ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.25(2004/10/31) C

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(Update:2004/11/09)

 

【乗鞍高原の遊歩道】

乗鞍高原には森に親しむための遊歩道がたくさんあります。普段は山頂付近の様子をお伝えしていますので、このような機会でないとなかなかご紹介できないものです。今回はそんな遊歩道に一歩踏み込んでみましたのでご紹介します。

東大ヒュッテ口 バス停

こちらは東大ヒュッテ口(くち)バス停付近です。東大ヒュッテ口バス停は休暇村と三本滝の間にポツンとあるバス停で、普段はここで下車する人はほとんどいません。「何でこんなところにバス停が...」と思ってしまうほどの所なんですが、この付近一帯はたくさんの遊歩道がありその遊歩道の入口の一つなんです。ここから少し中に入ってみます。

 

遊歩道がいくつも分かれています。

バス停からしばらくはうっそうとした針葉樹林の中を進んで行きますが、すぐに開けたエリアに出ます。ここから遊歩道がいくつも分かれています。左の画像の案内板で「夜泣峠、ロッヂ」と記載された方角がバス停です。右の画像で一番右側の道が三本滝レストハウスに通じる「子りすの径(こりすのみち)」で、まっすぐ向かうと孫一平(まごいちたいら)を経由して東大ヒュッテに向かいます。

 

子りすの径

先ほどの分岐点から三本滝平へ向かう子りすの径はゆっくり歩いて1時間弱の道程。全体的に緩やかな上り坂。ご覧のようにカラマツの落葉で覆われています。三本滝平に出るまでは視界は開けませんので、トウヒ・コメツガ・シラビソといった常緑針葉樹にカラマツの紅葉、そして、これらの木々の脇をクマザサが覆っている光景が続いています。

 

朽ちた木道

ただ、このあたりの木道はあまり手入れがよいとは言えず、湿地帯にかかる木道はご覧のように通行できる状態ではありません。こちらは三本滝平まであと数百メートルというところですが、今回はここから再びもとの道をひきかえしました。

 

【孫一平から東大ヒュッテ】

再び先ほどの分岐点に戻ります。画像では右方向から帰ってきたことになります。ここをまっすぐ進むと孫一平(まごいちたいら)、東大ヒュッテです。

 

孫一平

孫一平の一帯は湿原となっていますが、近年では草原化が進んでいるとのことで少しずつ、森に同化してしていくような感じです。このあたりは他のエリアから隔離された「私の秘密の庭」といった感じが漂うところです。ここからもう少し進むと東大ヒュッテがあります。こちらの東大ヒュッテはこれはまた別天地なんです。

 

東大ヒュッテ 窓には目張り、冬支度

湿原から沢沿いを少し登るとパーっと風景が開け始め、「あれが東大ヒュッテだ」とすぐにわかります。ホントに広々とした感じでこれまでのうっそうとした森からやってくるとホントに別世界のように感じてしまいます。ドアや窓には目張りが施され、冬支度が進んでいる様子がわかります。

 

このあたりは周りを山の稜線に囲まれ、また県道乗鞍岳線までかなりの距離があり、クルマの音を耳にすることのない静かなエリアです。

 

今回は東大ヒュッテに宿泊されている方がお見えになっていて、少しお話を聞くことができました。一年を通して何度も何十年もノリクラに足を運び続けている方々ばかりで、いろいろなことを教えてもらいました。この東大ヒュッテは昭和15年に東京大学山岳部が乗鞍遠征のベースとして立てられたのが始まりで、その後、東京大学に移管され、昭和43年に建て直され、増築などの工事が行われて現在の姿になっているそうです。冬季は閉鎖されるため、今回お会いした方々は「今年はもう訪れる人がいないかもしれないから、窓などには囲いをして冬の準備をしているんですよ」とおっしゃっていました。

 

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