ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.16(2013/08/24〜25) D

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(Update:2013/08/29)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上段全景 − 濃霧、中央の尾根がかろうじて確認できる

雪渓上部の様子をお伝えしますが、ご覧のようにかなりの濃霧がひどく、全体像が把握できない状況です。かろうじて中央の尾根部分が何とか確認できます。

 

昨年の雪渓上段全景
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) D
先週の雪渓上段全景
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2013/08/14〜17) D
=中央の尾根の雪解けから、昨年より2週間遅い状況=

左が昨年同時期のもの、右が先週の状況です。昨年は中央の尾根部分の雪解けが進んで、雪渓上部が左右に完全に分断されました。先ほどの今週の画像と先週と比較すると、尾根部分の雪解けが進むものの、雪渓の下端部分はそれほど大きな違いはないようです。

中央の尾根部分の雪解け状況を見ると、昨年よりも2週間以上雪解けが遅い状況と考えられます。

 

昨年の雪渓上段全景
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) D
先週の雪渓上段全景
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2013/08/14〜17) D
今週の雪渓上部右側
昨年よりも3週間遅い雪解け

先ほども申し上げましたが、雪渓上部は中央部分で上部から尾根が延びてきて、バーンは左右に分離してくるようになります。こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。先週に引き続き、今週も3週間遅い雪解けとなり、2008年以降ではもっとも多い積雪量が続いています。

 

昨年の鉄塔土台
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) D
先週の鉄塔土台
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2013/08/14〜17) D
今週の鉄塔土台
土台〜雪渓間約20メートル、昨年より3週間遅い雪解け

雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。土台と雪渓との距離は約20メートルで昨年の半分以下で、昨年より3週間遅い雪解けです。

 

雪渓上部右側上端−昨年よりやや遅い雪解け

こちらは雪渓上部右側上端。先週までは昨年よりもやや早い雪解け状況を示していましたが、今週はあまり雪解けが進んでいないようで、昨年よりやや遅い雪解け状況となっています。

 

上端から−雪渓下端まで推定250メートル
過去5年間で最長

ご覧の濃霧のため、上端から下端までの雪渓の長さは測定不能ですが、上端部分が20メートルほど下がり、下端部分が15メートルほど上昇していますので、250メートルほどであると推定されます。昨年は207メートル、2011年は185メートル、2010年は207メートル、2009年は170メートル、2008年は193メートルで、先週までと同じく、過去5年で最も長い状態が続いていると考えられます。

 

【雪渓上部 U、雨の中でもトレーニング】

ポールレッスン

雪渓上部右側は、ポールレッスンなどに適したバーン構成で、今日もご覧のようにポールが立ち並んでいます。濃霧のためバーン全体の大きさを把握できませんでしたが、3〜4レーン程度の旗門を設置することは十分可能な状態です。

 

雨が収まるが、そろそろ体力限界

朝から滑り続けるこちらのグループ。お昼近くになってようやく雨が収まってきましたが、そろそろ体力は限界のご様子...

 

気温10℃、足元から冷えてくる

どうやら、元気なのはコーチ陣だけ...しかし、気温は10℃しかなく、日差しはもちろんありませんから、体感的にはやや寒さを感じる状況で、足元から冷え込んできます。もう完全に夏の雰囲気は全く感じられません。

 

バーン上にセミ(エゾゼミ) − 大雪渓付近に生息している

そこで見つけたのはエゾゼミ。先週までは比較的気温の高い日が続きましたので、雪渓にもたくさん発生した模様です。山麓から飛んでくるのではなく、大雪渓周辺で生息しているようで、日差しが強くて比較的暑い日は、弱くジージーと鳴き響きます。

 

縦に白い帯 − 23日(金)の大雨で表面が洗い流される

バーン上にはご覧のように、縦に帯状に真っ白になった箇所があります。23日(金)に降った大雨がバーン上を流れた様子です。梅雨の時期であれば、しとしとと長く降り続くため、雨水の流れに沿って雪解けの溝ができますが、短時間の大雨でしたから、雨水が一気にバーン表面を流れて、表面の汚れた部分を広範囲に洗い流した模様です。

 

雪渓上部右側 − この後2〜3週間滑走できる見込み

例年であれば、そろそろ滑走できなくなる雪渓上部右側ですが、今年はこの後2〜3週間程度は滑走できるのではないかと考えられます。

 

ボードのグループ

ポール練習されているスキーヤーのすぐ隣では、ボードのグループがやってきています。

 

ショートポールを何度も滑ってコブを作る

こちらもショートポールを使っての練習です。しかし、本当の目的はポール練習ではなく、同じラインを滑り込んでコブを成長させようという狙い...半日かかってようやくコブらしい形状になって来ました。

当初のスケジュールでは、昨日の24日(土)と本日の25日(日)の二日間の予定で、二日目の今日は朝からコブの練習に打ち込めるはずでした。

 

昨日は一日棒に振ってしまった... 朝から晩までアルコール漬け

では、昨日は何をしていたのかお聞きすると、朝から晩まで「アルコール漬け」をされていたとのこと...普段はなかなかできない乗鞍高原周辺の観光に出かけるという発想はなかったようで、「飲む or 滑る」の二択だけしか選択肢がなかったことはちょっと残念...

