ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.10(2006/07/15) A
【雪渓下部 T】
ここからはいつものように雪渓の様子をお伝えしますが、今回は二日とも荒天の中での撮影のため、不鮮明な部分が多いことをご了承ください。
雪渓縁から排水溝まで10メートル | 雪渓と大雪渓入口の高低差は約1.7メートル |
先週は、雪渓の縁から排水溝まで5メートルほど離れた状態でしたが、今週は10メートルまで広がっています。また、右の画像の箇所では、先週の段階では、雪渓のと大雪渓入口の地面の高低差は1.3メートルほどでしたが、今週は手前に見える砂利部分の雪解けが進んで、高低差は1.7メートルくらいまで進んでいます。
昨年と比較した雪解けの状況は、先週と同様、3週間ほど遅い雪解けです。
ウラジロナナカマド |
大雪渓入口付近のウラジロナナカマドは、緑の密度が高くなってきました。ウラジロナナカマドは通常、細長い小葉が4〜6組、左右対称に広がって付いていますが、ご覧のように、まだ、きちんとした形態になっていません。葉の外縁が細かなのこぎり様のぎざぎざした形状を持つのが特徴ですが、それもまだ未発達で、一瞬、ウラジロナナカマドではないのかと思ってしまうほどです。
ウラジロナナカマド(つぼみ) |
それでも、少し成長の早いところでは、ご覧のようにつぼみが見え始めました。昨年はこの時期に開花をはじめ、今年は1週間ほど遅れています。
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登山道入口 |
大雪渓入口から、車道を50メートルほど登ったところにある肩の小屋・剣ヶ峰への登山口は、先週の段階では、まだ、雪に覆われ、ほとんど、登山道も見えない状態でしたが、今週は入口付近の雪はすっかりなくなり、入口から30〜40メートル付近まで登山道が姿をあらわし始めました。
雪渓下端は、先週は車道から1.5〜2メートルの間隔がありましたが、、今週は3メートルほどまで離れています。
雪渓と登山道との高低差は1.5メートル | モーグルコーススタート付近の岩まで70メートルほど |
雪渓と登山道との高低差は大きいところで1.5メートルほど。この先モーグルコースのスタート付近にある岩の左側へと登っていきますが、その間は約70メートルほどあります。
アイゼンなどの装備があればなんら問題のないところですが、肩の小屋までの登山道の中でここが一番の難所。今回のような天候の悪い日は雪渓が固く、スニーカーなどではとても登ることはできません。
クレパスの中を歩く |
すこし登ると、クレパスがあり、クレパスの中を横へトラバースして、モーグルコーススタート付近の岩の左側に向かって登っていきます。
取材した7月16日(日)は、雨量規制で乗鞍スカイラインが通行止めの関係から、畳平が閉鎖され、長野側のシャトルバスは肩の小屋口(大雪渓入口)までの折返し運転。したがって、もともと畳平から登る予定の方々が、まだ、雪の残る大雪渓脇の登山道からアプローチされていました。したがって、アイゼンなどの用意はなく、とても登っていける状態ではありません。
こちらのグループも雪渓の上を四苦八苦されていました。よく見るとザックが濡れないように覆った自治体のごみ袋には「石垣市」と書いてあります。
はるばる石垣島から |
少しお話を聞くと、3000メートルを超える山々をすべて登頂するために、今日は乗鞍岳にお越しになり、全国に27ある3000メートル超の山のうちすでに20の山の登頂を終えているとのこと。今回は石垣島から飛行機で東京まで来て、松本まであずさでお越しになったとか...
明日は、隣の御岳を登るとのことでした。自然豊かな石垣では、ノリクラとはまた別の世界が広がっていることだと思います。
雪渓下部のモーグルコース |
それでは、次のページではモーグルコースの様子についてお伝えします。
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