ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2005/06/18) A

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(Update:2005/06/23)

 

【高山植物】

この1週間の間でホントにたくさんの高山植物が活動を始めています。まずは良く目立つ高山植物から...

 

ウラジロナナカマド(つぼみ)

県道沿いなど雪解けの早いところではミヤマアキノキリンソウ、イワハタザオなどが目立ち始めていますが、大雪渓エリアはまだまだ少ない状況です。そんななかでひときわ目立つのがウラジロナナカマドの芽吹き。常緑のハイマツの深い緑と対照的に、蛍光染料でも塗ったかのような明るい緑です。先週あたりはまだそれほど多くはありませんでしたが、ご覧のように若葉の真ん中には新しいつぼみができています。若葉を出してからまだ数週間ですが、もう開花の準備を始めています。このウラジロナナカマドは大雪渓全体の中では早いほうに属しますが、6月下旬から7月中旬くらいになると、白い花をあちらこちらで見かけることができるようになるはずです。

 

キバナシャクナゲ

こちらは連載しているキバナシャクナゲ。先週の予測どおり、大きな花を開かせています。太陽に照らされ、透き通るような花びらからは、冬の厳しさなどをを思い起こさせないような夏の花といった雰囲気です。

 

ミヤマタネツケバナ(花)

ここからは一転して小さな高山植物をご紹介します。砂礫地や岩のすきまなどに自生し、知らずに踏んでしまいそうなほど小さなミヤマタネツケバナ。高さは5センチほど、花は1センチにも満たないほどです。母種のタネツケバナ(種漬花)はモミを水につけて田植えの準備をする頃、あぜ道など水辺に咲くところから命名されているようです。

ミヤマタネツケバナは別名、ミネガラシとも呼ばれ、母種のタネツケバナは食用にも用いられます。ミヤマタネツケバナをはじめ、ワサビなどもアブラナ科の植物で、食用になるものが多いのかもしれませんね。また、ヤマカラシという高山植物がありますが、同じアブラナ科の植物ですが、別の種類です。

 

こんなところでもよく目を凝らすと...

小さな花はくまなく見回さないと見つけることができません。こちらは雪解けしてから2週間ほど経過し、常緑のアオノツガザクラが一面を覆いつくしています。その間に茶色に変色した葉が少しずつ緑を取り戻しつつあります。

 

ガンコウラン(雌花)

アオノツガザクラよりも一回り小さな葉の高山植物を追っていくと、そこには小さな赤い花がゴマツブのようにいっぱい咲いています。アオノツガザクラは枝の先端から花をつけますが、こちらのガンコウラン(岩高蘭)は葉の付け根に花をつけます。葉の形状は良く似てますが、花(実)のつく位置が全く違いますので、容易に区別することができます。先ほどのミヤマタネツケバナは1センチに達するかどうかという程度でしたが、こちらのガンコウランはさらに小さく、2〜3ミリほど。ですから、遠目には咲いているのか咲いていないのか全く分からないほどです。

ガンコウランは雌雄異株の常緑小低木で、ご覧のガンコウランの花は雌花です。ガンコウランは花の時期が短く、なかなかタイミングよく見つけることが難しいのですが、これから雪解けと共に他のエリアのガンコウランも順次咲いてくると思います。その時期に雄花を見つけることができましたら、ご紹介したいと思います。

 

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