ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2006/07/08) E
【高山植物】
登山者でにぎわう(肩の小屋前) |
今回の二日間はあまり天候に恵まれたとはいえませんが、それでも7月8日(土)のお昼頃は、2〜3時間ほど晴れ間が見えて、夏山シーズンがやって来たかなぁ〜、と感じさせてくれました。
ハクサンイチゲ(花) |
こちらは先ほども紹介したハクサンイチゲの群生。初夏の時期の、定番中の定番とも言える高山植物です。
カメラに収めて... |
ちょうど、肩の小屋から剣ヶ峰に向かう登山道脇に咲いていますので、ここで足を止めて、カメラに収める登山客もたくさんいらっしゃいます。
コイワカガミ(花) |
ハクサンイチゲのような大きな群生は見られませんが、これまで点々と咲いていたコイワカガミは、今週に入って、50センチ四方くらいのコロニー(集落)を至る所で形成しています。コイワカガミは大雪渓入口付近の県道脇でもコロニーが見られますので、シャトルバスの車窓から、ぜひ、確認してみてください。
こちらは、先週、つぼみの状態をお伝えしたベニバナイチゴ。
ベニバナイチゴ(花) |
先週、申し上げたとおり、今週は、うつむきぎみの真紅の花が一斉に咲いています。ただ、ベニバナイチゴの花は長持ちせず、来週には大半のものが枯れているかと思います。ただ、枯れた後も、すぐに実をつけ、その様子もまた楽しいものです。
イワツメグサ(花) |
7月に入り、少しずつ目立ち始めてきたのがイワツメグサ。北アルプス・中央アルプスなどの高山帯の砂礫地や岩場に自生する多年草。
5枚の花弁が2つに裂けて10枚 |
大抵、イワツメグサを図鑑などで見ると、「花弁(はなびら)は5枚で、根元で2つに裂けているため、10枚に見えます」という解説が載っています。ひょろひょろした雰囲気から、単子葉植物(たんしようしょくぶつ)※のイネ科のように見えますが、花の枚数からしても、双子葉植物(そうしようしょくぶつ)※であることがわかります。
開花している花の周りには、まだ、たくさんのつぼみが見られます。先ほどのベニバナイチゴを含め、他の高山植物が1〜2週間程度で開花の時期を終わらせてしまうのに対し、イワツメグサはこれらのつぼみが順番に開花していきますので、長い間、楽しむことができます。
【用語メモ】
※単子葉植物(たんしようしょくぶつ)と双子葉植物(そうしようしょくぶつ) :
種子から最初に出る葉(子葉)が一枚であるか(単子葉)、二枚(双子葉)であるかの違いをさす。単子葉植物は、大部分が草で樹木になるものは少なく、葉は細長く葉脈が縦に走るのが特徴。そして、花弁や萼(がく)の枚数が3の倍数で、代表的な植物はランやイネがある。
双子葉植物は、子葉が二枚であることと、葉脈が網状であること以外は、その特徴は多岐にわたっている。また、花弁などの花の器官の個数(枚数)は、2または5の倍数を取っている。
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