ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2008/08/02〜03) @

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(Update:2008/08/07)

 

【大雪渓】

夏本番の8月がやってきました。これからお盆にかけて一番賑わいを迎えるシーズンとなります。今回は全く雨に見舞われることのない二日間を送ることができました。

2日(土)は若干雲がかかるものの青空の朝から始まります。ご来光バスは2台が運行されて、今日も順調にスタートを切るかと思いましたが、早朝に落石があり、県道乗鞍岳線は8時まで通行止め。そのため始発の6時便と7時便は運休となり、運行再開は8時15分からとなりました。次週からお盆休みを控えていらっしゃる方も多く、今回は若干人出が少なかったこともあって、運休に伴う混雑はほとんどなく、午後から曇り空が広がるものの、それ以上の悪化はなく、まずまずの一日でした。

そして、3日(日)もほぼ晴天の一日で、昨日よりもややひんやりとした空気に包まれ、空はまるで秋を思わせるような高い透明感が広がります。また、今回も多くのヒルクライマーが県道乗鞍岳線を登って行く姿を見かけることができ、その中にはマウンテンサイクリングin乗鞍の開催まで1ヶ月を切ったこともあって、トレーニングに励む選手の姿もありました。したがって数分おきに大雪渓前を通過してゆくほどの状態で、今日はシャトルバスやタクシーの往来以上に自転車の方が多かったように感じます。

畳平のお花畑ハクサンイチゲはややピークを過ぎましたが、それでもお花畑全面で咲き誇り、観光バスでお越しになったツアー客の方を中心に遊歩道はすれ違うのも困難なほどの人出がありました。

大雪渓の積雪状態は雪渓下部から上部の全てのエリアで、一部を除いてほぼ昨年と同じ推移を見せています。

それでは二日間の様子をお伝えいたします。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月2日(土)、観光センター】     【大雪渓に到着】
Page-2 : 【雪渓下部 T】      【雪渓下部 U − 登山道】
Page-3 : 【雪渓下部 V − モーグルコース】     【雪渓下部 W】
Page-4 : 【雪渓中段】     【高山植物】
Page-5 : 【雪渓上部 T】     【雪渓上部U − 基礎レッスン】
Page-6 : 【雪渓上部 V − モーグルコース】
Page-7 : 【8月3日(日)、秋のような空】     【マウンテンサイクリングに向けて】
Page-8 : 【畳平 − お花畑】      【昨年の今ごろは?】      <編集後記>

  

 

【8月2日(土)、観光センター】

早朝6時の観光センター前駐車場。この時点で50台ほどの車がお越しになっています。ご覧のようにまだまだ空きスペースの多い状態で、静かな朝を迎えます。

 

ご来光バスが下山

6時を少し過ぎた頃になると夜明け前に出発したご来光バスが戻ってきます。今日はきれいな日の出を拝むことができたようです。

 

落石通行止め − シャトルバスは運休

ご来光バスは通常通り運行されたものの、落石のため県道乗鞍岳線は通行止めとなり、始発の6時便のシャトルバスは運休となります。乗車券販売所では訪れる乗客に事情説明の対応に追われます。

シャトルバスの往復券には有効期限はありませんので、もし当日利用されなくても次回使用することは可能です。そのため、払い戻しには手数料がかかるようですのでご注意ください。また、岐阜県側のシャトルバス往復券には7日の有効期限が設けられています。

 

パンフレットを眺めながら今日の予定を組みなおす

落石は県道乗鞍岳線終点の県境から1kmほど手前の2号カーブ付近で発生し、大きさは1メートル四方ほどあって、とても人力では撤去することはできません。発生した時刻は朝のパトロールからご来光バスが向かった3時から4時の間だったため、車や人の往来もなく被害はありませんでした。通行止め区間は三本滝ゲートより上部で、しばらくは開通のめどが立ちません。そのため、訪れた観光客の方々は乗鞍高原周辺の地図を確認しながら今日のスケジュールを考える様子が観光センターのあちこちで繰り広げられます。

 

開通待ちの空き時間でノリクラをスケッチブックに

きれいに晴れ上がった青空にやきもきする登山者の方々もいらっしゃるかと思いますが、こちらの方はそんなひと時にくっきりと浮かぶノリクラの稜線をスケッチブックにしたためます。「年齢を重ねると、山に登るだけでなく、見たものを絵として残しておきたいという気持ちにさせられますよ。」と教えてくださいます。

 

バス停には運行開始を待ちわびる方々が徐々に増え始めます。

 

乗客への説明 − 平湯周りで乗鞍スカイラインを経由して...

