいてこればよかったね〜(笑)」と、冗談を交えながら会話が弾みます。
午後は時折山頂方面もすっぽり雲におおわれるタイミングが多くなるものの、青空が優勢の状態には変わりありません。また、摩利支天岳東斜面(通称:すべり台)方面は、パウダーとまではいかないものの、パック感は完全になくなります。その先の富士見沢には数多くのシュプールが残されていたものの、滑走した常連のスキーヤーの話では、やや重たい感触で、パウダーの残っている場所をあちこち探し回ったものの、ほとんど見当たらなかったとのことでした。

今日は終日天候が良かったこともあって、15時以降もまだ下山途中の方が多く見受けられました。
先に申し上げたようにツアーコースの下山滑走しにくいコンディションで、本日も足を負傷して、パトロールに救助された様子がありました。今一度慎重な下山をお願いいたします。なお、ツアーコースは山岳エリアになりますので、救助要請は警察(110番)に依頼することになりますので、ご留意ください。

<ツアーコースの積雪>
・3番標識付近の積雪量は、先週より8センチ増加して、昨年より120センチ少ない状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週より20センチ増加して、昨年より205センチ少ない状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週とほぼ同じで、昨年より3メートル程度少ない状況。
・位ヶ原の積雪量は、先週より8センチ減少して、昨年より78センチ少ない状況。

12月から速報のみの掲載となっていましたが、次回取材分(3月19日取材分)より、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版を再開いたします。ご愛読のほどよろしくお願いいたします。(2016/03/12 19:10更新)

 

【3月12日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2015ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、前回取材分のノリクラ雪渓カレンダーVol.25(2015/10/31〜25)<最終号>をもって2015シーズンの連載を終了させていただ来ました。2016シーズンの連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2015年 2016年
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
速報 ×
ノリクラ
雪渓カレンダー
× × × × プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版<上旬終了>
正式版<中旬開始>
 

●速報●
<2015年11月> お休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
<2015年12月〜2016年3月> ウインターシーズンは、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
<2016年3月下旬以降> 春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2016年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2016年5月中旬頃を予定しております。


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■2016年3月4日(金)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ウインターシーズンの掲載はありません)
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末>)  
 

@ 2016/03/04 09:40
気温プラス4℃、暑い!腕をまくって...
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2016/03/04 09:55
スカッと冴えた青空
(ツアーコース − 1番標識付近)

B 2016/03/04 12:05
穏やかな天候の中、のんびりとランチタイム
(位ヶ原 − 荒れた冬から穏やかな春へ)

C 2016/03/04 15:45
日没まで快晴無風でした
(位ヶ原)
★その他の画像が本文末尾にあります★

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は見事な快晴無風の一日。正確には微風が吹いていた時間帯がありましたが、日没まで雲一つない絶好の一日でした。

早朝6時の乗鞍高原は、まだ夜明け前ですが、雲一つない青空に真っ白なノリクラがぼーっと浮かび上がっています。気温はマイナス7℃ですが、ほとんど寒さを感じません。そして、6時20分ごろになると、真っ白なノリクラの山肌が次第にピンクに染まるモルゲンロートが始まります。その時、地元の旅館の方もお越しになってもカメラを構えます。「ほら、ツイッターで写真とか出すとみんなに好評で...」とのこと。おそらく、どこかの旅館のツイッターに今日の朝焼けが出ていることでしょう。週の初めに降雪がみられたため、一部で真っ白な真新しい雪が残っていますが、道路などにはほとんどありません。ただ、善五郎の滝駐車場付近から第3駐車場や休暇村方面には一部で凍結積雪がありますので、冬用タイヤ・タイヤチェーンはまだまだ必要です。

<Mt乗鞍スキー場のゲレンデ状況>先週と同様、鳥居尾根コース以外はすべて滑走可能。週の初めの降雪のためでしょうかバーン表面は柔らかめ。ただ、日中の日差しで気温が上昇し、夕方近くになると冷え込んで固いバーンになってきました。これからは日中の暖かさでバーン表面が緩み、夜間の冷え込みで固くなるため、全体的に固めの状態になっていくことと思います。なお、やまぼうしリフト沿いのパラダイスコース、夢の平コース、かもしかコースに関しては、ブッシュなどはほとんどない状態です。

