ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2015/05/09〜10) A

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(Update:2015/05/14)

  

【春山バスの車窓、 位ヶ原山荘へ出発】

それでは、位ヶ原山荘に向かう春山バスの車窓をご覧ください。

 

雪の壁 − 雪解けとともに小さくなるので できる限りお早目に

雪解けの早い今年は、道路周辺の積雪もあという間になくなっています。「雪の壁の見頃は何時ごろでしょうか?」というお声がありますが、花の開花などとは異なり、雪壁の見頃は運行開始直後であることは間違いありません。それは雪解けとともに壁の高さがどんどん低くなるからです。

5月下旬〜6月上旬には、乗鞍岳春山バスは位ヶ原山荘から3.5km先の大雪渓まで延長されます。そうなると、さらに高い雪の壁が車窓いっぱいに広がるはずですから、延長運行開始直後には必ずお越し頂くとよいかと思います。

 

現在の見頃地点は冷泉小屋〜位ヶ原山荘間

また、雪の壁のビューポイントは、終点間際の冷泉小屋から位ヶ原山荘まで間で、バスの背丈程度の雪の壁が見られます。つまり、雪の壁の見頃は、@時期が早いほど、A終点に近いほど、ポイントが高いというわけです。

 

雪解けとともに壁が崩落

雪解けとともに問題なのが雪の壁の崩落。雪解けが進むとどうしても起こりうる現象ですが、崩れ落ちる段階では雪の壁が薄くなっていますので、バスが押しつぶされたり、道が完全に塞がるようなことはありません。また、バスのトランクには必ずスコップが常備され、万一に備えています。

 

位ヶ原山荘に到着

そして、8時過ぎ、標高2350メートルの位ヶ原山荘に到着です。三本滝との標高差は550メートル、距離は約8kmです。

 

霙交じりの雪 − 急いでレインウェア着用

春山バスが到着した時点の気温は3℃、霙交じりの雪が降り続いています。急いでレインウェアを着用する様子も...

 

春山入山計画書の記入 − 山荘の傍らで

到着後、必ず行わなければならないのが春山入山計画書の提出ですが、テーブルが濡れてしまっていますから、春山入山計画書の記入も一苦労...ちょっとした隙間を利用して書き込んでいます。

 

入山口

そして、山荘から100メートルほど先にある入山口に向かい、ここでアイゼンなどの登攀用具の装着を行います。

 

アイゼンはしっかり踏みつけてから締め付ける(画像右)

足を浮かせた状態でアイゼンを装着すると、靴とアイゼンの間に隙間が生じて、歩き始めて緩んだり外れることがあります。そのため、右の画像のようにアイゼンをしっかりと踏みつけて、靴とアイゼンが密着した状態を確認してから締め付けることををお勧めします。

 

春は急に濃霧が立ち込める危険があります

地元では有名なこちらのガイドさんも、「春は急に濃霧が立ち込めて危険な状態になりうるので、今日は位ヶ原に出たら山頂方面には行かず、そのままツアーコースへ滑り込もうと考えています。」とのこと。冬場でも吹雪で視界不良で入山不能な場合がありますが、春山は急速に天候が変わること多く、現時点では天候に問題がなくとも、いきなりの濃霧に見舞われて行動不能に陥ってしまうことがあります。

 

連休終了後、除雪が再開 − ツアーコース出口付近まで進んでいます

さて、ゴールデンウィークが終わった翌日から、県道乗鞍岳線の除雪が再開されました。現在はここから約1.5km先のツアーコース出口(位ヶ原急斜面)付近まで到達しています。順調に除雪が進めば、5月下旬頃には大雪渓まで到達し、春山バスも大雪渓まで延長運行されるようになります。除雪の模様は4ページ目でもご紹介しております。

 

視界良好でも山頂は濃霧 − 霧が降りてくると危険

視界は良好なんですが、富士見岳と大黒岳の山頂部分だけは、濃霧に包まれています。夏は山麓から湧き上がる霧で視界不良となることが多いのですが、冬や春は山麓から降りる雲や霧で視界が妨げられることのほうが多いように感じています。

 

次第に吹雪へ − うっすらと雪化粧

位ヶ原山荘ではみぞれ交じりだった状態が、屋根板付近から完全な雪に変わり、バーンはうっすらと雪化粧が施されて行きます。この後も、季節外れの雪はどんどん降り積もっていきます。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
先週の大雪渓入口
(2015/05/02)
今週の大雪渓入口
先週より50センチ減少
昨年より60センチ少ない(5月下旬並み)

こちらは大雪渓入口付近の様子。左上が昨年、右上先週の様子で、下が今週の画像。先週よりも50センチ少なく、昨年より60センチ少ない状態で、昨年の5月下旬とほぼ同じ状態になっています。

 

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

三本滝レストハウスでお会いした登山部の学生さん

さて、大雪渓に向かってくるこちらのグループ。今朝、三本滝レストハウスでお会いした登山部の学生さんですね。ツアーコースを登ってきて、山頂に向かう前に大雪渓前で一休み。ここまでのコースタイムは約3時間。体力によってコースタイムはかなり違いがありますが、まずまずのタイムではないでしょうか?

 

女子は二人でぴーちくぱーちく 男子は黙々と行動食を

女子は疲れも見せずに二人でぴーちくぱーちくとそれは賑やか...それとは逆に男子は黙々と行動食をほおばり、ちょっと女子に圧倒されている模様...そのギャップ感がなぜか学生さんらしいと感じてしまいました。

 

山頂目指して再び出発 − 濃霧には注意!

気温は0℃で、絶えず風が吹き抜ける状態。少し休憩しているだけで体が冷え込んできます。「今日は朝から『温泉入りたい!』とばかり考えているんですよ。」とのこと。楽しい山行が続きますが、森林限界を超えた位ヶ原より上部では、これからの時期は濃霧に注意が必要です。山頂にかかっている濃霧が降りてきたら、すぐに森林限界よりも下山するようにしてください。目印が乏しい森林限界では視界不良時は行動不能になります。

 

【肩の小屋】

昨年の肩の小屋周辺
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
今週の肩の小屋周辺

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋東側
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
今週の肩の小屋東側
昨年より3メートル以上少ない − 6月中旬並み

この付近も他のエリアと同様に積雪量が少なく、小屋の東側では昨年よりも3メートル以上少ない状況で、昨年の6月中旬頃と同じ状況です。

 

昨年の肩の小屋西側
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.1(2014/05/10) A
今週の肩の小屋西側
昨年より1.5メートル程度少ない − 6月中旬並み

また、西側でも昨年より1.5メートル程度積雪量が少ない状況で、昨年の6月中旬頃と同じ状況です。

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