ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.23(2014/10/11〜12) @
今週は体育の日を含めた三連休となりましたが、週間天気予報で連休中日当たりから台風19号の影響を受けると発表されていたこともあって、思ったほどの人出にはなりませんでした。実際には連休初日・中日は穏やかな行楽日和の二日間で、週間予報によって人出が大きく左右されることから、もっと週間予報の精度が高ければと思うところです。
10月11日(土)は、綺麗な青空の朝から始まります。観光センター前駐車場はそれほどの混雑はないものの、夜明け前から出発の準備であわただしい様子があちこちで見られます。そのため、朝一番の始発便は長蛇の列。また、観光センター前駐車場は8時には満車になり、三本滝レストハウス前駐車場もやや混雑。上部の紅葉が終了したため、シャトルバス利用の方々は、先週までのように沿道散策や写真撮影の目的よりも山頂登山に出向いた方が多かったようで、また、山麓の乗鞍高原では紅葉が進んできたことから、一の瀬周辺を散策される方々がいつもよりも多かったように感じます。今日は終日にわたってよい天気、散策日和、登山日和、写真日和など何をするにしても活動しやすい一日で、午後になっても冷え込みがなく、大雪渓の常連スキーヤーの中には日が陰った午後になっても半袖姿の方もいらっしゃったほどです。
10月12日(日)も、青空の朝から始まりました。三連休中日を迎え、例年なら人出がピークを迎える状況ですが、普段の週末と変わらない状況。ただ、数日前の天気予報では今日当たりから台風19号の影響により天気が悪化する発表されていたものの、昨日の段階で晴に変わり、その状況を勘案すれば、まずまずの人出ではなかったと思います。日中は高曇りの青空がで、遠景の山並みは水墨画のように浮かび、大雪渓では今シーズン最後の秋スキーを楽しむ常連も額に汗を滲ませながら夕方まで滑走する様子が見られました。
紅葉の状況は、上部・中腹エリアは完全に落葉して紅葉は終了しました。現在の見頃エリアは三本滝上のかもしかゲレンデのみで、山麓の乗鞍高原は見頃といえる色付きまでにはいたっておらず、先週と同様に端境期となっています。また、一の瀬大カエデはオレンジ色に輝き始め、ピークの真紅まであと少しというレベルに達しています。ただ、週明け以降の台風19号上陸に伴う暴風雨によって落葉してしまう可能性があります。
【10月11日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。昨晩は曇り空に覆われて寒さを感じさない状況でしたが、夜明け前から雲が抜けたため、気温は5℃まで冷え込みました。
綺麗な青空に包まれる | 7時の開門目指し、朝一番からタクシーも稼動 |
それでも畳平の気温は1℃までしか下がりませんでした。そのため、道路もシャトルバスも通常通りの運行が始まります。そして、タクシーも朝一番から営業開始です。10月から三本滝ゲートの開門時間が1時間遅くなって7時になり、いち早く山頂方面に向かいたいという方は、タクシーで三本滝ゲート前に乗り付けて、7時の開門と同時に登って行くという方法を取る方が結構いらっしゃいます。
観光センター売店 − 開店時間を繰り上げて営業開始 |
今日は体育の日を絡めた三連休の初日ということもあって、観光センターの売店も7時からの営業開始を繰り上げて朝早くから営業を始めました。おにぎりなどを販売する場所は、乗鞍高原一帯では唯一このお店だけということもあって、お昼のお弁当用に買い求める方のほか、朝食用に購入して、売店の目の前のテラスでノリクラの峰々を眺めながら、おにぎりをほおばる様子も見られました。
「お客さんのチェックアウト終わったら追加分持ってくるから..」 | どれも地元の女将さんの手作り弁当 |
朝一番の段階ではおにぎりだけですが、おかずやお稲荷さんなどが次々に新たな商品が到着します。これらの商品はすべて乗鞍高原の地元の方々の手作り。お稲荷さんを持ってきたこちらの女将さんも、「あといくつ欲しいだか?お客さんのチェックアウトが終わったら、追加分のお稲荷さんを持ってくるから...」 これらの品物は、宿の仕事の傍らで作られていて、お客さんの朝食の準備もしなければいけないし、こっちのお稲荷さんも作らなければならないし...結構大変なんですよ...
