ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2004/06/27) B
【雪渓下部 U】
先週から比べ1メートル近く雪融けが進み、石碑の岩の周辺はかなり岩や地面が露出しはじめました。この石碑の岩の付近は雪渓上部左側から雪渓下部への連絡箇所となっていて、例年この付近の雪融けが進むことで、大雪渓は上部と下部に分離します。
雪渓上部から下部への移動1 (石碑の岩の左側) | 雪渓上部から下部への移動2 (石碑の岩の右側) |
先ほどの画像より20メートルほど後方(上方)に移動したところで、ちょうど雪渓上部左側から滑り降りてきたところです。雪渓下部への連絡は石碑の岩を挟むように2箇所あります。「1」の石碑の岩の左側箇所はだいぶ岩が露出し、滑走できません。石碑の岩の右側である「2」の方はまだ滑走可能ですが、幅が8メートルほどで、おそらく来週にはかなりの岩が頭を出していることと思います。
先週は昨年と比べて2週間ほど早いと申し上げましたが、今週は雪融けのスピードが上がり、昨年と比べて3週間ほど雪融けが進んでいます。
【高山植物】
コマクサ |
こちらはわざわざ表題をつけなくても誰もが知っているコマクサです。「高山植物の女王」と形容されていますが、それはこの美しい容姿からなのでしょうか?それとも他の高山植物が寄り付くこともできない荒涼としたガラガラと崩れやすい砂礫地帯にみごとに群生を作る様子からなのでしょうか?
いつもなら7月〜8月にかけて見かけますが、今年はほんとに早くから花をつけています。ピンク色した馬の顔は、写真などでご覧になるよりもおそらくもっともっと小さく感じるかと思いますが、それでもこの特徴のある花は登山の足を必ず止めてしまう魔力があります。
コイワカガミ |
コマクサと同様、ピンク色した可愛らしい高山植物といえば、こちらのコイワカガミ。まだまだ咲き始めたばかりでたくさんは見られませんが、その濃いピンク色と肉厚で光沢のある葉から、一目で見つけることのできる高山植物です。コマクサと異なり、砂礫地帯だけでなく、ご覧の画像のようにスゲが生い茂るような草地やハイマツ帯など色々なところで見られます。
この時期でピンクの花といえばこのコイワカガミといってもよいくらいです。もちろん場所によっては先ほどのコマクサ、そして、時期が少し過ぎてしまっていますが、ショウジョウバカマも可憐なピンクの高山植物です。
ミヤマクロスゲ(花) |
先ほどのコイワカガミのバックに写っていた草むらはミヤマクロスゲ。こちらも立派な高山植物です。昨年の枯れ草の中からピンピンと若芽を出したかと思うと次第に褐色から若い緑に変わってきます。そして、ご覧のように黒いつぼみからクリーム色の花を咲かせています。若い緑をバックに黒とクリーム色のコントラストですので、他のスゲから比べると花が咲いている様子は比較的観察しやすいほうだと思います。
チングルマ(花) |
さてこちらは先週もお伝えしたチングルマ。実は昨年も全く同じ個体をほぼ毎週お届けしており、今年ももうあと2〜3週間は開花までの様子をお届けすることができると思いましたが、もう花が咲き始めています。昨年と比べて1ヶ月近く早い開花です。
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