ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.19(2013/09/14〜15) F

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(Update:2013/09/19)

 

【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】
★まだ始まっていません(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★

昨年の屋根板・富士見沢
2012ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.19(2012/09/15〜16) G
今週の屋根板・富士見沢
昨年とほぼ同じ

標高2350メートルの位ヶ原山荘付近は、ダケカンバとウラジロナナカマドの二種類の構成となりますが、ダケカンバの比率の方が多くなり、黄色から褐色の屏風にウラジロナナカマドの赤が点在する構成となります。

ダケカンバに部分的な黄色が点在する様子が、昨年よりも幾分多い状態ですが、ダケカンバ全体の色合いの変化といった紅葉の紅葉の進捗状況を示す部分では、昨年とほとんど変わりありません。

 

見頃は9月下旬〜10月上旬

本格的な紅葉の時期を迎える前に現れるダケカンバの部分的な変化は、今年は例年よりも良く目立っています。例年との違いが今後の推移に影響するかどうかは不明です。

 

【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】

★まだ始まっていません(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★

冷泉

標高2230メートルの冷泉小屋から標高2000メートルの摩利支天付近にかけては、ダケカンバやウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。

こちらは冷泉付近の様子ですが、先週よりも全体的に色合いが薄くなり、黄色くなってきた様子が見られますが、大きな変化はありません。

 

冷泉小屋付近 − ウラジロナナカマドにも部分的な紅葉

ダケカンバの部分的な紅葉と似た現象が、ウラジロナナカマドでもみられます。紅葉シーズン前に訪れた方々に少しでも紅葉気分を味わってもらうの貴重なワンポイントです。

 

今週の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)

冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。先週よりも幾分進んできた様子が見られます。

 

昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ)
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2012/09/15〜16) G

こちらは昨年同時期の28号カーブ付近の様子。ほぼ、今週と同じ状態です。昨年も進捗が遅いシーズンでしたから、今年は例年と比べて遅い状態であることがわかります。

 

葉の状態は比較的よい

葉の状態としては、紅葉が全く進んでいない青い物についてはほとんど問題ありません。ただ、紅葉したものについては、逆によい状態のものが少ない様子がみられます。ただ、本格的な紅葉の時期を迎えると、現在色づいているものは、大半が枯れてしまうため、懸念されるものではないと考えられます。

 

28〜29号カーブ間の直線部分

28号カーブの山麓側から29号カーブの間にある直線部分。

 

見頃は9月下旬〜10月上旬

こちらでもダケカンバの部分的な紅葉が目立つようになって来ました。それ以外の大きな変化はなく、葉の状態も悪くない様子でした。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2012/09/15〜16)

9月中旬ともなれば、朝晩の冷え込みがはっきりと感じられるようになってくるはずですが、残暑の厳しい状況が続く中、空気感や空の雰囲気は十分に秋らしいのに、気温だけが高く、紅葉の進み方をやきもきする状況が続きます。

取材一日目の9月15日(土)は、朝からきれいな青空が広がります。気温は14℃で、8月の朝とほとんど変わらない状況のため、ひんやりとした感覚はありません。そろそろ、この時期になると、早朝は寒さにブルッとふるえるものですが、今年は異常なほどに厳しい残暑が続いています。午前中はきれいな青空が続き、その空はまさに秋の雰囲気、そして、そよ吹く空気感も完全に秋の雰囲気。でも、周囲の木々は先週と色合いがほとんど変わらず、秋が深まろうとしている状況を残暑が意地悪しているかのように感じられるほどです。午後になると大雪渓付近は雲に包まれます。そして、気温は10℃まで下がり、にわか雨に見舞われます。それでも冷え込みが厳しくないため、雪渓のバーンは固くならず、常連の夏スキーヤーはいつもと変わらずコブの整備にいそしんでいました。

取材二日目の9月16日(日)は、昨日よりも安定した天候で、午前中は真っ青な秋空にモクモクとした夏の雲。紅葉はまだまだですが、空に広がるこのコンビネーションが見られるだけで、満足といった雰囲気にさせられます。そして三連休中日で早朝からたくさんの人出となり、シャトルバス9時便は7台も運行され、天候不順の日が多かったお盆の賑わいが不調だっただけに、久々に盛り上がりを見せた様子が見られました。

今回も 紅葉情報(6ページ目) をお伝えします。前述の通り冷え込みがなく、高めの気温が続く状況のため、例年よりも色づきがかなり遅い状況です。

 

<編集後記>

「初氷を観測」

台風18号が上陸した9月16日(月)、三連休最終日は全く身動きの取れない悪天候となってしまいました。そして、台風が通過した後は、蒸し暑さを伴った空気から、一気に冷たい空気へと変わり、翌日の9月17日は畳平では初氷が観測されました。

【過去の乗鞍初氷観測日】
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
初氷観測日
(畳平)
10月13日 10月8日 10月18日 10月2日 9月14日 10月18日 9月23日 10月22日 9月17日

これをよくみると、10月中旬と9月20日前後に大きく二つに分かれていることがわかります。

9月に初氷が見られた2013年(9月17日)、2011年(9月23日)、2009年(9月14日)のそれぞれの天気を見ると...

<2013年> 16日に台風18号が上陸し、17日には寒気が入り込んで畳平で初氷。
<2011年> 21日に台風15号が上陸し、23日には寒気が入り込んで畳平で初氷、そして、24日には富士山で初冠雪。
<2009年> 8日に台風12号が八丈島の南を通過して、9日には大雪山で初冠雪を観測。そして、14日は内陸部を中心に強い冷え込みとなり畳平で初氷。

9月に初氷が観測された3シーズンでは、台風通過後に何らかの形で寒気が入り込んできているように感じられます。
しかし、台風通過後は必ずしも冷たい空気の入り込みとときれいな晴天が広がるとは限らず、台風の湿った空気を置き土産して行く場合もあり、また、初氷の前後にもいくつもの台風が通過していて、この現象で9月の初氷の発生状況を説明できるほどではありません。

別の角度で見ると、同じように9月に初氷を観測した2009年と2011年では、まるで違う状況がありました。それは紅葉です。
2009年は近年まれに見るほどのすばらしい紅葉に当たりましたが、2011年は壊滅的といっても良いほど紅葉が全滅した年でした。そんな状況から、2009年のように9月中旬に氷点下となっても、葉に大きなダメージを与えないものの、2011年のように9月中旬以降の氷点下は葉に大きなダメージを与える結果となるのかもしれません。

このように初氷という一つの事象から色々推測して、新たな発見が今後できればよいかと思います。

 

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