ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2007/07/28〜29) G

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(Update:2007/08/02)

 

【畳平のお花畑】

先週は全面的にハクサンイチゲが満開になった畳平のお花畑。今週はどのような推移を見せてくれるのでしょうか?

 

入口付近

入口付近のハクサンイチゲは先週と同様、一面咲き乱れています。

 

ハクサンイチゲの花がないところは... ミヤマクロユリやミヤマキンバイが咲いています

よく見ると、ハクサンイチゲは満遍なく咲いているわけではなく、所々、白い花が少なくなっている箇所があります。底にはご覧のようにミヤマクロユリやミヤマキンバイが入り込んでいます。

 

開花を始めています 花茎が伸びて花期も後半へ

ミヤマクロユリは先週あたりから見られましたが、開花を始めているものもちらほらでてきました。そして、ハクサンイチゲはその花茎を延ばし、花期が後半になってきたことがわかります。

 

コイワカガミ − ピンクが少し薄くなってきました

こちらは先週きれいな彩りを見せてくれたコイワカガミ。先週と変わらない姿ですごしています。ただ、先週よりもちょっとピンクに白っぽさが出てきたような感じが見受けられます。

 

そして、クロユリと争うように目立ち始めたのがミヤマキンバイ。直径1〜2センチ程度の小さな花ですが、鮮やかな黄色が点在する様子はかなり目立つものです。

 

ミヤマキンバイ(花)

それでもまだ完全に開花した状態ではありません。キンバイ(金梅)というだけあって、梅の花をそのまま黄色に染めたような姿が見られるのももうすぐです。

周遊コース入口

少し進んで周遊コース入口付近です。この付近ももちろんハクサンイチゲが満開ですが、目線を変えてみるとミヤマクロスゲの穂が目立つようになってきました。

 

ミヤマクロスゲの花(つぼみ)は先週はまだ黒一色でしたが、中の黄色が目立つようになってきました。そして、ミヤマホタルイは先週あたりからつぼみが見え始めています。

 

入口付近ではミヤマキンバイが群生していましたが、周遊コース内ではミヤマキンポウゲが一斉に咲き始めました。ミヤマキンバイと異なり、背丈があるため、ミヤマクロスゲやミヤマホタルイなど背の高い高山植物にまぎれることなく、咲き誇っています。

花の黄色の色合いはミヤマキンバイもミヤマキンポウゲもよく似ていますので、間違いやすいかもしれませんが、背丈だけとっても大きく異なっていますので、判別は難しくないと思います。

 

そしてこれから出番を待っているのはミヤマアキノキリンソウ。前述のミヤマキンバイやミヤマキンポウゲなど黄色の高山植物は何種類かあります。どちらかというと真夏から後半にかけて咲き出す高山植物です。

周遊コースの奥(折り返し地点)

周遊コースの一番奥の折り返し地点付近まで進むと...

 

ミヤマクロユリ(花) 二輪とも両性花

先週、つぼみだったミヤマクロユリはご覧のようにほとんどすべてのものが開花しています。下向きに咲くのが常なので、その中を見ることは難しいのですが、ミヤマクロユリは地下に存在する鱗茎の成長状態によって雄しべしかつけない花やおしべと雌しべの両方をつける両性花があります。右のミヤマクロユリは二輪とも黄色の雄しべとその中心に緑の雌しべがある両性花です。

 

一般的にミヤマクロユリは一から二輪しか花をつけないとされていますが、こちらは三輪の花をつけています。しかしこちらは三輪とも雄花でした。

畳平のお花畑はまだまだ高山植物のシーズンが続きます。この時期を逃さず高山植物の咲いている様子をぜひご自身の目で確認してみてください。

 

 

【昨年の今ごろは?】

date:2006/07/29〜30

29日(土)と30日(日)はまるで季節が違うかのような二日間でした。29日は朝から小雨が降ったりやんだりを繰り返す天候で、日差しがないなか、気温は10℃前後ということもあってバーンはつるはしで整備しないといけないほどの状態。ところが、30日(日)は関東甲信地方の梅雨明けが発表され、それを待っていたかのような晴天と強い日差しに恵まれました。この日を境に本格的な夏がやってきました。

 

 

<編集後記>

8月1日に関東甲信地方でようやく梅雨があけました。この日は北陸・東北も梅雨明けが発表され、梅雨のない北海道を除いて全国的に梅雨明けとなりました。梅雨が明けて8月上旬ごろまでよい天気が続くことが多いことから「梅雨明け十日」という言葉があります。台風5号の動きが気になるところですが次週はしっかりとした夏空がほしいところです。

これからは暑さ対策をしっかり整えて行動することが必要となります。夏は暑くて喉が乾くのは当たり前ですが、特に高い山では注意が必要です。気圧が低くなると空気が乾燥した状態になり、知らず知らずに脱水してきます。また平地よりも気温が低く、からっとしていることから、日差しの強さがさほど気にならないこともありますが、標高が100メートル上がると紫外線は1%増加すると言われています。また、澄んだ空気は紫外線をさえぎることなく、雪渓などの照り返しもありますので、海水浴以上に紫外線に配慮する必要があります。

ノリクラの清涼な夏は思った以上に身体には過酷な条件であるかもしれません。

 

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