ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.23(2011/10/15〜16) E

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(Update:2011/10/20)

 

【紅葉情報−乗鞍高原、一の瀬園地 T】
★ピークを迎えました★

観光センター付近

標高1500mの乗鞍高原一帯は、先週あたりから見頃を迎え、今週はピークの状況になってきました。

 

鈴蘭小屋前 − 鈴蘭バス停

シャトルバスの停留所にもなっている鈴蘭バス停。観光センターから目と鼻の先にありますが、大きなカエデの木の下にひっそりと隠れるように存在するため、バス停があることすら気づかない方も多いかと思います。ちょうど、鈴蘭小屋前の正面にありますが、この時期は、バス停の存在に気がつかなくとも、真紅に染まるカエデを目印に探せばすぐにわかるでしょう。

この付近が乗鞍高原と呼ばれるようになったのは、歴史の尺度から考えれば最近のこと。それまでは鈴蘭が咲き乱れることから、この一帯はその当時から鈴蘭と呼ばれ、かつては大野川や中平といった乗鞍高原の麓の村から、そばなどの耕作のために夏場だけしか人が訪れることのなかった地域で、出作り小屋といった作業小屋しかありませんでした。その後、大正の終りに作られた鈴蘭小屋が最初の山小屋...乗鞍高原の歴史はそんなところから出発しているのです。

 

善五郎の滝 駐車場

こちらは善五郎の滝 駐車場付近から望む乗鞍の峰峰。ご覧のように中腹から山頂方面の紅葉が完全に終わっていることがわかります。

 

善五郎の滝 駐車場付近は、ほぼ、ピークの色合いです。

 

善五郎の滝 遊歩道 − ミズナラの紅葉が見頃

善五郎の滝に向かう遊歩道は、ミズナラの紅葉が見頃を迎えています。昨年は、紅葉よりも緑葉のほうが多い状況でしたので、昨年よりも早い推移を見せています。

 

黄金色の木漏れ日のシャワーがあふれて

遊歩道一帯は、黄金色の木漏れ日のシャワーがあふれています。また、落ち葉の絨毯も見られるようになってきて、今後は、紅葉のピークが過ぎて行きますが、落ち葉を踏みしめる足裏の感覚も、なかなか楽しい散策を醸し出してくれます。

 

乗鞍高原一帯はどこをとっても錦に彩られています。

 

先週の善五郎の滝 駐車場付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) E
今週の善五郎の滝 駐車場付近
 

先週と比べると、シラカバの落葉が目立ちます。また、ミズナラは今週が一番の色合いとなっています。

 

鈴蘭橋

善五郎の滝駐車場からさらに1kmほど進んだところにある鈴蘭橋。今日も多くの方が足を止める様子が続きます。

 

鈴蘭橋 − ほぼピークの色合い

もう少し色合いが進むかと考えられますが、ほぼピークの色合いといってよいでしょう。ここに山頂付近に冠雪が見られれば三段紅葉ですが、すべてのタイミングが揃うことは、なかなかないでしょう。

<参考 − 過去三年間の同時期の状況>
●2010年 − 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2010/10/16〜17) E【紅葉情報 − 乗鞍高原】★色づき始めました(昨年より一週間遅い)★
●2009年 − 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2009/10/17〜18) F【紅葉情報 − 乗鞍高原】★見頃です(昨年よりやや遅い)★
●2008年 − 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2008/10/18〜19) A【紅葉情報−乗鞍高原】★見頃です(昨年より1週間早い)★

 

【紅葉情報−乗鞍高原、一の瀬園地 U】
★ピークを迎えました★

一の瀬園地

 そして、こちらは観光センターから白樺峠に向かう上高地乗鞍スーパー林道A線を1.5kmほど進んだところの一の瀬園地。

 

シラカバの落葉が進み、後方のミズナラが色づく

シラカバの落葉が進み、後方のミズナラの丘陵地帯がきれいに色づいている様子が見られます。この丘陵地帯は善五郎の滝や夜鳴峠付近で、先ほど善五郎の滝 駐車場付近で紹介したミズナラの紅葉です。

 

紅葉がピークを迎えたこともあって、今日もたくさんの方が一の瀬周辺にお越しになっています。

 