シャトルバス乗り場 − 乗客の列がどんどん延びる |
さて、シャトルバスですが、三連休初日ということもあって、続々と登山に向かう方々がやってきて、シャトルバス乗車口から延びる乗車の方々の列は観光センター建物に達した後、区の字に曲がってさらに延びて行きます。
笑顔で対応...お客様の誘導やら、観光案内やら、大忙し! |
バス会社の係の方は、お客様の誘導のほか、乗客の方から観光案内を求められれば丁寧に答えるなど、すべて笑顔で対応...もっとも、、基本中の基本といってしまえばそれまでですが、あせっているとなかなかできないものです。
シャトルバス始発便 | 最後尾はここまで延びました |
シャトルバスを待つ方々の列は、最終的に観光センター建物中央にある入口付近にまで達する状態になりました。先週までは、大きな三脚を携えたカメラマンの姿が多かったものの、今日は山頂登山に向かう方々の方が多く見られました。
今日の始発便は4台 |
お待ちの方が増えても、バスは乗客数に見合うだけの台数が配車され、今日の始発便は4台が運行されました。通常、メインシートのみの運行を基本と考えていますが、繁忙期の場合は、中央の補助シートが使用されることもあります。ただ、急峻な山岳路線ですから安全上の観点から「立ち席」の運行はありません。
筋状の雲、秋の空 | 「○○日和」 − 何をするにしてもベストな一日 |
秋を代表するような筋状の雲が広がりますが、空はくすみのない深い青色を呈しています。朝一番の冷え込みも日の出から1時間経過して、日差しの暖かさすら感じるようになって来ました。登山、散策、写真...何をするにしてもベストコンディションな一日で、「○○日和」の○の中にどんな言葉を入れても違和感なく当てはまってしまう状況が終日続きます。
【観光センターから大雪渓へT(乗鞍高原周辺、沿道の風景)】
一の瀬園地 |
さて、いつもは観光センターをあとにして大雪渓方面に向かいますが、今日は観光センターから南へ2.7kmほどのところにある一の瀬園地に立ち寄ります。
一の瀬大カエデ | 大カエデに朝日が差し込むのは8時前から |
そろそろ見頃の時期に入ってきた一の瀬大カエデ。すでに何人ものカメラマンがお越しになっています。ここは東に白樺峠方面の山並みがあって、日が差すのが遅く、8時前になってようやく日が差し込むようになって来ました。
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日差しがしっかり差し込まないとくすんだ色合い | 日差しが回ってくると綺麗に発色 | |
=ほんの少しの事ですが大カエデの発色には大きな違いに= |
カエデは他の紅葉以上に、太陽光線によって色合いが大きく変化し、左の画像では日差しは差し込んでいるものの、薄い雲に覆われた状態の日差しです。そして、右の画像は雲が抜けてしっかりと日差しが差し込んだときの様子です。日差しの微妙な加減によって色合いが大きく変化する紅葉は、他にあまり例がないのではと思うほどです。
一の瀬大カエデについては、このあとの紅葉情報(6ページ目)にて 、再度お伝えしますので、あわせてご覧ください。
鈴蘭バス停のカエデ |
さて、一の瀬園地から戻ってきて、こちらは鈴蘭バス停のカエデ。
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先週の鈴蘭バス停のカエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2014/10/04〜05) A |
今週の鈴蘭バス停のカエデ さらに色合いが濃くなる ほぼピークの発色 |
先週とほとんど変わらず、真紅の色合いとなっています。先ほどの一の瀬の大カエデも、この程度の色合いまで進むと考えられます。
善五郎の滝 駐車場付近 − 紅葉の進み方がやや遅い |
さらに進んで、善五郎の滝 駐車場付近。先週の段階ではもう少し紅葉が進むかと思いましたが、冷え込みが弱かったせいか、この1週間の変化がやや少ないように感じます。
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先週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2014/10/04〜05) A |
今週の善五郎駐駐車場〜休暇村間 ボリューム感が乏しくなった部分も |
善五郎の滝駐車場から休暇村の間のミズナラも先週とあまり変わっていない状況。先週よりもボリューム感が乏しくなっている箇所も一部で見られます。
シラカバの落葉が原因 | 琥珀色のミズナラ |
それはシラカバの落葉が原因かと考えられます。シラカバは紅葉が始まると同時に落葉する木が多く見られます。その一方、ミズナラは一部で琥珀色に近い状況まで色付いていて、このようにミズナラの方が多い場所では、若干ボリューム感が少なくなっても、紅葉の色付きははっきりとしてきているわけです。