<ツアーコースの状況>9時のツアーコース入口の気温はプラス4℃、快晴無風が続いています。平日にも関わらず、朝一番の段階ですでに10名以上が入山されました。じーっとしているだけで暖かさ・暑さを感じる状況で、半数以上の方はアウターを脱いで出発されています。もう3月ですから、冬というよりも春といったほうが良い状態で、これからは防寒対策とともに、暑さへの対応も必要になってきます。
入口急斜面は5センチ程度の新雪がしっかりと乗っていて、シールのグリップが良い状態。その先のツアーコースも新雪の積雪状態はほぼ同じです。空の青さは朝よりもさらに冴えてきて、1番標識付近では大きく迫ってくる白いノリクラが紺碧の青空に輝く様子が続きます。先週と比べると下地の固さは少なくなります。なお、ツアーコース内のあちこちでシュカブラがみられ、降雪の後の強風が吹き抜けた証拠ですから、この1週間は激しい気象変化がみられたことがわかります。

11時の位ヶ原急斜面の気温はプラス2℃。この付近に差し掛かると新雪は10〜20センチほど。パウダーランが楽しめる状況ですが、今日は天気が良く、大半の方がすべり台や肩の小屋方面へと足を延ばし、まだ下山滑走される様子は見られません。また、下部の3番標識・5番標識では先週と積雪量がほとんど変わらないものの、位ヶ原急斜面では30センチほど積雪量が増えていて、そろそろ、上部エリアの積雪量が増える時期に入ってきた模様です。

<森林限界以降>正午の位ヶ原の気温はプラス2℃、ほとんど風はなく快晴無風が続きます。今日が今シーズン初日という常連テレマーカーの方は「WebSiteを毎週見ていて、本当に来たかった〜。やっと来られてしかも絶好のコンディションで最高!」と、穏やかな位ヶ原で木陰に隠れてお昼休みです。厳冬期ならホワイトアウトの猛吹雪となり、こんな風にゆっくり休憩することは到底無理なことで、季節が確実に春へと向かっています。

先ほどのツアーコース位ヶ原急斜面と同様に、位ヶ原でも先週より35センチも積雪が増えています。ただ、強風の影響で大小数々のシュカブラがみられます。ただし雪質は柔らかい状態です。そして、パウダーの確率の高い摩利支天東斜面(通称:すべり台)は、3号カーブより上部では締まっているものの、パウダー感が残っていて、まずまずの状態です。また、富士見沢は見た限り、すべり台とほぼ同じ状態と思われます。14時のすべり台の気温はマイナス6℃、やはり、パウダーが残っているだけの気温であることがわかります。それでもほとんど寒さはなく、日没までまぶしい太陽が燦々と差し込み、斜陽にシュカブラの陰影がどんどん深くなって行く様子を眺めながら今日一日が終わりました。

<ツアーコースの積雪>
・3番標識付近の積雪量は、先週と同じで、昨年より53センチ少ない状況。
・5番標識付近の積雪量は、先週と同じで、昨年より145センチ少ない状況。
・位ヶ原急斜面の積雪量は、先週より30センチ増加して、昨年より2メートルほど少ない状況。
・位ヶ原の積雪量は、先週より35センチ増加して、昨年より65センチ少ない状況。

12月から3月までのウインターシーズンは、今回のように速報のみの掲載となっています。ノリクラ雪渓カレンダー再開は下記の通り予定しておりまのでご了承ください。(2016/03/04 19:10更新)

 

【3月4日(金)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】 
2015ノリクラ雪渓カレンダー正式版 は、前回取材分のノリクラ雪渓カレンダーVol.25(2015/10/31〜25)<最終号>をもって2015シーズンの連載を終了させていただ来ました。2016シーズンの連載再開予定は以下の通りですが、変更の可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2015年 2016年
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
速報 ×
ノリクラ
雪渓カレンダー
× × × × プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版
<3月下旬〜5月上旬>
プレリリース版<上旬終了>
正式版<中旬開始>
 

●速報●
<2015年11月> お休みさせていただく予定です。ただ、ツアーコースなどの降雪状況によっては一時的にお届けする可能性もあります。
<2015年12月〜2016年3月> ウインターシーズンは、週末を中心にトップページの速報のみお届けする予定です。ただし、天候状況などにより、掲載 を実施できない週もあります。
<2016年3月下旬以降> 春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー(プレリリース版・正式版)の取材日に合わせて実施する予定です。
●ノリクラ雪渓カレンダー●
ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2016年3月下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2016年5月中旬頃を予定しております。


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