 

突然サンバを踊りだす これがボードでコブを滑るときの動作

雪の上で体をひねってステップを踏み出し、まるでサンバでも踊りだすのかと思いきや、これがボードでコブを滑るときの動作だとのこと...昨日はみんなでコレを日中からやっていたとのことですら、周囲の人たちからは白い目で見られて、酔っ払いの泥酔集団と勘違いされたことでしょう(笑)

 

午後になってようやくコブ完成 − 夕方まで滑り続ける

コブが午後になってようやく完成したこともあって、この日は一番最後まで大雪渓ですべり続けました。まだまだ、ノリクラ通いの日々が続きそうです。

 

【雪渓上部 V】

雪渓上部左側 − 上級者のみ

さて、今回から雪渓上部左側の情報もお伝えします。
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

 

モーグルコース − 場所によってはほとんどコブがなくなる

雪渓上部左側も濃霧で全体像が全く確認できない状況でした。こちらはモーグルコース。雪解けによりかなりコブが浅くなっています。場所によってはほとんどコブの形状が判別できないほどフラットになっています。

 

こちらは上端部分。

 

昨年の雪渓上端
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) E
先週の上端部分
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2013/08/14〜17) D
今週の上端部分
昨年並みの雪解け状況

先週からの雪解けは高さで1メートルほどです。先週は昨年よりも1週間ほど早い雪解け状況が見られましたが、今週はほぼ昨年並みのとなっています。

 

上端から−下端部分まで推定140メートル、過去最高の長さ

雪渓上部左側下端までの距離は濃霧のため計測不能です。下端部分は先週よりも20メートルほど上昇していますので、140メートル程度かと推定されます。

昨年は127メートル。2011年は135メートル、2010年は117メートル、2009年は110メートル、2008年は134メートル、2007年は138メートルでしたので、おそらく、先週同様に過去最長が続いているはずです。

 

【昨年の今ごろは?】

2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25)

お盆休みが終わり、8月最後の週末は毎年恒例の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催されます(※)。

今年で27回を迎えるこの大会は、国内のヒルクライム(自転車で急坂を登る競技)の草分け的な位置づけであり、この大会に出場される選手の中には、ここに照準を合わせてトレーニングを継続してこられた方もいらっしゃり、また、地元の乗鞍高原の方々にとっても、この大会が終わると、ノリクラの夏も終わるといった、一年の大きな節目であることも間違いありません。今回は大会開催のため、一日前倒しで取材を行いました。

取材一日目の8月24日(金)は、朝から気持ちの良い快晴の天候を迎えます。観光センター前駐車場は前述の大会会場となるため、半分程度がすでに規制がされています。今日は平日ということもあり、朝6時の時点でお越しになっているマイカーは38台と少なめですから、駐車規制がなされていても問題となるようなことはありません。強い日差しに徐々に雲が沸き始め、夏山の天候が始まります。それでも空の高さは幾分秋の雰囲気を感じさせるものがあります。大雪渓に到着するとひんやりとした涼しい風に吹かれて心地よさはこれ以上なく、雪渓脇で昼寝をするスキーヤーの方も、あまりの心地よさに熟睡されていました。午後になると鉛色の雲が立ち込め始め、大雪渓付近も時折濃霧に流れ込むようになってきます。そして、15時過ぎには雷鳴が聞こえ始めたかと思うと、16時前から激しい雷雨に見舞われます。まさに夏山の天候のメインディッシュがやってきた状況です。天候が不安定だったお盆よりもさらに激しい降り方です。しかし、雷雨が収まると再びきれいな青空が広がり、そこには虹のアーチが見事にかかっています。大会に出場する選手が最後のトレーニングにやってきたものの、思わず足を止めて、盛んにシャッターを切る様子もあるほどきれいな虹で、明日からの週末の天候を保障してくれるような雰囲気すら感じさせてくれました。

取材二日目の8月25日(土)も、朝から快晴の天候で始まります。観光センター前駐車場は、大会会場の準備が進んでいて、一般車両の進入が禁止されていることから、シャトルバスは車道沿いの路線バスの停留所から発着します。強い日差しに7時過ぎには雲が沸き始めますがそれも次第になくなり、秋のようなきれいな青空に包まれます。また、日差しの強さは相変わらずで、大雪渓付近でも20℃に迫るほどの暑い状況でした。
午後からは大会会場である観光センター前駐車場に向かいました。こちらもとにかく暑い!14時ごろになってようやく日差しを遮る雲が出てきたもののそれも一時的で、久しぶりに夏らしい一日となりました。

(※2012年までは8月最終日曜日開催でしたが、2013年から9月第一日曜日開催に変更されました。)

 

<編集後記>

「秋の声...」

連日のように喧騒の続いたお盆が終ると、少しだけトーンダウンした雰囲気となってきます。最近の乗鞍高原は日中の暑さから開放され、夏の雰囲気が本当に消え去ろうとしています。お盆の頃までは、耳を塞ぎたくなるようなジリジリと鳴く虫の音に額の脂汗が倍増させられましたが、それが鈴虫たちの合唱に変わった途端、耳を傾けて聞き入るようになり、同じ虫でもこんなに違いがあるものだと、改めて思うのです。

8月もあとわずかです。特に今回の週末あたりからは空気が入れ替わって、秋らしい雰囲気となってきました。今年の乗鞍高原は暑い状態が続きましたが、やはり今年も一気に夏が過ぎ去ってしまいました。今年の夏ほど季節の移り変わりをはっきり感じることはなかったように思います。

紅葉シーズンまで1ヶ月足らずとなり、これからは変化の激しい季節が始まります。そして、グリーンシーズンも2ヶ月足らずです。初雪・初冠雪が訪れるグリーンシーズンの最後まで、季節の移り変わりを見届けたいと思います。

 

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