ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

番外編<真冬のノリクラサミット>
(2015/12/26〜27) D

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(Update:2015/12/31)

  

【12月27日(日)、位ヶ原山荘はしんしんと雪が降り続く】

深々と雪の降る朝 積雪39センチ − 朝一番から雪かき

一夜明けて、ノリクラサミット二日目。しんしんと降る雪の朝を迎えます。気温はマイナス10℃、昨晩からの積雪は30センチで位ヶ原山荘支配人は朝一番から小屋周辺の雪かきを始めます。掃きよせる雪はふわっと舞い上がる乾いた軽い雪。まさにノリクラ特有のアスピリンスノーです。

位ヶ原山荘でも、例年より積雪が少ない状況がみられますが、ディーブパウダーが降り積もるこの光景は、例年通りといえるでしょう。

 

朝食を済ませ、メンバーは出発の準備。

 

メンバー同士でビーコンチェック

雪山での三種の神器といえば、ビーコン・スコップ・ゾンデ棒。ビーコンは身に着けると同時にスイッチを入れる癖をつけたいもの...メンバー同士でビーコンチェックも忘れずに。

 

パウダーを求めて位ヶ原山荘を出発

雪の降り方が激しくなる中、位ヶ原山荘を出発。気温はマイナス10℃ですが風がなく、寒さをほとんど感じません。雪の降り方・雪質は完全に厳冬期そのものですが、寒さという点ではまだ完全な真冬ではありません。寒くなくてパウダーがあるなんて環境は本当に贅沢なものです。

 

【屋根板・富士見沢はパウダー三昧】

視界は100メートルの吹雪 今日のコース(黄色) − 画像は7月上旬
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2015/07/10〜11) A

視界は100メートル程度。森林限界以下なら問題ない状態ですが、完全なモノトーン状態。同じ場所の夏場の画像と比べると全く別物です(撮影:7月上旬)。

今回訪れる摩利支天岳と富士見岳の間にある画像中央の富士見沢です。黄色の矢印が今回のアクセスルートですが、なお、富士見沢へのルートは摩利支天岳東側の「通常:すべり台」から登るのが一般的です。今回のルートではバーン状態によっては、県道乗鞍岳線直下付近がアイスバーンになっている可能性があります。

なお、現地には雪崩多発地帯が存在します。ノリクラガイドマップ 冬スキー版では、過去に起きた雪崩箇所を記されていますので、必ず確認してください。また、初心者・経験の浅い方の入山はオススメしません。

 

屋根板入口
積雪40センチ(登山道入口付近)

夏場はこんな感じです
2015ノリクラ 雪渓カレンダーVol.9(2015/07/04〜05) A

位ヶ原山荘から200メートルほど進むと屋根板入口です。ストックを突き刺して見ると、新雪は40センチほど。雪質的にも申し分ないパウダーです。ただ、屋根板下部はまだブッシュが多いため滑走はやや困難です。先ほどと同じく、7月上旬の画像と比較しますが、山頂方面に向かう登山道の入口付近に相当します。

 

ラッセルが続く

まず、向かうのは屋根板上部付近。場所によっては膝付近まで沈み込むラッセルが続きます。

 

シラビソのモンスター 屋根板上部が見えてきた − まだ岩の頭が残る

シラビソの木々にも雪が降り積もります。これが大きくなると蔵王の樹氷のようになるはずですが、ノリクラの雪は軽いため、これから先はそれほど大きく成長することはありません。そして、目指す屋根板上部が見えてきました。あちこちで岩の頭がまだ残っているものの、ブッシュは結構少なくなっていて、滑走には大きな問題はなさそうです。

 

ラッセル交代 最後尾に回る

位ヶ原山荘からトップでラッセルを続け、メンバーを牽引してきましたが、ここでトップを交代。今度は最後尾につきます。このように定期的にトップを交代しながら一行は進みます。

 

新雪50センチ − 上に行くほど増える

上に行けば行くほど積雪は多くなり、すでに50センチ近くに達しています。

 

鮮度のよいパウダーを堪能

まずは1本目。この時期特有の鮮度のよいパウダーは、板に絡みつかず、自然とターンが決まるもの...

 

2本目は屋根板かsら富士見沢へ移動

そして2本目に挑戦。屋根板からさらに富士見沢へと登ります。

 

屋根板の北側の尾根部分へ 尾根部分はアイスバーンの場合が多い

屋根板の北側の尾根部分から登りますが、もう少し時期が経過すると、吹きさらしの尾根はテカテカのアイスバーンになり、今回のようにシールで登ることが困難な状況となりますので、森林限界をより上部に向かう場合は、アイゼンが必要となります。ただ、本当にアイゼンが必要な状況になったときは、立っているのもままならないため、スキー板を外すことができなくなりますから、ある程度状況を読んで、早めに履き替えることが重要です。

 

県道乗鞍岳線に到着(3号〜2号カーブ間)

そして、ようやく県道乗鞍岳線に到着。場所は富士見沢を県道が横切る部分で、3号カーブと2号カーブの間です。標高約2650メートル、県境から約800メートルの所です。

 

富士見沢 − 全く見えない 紅葉を迎えた富士見沢(9月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2014/09/27〜28) E

視界は50〜100メートルほど。初めてお越しになる方だと、森林限界でこの状況なら、おそらく行動不能になります。今回は全員同一行動で、しかも、周辺地理を熟知し、富士見沢で視界不良時の行動を経験している常連がそろっている条件に基づき行動しています。

さて、こちらも紅葉の時期になると見事な錦の絨毯が広がる場所。ノリクラは一年中、様々な景色を楽しませてくれる場所です。

 

富士見沢を横切る道路 − まだ隠れていないので富士見沢上部からの滑走は十分注意

そして、車道の下に回り込んでドロップポイントを探します。ご覧のように道路のガードロープがまだ隠れていませんので、富士見沢上部から道路を横切って滑走することができませんので、上部からの滑走は十分注意が必要です。

 

滑走開始!

ドロップポイントに到達したら、滑走開始!

 

無重力状態に酔いしれる

底打ち感の全くない無重力状態に酔いしれます。

 

思わずガッツポーズが...

 

今年のノリクラサミットも無事終了

今年のノリクラサミットも無事終了...また、来年もお会いできることを楽しみしております。

 

<編集後記>

今回で6年目となったノリクラサミット。特別なイベントなどは一切企画していないにも関わらず、毎年参加くださる常連の方々には本当に感謝申し上げます。また、初参加のお二人も過酷な状況の中、ご参加有難うございました。最初はだれもが知らないもの同士。そんな状況から、各メンバーがつながりを持つための良い機会と考えて、今後も続けて行きたいと思っております。参加者の公募はしておりませんが、現地にてお声をかけさせていただきますので、その際はぜひとも快諾くだされば幸いです。

そろそろ2015年が終わりを迎えます。良い年だったと思えるかどうかは考え方次第。悪いところを探せばいくらでも出てきます。良い部分だけを見つけ出して、来年も穏やかに過ごすことが一番の目標ではないでしょうか?来る元日にはそんなことを思い出しながら新年を迎えたいと思います。

 

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