ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.10(2005/07/18) B

Top-page > Index > Page: 1  2  3  4  5  6  7

(Update:2005/07/21)

 

【高山植物】

登山道

7月も半ばを過ぎると、本格的な高山植物の季節に入ってきます。大雪渓の内部ではまだまだこれからですが、肩の小屋までの登山道沿いにはたくさんの高山植物を目にすることができるようになって来ました。ですから、登山道を入るとすぐに高山植物が出迎えてくれます。

 

コイワカガミ(花)

こちらはコイワカガミ。鮮やかなピンクの花ですので、背が低い割には結構目立ちます。初めて訪れた観光客の方などは、「あのピンクの花は何?」と、聞くほどで、本家のイワウメよりも有名なイワウメ科の高山植物です。このコイワカガミはイワカガミが高山に登って小さくなったものとされており、葉の縁の鋸歯の数や葉脈の形状などで判別するようですが、イワカガミからコイワカガミへの変化は連続性で、厳密な区別はないようです。

 

イワウメ(花)

そしてこちらがイワウメ。コイワカガミと同じイワウメ科の植物ですが、こちらは岩場に張り付くように自生する小低木です。このスタイルからコイワカガミよりもどちらかと言うと、コケモモとかコメバツガザクラに近いようにみえます。

コケモモやコメバツガザクラ(Vol.5(2005/06/12))よりも花が2倍近くも大きいので、すぐに区別がつくとおもいますが、それ以外にコケモモやコメバツガザクラは花茎(花がついている茎)が短く、葉からすぐ花が出ているように見えるのに対し、イワウメは花茎が5センチほど伸びていて、葉のジュータンからかなり飛び出して咲いていますので、容易に区別がつくでしょう。

 

シナノキンバイ(花)

そして、こちらも登山道沿いで見つけることのできるシナノキンバイ。先週お伝えしたときはまだつぼみの状態でしたが、ご覧のようにだいぶ開花してきました。どんなに急いで登山道を駆け上がっていく人でも、この大輪のシナノキンバイだけは目にとまるはずです。これから1週間くらいは登山者の足を止めさせることになるでしょう。

 

シナノヒメクワガタ(花)

こちらも登山道沿いで見つけることができるシナノヒメクワガタ(信濃姫鍬形)。ただ、見つけることができると言ってもあまり目立たないため、知らずに通り過ぎてしまうかもしれません。クワガタという名は実のつき方が、兜の鍬形に似ているところから命名されています。

また、シナノヒメクワガタはヒメクワガタの変種といわれており、実の上端部が指でつぶしたような形のものをヒメクワガタ、ぷっくりとしているものをシナノヒメクワガタとしているようで、乗鞍岳をはじめ、御岳や南アルプス・中央アルプスなどの地方に分布しているところから、シナノヒメクワガタと呼ばれているようです。

 

ウラジロナナカマド(花) チングルマ(花)

こちらの二つはいつもお伝えしているウラジロナナカマドとチングルマです。どちらとも花が咲き始めました。2003年と比べて、両者とも1週間ほど早い開花です。

 

<<Back | Next>>

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会