ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2004/05/15) E

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(Update:2004/05/20)

 

【雪渓下部 T】

さて、ここからはいつものように大雪渓の入口からその大雪渓の様子をお伝えいたします。昨年はほとんど看板が雪の下に埋もっていましたが、その姿を完全に見ることができます。例年より2週間は雪融けが早いようです。

 

トイレ付近もほとんど雪がなく、もう少し畳平寄りの箇所だといつものなら「雪の大谷」がといった様相を呈した高さ10メートル近い切り通しができていますが、今年はそのような光景が全くありません。

 

例年ですとこの付近はまだ県道より雪渓のほうが高い状態になっていますが、ご覧の通り、雪渓のほうが低い状態となっています。

 

【雪渓下部 U】

いつもならまだ雪の下でどのあたりなのかもさっぱりわからないくらいですが、今年はもう既に石碑の岩が頭を出し始めています。大雪渓下部で一番初めに頭を出し始めるのが、下から見てモーグルバーン(大雪渓入口の正面のバーンです)の左側のあるこの石碑の岩とモーグルバーンのスタート地点付近の岩の2箇所です。この石碑の岩は既に70センチくらいにはなっているでしょうか?

 

こちらは石碑の岩付近から魔利支天岳方面を見たところです。上部の肩の小屋へ向かう道路から滑り降りることができます。

 

大きなクレパス

ただ、雪融けが急に起こっているせいか、モーグルコーススタート地点の岩の右側に今までにない大きなクレパスが2〜3本走っています。横の長さもかなりあり、モーグルコースのスタート地点の岩(画像に写っているものです)の右側のバーンの幅の半分程度を占有しています。したがって、コロナ観測所分岐点から肩の小屋へ向かう道路から滑り降りる際には十分な注意が必要です。

これ以外にも肩の小屋付近の雪渓にも大きなクレパスがあります。

 

深さ5メートル以上あります。

近づいてよく見てみると幅はまだそれほどでもなく広いところで1メートルほどですが、深さは5メートル以上はあると思います。今のところ直滑降で通ることもできますが、一つ間違えると確実にはまり込んでしまい自力で脱出することは不可能ですので、避けて滑走されることをオススメします。また、濃霧の中での滑走ではかなり慎重を期すことが必要です。

今年はウインターシーズン中も雪が少ないとスキー場が悩んでおりましたが、ノリクラも例外でなく今年は積雪の少ないシーズンとなりそうです。ただ、お伝えしているように積雪よりももっと懸念されるのは雪渓下部にできている大きなクレパスです。今後、稜線からの滑走が不可能になると7月いっぱいまでのシーズンは雪渓下部がメインとなってきます。これほど大きなクレパスができた年はありませんでしたので、今後どのように変化していくか心配です。

シーズンが開幕し、マイカー規制2年目となる今年はシャトルバス輸送の問題点もまだまだたくさんあります。シャトルバスの対面通行ができない箇所がいくつもある県道乗鞍岳線は今年度の工事が既に始まっています。また、急な荒天によるバス運休時に確実に観光客を下山させたり、退避させるのにどのような対策が必要か早急に考えなければならないでしょう。確かにノリクラは3000メートル級の高山でありますが、観光化が進む中、「自己責任」という範疇だけでは片付けられない側面があるのも事実です。

 

【昨年の今ごろは?】

date:2003/05/17

いやいや今年と比べてほんとに多いですね。

 

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