鈴蘭橋 − 紅葉ビューポイント |
さらに足を運んで、こちらは鈴蘭橋。山頂から手前の紅葉まで一望できるビューポイントです。先週と比べると幾分色付きがはっきりしてきて、そろそろ見頃の時期になってきました。今日も多くの方々がが足を止めて、その様子をご覧になっています。
路上駐車はバス・タクシーの往来妨げに... | すずらん橋駐車場をご利用ください |
ただ、橋の途中でマイカーを停めてしまうと、バスやタクシーなど、他の車両の通行の妨げとなります。橋の手前にすずらん橋駐車場がありますので、ぜひともこちらをご利用ください。
夜泣峠 | 乗鞍高原や白樺峠方面の紅葉を一望 |
鈴蘭橋を過ぎて、休暇村からしばらくは鬱蒼とした森林の中を進んで行きますが、こちらの夜泣峠からは乗鞍高原や白樺峠方面の紅葉を一望できます。ここからの眺めは紅葉が進んだ10月中下旬がオススメです。
三本滝ゲートに到着 |
そして、三本滝ゲートに到着です。県道乗鞍岳線は、各所のステージを通過する毎に、風景が少しずつ変化して行きます。
ノリクラ雪渓カレンダーでは、毎回、ヒルクライマーの方々へ安全走行のためのお願いを掲載させていただいております。秋になって、熱中症の心配は少なくなって来ましたが、防寒対策には万全を期してお越し下さい。
【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、自転車の点検整備、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】
本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェア・フルフィンガーのグローブなどの装備は必ず持参して下さい。特に9月以降は登りでも寒さを感じるほどです。
走行前は必ず自転車の点検をお願いします。ブレーキとタイヤの傷・ヒビ・異物・空気圧のチェックは走行前には毎回チェックして下さい。また、パンク修理のためのキットと携帯ポンプは必ず持参して下さい。
8月から9月にかけて、熊の出没が頻繁になる時期を迎えます。熊は森林の中だけでなく、道路上にも出没します。そのため、自動車のような走行音のしないヒルクライムは鉢合わせする危険性がありますので、熊鈴を鳴らしながら走行することをオススメします。
熊だけでなく、野生の猿も確認されています。
気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。
場所(観光センターからの距離、標高) |
飲料水 |
売店(スポーツドリンクなど) |
トイレ |
三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) | ○ | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) |
大雪渓(18km地点、標高2600m) | △ (沢水) | × | ○ (公衆トイレ) |
終点畳平(20km地点、標高2702m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。
めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)
<前を良く見て走行してください。(特に登り走行時)>
ヒルクライムで、下を向いたままべダルをこぐ様子が良く見られます。その場合、対向車の存在に気付くことが遅れて、正面衝突する危険性があります。必ず前を見て走行してください。
<並走禁止(横並び走行)>
横に並んだ並走走行は道路交通法でも規制されています。友人同士でおしゃべりしながら並んで走行するのは楽しいものですが、県道乗鞍岳線は狭小区間が多く、後ろから来た自動車が追い抜くことができません。また、対向する車両との接触の危険性もありますので、絶対に並走しないようお願いたします。
<下山時はスピードを落として、カーブミラーもしっかりと確認>
スピードを乗せたダウンヒルは楽しいものですが、大会などでコース規制がされた状態ではありませんので、すぐに止まれるスピードで走行してください。また、カーブミラーでヘアピンカーブの先の状況もよく確認してください。カーブミラーの確認をすると姿勢が不安定になるという方もいらっしゃるかと思いますが、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。しっかりとカーブミラーが確認できる速度までスピードダウンしてください。
<防衛運転に徹すること>
他の車両との事故の場合、過失の問題が生じますが、いずれにしても、ダメージが大きいのは自転車の方です。必ず防衛運転に徹するようお願いいたします。
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