ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2014/07/05〜06) E

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(Update:2014/07/10)

 

【畳平、お花畑】

畳平お花畑の高山植物開花状況をお伝えします。

 

7月4日(金)から一般開放 − 積雪が多く除雪機で作業

今年の一般開放は7月4日(金)から開始されました。しかし、畳平駐車場からお花畑に降りる階段部分や通路の積雪量が多く、その大半がまだ雪に埋まった状態。毎年、この箇所は若干の除雪が必要ですが、ここまで広範囲に埋まっていることはなく、今年は除雪機を山麓から運び上げて作業をしなければならない状況です。

 

周遊コース分岐点 − 左側(南側)のみ開放

お花畑の雪解けは、遊歩道の奥(西側)から始まって、次第に手前(東側)へと進みます。お花畑西側の雪解けは、例年よりもやや遅かったものの、雪解けが終わって地肌が見えるようになってから、すでに2週間程度が経過しています。

右の画像は周回コースの分岐点。右側はまだ雪が多いため、左側のみ開放されています。

 

雪解け直後(中央部分) − まだ緑がない

周回コースの内部は完全に雪解けが終わっているものの、まだ、緑が感じられない状況です。

 

ハクサンイチゲのつぼみ(周回コース中央よりやや奥)

さらに進むと、少しずつ緑が見られるようになり、ハクサンイチゲのつぼみができています。

 

ハクサンイチゲが満開(周回コース西端)

そして、お花畑の一番奥の西端部分までやってくると、ようやくハクサンイチゲの開花が見られるようになって来ました。

 

ハクサンイチゲが開花 − 例年より1週間遅い

ハクサンイチゲの開花は、例年よりも1週間程度遅い状況です。また、全体的に見ると、まだ積雪箇所が多く、全体の開花という点ではさらに遅れることが予測されます。

 

コイワカガミとミネズオウ ショウジョウバカマ

そのほか、咲いている高山植物は、左の画像のコイワカガミとミネズオウ、そして、右の画像のショウジョウバカマです。こちらも数はまだ多くありません。

 

見頃は例年よりも遅れることが予測される

まだ、咲き始めたばかりで、雪解けの終わっていないところは、例年よりも遅れることが予測されます。

 

【昨年の今ごろは?】

2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2013/07/05〜06)

7月に入って梅雨らしい天候が続くようになってきました。7月7日(日)に開催された自転車ヒルクライムレース、第10回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの取材のため、今回のノリクラ雪渓カレンダーは一日前倒しして取材いたしました。

取材一日目の7月5日(金)は、午前中を中心に大雨の一日。岐阜県側の乗鞍スカイラインは、3時30分に通常開門するものの、24時間雨量規制のため6時30分に通行止めとなります。長野県側の乗鞍高原も周期的に激しい降り方を見せ、県道乗鞍岳線は道路上が激流冠水して、10時30分から休暇村〜大雪渓間が通行止めとなりました。そして、位ヶ原から大雪渓付近はさらにひどい状態で、視界が30メートル程度まで低下して暴風雨が続き、午後からは雨は収まりますが、相変わらず、夕方まで濃霧と暴風に見舞われました。

取材二日目の7月6日(土)は、関東甲信地方で梅雨明けが宣言されました。しかし、乗鞍ではそんな雰囲気をまったく感じさせない梅雨空の一日です。朝一番は生暖かい空気に包まれた曇空を迎えます。雲の動きは早く、今にも雨が降り出しそうな様子。大雪渓付近は濃霧と強風にさらされていて、周期的にスコールのような雨の降り方を見せています。それでも、スキーキャンプに訪れた方々は前の見えない濃霧の中をひたすら滑り続ける様子があります。長野県側のシャトルバスは大雪渓までしか運行しないため、登山口から肩の小屋まで全面積雪の登山道を慎重に登る登山者が苦労される様子もありした。
午後からは、明日開催の第10回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会会場である岐阜県高山市丹生川の殿下平(でんかだいら)総合交流ターミナルへ向かいます。会場では選手受付などの手続きが行われますが、15時30分頃から会場周辺でもスコールのような雨降りに。ゴール付近の畳平も午前中の大雪渓と同様に濃霧と強風が続き、明日のレースが心配なところです。

そして、7月7日(日)は、通常の取材ではなく第10回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会取材に出向きます。やはり、昨日同様に畳平・桔梗ヶ原付近の強風濃霧がひどく、レースは中止となりました。そして、中止が発表された大会会場周辺は、それまで曇り空だったものの雨がザーッと降り始めて、レース中止もやむをえない状況となってしまいました。

 

<編集後記>

「誰の目線で考えるのか?これが重要...」

上のコーナーでもお伝えしたように、畳平のお花畑が7月4日(金)から部分開放されました。
入口部分は例年以上に積雪量が多い状態で、山麓から除雪機を運び込んで通路を作ってオープンとなりました。入口部分や木道部分には、まだ多くの積雪が残っているにもかかわらず、高山植物が分布するエリアの大半で雪解けが完了し、すでに咲き始めているところもある状態です。

入口部分はもともと積雪量が多い箇所で、お花畑のオープンのために、スコップで通路を作ることは毎年見られますが、木道部分にまで積雪が残っているほど積雪量が多いと、これまでならオープンを見送っていたと思います。しかし、このようにお花畑にやってくる登山者の立場に立って、部分開放してくれたことはうれしいことです。

少し話が変わりますが、「お客様の安全のため...」などといった理由により、立ち入りや使用を制限するケースは一般的によく目にすることと思います。しかし、中にはその理由を盾にして、不要な制限をしているのではないかと思うこともしばしば見られます。

いかにも「お客様のため」を考えたような理由付けで制限するのではなく、この地域は何を基盤にして成り立っているのかという点を、常に考え続けなればならないと思うし、そのような事例がないかどうか、常に振り返ることが大事かと思うのです。

 

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