ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.24(2008/10/25〜26) E
【初雪を求めて】
突然の降雪に笑顔がほころぶ |
さて、この突然の降雪で喜ぶのは大雪渓に通う常連のスキーヤー。毎週、大雪渓に通い続けて、この日が訪れるのを心待ちにしていました。
大雪渓へ出発 |
気温は0℃。さほど冷え込んでいませんが、雪はまだまだ降り続きます。いち早く大雪渓に向かいたいところ。準備が整い出発です。
登山道へ − 積雪10センチ程度 |
位ヶ原山荘から少し歩くと山頂方面に向かう登山道があります。ここから大雪渓を目指しますが、登山道の入口では10センチ程度の積雪です。
雪で地形がはっきりしません − 慎重に進みます |
登山道はごらんのように完全に雪に埋まっていて地形がはっきり分からない状態。途中の水溜りはご覧のように凍り始め、そんな箇所に足を踏み入れないように慎重に渡って行きます。
登山道なのか沢なのかはっきりしない − リボンや目印を確認しながら |
登山道をさらに進むと積雪量は徐々に増して行き、深いところでは30センチほどまで達します。それでも全体が埋まって地形が分からなくなるほどではなく、登山道のルートは周辺の状況から推測することができます。ただ、登山道なのか沢筋なのか分からない箇所もあり、所々につけられた木の枝のリボンや岩のペンキを確認しながら進んで行きます。
屋根板の上部に登る直前に急坂(崖)があります。ちょうどそのあたりに差し掛かると霧が立ち込めるようになってきます。
ここが崖の部分。画像でははっきりその様子が分かりませんが、雪で結構滑りやすい状態ですので注意が必要です。
崖を登ると平坦な屋根板へ −オオシラビソが大きな樹氷に |
ここを登りきるとほとんど平坦な屋根板に出ます。今回の降雪はやや湿り気を多く含んだもの。大きなダケカンバの脇には着雪して重くなったオオシラビソが横たわるようになり、徐々に冬の状況になってきます。
厳冬期はダケカンバの大木だけの世界になります − 位ヶ原までもう一息 |
この付近はちょうど左の画像にダケカンバの大木とその手前に小さなウラジロナナカマドなどの木々が確認できます。真冬になれば、手前のウラジロナナカマドなどは完全に埋まり、ダケカンバの大木だけが残るようになります。このダケカンバの大木は屋根板から下部に落ちる崖を縁取るように分布し、目印の乏しく視界の悪い冬の時期はひとつの目標物となります。
そして、右の画像のように、ここからさらに上部の宝徳霊神バス停方面に向かって位ヶ原へ登って行きます。ルートとしては、画像の左上の崖に向かって進んで行きます。
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ノリクラ一番の紅葉の絶景 |
濃霧で屋根板全景は確認できません |
今日は濃霧がひどく、屋根板全景を確認することができませんが、秋になると紅葉の絶景ポイントとして知られているところです。比較のため、今年の紅葉シーズンの頃の同じポイントの画像を掲載いたします。この2枚の画像が同じ10月のものとはとても想像できないところです。
請野利さんに手を合わせる |
ノリクラはかつて修験者たちが修行の場として入山し、滝などミソギのできるところは霊場として石仏などが建立されています。この崖には請野利(こうのり)さんが祭られています。今日のスキーが無事にできるよう、手を合わせます。
一瞬の晴れ間に位ヶ原に全面霧氷が広がる |
少しばかり霧が晴れてきて、本来ならここから剣ヶ峰が真正面に見えるはずです。それでもほんの一瞬晴れ間が差し込んだ位ヶ原方面は全面霧氷の世界が広がっています。
宝徳霊神バス停に到着 | 避難小屋工事、責任者の方 降雪で工事がストップ − 頭を抱えます |
登山道をさらに登ると宝徳霊神バス停に到着。ちょうどその頃、車でやってこられる方に出会います。大雪渓の避難小屋の工事を担当する責任者の方。状況を確認するためお越しになりましたが、この雪で工事が完全にストップ。今週中に完成しなければならないのに頭を抱えています。
県道乗鞍岳線は例年10月20日以降は通行できないことが多く、岐阜県側の乗鞍スカイラインに至っては、10月31日を待たずに冬季閉鎖としてしまうこともあります。
宝徳霊神 | 大雪渓に到着 |
宝徳霊神の登山道を再び登れば大雪渓までもう目と鼻の先です。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンにしてください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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