平湯温泉・ほおのき平から発車する乗鞍スカイラインのシャトルバスは通常運行されており、バス会社の方は平湯温泉のパンフレットを片手に説明をされます。乗鞍高原から前川渡より国道158号線に出て、沢渡・中の湯を通過後、有料道路の平湯トンネルを利用すれば、平湯温泉まで30〜40分程度で向かうことができます。

朝一番の天候を無駄にしたくないという気持ちは登山者なら誰も同じで、そちらに車をまわす方もいらっしゃいました。

 

タクシー乗り場 畳平へ向かうため急遽平湯温泉へ

マイカーでお越しになっていない方もタクシーで平湯温泉に向かうことができます。料金や所要時間などを運転手から説明を受けて座席に乗り込みます。特に公共機関で乗鞍高原にお越しになっている方の中には、シャトルバスを利用して畳平から乗鞍スカイラインを降りて、今晩の宿が平湯温泉や高山という場合があり、緊急時には山麓の路線バスやタクシーを利用するということも視野に入れる必要があります。

 

一通りの事情説明が終わるとバス停にお越しになる方はほとんどいなくなり、開通を待つ方々は観光センターのテラスやマイカーの中で待ち続けます。7時をまわると徐々に日差しは強くなり、冷涼な乗鞍高原ではマイカーの車内は結構な温度になってきます。そんな状況でセミが鳴き始めると余計に暑さを感じさせるもの...

今日はヒルクライムと山頂登山へ

さて、シャトルバスの運行状況とは無縁の方々もいらっしゃいます。今日はこれから山頂まで登り、その後、奥飛騨まで出向くというこちらの方々。今回はノリクラ2回目で、前回の時は畳平から目と鼻の先にある魔王岳の登山でしたので、今回はどうしても剣ヶ峰に登りたいとのこと。

 

久しぶりのヒルクライム −ローラー台で万全の体制で臨む

「久しぶりのヒルクライムなので...」と、ローラー台でウォームアップをして万全の体制で今日のヒルクライムを挑戦されるかたもいらっしゃいます。

シャトルバスは8時15分から運行再開

そして、重機による落石撤去作業が終わり、三本滝ゲートから上部は8時から通行再開されて、シャトルバスは8時15分より運行がおこなわれました。

 

それでは大雪渓に向けて出発です。

 

【大雪渓に到着】

大雪渓(肩の小屋口バス停)

8時15分が始発便となったシャトルバスは2台。大雪渓に到着した9時には朝にひんやりした空気は日差しの強さに徐々にかき消されようとしています。

 

メインのバーンは雪渓上部へ

積雪状況についてはいつものように後述いたしますが、メインのバーンは雪渓上部に移り始め、今日もレーシングキャンプなどを中心に雪渓上部に向かうスキーヤーがスキーヤー専用道に黙々と向かって行きます。

 

モーグルコースも雪渓上部がメインに − 遥か彼方の滑走エリアを眺めながら

それまで車道沿いの雪渓下部のモーグルコースを中心にトレーニングしていたモーグラーの方々も、雪解けとともに一気に広がり始めた岩の状況を見て、メインバーンとなりつつある雪渓上部を遥か彼方を望むようなまなざしで眺め、「(雪渓上部は)遠いなぁ〜」という声が漏れてきます。

 

青空には薄い雲のベールがきれいに広がるようになってきます。

 

今日はボーイスカウトでみんなで剣ヶ峰登山。

 

どうしてお菓子の袋はパンパンなんでしょうか? 登山開始!

引率の方が取り出したのは麓からもってきたお菓子の袋。もうすでにパンパンな状態。その理由を説明しながら山頂まで持ってゆきます。始まったばかりの夏休みの一番の思い出になるかもしれませんね。 Next

 

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