ノリクラ 雪渓カレンダー
 
プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) C

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(Update:2013/03/28)

 

【位ヶ原】

ツアーコースから位ヶ原へ

ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は、森林限界を超えるため、ツアーコースとは異なり、目印となる木々が極端に乏しくなってきます。

 

風が急に強くなり、休憩を手短に切り上げる

また、位ヶ原急斜面を登りきった箇所から、急に風が強くなったり気温が低下することが多く、ここで休憩しようとしても長居させることを許してくれません。

こちらの方々も、バーナーを取り出して暖かいものを作ろうとされましたが、お湯が沸くよりも体が冷え込んできたため、休憩を取りやめて、急いで行動を再開されました。

 

今日はビスの増し締めバッチリです! − 点検は入念に...

そんな中、声をかけて下さったこちらのお三方。実は2月上旬に入口急斜面付近でお会いいたしました。ちょうどそのときは、中央に立つボーダーの方のビンディングのバックルを固定するビスを締め直していたところでした。入口急斜面を登行中、ポロっと落ちたビスを後ろを歩くメンバーが偶然見つけたのが不幸中の幸いでした。

たった一つのビスですが、これがなかったらボードを履けないため下山滑走することができず、全山歩いて降りなければならない事態になっていました。

ツアーコースを滑走して下山した場合は、30分も掛からずにスキー場駐車場にたどり着くことができますが、歩いて降りた場合は、2時間以上かかるでしょう。もし、ビスがないことに気がついたのが稜線近くだったとすれば、スキー場駐車場にたどり着くのは日没後になる可能性もあります。

普段から道具の点検は入念にしたいものです。

 

吹きさらしはアイスバーンがむき出し

さて、絶えず強風にさらされている位ヶ原は、地形によっては表面の新雪が吹き飛ばされてアイスバーンがむき出しになったところもあります。登行の際はもちろんのこと、下山滑走時も転倒に注意して下さい。

 

昨年の位ヶ原
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2012/03/24) C

先週の位ヶ原
速報(2013/03/16)

今週の位ヶ原
先週より10センチ少なく、昨年より10センチ多い

位ヶ原の積雪量は先週よりも10センチほど少なく、昨年よりも10センチほど多い状態です。ツアーコース内では昨年よりも明らかに積雪量の多い状況でしたが、森林限界を超えた上部では昨年との違いはあまり大きくないようです。

 

積雪増加はゴールデンウィーク頃まで続く

厳冬期は乾いた雪質のため積もりにくかった状況もこれからは湿った雪質に変化し、強風下でも着雪しやすくなって来るため、ゴールデンウィーク頃までは、積雪量がさらに増えて行くことと思います。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

先週の大雪渓入口
速報(2013/03/16)
今週の大雪渓入口
先週より10センチ多い

こちらは大雪渓入口付近。先週よりも積雪が10センチ程度増加していることがわかります。標高2500メートル付近の位ヶ原、及び、標高2000〜2500メートルのツアーコースの積雪が減少傾向を示している中で、標高2600メートルの大雪渓入口付近では逆の現象を見せています。

今後、4月下旬ごろまでさらに積雪量が増えることが予測されます。

 

トイレ小屋(冬季閉鎖中) − 利用可能は5月下旬以降

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

大雪渓前

大雪渓前の車道部分ですが、どこが道路部分なのか判別できない状況です。右寄りに前述の看板があり、その手前を車道が走っていて、駐車場の石積みの岩の頭が一列に見られる様子から道路があることが想像できます。

 

新雪10センチ

山麓のツアーコースでの昨晩の降雪はうっすらと雪化粧する程度でしたが、大雪渓付近より上部では10センチ程度の新雪が降り積もっています。

 

プチパウダーに雪煙が舞う

厳冬期のディープなパウダーのようには行きませんが、それなりに柔らかい足裏感覚を楽しむことができます。

 

今日一番のパウダーでした! 何度もシュプールを眺め返す

今日一番の滑走にここまでやってきた甲斐がありました...何度もご自身のシュプールを眺め返します。

 

夕方近くになって快晴無風の絶景に

そして、大半のスキーヤーが帰路に着いた夕方近くになってから、雲ひとつない快晴無風の絶景が広がるようになって来ました。もう少し早く天候が回復してくれたなら...と悔やみたいところですが、天候の急変で足元すら判別できないほどのホワイトアウトに見舞われることもありますから、視界が効いているうちに下山できるように行動することが肝心でしょう。

 

<編集後記>

「今シーズンの冬の気候を振り返る...」

2013年の春山シーズンがいよいよ到来いたしました。極寒のノリクラにとって、春の訪れは本当に待ち望んでいたところです。
春山シーズンの様子はこれから何度もお伝えすることができますので、今回は2012−2013年の厳冬期の様子についてまとめておきたいと思います。

昨年(2012年)の秋の段階では、12月〜2月の季節予報は平年より気温が高い確率である(暖冬である)と発表されていました。しかし、実際には平年よりも寒い日が多かったように感じます。例年なら、晴れた穏やかな日は、アウターがなくても寒さを感じさせない時もありますが、今年は晴れていても日差しのぬくもりを感じることが全くありませんでした。例年、1月中旬〜2月上旬にかけて、上部エリアでも雨に見舞われることが1〜2回はあるものの、今年は降るものは乾雪ばかりで、湿雪すらありませんでした。

下の表はアメダス(観測地点:奈川)の2012年12月〜2013年2月の月平均の気象統計です。平年と比べて、どの月も降水量が多く、気温は低い状況を表しています。

【表 2012年12月〜2013年2月 降水量・気温等の気象統計(アメダス 奈川)】
    降水量 平均気温 最高気温 最低気温 平均風速 日照時間
(mm) (℃) (℃) (℃) (m/s) (時間)
12 今年 109 -2.3 2.7 -7.3 1.8 99.6
平年 76.8 -0.7 4.9 -5.9 1.3 106.8
今年 66 -4.4 1.4 -9.9 1.9 153
平年 85.9 -3.6 1.5 -9.2 1.3 106.5
今年 126 -4 1.7 -10.4 1.9 111.1
今年 99.2 -3.2 2.5 -9.1 1.3 122.8
⇒ 今年の冬は、平年よりも降水量が多く、気温が低かった。

また、1月は平年よりも日照時間が1.5倍近くあるにもかかわらず気温が低く、晴れていても暖かさを感じさせない様子を表しています。
今年の厳冬期はこのような状況でしたので、例年以上に春の訪れが待ち遠しいと思ったものでした。

 

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