ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.6(2004/06/19) E
【雪渓上部 U】
クレパス2 | 土砂に覆われた雪の山 |
こちらがその上部のクレパス。先週とそれほど変わりありませんが、開口幅が広くなりつつあります。すこし小石が落ちてきていますが、このクレパスの上部で雪渓の上端ではご覧のように土砂が流れてきています。この上の土壌は岩ではなく砂礫で雪渓上に流れてきたものと思います。右の画像はでは2メートルほどの高さがありますが、これは土砂ではなく土砂に覆われた雪渓で、土砂は表面の2〜3センチくらいまでです。一旦、雪渓を土砂が覆うと雪融けが遅れ、このような現象が発生します。
雪渓上部右側上端 |
上端から |
左の画像と全く同じものを先週は同じ画像を紹介しておりませんが、先週とそれほど大きな変化はありません。それでも雪渓上部を左右に分ける尾根は5メートルほど伸びているでしょうか?
雪渓上部左側上端 |
雪渓上部左側上端葉先週と比べ、50〜70センチくらい雪融けが進んでいます。位置的には雪渓上部右側上端よりも30〜40メートルほど下になっていてるため、左右に分ける尾根はこちらからは10メートルほどとなっています。
尾根の一部 |
先週お伝えした時は少し頭を出している程度でしたが、今週は長さで10メートルほど、高さは1メートルほどになっています。昨年と比べ1ヶ月近く早い雪融けです。
スプーンカット&縦溝 |
今回雪質について申し上げておりませんでしたが、雪渓上部左側に限らず全体的にスプーンカット状態で、縦溝も見られるようになっています。例年ですとこの時期はまだスプーンカットはあまりみられないので、やはりその点からも時期が早まってきているのだと思います。これから梅雨で雨水がしみこみだすとアイスバーンのところもでき、バーン状態は悪化する傾向になって来ると思います。
今年はノリクラシーズンの初めから積雪量の少ない状態で、全体的に3週間ほど早いペースで進んできていましたが、この1〜2週間でエリア間で少しずつ格差が出始めてきたように感じます。特に肩の小屋付近の雪融けと雪渓上部では1ヶ月近く早い雪融けで、雪渓下部は2週間程度にとどまっているようです。この先、昨年との格差が少しずつ縮まってきて欲しいと願うものです。ただ、これからの梅雨の時期の降雨によって融雪の状況に大きな変化があり、また、土砂に覆われて滑走不能になることもあり、なんともいえない状態ではあります。もちろんこれは今年に限ったことではなく、例年同じことが言えます。
【昨年の今ごろは?】
偶然なことでしょうが、昨年もちょうどこの時期に台風6号で悩まされていました。また、稜線の滑走もこの週まで可能でした。
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