一の瀬エリア 大カエデ

一の瀬エリアの南寄りにある大カエデ。場所がよくわからないという方もいらっしゃるようですが、 「ノリクラガイドマップ 紅葉 下部エリア版 (三本滝〜乗鞍高原・一の瀬エリア)」で、地図上に位置が表示してありますのでご確認ください。

 

先週の一の瀬 大カエデ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2011/10/08〜09) E
今週の一の瀬 大カエデ
色合いが艶やかに

先週の一の瀬 大カエデと比較すると、色合いが艶やかになっている様子が明確にわかります。昨年よりも一週間ほど早い推移です。

 

周囲をカメラマンが陣取る

そして、大カエデの周辺には絶えずカメラマンが陣取っている様子が続きます。

 

ほぼピークの状態

色合い的には、申し分ない状態に達したと考えてよいでしょう。また、頭頂部より落葉が始まりましたので、現時点がほぼピークといえます。先ほども申し上げましたが、昨年よりも一週間ほど早い状態です。

<参考 − 過去三年間の同時期の状況>
●2010年 − 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2010/10/16〜17) E【紅葉情報 − 乗鞍高原】★色づき始めました(昨年より一週間遅い)★
●2009年 − 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2009/10/17〜18) F【紅葉情報 − 乗鞍高原】★見頃です(昨年よりやや遅い)★
●2008年 − 2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2008/10/18〜19) A【紅葉情報−乗鞍高原】★見頃です(昨年より1週間早い)★

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.23(2010/10/16〜17)

10月16日(土)は朝から綺麗な青空が広がります。このところ高めの気温が推移して、全く寒さを感じさせませんでしたが、今日は少しばかり冷え込みを感じさせました。ただ、これでも例年よりは暖かな状況で、本当に季節が移り変わって行くのかと心配してしまうものですが、空の青さはしっかりと秋を思わせてくれるもの。特に雲の様子はこの時期ならではの美しさがあります。

10月17日(日)は昨日よりも寒い朝を迎えています。夜明けと同時に青空が広がり始めますが、しっかりとした青空がではなく、次第に曇り空へとなり、終日にわたって低めの気温が続き、ようやく晩秋らしい気候となってきました。

先週まで何とか紅葉の見頃を保っていた大雪渓・位ヶ原の上部エリアは、葉をつけているものを見つけるほうが大変なほどで、完全に紅葉は終了しています。また、中腹エリアの冷泉小屋から摩利支天でも、ほぼ、落葉が終わり、全山に渡って紅葉が終了したといっても良い状態です。また、山麓の乗鞍高原の紅葉がようやく始まったところですので、今週は紅葉の見頃といえるエリアがなく、紅葉の端境期となっています。

 

<編集後記>

乗鞍高原周辺は、雨の時に訪れる観光スポットが乏しい...

大雪渓・位ヶ原などの上部エリアは、標高が2500mの山岳地帯ですから、ここに雨の日に対応した観光スポットを設ける必要性はなく、自然そのもののよさをアピールして行ければよいと考えます。しかし、山麓の乗鞍高原を訪れる方の中には、一般の観光客も多いため、雨の日にあえて散策される方は少なく、また、晴れていれば山頂方面に向かう予定の登山者が、雨のため山麓の乗鞍高原でゆっくりしようと、計画を変更することもしばしば見受けられます。

しかし、乗鞍高原には、雨の日にも対応できるような観光スポットがほとんどありません。
乗鞍一帯は、四季を通して自然を楽しむことのできるエリアで、通年にわたってノリクラに通い続ける方もいらっしゃいますが、特定のシーズンを中心に通っていらっしゃる方が多いようです。

一例として挙げるならば、冬のスキーシーズンを中心にお越しになるスキーヤー・ボーダー。春から夏にかけてやってくる夏スキーヤー・バックカントリースキーヤー。また、夏山シーズンの登山者やヒルクライマーなどがあげられます。この例だけを見ても、それぞれのニーズがかなり異なって、実際にお越しになる方は、もっと多様なニーズを持っていると思います。

四季ぞれぞれで訪れる方のニーズが異なれば、天候によってもニーズが異なることへも容易に想像できます。観光地として多様なニーズを捉えて、それに対応する仕掛けが作って行かなければ、いくら魅力ある地域であっても、来場者の流出を招く恐れがあります。

「雨の時の訪れる観光スポットが乏しい」という一面を取り上げただけでも、あるがままを守り続ける自然保全を重視する側面と、活性化して行くための取り組みの両者が必要であると感じられます。

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

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