ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2007/06/23〜24) @
【大雪渓】
梅雨の時期は前線の動きひとつで、天候が大きく変化します。今回は6月23日(土)と24日(日)の二日間の取材でしたが、前日の22日(金)は、日本列島の北側にあった梅雨前線が、前線上を低気圧が通過すると同時に日本列島を横たわるようになり、乗鞍スカイラインは雨量規制のため14時から通行止めになるほどでした。そして、その低気圧が通過した後、前線の北側にできた高気圧が梅雨前線を太平洋上まで南下させて、23日(土)は朝から快晴の天候に恵まれました。ただ、この高気圧もそれほど大きなものではなく、24日(日)には再び前線上にできた低気圧が日本列島を通過して、朝から雨に見舞われました。
このように前線の動き一つで大きく変化するこの時期は、梅雨入りだから天気が悪いとは決して言えず、また、今回のように、終日天気がよく、夕焼けもきれいに見えるような状況でも、翌日は朝から雨ということもあります。天気の変化が直前の天気予報を見ないとわからない状況のため、23日(土)はせっかくきれいに晴れ上がったものの訪れる方はまばらでした。
大雪渓エリアの積雪は全体的に先週よりも雪解けのペースが進んできて、稜線付近など上部では昨年より2〜3週間遅い状況、大雪渓入口付近など下部では、昨年と同等かもしくは昨年より1週間遅い状況です。
23日(土)の画像を中心にお伝えいたしますが、一部、24日(日)の画像も織り交ぜて進めて行きます。なお、24日(日)は、三本滝ゲート〜大雪渓駐車場間で天空マラソンが行われました。こちらの様子については、最後のページでご紹介いたします。
【6月23日(土) ほおのき平駐車場】
周囲を覆う濃い霧が抜けるのと同時に朝日が差し込む |
昨日の雨は夜半過ぎにはやんで、周囲を覆っていた濃い霧が抜けるのと同時に、朝日が差し込み始めます。まるで芝居やドラマの場面転換を思わせるような素早い展開です。
閑散とした状態 |
今朝のほおのき平駐車場は、ご覧のように閑散とした状態。梅雨入りして天気を心配される方が多かったのかもしれません。
始発便を待つ方も十名程度。今日お越しになった方は、雨でもとにかくノリクラに行こうと考える方か、天候が好転したチャンスにすぐに行動に出られる方のどちらかのようです。
今日のルートを地図で確認します |
バスが到着するまで、今日のルートを地図で確認します。現地入りするまでの間に、地図を何度も何度も確認しなおしていると、これから向うんだと気持ちが高ぶってくるものです。
7時の始発便が到着し、畳平に向って出発します。
【畳平へ − 晴天の車窓から】
垣間見る谷間に雲海が広がる |
今日は完全な晴天というよりも少し雲のたなびく状態で、乗鞍スカイラインを登っていくと、谷間に雲海が広がる様子を確認することができます。
笠ヶ岳 |
その雲海の中から見える山には先週も紹介した笠ヶ岳があります。乗鞍スカイラインからは比較的近くに見える山で、一度、位置をおぼえてしまったら、確実に判別できる山の一つでしょう。
猫岳 | 一気に視界が広がる |
猫岳付近までやってくると森林限界に近づき、これまで木々の間から遠景の様子を垣間見ていた状態から、一気に視界が開けます。
雲海に浮かぶ白山 |
こちらは白山。先週の 2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.6(2007/06/13〜14) A で、ノリクラから白山までの間の谷間を雲海が覆いつくすことを申し上げましたが、今日はそれに近い状態の雲海を確認することができました。雲海の層がしっかりとしている様子がわかりますが、もっと厚みのあるどっしりとしたものが多い尽くすこともあります。そうなるとノリクラと白山以外には何もない状態になります。
鶴ヶ池大雪渓 − まだ滑走可能 |
畳平手前の鶴ヶ池大雪渓は、まだ滑走可能で、おそらく、次の週末も滑走できそうです。ここ数年の中で、もっとも積雪が多い状態です。今日もショートポールを設置したり、コブのラインを作って、トレーニングに励むスキーヤーがこれから訪れることと思います。
畳平は濃い青空に雲の絵筆が走ります | 大雪渓へ出発 |
シャトルバス終点の畳平はさらに濃い青空に包まれ、その濃い青空に上層の筋状の雲が絵筆をふるいます。今日もこの天気が終日続くことを祈りながら大雪渓に向けて出発です。
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